感謝の気持ちを表す5つの方法
Reading Time: < 1 minute感謝は心を最も豊にする行為のひとつです。心を癒し、気を高め、喜びと幸せを引き上げてくれます。他の誰かや物事に感謝を示すことは、瞑想にも、優しさやつながりを感じる練習にもなるので、日々の習慣としておすすめです。
「ありがとう」「本当に感謝しています」といった言葉を聞くのは皆、大好きです。 相手が愛する人であれ、友人、同僚、あるいは見知らぬ人であれ、ドアを開けて待ってあげるような、ちょっとした自分の行いに感謝の気持ちを表現してもらえたときの温かみは、誰もが知っている通りです。
ある辞書によると「感謝」とは、「ありがたいと思うこと」「親切に対してありがたいという気持ちを行動や感情表現で示すこと」と解説されています。感謝することはなぜ重要なのでしょうか。また、どのように感謝を表現すればよいのか、考えてみたことはありますか。
感謝の気持ちを経験することで、身体的、心理的、社会的にメリットが得られることは、フォーブス誌で報じられた2012年の研究(Personality and Individual Differences)で示されています。1
感謝をされた人の脳内では、ドーパミンとセロトニンの産生が誘発されます。いずれも、気分を高揚させ、ストレス管理を助け、不安や否定的な感情を和らげる物質です。脳内のポジティブな経路が強化されるとそれだけ、思考はより幸せで楽観的な視点へと迅速に移行するようになります。23
感謝のメリットは、受け取る側だけでなく、感謝する側の幸福感にも及びます。人には感謝すること、されることの両方に対する欲求があります。感謝を通じて好感や共感が得られ、より良いコミュニケーションと協力が促進されます。つまり、感謝によって社会的なつながりを築き、集団の中に溶け込むことができるようになっているのです。このような建設的な感情は、内なる熱意と回復力を生み出し、周りの人たちまで励ますことができるものです。結果的に感謝は、良好な人間関係を維持し、より良いコミュニティを築き、人生をより良いものにするという驚くべき効果をもたらします。
嬉しいことに、職場、家庭、学校、地域社会など、日々の暮らしの中で感謝の気持ちを表す機会はたくさんあります。家族であれ、スーパーへ買い物に出かけた時に居合わせた人であれ、他者を肯定し、称えることで、ポジティブなエネルギーの波動が生まれます。
感謝の気持ちを表す方法は人それぞれですが、以下に5つの方法をご紹介します。
1. パワフルな言葉を使う:「ありがとう」を伝える言い方は実に様々です。気持ちを伝えるだけで、誰かの一日が明るいものになるでしょう。「感謝してもしきれません」「御恩は決して忘れません」「あなたのおかげで光がさしました」などなど、電話やメール、手書きのカードで直接伝えることもできますし、同僚のデスクにメモを貼り付けておくだけでもよいでしょう。手助けした意味の大きさを知って喜ぶ人は多いので、やってもらったことが自分にとってどんな風に重要だったのかが伝わるようなメッセージを添えてみましょう。
2. ハグをしながら:思いっきりハグする場合でも、腕に軽く触れるだけでも、身体的な触れ合いの重要性は過小評価できません。それは、副交感神経を活性化し、快感をもたらすエンドルフィンを行き渡らせ、安眠を促し、免疫系を活性化させる作用があるからです。また、アイコンタクトやほほえみ、笑いなどのボディランゲージを使うことで、人と人とのつながりがより深く感じられるようになります。4
昨今はパンデミックによって、人間に必要不可欠な人との触れ合いやつながりの多くが妨げられてきました。ですから、機会が許すなら、親戚や友人など、しばらく会っていない人たちと対面し、温かな抱擁をしてみてはいかがでしょうか。そして、その人たちがいることに感謝していると伝えれば、相手は言葉と触れ合いの両方から、あなたの深い感謝の気持ちを感じ取ってくれるでしょう。
心理学では、人と人のコミュニケーションの90%は非言語的であり、ボディランゲージ、アイコンタクト、そしてタッチが重要な役割を果たしていると言われています。ですから、言葉だけでなく、触れ合うことで、相手への気遣いやつながり、感謝の気持ちを伝える必要があるのです。5
3. 心のこもった贈り物をする:相手の行いが心に響いたこと、そして後々までも思い出しては感謝していることが伝わるような贈り物をしましょう。高価なものでなくて構いません。チョコレートやおつまみになるナッツ、ケーキ、庭で摘んできた花など、シンプルなものでよいのです。
相手が本当に好きなものは何かを考え、時間と労力をかけて愛情を込めて作った手作りのプレゼントは、いっそう心のこもったものになるでしょう。ケーキはもちろんですが、手作りのカードや工芸品もおすすめです。
4. 時間をかける:時として、時間が最も貴重な贈り物になることもあります。単純に応答するだけでなく、じっくりと耳を傾けて、相手を理解するよう心がけてみて下さい。携帯電話をしまって、辛抱強く話を聞き、心を開いて向き合うのは、感謝と優しさを相手の心に届ける最も良い方法のひとつです。
自分を支えてくれている人のために、安全で心地よい空間を用意して充実した時間を共にすると、持ちつ持たれつの友情を大切にしていることが伝わります。
関係を深め、ネットワークを広げていけば、感謝の気持ちも広がります。自分のためでも、誰かのためにでも、つながりを作っていくのはすばらしいことです。しっかりと支え合える関係性が身近にあると幸福感が増し、日常生活で生じる課題や障害も克服してゆけるでしょう。また、人とのつながりが病気や孤独、孤立を減らし、寿命を延ばすことも報告されています。((You know you need human connection.Here’s how to achieve it))
5. 誰かが自分にしてくれたことを人前で褒める。褒め言葉は、多くの人の耳に入ることでより意味深く感じられる場合があります。友人や地元の企業に対する感謝をソーシャルメディアで投稿したり、職場でプロジェクトや問題解決に協力してくれた同僚について、貢献度を強調したメールを上司やチームに送ったりといったことができます。口コミや高評価は事業者にとって嬉しいものです。これは友人関係にも応用できます。
自分自身への感謝について
感謝する心の持ち主はより幸せになり、ウェルビーイングを大幅に向上させることができます。感謝は他人だけでなく、自分自身にも伝えることが非常に重要です。また、定期的に感謝を表現することで、困難な経験も乗り越えやすくなります。辛い時期があっても乗り越えていけるよう、心の鍛錬として、感謝の気持ちを表すことを習慣にしませんか。
毎日、ポジティブなことを意識的に探して、自分に感謝して下さい。感謝の日記をつける、寝る前にバスルームの鏡に向かって語りかける、仲間を見つけてその日ラッキーだったことを毎晩3つ共有する、といった方法があります。
太陽の光、ラジオから流れてきたお気に入りの曲、ちょうどいい場所に駐車場が見つかった幸運などに気づく時間を積み重ねることで、人生の小さな喜びに感謝するためのポジティブなフィードバックの循環を作ることができるのです。
感謝の日記に関心があるけれど、始め方が分からないという声はしばしば聞かれます。
日記を始めるのに、正しい方法も間違った方法もありません。実行あるのみです。
- お気に入りのノートや日記帳を用意しましょう。立派なものでなくて構いません。必要に応じて持ち運べるものをと思うなら、それで良いのです。
- 日記は他の誰かに見せる必要がないので、字がきれいかどうか、誤字脱字がないかは問題ではありません。
- 落書きしたり、絵を描いたり、何かを貼り付けたりするのが好きな人は、ぜひ思いつくままに楽しんで下さい。視覚的な表現は、言葉以上の感情や思い出を呼び起こすことができます。
- 毎晩でも毎朝でも、自分に合った方法で日記を書く習慣をつけましょう。一日の終わりに感謝の気持ちを書き留めることで、仕事や雑音を忘れてぐっすり眠れるようになる人もいれば、起きてから新しい一日に感謝をするのが好きな人もいます。自分に合ったやり方で続けて下さい。
- 毎日、随筆作品を書く必要はありません。単語を3つ、例えば、家族、健康、屋根といったように並べるだけでも良いのです。ごくシンプルながら、無理なく率直で意味のある日記になります。
- 自分の頭の中にあることを書き出して内省する、瞑想に似た習慣にすることもできます。例えば「今日、職場で仕事を終わらせるのを同僚が手伝ってくれたことに感謝している」というように、感謝を感じた出来事を一緒に書き留めていきましょう。
それから、楽な姿勢で座って気持ちを落ち着け、その時にどんな風に感じたか、時間を割いてくれたことや配慮、優しさ、思いやり、友情に自分がどれだけ感謝しているかを振り返って下さい。ほんの少しの間でも、感謝の気持ちに浸ると、心を休ませることができます。
感謝を毎日の習慣にすると、自分自身の健康状態が良くなるだけでなく、他の人に感謝の気持ちを伝えるよう、自然と心がける姿勢が身につきます。小さなことでも、大切にしていきましょう。6
ダライラマは「すべての善の根源は善に対する感謝の土壌の中にある」と言いました。意識的に感謝の気持ちを表すことで人生の認識や経験が変わってくるのは事実です。感謝は、する方にもされる方にも、健全な考え方を促し、身体的、感情的、精神的な幸福感を高める贈り物となるのです。
- 7 Scientifically Proven Benefits Of Gratitude That Will Motivate You To Give Thanks Year-Round [↩]
- How Gratitude Changes You and Your Brain [↩]
- Giving thanks can make you happier [↩]
- Understanding your parasympathetic nervous system for great sleep and less stress [↩]
- Is Nonverbal Communication a Numbers Game? [↩]
- Gratitude Journal [↩]