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柔軟性
ピラティスの6つの原則
Reading Time: < 1 minute ピラティスは、呼吸、集中、中心、コントロール、正確さ、流れ、この6つを原則として構築されています。 それぞれに着目してしっかりとした基礎をつくり、上達していくにつれて、エクササイズという贈り物に体がより効果的に応えてくれるようになります。 それでは、それぞれの原則を詳しく見ていきましょう。 呼吸 呼吸はあらゆるエクササイズで重要な鍵となっています。ピラティスでは、呼吸をコントロールすることが、全身を健やかで満たされた状態にするうえで非常に有益であることを学びます。 創始者のジョセフ・ピラティスは「呼吸は人生の最初の行為であり、最後の行為でもある…何よりも、正しい呼吸の仕方を学びなさい」と述べています。 集中 ピラティスは集中力を要します。慣れない体勢でエクササイズを積み重ねることで、体を鍛えます。ジョセフ・ピラティスは、エクササイズから最大限の効果を得るために、自分の体が行っている動作にのみ集中するよう指導しました。 中心 実際にやってみると、ピラティスが主に体の中心部、つまり体幹に働きかけるものであることが分かります。体の芯を強くすることで、姿勢をコントロールし、腰痛を改善し、呼吸を補助することができます。 コントロール あまり知られていないことですが、ピラティスは元はコントローロジーと呼ばれていました。ピラティスを正しく、効率的に実践するには、コントロールが重要です。ジョセフ・ピラティスは、実践にあたって、すべての動きと身体の各部位を意図的にコントロールすることの重要性を強く主張しました。それが心身のエクササイズを最大化する鍵であることを彼は見出していたのです。 正確さ 正確さもまた、あらゆるエクササイズの鍵ですが、ジョセフ・ピラティスは特に、それがいかに重要であるかを強調しました。完璧なテクニックと動きの追求によって、今までの悪い癖を取り除き、より良く効率的に動く方法を学びなおすことができる、と信じていたのです。 流れ ジョセフ・ピラティスは主な目標のひとつとして、難しい動きであっても、流れに乗った体の動かし方を推奨しました。興味深いことに、ジョセフ・ピラティスの生徒の多くはバレエを習っていたそうです。優雅で美しい、流れるような動きを練習するバレエと通じるものがあったのでしょう。練習を重ね、ピラティスを全体的に理解することで流れが良くなります。
ピラティスとは何か、他のエクササイズとどう違うのか
Reading Time: < 1 minute ピラティスをやっている多くの人々が、ピラティスが単なる運動以上のものであることに気づいています。 ピラティスはライフスタイルと言ってもよいものです。ピラティスで得られる効果はとてもユニークで、独学でできる点も魅力的です。 ピラティスで行うこと ピラティスは筋肉群を連動させてよりスムーズな動きを生み出すためのトレーニングです。姿勢の改善、正しい呼吸、背骨と骨盤の健康的な配列をサポートすることで、自分自身の身体との調和を図ることができます。 また、柔軟性や可動域の向上、ストレスの軽減にも役立ちます。ピラティスのもうひとつの特徴は「量より質」です。繰り返しの回数よりも、ひとつひとつの動きの質の方がはるかに重要であることが強調されています。 ピラティスを定期的に(週3回程度)行うことで、体幹を鍛え、腰と背中を強化して、引き締まった筋肉をつけることができます。柔軟性を高め、均整のとれた体を作るのにも役立ちます。 ピラティスの効果は、筋肉だけでなく体全般に及びます。ピラティスで正しい呼吸法を取り入れると、力と効率性を最大限に引き出して動けるようになります。それは、呼吸の質や正しい姿勢が学べるからです。体を動かしながら意識的に働きかけることで、ピラティスのメリットが得られます。ピラティスは心身全般の健康をサポートしてくれるのです。 では、ピラティスが他のエクササイズと異なる点は何か、見ていきましょう。ピラティスと他のエクササイズの違いとその意味について、以下にまとめました。 ピラティスと共通点のある主なエクササイズとしては、ヨガ、太極拳、バー、水泳が挙げられます。 ピラティスとヨガ ピラティスとヨガには多くの共通点がありますが、同一ではありません。ヨガはアクティブな瞑想に近いもので、アーサナ(ポーズ)を通じて、身体的、精神的、感情的な体験を内面と全身で感じとります。 一方、ピラティスは、コントロールされた滑らかな動きを使って、複数の筋肉群をまとめて鍛えることを学びます。ピラティスに精神的、感情的な側面がないというわけではありません。どんな動作でもマインドフルネスに行えば瞑想になり得ますが、ピラティスは、より効率的に、ひいてはより安全に体を動かせるパターンを体に教え込むもの、と言ってよいでしょう。 ピラティスでは正しい呼吸に意識を集中しつつ脊椎や骨盤の配列を健康的に維持し、心身をスムーズな動きに集中させることで、体に対する意識を高めます。その結果として、ストレスや腰痛の対策、体幹の強化など、様々な効果が期待できます。 ピラティスと太極拳 太極拳は中国武術の内家拳の一種で、生理的な発達よりも内面的な発達に重点を置いています。また、運動と瞑想、そして場合によっては中国伝統医学(TCM)の概念が融合されています。太極拳は、ピラティスほど体を動かす必要はありませんが、筋力と自律神経の記憶を高めることに重点を置いている点は共通しています。 ピラティスとバー バーとは、バレエ、ヨガ、ピラティスの要素を取り入れたハイブリッド的なエクササイズです。名称の由来は、バレエのバー(棒)を使って行うことです。ヨガ、ピラティス、太極拳と比較すると、バーは精神面には特にこだわらず、身体的な要素が強くなっています。 ピラティスと水泳 ピラティスと水泳は、激しくない動作を反復し、筋肉に覚えさせるという点で共通しています。水泳は瞑想にもなるエクササイズなので、心の浄化として楽しんでいる人も多いでしょう。また、ピラティスでも水泳でも、正しい呼吸法を身につけることは重要です。 ピラティスは他の運動と似ているところがありますが、完全に同じものはありません。いろいろなエクササイズを試してみて、心身にメリットが感じられる、自分に合ったものを見つけて下さい。
ピラティスはどのくらいの頻度で行うべきか
Reading Time: < 1 minute エクササイズをどの程度やるべきか、についての意見は人それぞれですが、一般的には週5日、毎日30分の運動が推奨されています。 ピラティスに限って言うならば、どのくらいが適切なのでしょうか。 ピラティスはどのくらいの頻度で行うべきか ピラティスの創始者であるジョセフ・ピラティスは、ピラティスをやってみようと思うなら、少なくとも週に3回行うことを勧めています。しかしながら、他に何らかの運動をしているのであれば、ピラティスは週1回程度に減らした方がよいかも知れません。 ピラティスはしばしば理学療法の一種として利用されています。ピラティスが身体に与える影響は非常に大きく、定期的に行うと、バランス、柔軟性、可動性を向上させることができます。週1回のレッスンでも、けがからの回復を促進し、体が正しい動きを覚えて、さらなる負傷を防ぐことができます。ですから、朝のランニングや夜の筋トレで運動不足を解消している人も、定期的にピラティスに参加することを検討してみるとよいでしょう。 さらに進めたい場合は、ピラティスのコアエクササイズを週に2~3回行うことで、筋力、安定性、柔軟性、可動性に大きな変化が見えてくるはずです。このくらいの頻度で熱心に取り組めば、座り方や歩き方、身のこなしに違いが現れてきます。姿勢や運動能力も向上し、精神的な集中力やコントロール能力も高まるでしょう。 休んだ方がいい日も ピラティスは衝撃性の低いエクササイズなので、回復に必要な休憩は比較的少なくて済みます。ですから、数日続けてピラティスのクラスに参加しても心配することはありません。実際、ピラティスは激しい運動ではなく、しかも有益なので、他の運動をしない日にピラティスをやっても大丈夫です。ただし、ピラティスの滑らかな動きでさえ、筋肉に微小な損傷を生じることがあるので、リフレッシュして筋肉を回復させる時間が必要であることに留意して下さい。
自重トレーニングとは
Reading Time: < 1 minute 自重トレーニングとは何か、なぜ行うべきなのか 古代ギリシャで開発された自重トレーニングは、自分自身の体重を負荷として利用するエクササイズです。強度やリズムの異なる様々なやり方があり、手で持てるくらいのちょっとした器具を導入することもできます。体力、持久力、柔軟性、協調性など、あらゆる要素を鍛えることができますし、激しい運動をする前に体を温めるのにも適しています。さらに、自重トレーニングは肥満などの健康問題への対策に利用できるという研究結果もあります。 1 ウエイトトレーニングとの違い ウエイトトレーニングはダンベルやケトルベル、マシンなどの器具が必要で、その重さを使って筋肉を鍛える運動をします。一方、自重トレーニングでは、自分の体重以外は何も必要ありません。ウエイトを使わない分、効果が薄いのではないかと思われるかも知れませんが、筋力強化運動による健康効果は器具を使っても使わなくても同様に得られることが研究で示されています。 2 自宅でできる簡単な自重トレーニング 以下のトレーニングは、特に器具を必要としません。身体各部から働きかけて全身を鍛えられるよう、間に休憩を挟みながら順次こなしていきましょう。身体能力に合わせて各5~20回繰り返して下さい。1セットできたら次のセットへ、と重ねて行うとさらに強化できます。 ジャンプ・スクワット • 肩の真下で足を平行に置いて立ちます。• つま先を少し外側に向け、足を数センチ開きます。• お尻を後ろに下げて膝を曲げ、スクワットの姿勢をとります。• 頭と顔を前に出し、胸を張ります。• できるだけ深く腰を落としてから、ジャンプをします。 膝がつま先よりも前に出ないように注意して下さい。膝が前に出ると関節を痛めてしまうことがあります。 腕立て伏せ • 四つん這いになって肩の真下か少し外側にくるように両手をつきます。• 両足を伸ばして腕で上体を支え、全身をまっすぐにしたプランクの姿勢を維持します。• 体幹に力を入れます。• 背中が曲がらないように注意します。• 肘を体に寄せて腕を曲げ、胸が床に着くくらいまで下げます。上腕が45度の角度になったら静止します。• その後、全身を伸ばした姿勢に戻ります。 *難しいと感じる場合は、膝を床につけたままで腕立て伏せをしても構いません。 クランチ • 床の上で仰向けになります。• 膝を90度に曲げます。• 両手を胸の上で交差させます。• 体幹に力を入れ、顎を引いて頭を胸からこぶし1つ分くらいの位置へ寄せ、膝に向かって上体を起こしていきます。• 息は体を起こしながら吐き、吸いながら体を戻します。 バーピー • 両手を体側に置き、足を肩幅に開いて立ちます。• 膝を曲げて、スクワットでしゃがみます。• 両手を足幅より少し狭めの間隔で前に出します。• 両手を床について体重をかけ、軽くジャンプして足を伸ばし、プランクの姿勢で体を支えます。• 前方へジャンプして足を手の横に戻します。• 上方へジャンプして両手を頭の上にあげ、立った状態に戻ります。 *さらに以下のようなエクササイズを全身運動にプラスしてみましょう。 懸垂 • 両腕を肩幅よりやや広めに開いて、エクササイズ用のバーを上から握ります。• 肩の筋肉を使って体を上に引き上げ、頭をバーより上に持っていきます。 逆手懸垂 • 両腕を肩幅よりやや狭めに開いて、エクササイズ用のバーを下から握ります。• 上腕二頭筋を使って体を上に引き上げ、頭をバーより上に持っていきます。 縄跳び • ハンドルを持った手を体側に構え、縄を足の後ろに移動させます。• 手首を使って縄を回転させ、縄が足元に来る度に膝を軽く曲げた状態で飛び越えます。 器具を必要としない自重トレーニングは、自宅で手軽にできる運動です。自分の身ひとつで運動による健康効果が得られます。 https://www.journalofsports.com/pdf/2020/vol5issue1/PartA/4-2-118-976.pdf […]
ウォーミングアップとクーリングダウンの重要性
Reading Time: < 1 minute パフォーマンス向上のための準備と整理の重要性 運動をするときにはウォーミングアップとクーリングダウンが大切だ、ということは何度となく耳にしてきたのではないでしょうか。多くの人々が学校で教わって以来特に疑問に思うこともなく、そのまま受け入れているようですが、運動による健康効果を十分に得るには前後の体操が重要となるのはなぜか、考えてみましょう。 動前のウォーミングアップ ウォーミングアップの最も簡単な方法のひとつは、予定している運動を5〜10分程度、軽めにゆっくりとしたペースで行うことです。これから使う筋肉を曲げ伸ばしして動きに慣らし、体温を上昇させることで心肺機能を活性化させ、筋肉への血流をよりスムーズにすることができます。また、運動後の筋肉痛や負傷リスクの軽減にも役立ちます。1 例えばランニングをするならまず5分間ウォーキングをする、サイクリングをするなら5分ほどはゆっくりと自転車漕ぐ、といったやり方ができます。 ウォーミングアップによるパフォーマンス向上の具体例 血流の改善 – 運動をウォーミングアップから始めると、骨格筋への血流が改善されて毛細血管が開きます。血液は筋肉の機能に必要な酸素を送り届けます。血流が良くなると、筋肉も運動に適した状態になります。 酸素効率の向上 – 運動時にはより多くの酸素が必要となります。ウォーミングアップは血液中の酸素の放出を助け、より多くの酸素を利用できるようにする素晴らしい方法です。 筋肉の収縮と弛緩を迅速に – 筋肉は温度が上がるとより早く、より効率的に働くようになります。ウォーミングアップで体温を上げましょう。 けがの予防 – 関節をゆるめ、筋肉への血流を良くすることで、運動中に筋肉にかかる負担を減らし、捻挫や肉離れのリスクを低減することができます。 精神的な集中力を高める – 精神的な集中力はあらゆる運動において重要です。ウォーミングアップでこれから行うことに脳を集中させると、テクニックや全身協調性、スキルの向上につながります。 クーリングダウンの方法 クーリングダウンには、心拍数と血圧を平常時に戻す重要な作用があります。これをしないままでいると、下肢に血液が溜まり、血圧が急変する危険性があります。2 ウォーミングアップと同じように、軽めにゆっくりとしたペースで運動を続けるか、体が落ち着くまで5~10分程度のウォーキングをするとよいでしょう。心拍数が通常のペースに戻ったら、翌日の筋肉痛の原因となる乳酸の蓄積を抑えるために、静的なストレッチを行うことをお勧めします。3 ウォーミングアップとクーリングダウンの重要性はよく理解されているはずですが、何度も注意が繰り返されているのは、他の多くのことがそうであるように、時間や労力を理由に軽視される傾向があるからだと考えられます。アメリカのメイヨー・クリニックの報告でも、ウォーミングアップとクーリングダウンは心臓やその他の筋肉への負担を軽減する最良の方法の1つであることが明らかになっています。4 運動時間を数分増やすだけの価値は充分にあるはずです。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1250267/ [↩]https://chhs.source.colostate.edu/the-importance-of-warming-up-and-cooling-down/ [↩]https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD004577.pub3/full [↩]https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/exercise/art-20045517 [↩]
動的ストレッチとその重要性
Reading Time: < 1 minute ストレッチというと、通常は静かにゆっくりと行うものを思い浮かべることでしょう。 主に運動の最後にクールダウンの一環として行う静的ストレッチは、静止に近い姿勢で一定時間かけて体の一部を動かしながらゆっくりと伸ばしていくものです。 動的(ダイナミック)ストレッチは、運動の最後ではなく最初によく行われています。通常の可動域を超えない範囲で徐々に体を伸ばしていくのですが、静的ストレッチとは異なり、体を大きく動かして力を入れる必要があります。動的ストレッチは軟部組織の端から端まで働きかけますが、目一杯伸ばしたままで一定時間保持するのではなく、ほんの少しだけ静止した後に筋肉と腱に力を込めて、伸ばした筋肉を収縮させていきます。 動的ストレッチを行うタイミング 動的ストレッチの目的は体を動かすことです。たいていは準備運動として、それに続く運動の動きを模倣します。例えばサッカー選手であれば、サッカーボールを蹴る動作を模して、足を前後に振る動作を連続して行います。また、水泳選手はプールに入る前に腕をぐるぐると回して腕の筋肉を温めたりします。 重量挙げの前に動的ストレッチを行うと、静的ストレッチを行った場合や全くストレッチを行わなかった場合よりも、脚の伸展力が向上してパフォーマンスが高まる、という研究結果があります。 1 また、他の研究でも、サッカー選手、バスケットボール選手、スプリンターなど走ったり跳んだりするスポーツをしている選手にも動的ストレッチが有効であることが示されています。 2 動的ストレッチの例 動的トレッチには様々なやり方がありますが、経験や器具を必要とせず、誰でも簡単に実践できる方法をいくつかご紹介しましょう。 腕回し 腕や肩の筋肉を温めておきたい場合は、立って腕を伸ばし、大きな円を描くように腕を前方へ回します。5~10回行ったら、いったん停止して方向を変え、腕を後方へ回す動作を繰り返します。 脚振り 片足立ちでバランスをとりながら、浮かせた脚を前後に振ります。必要であれば、壁や椅子につかまって体を支えても構いません。5~10回繰り返した後、振った足を床に下ろし、反対側の足を振ります。さらに脚を左右に振る動作もすると、足腰のあらゆる筋肉を伸ばすことができます。 脊椎の回旋 両足を肩幅ほどに開いて立ち、肩の高さで両腕を横に伸ばします。体幹をなるべく動かさないようにして、ゆっくりと上半身を左右にひねります。これを5~10回繰り返します。 ランジで歩く 前方にスペースがあることを確認して、片足を大きく前に出し、反対側の膝を落としてランジの姿勢をとります。前に出した足で立ち上がり、後ろから引き寄せた足を大きく前へ踏み出します。これを繰り返します。後方や左右に移動する動きもやってみましょう。 動的ストレッチを運動に取り入れて 動的ストレッチは、運動のもたらす健康効果を引き出す方法のひとつとして利用できます。筋肉を温めて負傷のリスクを減らすのは重要です。 3 ただし、急にやりすぎないこと、伸ばしすぎないことも大切です。やり方がよく分からない場合は、ヨガやピラティスの講師やパーソナルトレーナーに相談すると、正しいフォームを維持する方法を教えてもらえます。動的ストレッチは、痛みを感じない範囲でしっかりと動かすのがポイントです。痛みを感じたら伸ばし過ぎの可能性があるので、それ以上はやらないようにしましょう。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29063454/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3273886/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3737866/ [↩]
ケガを防ぐ正しいランニングフォームの重要性
Reading Time: < 1 minute ランニングは、体を動かすことで得られる健康上のメリットを実感できる、身近な運動の代表格です。 ランニングは多くの人にとって比較的簡単にできる運動ですが、正しいフォームやテクニックを使わずに走ってしまうと、あらゆる負傷で痛みや不調、消耗に至る可能性があります。幸いなことに、正しいテクニックを身につけることで、ダメージのリスクを大幅に減らし、楽しくトレーニングを続けることができます。 では、ランニングの正しいテクニックとは? 街中をちょっと走るにしても、大きなイベントに向けて長距離トレーニングをするにしても、テクニックがすべてです。研究によると、ランニングによる負傷の大きな要因は、テクニックの不足だということです。1 痛みやけがのリスクを最小限に抑えつつ、運動による健康効果を得るためのランニングのコツをご紹介します。 前方を見る 目線は前に向けましょう。自分の足元を見たくなるかも知れませんが、30m〜60mくらい先の地面を見るようにして下さい。そうすることで、首の後ろや肩の筋肉にかかる負担を避けることができるだけでなく、前方の状況を確認しながらより安全に走ることができます。 オーバーストライドを避ける ランニングにも「やりすぎ」はあります。走る時の歩幅に着目してみましょう。脚の長さや柔軟性は人それぞれです。他の人に合わせようとせずに、自分に合った歩幅を見つけて下さい。足が胴体より前に出すぎず、胴体と一直線につながった状態で下りてゆき、足が地面に着いたときに膝が足首の真上で曲がるのが理想的です。足首が膝より前に出ている場合は、オーバーストライドになっています。 肩の力を抜いて姿勢を保つ 良い姿勢は良いフォームにつながります。これは、机に向かっていても、車に乗っていても、走っていても言えることです。姿勢が悪いと肩が前に丸まって体が硬くなってしまいます。良い姿勢を保つには、意識と実践を組み合わせる必要があります。時々、自分の立ち姿をチェックしてみましょう。胸を開き、肩を後ろに回して力を抜き、腕は体の前ではなく横に自然に下ろして、まっすぐに立っていることができるでしょうか。肩や背中、首の緊張は、腕の動きに影響を及ぼします。足は主に移動を担いますが、腕の動きはバランス、リズム、パワーに必要です。腕と足を連動させ、軽いジョギングでは小さめに、歩幅を広げる場合は大きめに、と動作を使い分けるようにしましょう。 体幹と臀部の筋肉を鍛える 体幹と臀部の筋肉は、体幹、骨盤、腰を安定させる上で重要な役割を果たします。これらの筋肉群が弱いと、パフォーマンスが低下するだけでなく、様々なけがの原因になることがあります。良いランナーになるためには、スクワット、ランジ、ヒップレイズなどを定期的に行って、体幹と臀部の筋肉を強化する必要があります。 呼吸をコントロールする 呼吸の方法はランニングのレベルを問わず重要です。練習すればすぐに身につきますし、体が丈夫になればなるほど簡単になります。呼気と吸気の比率は、運動の強度に応じて変化します。最初は少し不自然に感じるかもしれませんが、口で呼吸をすると、より多くの酸素を体内に取り込み、筋肉に素早く燃料を供給することができます。また、横隔膜呼吸と呼ばれる、より深い呼吸をすることも大切です。お腹に深く空気を入れるようにして、より多くの空気を取り込みましょう。 ランニングシューズについて… 正しいフォームとテクニックを身につけることは大切ですが、適切なランニングシューズを履くこともまた重要です。ランニングは関節にかかる負担が大きいため、ほんの少しのバランスの乱れが全身のバランスの崩れにつながります。癖のない「ニュートラル」な走りができるランナーは幸運です。それは、足が自然に正しいポジションに収まるため、けがをしにくいからです。しかしながら、ほとんどの人は「オーバープロネーション」か「アンダープロネーション」のどちらかになっていて、足に負傷を生じやすい傾向にあることが研究で明らかになっています。オーバーの人は足を少し内側に向けて、まるで綱渡りをしているかのように走ります。一方、アンダーの人はその逆で、足を少し外側に向けて走ります。 2 自分がどちらのタイプかは、靴底のすり減り方を見れば分かるかも知れません。靴底が内側からすり減っている場合はオーバープロネーション、外側からすり減っている場合はアンダープロネーションの可能性があります。 専門的な話になりそうだからと心配する必要はありません。ランニング用品の優良店では、個人個人の足をチェックし、動き方を見て、バランスの崩れを調整できる適切なランニングシューズを探してもらえます。ファッション優先で最新のブランドを選ぶのではなく、専門家のアドバイスを受けながら、体をしっかり守ってくれるシューズを選びましょう。きっと、足が喜んでくれるはずです。 https://link.springer.com/article/10.2165/00007256-199214050-00004 [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4392721/ [↩]
加齢と回復力の変化
Reading Time: < 1 minute 40代、50代、それ以上の年齢になっても、10代や20代の頃と同じようなエネルギーと回復力があれば良いのですが、残念ながらそうはいきません。 年齢を重ねると、定期的に運動をしていても、体の反応が鈍くなる傾向があります。また、疲れや痛みを感じやすくなったり、けがの危険が高まったりします。だからといって、運動をやめるべきではありません。むしろ、中高年期の健康維持のためには、運動のもたらす健康効果がこれまで以上に重要になってくるのです。 では、どうすればよいのでしょうか。基本的にはそれまでとあまり変わりませんが、けがを防ぎ、しなやかに自由に動ける体を維持するために、いくつか工夫することが望まれます。 ストレッチの重要性 ストレッチは年齢を問わず大切ですが、加齢とともに自然と柔軟性が失われていくぶん、重要性は増していきます。ストレッチをすることで高齢者の自然な歩行や動作が大幅に改善されるということは研究で明らかになっています。 1 若いうちは週に1〜2日のストレッチで十分だったとしても、これからは頻度を増やす必要があります。ストレッチといっても、無理に時間をかける必要はありません。朝起きたらすぐに、短い時間で構いませんので、体全体を伸ばすような動きをする習慣をつけましょう。 有酸素運動後のクールダウンと筋力強化 50歳前後になると筋肉量や骨密度が低下してくるため、筋力を維持するには負荷をかけるトレーニングが重要になります。筋力トレーニングは、通常の加齢に伴う筋肉量と筋力の低下を補うのに役立ちます。定期的な運動についてはさらに、骨の健康状態が改善されて骨粗しょう症のリスクが減少すること、姿勢が安定して転倒やそれに伴うけがや骨折のリスクが減少すること、柔軟性や可動域が増加することなどが研究で証明されています。2 しかも嬉しいことに、わざわざジムに通う必要はありません。ですから、ジムに行くのは気が引けるという方も心配しないで下さい。ウエイトを使ったエクササイズはもちろんですが、道具を使わない自重トレーニングも自宅でできる方法がたくさんあります。スクワット、ランジ、プランク、レッグレイズなどをやってみましょう。 突然やめずにクールダウンを 運動が健康にもたらす効果を十分に得るためには、有酸素運動が重要な役割を果たすことを知っておきましょう。50歳を過ぎると心臓病が懸念されるようになりますが、研究により 3 、有酸素運動が予防に役立つことが明らかになっています。また、有酸素運動には除脂肪体重を増やす効果があります。筋肉は脂肪よりも多くのカロリーを消費するので、加齢に伴い代謝が低下する中で、体重の増えすぎを防ぐためにも運動しましょう。時間がない場合は、インターバルトレーニングがおすすめです。インターバルトレーニングは高強度の運動と短時間の回復を交互に繰り返す運動で、EPOC効果(運動後の過剰な酸素消費)により、運動が終わった後もカロリーの消費が進みます。また、トレーニングする日を1日おきにすることで、筋肉を適切に回復させることができます。1日休んでも痛みが残っている場合は、自分の体の声をよく聞いて、休息と回復にかける時間を増やして下さい。ちょっとした痛みが負傷の兆候であったとしても、しばらく安静にしていれば大事に至らずにすむことが多いものです。 休息は運動と同じくらい重要 運動をすればするほど効果が上がると思いがちですが、休息も運動と同じくらい重要です。運動のプログラムの一環として組み込んで下さい。休息と回復に必要な時間は、年を重ねるごとに長めになってきます。 運動による健康上のメリットを実感するには、年齢に関係なく、健康的でアクティブな生活を維持することが大切です。何歳の誕生日を迎えたら、運動が体に悪いものになる、というような節目はありません。しかし、年を重ねるごとに運動が難しくなったり、回復に時間がかかるようになったりする傾向はあります。迷ったら、自分の体の声に耳を傾けてみましょう。痛みがある場合は、やりすぎ、急ぎすぎの可能性があります。運動した後、何日も疲れが取れない場合は、ペースを落とすべきです。今現在の年齢は関係ありません。出来るだけ早くに運動を始めればそれだけ、年齢を重ねてからの運動も楽になります。 https://www.karger.com/Article/Abstract/235863 [↩]https://experts.illinois.edu/en/publications/exercise-and-physical-activity-for-older-adults [↩]https://europepmc.org/article/med/7934752 [↩]
柔軟性を高めるトレーニングがフィットネス全体にもたらすメリットとは
Reading Time: < 1 minute 柔軟性は日常生活の基盤です。 普段意識することはほとんどありませんが、柔軟性に何らかの問題が発生したときには、それがいかに重要か思い知ることになります。柔軟性がなければ、前かがみになって物を拾ったり、椅子に座ったりといった日常的な作業を行うことができません。筋肉に蓄積された緊張や痛みを取り除き、リラックスするにも柔軟性が必要です。緊張や痛みが強すぎると、休むことすらできなくなってしまいます。 フィットネスと柔軟性 柔軟性とは、筋肉とそれを取り巻く結合組織を一時的にどれだけ伸ばせるか、と言ってよいでしょう。フィットネスを支える4本柱のひとつとして、他の柱と共に働かせることで、運動のもたらす健康上のメリットを最大限に引き出すことができます。柔軟性が高いと、筋肉の可動域をしっかりと確保できるため、筋力や持久力の向上にもつながります。 柔軟性が重要な理由とは 柔軟性を高めると、体に良いことがたくさんあります。まず、可動域が広がってバランス調整力が向上するので、運動中に怪我をする可能性が低くなります。1 柔軟性を高めることで得られるその他の主なメリットは以下の通りです。 痛みの軽減 筋肉を伸ばしたり開いたりすると、体の緊張がほぐれて動きやすくなります。筋肉をゆるめると痛みや辛さを感じにくくなり、筋肉が引きつることも少なくなります。 姿勢とバランスの向上 姿勢やバランスが良いと、座ったり立ったり、動いたりするのが楽になります。ヨガなどの活動を通じて柔軟性を高めると姿勢やバランスが良くなることは、研究で示されています。2 健やかさを実感 柔軟性を重視した運動は、ゆっくりとした動作で体に優しいものが一般的です。研究によると、体を開いて伸ばすポーズを定期的に行うと、よりリラックスして幸福感を得られることが示されています。3 身体能力の向上 丈夫で効果的に働く筋肉は、筋力や持久力のトレーニングにも重要です。柔軟性を高めると筋肉がより効果的に使えるようになって、フィットネスに役立ちます。 柔軟性を高める運動 全体的な柔軟性を向上させるには、呼吸法、静的ストレッチ、動的ストレッチの3種類のエクササイズを組み合わせるのが最も効果的です。 呼吸法 適切な呼吸は、あらゆる種類の体力づくり、特にストレッチのような柔軟性を高める運動において重要な要素です。正しい呼吸で肺を満たすことができるようになれば、エネルギーを無駄なく使って運動を続けられます。 横隔膜呼吸は、横隔膜と体幹の筋肉を鍛えるのに役立ちます。以下のステップで簡単にできますのでやってみましょう。 楽な姿勢で立つか、椅子に座って、両手を肋骨に当てます。 鼻から息を吸って、肺に空気を入れながら、胸郭が広がるのを感じて下さい。 ゆっくりと口から息を吐き、体幹に力を入れます。 静的ストレッチ スタティック・ストレッチとも呼ばれ、一定の時間静止するストレッチの方法です。筋肉をゆっくりと温め、けがのリスクを減らすことができます。軽く引っ張っていき、緊張感が得られるところまで伸ばします。痛みを感じる手前で止めるようにして下さい。 動的ストレッチ ダイナミックストレッチとも呼ばれる、動きを伴うタイプのストレッチ方法です。静的ストレッチとは異なり、筋肉の可動域をフルに使います。例えば、腿上げで足を片方ずつ持ち上げる動作を繰り返すと、筋肉中の血流を促進しつつ、大臀筋、腰、膝関節を伸ばすことができます。 柔軟性を高める運動は、自分自身や自分の体と向き合うすばらしい方法にもなります。身体を開放し、強く柔軟にして、全体的にバランスのとれた良好な状態を目指しましょう。 https://www.researchgate.net/profile/Duane-Knudson/publication/240184136_Warm-up_and_flexibility/links/0046353b54ce3432ef000000/Warm-up-and-flexibility.pdf [↩]https://www.ijoy.org.in/article.asp?issn=0973-6131;year=2016;volume=9;issue=1;spage=27;epage=34;aulast=Polsgrove [↩]https://www.acefitness.org/education-and-resources/lifestyle/blog/6646/benefits-of-flexibility/ [↩]
フィットネスと筋力
Reading Time: < 1 minute 運動の計画に筋力強化が欠かせない理由とは 体力があるといっても、その実態は様々です。例えば、マラソンを走ることができる人は間違いなく体力がありますが、重いウエイトを持ち上げることはできないかも知れません。一方、重いものを持ち上げられる人は、マラソンを走れないかも知れませんが、それでも体力があると言えます。フィットネスを、持久力、柔軟性、筋力というカテゴリーに大まかに分けて考えてみましょう。 フィットネスと筋力 筋力はフィットネスの4つの柱のひとつです。筋肉の強さは、物を動かしたり持ち上げたりする力に直接影響します。筋肉を増強し、耐久性を高める筋力トレーニングは、どんな運動プログラムにも欠かせません。 筋力トレーニングでは、ある種の抵抗力に対して体を動かします。ジムのマシンやフリーウエイト、ダンベル、ケトルベルなどを使ったトレーニングのほか、器具を使わずに自分の体重だけで行う方法もあります。 筋力トレーニングの重要性とは 調査によると、筋力強化に関連した運動には健康上多くのメリットがあり、筋力が強ければ強いほど、全体的な健康と運動能力が向上することが示されています。 1 その他、主な利点は以下の通りです。 • 疲れを感じることなく運動を楽しめるようになる• 健康的な体重を維持しやすくなり、体組成(脂肪と筋肉の比率)が向上する• 気分やエネルギー水準が高まり、睡眠パターンが健康的になる• 姿勢が良くなり、筋肉が強化されて腰痛が軽減される• 安定性、バランス、柔軟性が向上し、負傷や転倒が減る• 運動後もカロリーの燃焼が促進される• 骨の健康と骨密度の向上• 脳の健康と認知機能の向上• 気分、自信が向上し健やかさを実感 筋力トレーニングと病気、慢性疾患 これまでの研究によると 2 、腰痛、関節炎、糖尿病、さらには心臓病など、多くの慢性疾患の症状が筋力トレーニングを含む定期的な運動で軽減されることが示されています。 筋力トレーニングの種類 筋力トレーニングは、自宅でもジムでも、外出先でも行うことができます。ジムに通う場合は、筋トレ用のマシンで様々な筋肉を鍛えたり、サーキットトレーニングやボディパンプなど、ウエイトを取り入れたエクササイズのクラスに参加したりできます。これまで持久力向けと思われていたアクティビティも、筋力トレーニングに適しています。例えば、ランニングやヒルクライム、サイクリングなどは、体を前に進めるために脚の筋肉に負荷をかける運動をすることになります。 筋肉に負荷をかける運動を習慣にすれば、身体や筋肉を強化できます。筋肉を強化する機会は、いわゆる筋力トレーニング以外にも思わぬところに存在します。エレベーターに乗るか、階段を上るか、どちらかを選ベる場合は、階段を使いましょう。食料品の買い物に行ったなら、少し離れた場所に駐車して、荷物をトロリーに載せずに手で持って車まで運ぶようにしましょう。このような工夫を日常のあらゆる場面に取り入れてみると、運動を意識せずとも筋力強化の健康効果を実感できるようになるでしょう。 https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/strength-training/art-20046670 [↩]https://journals.lww.com/acsm-healthfitness/Fulltext/2013/03000/Weightlifting_Training_Gives_Lifelong_Benefits.12.aspx?bid=AMCampaignWKHJ [↩]
自分にぴったりの運動計画で減量を目指すには
Reading Time: < 1 minute 体重を減らすのは簡単ではありませんが、難しいこととも限りません。 長期的な成功のためには、時折一歩下がって現在のライフスタイルを見直し、自分に合った運動計画を立てることが必要です。 自分に合った方法とは 人はそれぞれ違います。だからこそ日々が楽しくなるとも言えますが、理想的なエクササイズもまた、友人とあなたとでは同一ではない可能性があります。適切な方法とは、自分が楽しみながら続けられるものです。自分に合った運動が見つかれば、自然と体重も減っていくはずです。 仕事でどの程度体を動かすか 郵便配達員の運動量はオフィスワーカーよりも多いはずです。あなたの場合はどうでしょうか。動き回ることが多いのか、それとも一日中座っていることが多いのか、考えてみて下さい。座りっぱなしになる仕事をしている人は、少しずつでも努力して体力作りに励みましょう。筋肉や関節の柔軟性を保つためにも、1時間に数分は立ち上がって体を動かして下さい。立っている方が座っているよりもカロリーを消費するだけでなく、様々な病気にかかる可能性を減らすことができると言われています。 1 座りっぱなしの仕事をしている人は、オフィスから離れた場所に駐車する、座って会議をするよりも歩きながら話し合えるアクティブな会議をする、昼休みには足を伸ばして新鮮な空気を吸うなど、ちょっとした工夫ができないか試してみましょう。 BMIを把握していますか BMIの値が高ければそれだけ多くの重みを体とともに動かすことになります。BMIは身長と体重を基に算出する指標で、NHSのウェブサイトなどオンラインツールで知ることができます。BMI値が肥満の域に入る場合は、低体重に入る人とは異なる運動計画が必要です。ただ、体重を減らす必要があるからといって、人よりも多くの運動をしなければならないとは限りません。むしろ、体重が重いほど、身体を動かすことで消費されるカロリーは多くなるので、運動量は少なくてもよいと考えられます。 運動する時間はどれくらい必要か 運動する時間は誰にでもあるはずですが、実際にはなかなか多くを割くことができないものです。家族の面倒を見たり、フルタイムの仕事をしていたりすると、運動のために1時間早くベッドを出るのも簡単ではありません。その1時間の睡眠が得られるかどうかが生活全般を左右する可能性すらあります。運動の健康上の利点は考慮に値しますが、睡眠の重要性もそれに劣りません。どうしても時間がない場合、高強度インターバルトレーニング(HIIT)なら、わずか7分でも効果が得られます。調査によると、HIITは他のエクササイズよりも25〜30%多くカロリーを消費することが分かっています。 2 運動のバリエーションを増やすのは良いことです。週末の方が時間にゆとりがあるという方は、ゴルフや友人とのウォーキングなど、自分が楽しめるアクティビティを探してみましょう。運動に思ったように時間がかけられないことは気にせずに、自分にできることに集中して下さい。 1日の食事量はどうするか 体重を減らすには、摂取するカロリーを消費するカロリーよりも少なくする必要があります。ただし、体が正常に機能するのに十分な食事は確保して下さい。食べる量が少なすぎるのは、食べ過ぎと同じくらい体に悪いことです。研究によると、摂取カロリーを極端に減らすと、長期的な健康や減量に良くないだけでなく、体重維持も困難になることが分かっています。 3 また、空腹感に耐えずして減量はできない、というわけではありません。野菜、果物、豆類、全粒粉など、食物繊維の豊富な食品で満腹感を保つのは、体重を減らし、適切に維持する最良の方法のひとつです。 4 何らかの負傷がある場合 体に何らかの負傷がある方には、関節への負担が少なく、けがを悪化させたり引き起こしたりする可能性の低い、低負荷の運動を行うことをおすすめします。ウォーキングは特別な技術や知識を必要とせずすぐにできるので、運動を始めたい人に最適と言えます。しかしながら、けがの状態によっては難しいかも知れません。そのような場合は、水泳や低負荷の水中エアロビクスを検討してみて下さい。水が体重を支えてくれるので、関節への負担が非常に少なく、陸上での運動で感じていた痛みを水中ではほとんど感じなくなる可能性があります。 現在の体力レベルを考えて 私たちは一人ひとりが違ったタイプの人間であり、フィットネスのレベルも様々です。5km走ることが、ある人にとっては何でもないことである一方、別の人にとっては何ヶ月もかけてトレーニングしなければできないことでもあります。つい人と比べてしまいがちですが、他の人が何をしているかは気にせず、自分にできることに集中して下さい。自分には基礎体力がないと感じているのなら、無理のないペースで基礎体力をつける方法はいくらでもあります。グループで行うアクティビティには、様々なレベルに対応できるものがあります。例えば、ブートキャンプには、体力のある人だけでなく、体力に自信のない人も参加することができます。あくまでも自分自身を基準にして、自分の体力に合わせて楽しんで下さい。 目標を明確に まずは、自分のゴールは何かを明確にしましょう。体重を減らすことを一番の目標とするなら、食事のカロリーを減らせばそれだけ体重は早く減るでしょう。それでも、バランスが重要であることを忘れてはいけません。急激に体重を減らすと、すぐにリバウンドしてしまうだけでなく、筋肉量の減少、空腹感の増大、栄養不足、エネルギー水準の低下などの悪影響が出てきます。 5 運動には他にも多くの健康上の利点があります。研究によると、定期的な運動は「幸せ」ホルモンであるセロトニンとノルエピネフリンに対する脳の感度を高め、幸せな気分に導いてくれるということです。 6 また、健康な筋肉や骨を作るにも運動は有効です。筋肉がアミノ酸を吸収する能力は運動によって高まるため、筋肉の成長を助けつつ、分解を抑えることができます。 7 私たちはつい、他人と自分を比較しがちですが、競う相手は自分であることを忘れないようにしましょう。ある人にとっては簡単なことでも、別の人にとっては難しいことになり得ますが、それでよいのです。自分に優しく接して下さい。どんな運動であれ今日何かやったのなら、やらなかった昨日より進歩したのだと認識しましょう。体力は次第についてきますし、続けていれば体重も減ってくるはずです。減量の旅の小さな一歩一歩にご褒美を与えているうちに、大きな飛躍につながります。 https://academic.oup.com/eurheartj/article/36/39/2650/2398350?login=true [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25162652/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5639963/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3225890/ [↩]https://jissn.biomedcentral.com/articles/10.1186/1550-2783-11-7 [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23630504/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11255140/ [↩]
子どもにとっての運動の重要性
Reading Time: < 1 minute 子どもの運動は大人のそれとはずいぶん違います。 例えば、子どもがジムでウェイトリフティングをしている姿は想像しにくいでしょう。子どもの場合は、友達と走り回ったり、リビングで踊ったりも含めて、あらゆる動きが運動になります。 子供にとって運動が重要な理由とは 運動というと健康維持のために行うものというイメージがあるかも知れません。それは年齢に関係なく事実ではありますが、子どものうちから活発に体を動かす機会を大切にするべき理由は他にもたくさんあります。運動は、身体の操作性、骨や筋肉、認知能力や社会性の発達を促進するなど、健康に様々な利点をもたらします。 1 体力向上 社交の場を提供する 集中力の向上 学業成績の向上 丈夫な心臓、骨、健康な筋肉の形成 健全な成長発達の促進 自尊心の向上 姿勢とバランス調整力の向上 ストレスの軽減 質の高い睡眠の促進 子どもに必要な運動の種類と量 必要な運動の種類と量は子どもの年齢によって異なります。 5才未満で自立歩行ができない場合 – イギリスのNHSのガイダンスによると、自立歩行に至らない5才未満の子どもには、発達に役立つあらゆる動きを楽しめるよう、大人が手助けする必要があります。適切な運動の例としては、寝返りを打つ、おもちゃに手を伸ばす、といったような、床の上で様々な姿勢をとることを促すものがよいでしょう。また、お風呂で遊ぶなど、水を使ったアクティビティを楽しんだり、近所のスイミングプールに一緒に行ったりするのもおすすめです。 5才未満で自立歩行ができる場合 – この段階では、1日に少なくとも3時間以上、活発に動けるようにすることが推奨されています。テレビやコンピュータの前にいる時間は最小限にして、そのかわりに庭で走ったり遊んだり、ボールを投げたりキャッチしたり、登ったり歩いたり、トランポリンで跳ねたりといった活動を楽しめるようにして下さい。 5〜18才の子ども、青少年 – NHSの指針では、この年代で身体活動の健康上の利点を十分に享受するには、毎日少なくとも1時間は中程度以上のしっかりとした運動を行うべき、とされています。例えば、自転車に乗る、泳ぐ、体操する、スキップする、サッカーなどのスポーツをする、格闘技をする、あるいはペットの犬を連れて早足で散歩するなどの活動はいずれも子どもたちにとって有益です。 子どもが何才であろうと、運動は成長の基礎となるものです。テレビの前で過ごすよりも体を動かすよう促すことを常に心がけて下さい。一方、何事もバランスが大切ですから、たまには一緒に座って映画を見るのも悪くありません。運動が自尊心を高め、ストレスを軽減し、子どもの精神面の健康全般に役立つことは、研究で示されています 2 ので、積極的に体を動かせるよう工夫しましょう。 https://www.gosh.nhs.uk/conditions-and-treatments/general-health-advice/leading-active-lifestyle/exercise-children-and-young-people/ [↩]https://psycnet.apa.org/record/1994-05137-001 [↩]
体の強化と調整 – とても重要なのに見過ごされがち
Reading Time: < 1 minute 筋トレというと、ボクサーやレスラーのように、特別強い筋力を必要とする人がやることと思われがちですが、実は、スポーツの好きな人も苦手な人も、筋力強化とコンディションの調整に力を入れることでメリットが得られます。 強化と調整には、自分の体重を利用するものや、様々な器具を使って行うものがあり、動作や健康、身体能力を向上させることができます。より具体的には、以下のような効果も期待できます。 機能全般と運動能力、パフォーマンスの向上 強化調整の主な目的は、体力をつけ、全体的な動きを向上して運動能力を高めるスキルを身につけることです。エクササイズではしばしば体幹を鍛えることを重視します。体幹がしっかりしていれば、他の筋肉にエネルギーを伝達し、より効果的でパワフルな筋収縮を可能にできるからです。強化調整の優れたプログラムは、自分の能力を最大限に引き出すうえで重要な分野を特定しながら、長期的にパフォーマンスを向上させていきます。 より良い動きを可能に 強化と調整は、バランス、コーディネーション、姿勢など、ボディメカニクス全般を向上します。ある研究では、転倒の危険性が高い高齢者に筋力トレーニングを行うと、その危険性を約40%低減できることが示されています。 1 姿勢の改善に役立つ ボディメカニクスが改善されると、体を支えている筋肉が強化され、姿勢が良くなります。座りっぱなしになるライフスタイルが増えている現代、アスリートだけでなく、すべての人がこの恩恵を受けることができるのは明らかです。さらに、姿勢が良くなると呼吸器系や循環器系など他の身体機能の改善にも役立つという研究結果も出ています。 2 怪我のリスクを減らす 強化と調整に着目した動き方のテクニックを導入し、自分の動きをよく見て正しく動けているか確認しながらバランスをとるようにすることで、怪我を防ぐことができます。これはアスリートに限らず非常に有益です。誰だって、痛みを感じなくて済むならその方が良いでしょう。 しっかりとした基礎を作るには アスリートの場合パーソナルトレーナーの指導を受けるという選択肢がありますが、自宅でできる強化調整エクササイズもたくさんあります。高価なジムに通う必要はありません。自分のペースで気軽にできて、全身にメリットをもたらすトレーニングを行うことができます。まず最初に、心拍数を上げるためにウォーミングアップをしましょう。5分間の早歩きやジョギングをしながら、腕や脚などの筋肉をぐるぐる回してほぐします。 初心者の方は、以下の4つの簡単なエクササイズから試してみて下さい。いずれも道具は必要なく、自分の体重だけでできるエクササイズです。 ランジ ランジは、腰から大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部、ふくらはぎまで、下半身の筋肉を鍛える運動です。 ランジのやり方: 足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばします。 右足を前に大きく踏み出し、右膝が90度の角度になるまで腰を落とします。左膝から下は地面と平行になるようにします。ポイントは右膝が右のつま先より前に出ないように注意することです。 背筋をまっすぐに立てます この姿勢を5秒ほどキープ 右足を元の位置に戻します 左側も同様に行います スクワット スクワットは主に臀部と脚の筋肉に働きかけますが、体幹や背中、肩の筋肉も強化できます。 スクワットのやり方: まっすぐに立ち、足をヒップより少し広めに開きます ゆっくりと腰を落としていき、スクワットの姿勢をとります 腰を上げて立ち上がります 以上を繰り返します プランク プランクは体幹の強さと安定性を高めるのに最適です。また、背中や胸、肩の筋肉を鍛えるのにも役立ちます。 プランクのやり方 : 床に膝をつき、両手と前腕部を床につけます 前腕とつま先だけで体を支え、まっすぐに保ちます。腰が落ちないように、お尻をキュッと締めて腹筋に力を入れて下さい プランクの姿勢をできるだけ長く保ちます。体力がついてくれば、保てる時間が長くなります どのエクササイズも、自分の体力や能力に合わせてアレンジすることができます。スクワットが1回できるか100回できるかは重要ではありません。自分自身に挑戦し、体力がついたときに得られるメリットを享受することを重視して下さい。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3634155/ [↩]https://journals.physiology.org/doi/abs/10.1152/ajplegacy.1939.127.3.573?journalCode=ajplegacy [↩]
ストレッチの重要性
Reading Time: < 1 minute ストレッチは本当に重要なのでしょうか。単純でありながら健康に大きなメリットがもたらされる理由とは何でしょうか。 ストレッチというと、アスリートやスポーツをしている人だけが行うものと思われがちですが、実はどこの誰にとっても有益なものです。ストレッチは、筋肉が凝っていると感じ始めたときや痛みを感じたときに限らず、これらの問題が発生しないように定期的に行うべきです。定期的に運動をする場合は、運動前後のストレッチだけではなく、回復期に充てる日を設けたり、回復用のストレッチを行うことも重要です。 ハーバード・ヘルスが発表したレビューでは「ストレッチは筋肉を柔軟に、強く、健康的に保つものであり、関節の可動域を維持するには柔軟性が必要である。柔軟性がないと筋肉は縮み、硬くなる。こわばって力の衰えた筋肉は、動くように筋肉に指示をしても、伸びきるはずのところまで完全に伸ばすことができない状態になる。それが関節の痛みや緊張、筋肉の損傷などのリスクにつながる」と説明されています。1 ストレッチ特有のメリットとは ストレッチに身体的効果があるのは明らかですが、精神的な安定感を促す働きも示されています。これは、ストレッチがヨガで実践されているような呼吸法に集中するテクニックに組み込まれている場合に特に当てはまります。2 その他にもたくさんのメリットがあります。 柔軟性を向上し、可動域を大きくする 柔軟性が向上すると、腰をかがめたり、椅子から起き上がったり、幼児を持ち上げたりするなど、当たり前と思われる日常の活動で痛みを感じることなく簡単に身体を動かせるようになります。様々な種類のストレッチを行うことで、最大限の可動域で自由に関節を動かせるようになることについては研究3 で明らかになっています。これについては後述します。 姿勢の改善 ストレッチは筋肉に有効です。筋肉が硬くなるのを防ぎ、より自由に動けるようにしてくれます。筋肉のアンバランスに悩まされることも少なくなるでしょう。筋肉でよりしっかりと骨格を支えることができれば、結果的に体のアライメント(骨格の並び)が改善されて全体的に姿勢が良くなります。 運動パフォーマンスの向上 ストレッチが可動域を広げるのに役立つことはすでに見てきました。可動域が広いほど、より多くの筋肉を活性化して使用できるようになります。使える筋肉が増えれば、パワーとエネルギーが増し、潜在的なスポーツパフォーマンスが向上します。さらにストレッチは、体が強い衝撃を吸収できるよう整える役割を果たし、運動前の怪我の予防に役立ちます。 運動の回復に役立つストレッチ 運動後のストレッチは筋肉への血流を増加させ、毒素や老廃物を洗い流し、回復時間を短縮し、遅発性筋肉痛(DOMS)の予防に役立ちます。 すばらしいストレス解消法 ストレッチは、特に運動後に行うと、心拍数を下げ、呼吸を落ち着かせるのに役立ちます。ストレッチをしている時間はマインドフルネスな状態で過ごすことができ、周りの世界から精神的に離れることで、息抜きにつながります。 ストレッチのテクニック各種 自分でできるストレッチから、手助けが必要なストレッチ、心を落ち着かせるストレッチ、心拍数を上げるストレッチまで、それぞれにメリットのある各種のストレッチがあります。 自分で行うアクティブストレッチ アクティブストレッチとは、自分の筋肉以外の助けを借りずに体勢を支える静的ストレッチ(スタティックストレッチ)です。アクティブストレッチでは、片方が伸びるともう片方が収縮するというように、筋肉は相反する機能を発揮します。その例としては、つま先を伸ばし、足首を前後に屈伸させた場合などが挙げられます。 補助によるパッシブストレッチ パッシブストレッチも静的ストレッチの一種です。アクティブストレッチと同じように筋肉に働きかけ、筋肉が相反する機能を発揮します。ただし、パッシブストレッチは補助となるパートナーや器具による力を加えていくので、強度が大きくなります。 パッシブストレッチの例としては、レジスタンスバンドを使用したり、寝転んだ状態から足を天井に向かって押してもらったりして、ハムストリングを伸ばすことが挙げられます。 ダイナミックストレッチ(動的ストレッチ) このタイプのストレッチは筋力と持久力を高めます。ダイナミックストレッチでは、通常の可動域を超えない範囲まで徐々にストレッチを行います。静的ストレッチとは異なり、動的なダイナミックストレッチには動きが伴い、ストレッチするための努力が必要になります。ダイナミックストレッチは軟部組織の端から端まで働きかけますが、目一杯伸ばしたまま保持するのではなく、ほんの少しだけ静止した後、筋肉と腱に力を込めて、伸ばした筋肉を収縮させていきます。ダイナミックストレッチの例には、ランジやスクワットがあります。 ストレッチを日課に取り入れる方法 新しいルーチン一般と同じように、急に多くのことをし過ぎないよう、ゆっくりと進めることが重要です。ストレッチ初心者の場合は、ヨガやピラティスの先生に相談して、始める前に使用すべき正しいフォームを確認しましょう。先生の指導があるストレッチのクラスに通い続けるか、一人でできるストレッチを日課の一部にするかは自分で選択できます。 ストレッチをする時間は1日のうちいつでも自分の都合で作ることができます。ふくらはぎ、ハムストリング、ヒップ、腰など、ストレスを受け硬くなりやすい体の主な部位に焦点を当て、上半身も忘れないでストレッチしましょう。首や肩を伸ばす動きもいくつか取り入れてみて下さい。ストレッチは勢いをつけず、ゆっくりと慎重に行い、それぞれ約30秒間保持します。ストレッチは気持ちいいと感じるはずです。痛みを感じたら、その時点で伸ばし過ぎになっている可能性があるのでやめておきましょう。 ほとんどの人にとって、ストレッチは気持ちの良いものです。心地良く感じられるものは、健康のために驚くほど効果があります。ストレッチをセルフケアの一環として考えたことがない方は、やってみてはいかがでしょうか。身体的にも精神的にも健康効果が得られるようになります。 https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/the-importance-of-stretching [↩]https://wselvamurthy.com/wp-content/uploads/2020/02/EFFECT-OF-YOGIC-EXERCISES-ON-PHYSICAL-AND-MENTAL-health-of-young-fellowship-course.pdf [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3273886/ [↩]
フィットネスの11要素
Reading Time: < 1 minute フィットネスというと、活発に運動できるかできないか、のいずれかを問われているような印象があります。 ところがフィットネスの科学はもっと奥深く、人が身体的に健康であるためには、いくつもの要素が必要であることが分かっています。例えば、強い筋肉をたくさんつけているけれど柔軟性がない人を、フィットネスで不完全とは言えないでしょう。 1 逆に、小柄な体操選手は、つま先に簡単に手が届き、後屈もできますが、先に例にあげた人ほどの重量を持ち上げることはできないでしょう。この場合もまた、それを理由にフィットネスに欠けるとは言えません。総合的なフィットネスを判断するには、異なる状況下で体がどのように機能するかを見極めることが望まれます。 全体的なアプローチでフィットネスに取り組む フィットネスには様々な分野があり、各々の構成要素やパーツに目を向けると総合的な理解に役立ちます。また、スポーツの種類や、その中での役割などによって求められる要件が異なることも知っておくとよいでしょう。例えばサッカーなら、ゴールキーパーは、ストライカーとは異なる分野の技術を必要とします。 健康に関連するフィットネスの要素 フィットネス向上に身体の健康面から取り組むことのできる要素には、以下のようなものがあります。 身体組成:体を構成する脂肪、筋肉、骨の割合は、フィットネスのレベルに直接影響を及ぼします。例えば、走り高跳びの選手は、体を上へ引き上げるために無駄のない身体構成をしていますが、砲丸投げの選手は、より遠くに投げる力を生み出すために、強固な身体構成を必要とします。 心肺機能の持久力:ある種のスポーツでは極めて高度な心肺機能が要求されます。例えば、長距離走は、心臓、肺、血液が長時間にわたって酸素をいかに効率的に運搬できるかにかかっています。 柔軟性:関節の可動域はフィットネスの一指標であり、スポーツによっては他のスポーツよりも優れた柔軟性が求められます。例えば、体操選手はビリヤード選手よりも高い柔軟性を必要とします。 筋持久力:これは、筋肉が疲れ切ってしまうことなくパフォーマンスを続けられる能力です。好例として挙げられるスポーツはローイングです。ローイング選手は、同じ動作を繰り返し長時間続けることが必要です。 筋力:筋力とは、筋肉に負荷がかかったときにどれだけの力を発揮できるかを示す指標です。例えば、レスリングはバドミントンよりも筋力が必要です。 スキルに関連するフィットネスの要素 多くのスポーツはそれぞれに異なるスキルを必要とします。例えば、体操選手には、スピード、筋力、持久力、敏捷性、柔軟性、パワーなどいずれも高度な能力が求められます。 2 スキルに関連する要素は、練習によって向上できます。 正確さ:ボクシングのように特定のポイントを狙うスポーツでは、一定の方向に動きをコントロールすることが重要です。 敏捷性:テニスやスカッシュなどのスポーツでは、瞬発力そのものよりも、素早い方向転換をコントロールする能力が重要になります。 バランス:体をコントロールして安定させる能力は、多くのスポーツで必要とされます。また、完全な静止状態を保ち、銃声とともに走り出す短距離走者のような場合にも、フィットネスの良い指標となります。 コーディネーション:2つ以上の体の部位を同時に使って様々な動作を協調させて行うことのできる能力です。例えば、バスケットボールのドリブルでは、足で移動しながら、ボールを離さないよう手でコントロールする必要があります。 パワー:パワーは、やり投げや円盤投げなどのスポーツにおいて、フィットネスの重要な指標となります。これらのスポーツでは、腕を前方に素早く振って大きな力を加えることで、用具の飛距離というパフォーマンスが実現します。 スピード:徒競走など、A地点からB地点まで素早く移動することが求められるスポーツでは、フィットネスの指標としてスピードがよく用いられます。 フィットネスをこのような要素に分解していくと、単に誰が一番か、という問題ではないことが分かります。フィットネスは、人によっても、スポーツの種類によっても異なります。大切なのは、他人と比較するのではなく、自分の能力を基準にすることです。自分のレベルが今どの程度であっても、フィットネスの11要素は頑張って練習すれば向上させることができます。 http://www.professorjohnthoday.com/downloads/Fitness.pdf [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3325636/ [↩]
ガーデニングとウェルビーイング
Reading Time: < 1 minute ガーデニングが心身に良い理由とより良い効果の引き出し方 ガーデニングを趣味として楽しんでいる人もいれば、庭仕事を面倒な家事のひとつととらえている人もいます。ガーデニングとウェルビーイングの関係が密接であることは、せっせと手入れに励む人にとっても、たまに庭に出る人にとっても朗報と言えそうです。ガーデニングは暗く彩りに欠ける冬から逃れる機会を与えてくれたり、植えておいた種や球根が息を吹き返すのを目の当たりにする春の楽しみをもたらしてくれたりします。人によって当たり前だと思っていたり、気付いていなかったりするかも知れませんが、ガーデニングには多くの利点があるのです。 ガーデニングは老後や祖父母の趣味にとどまりません。特に近頃は若い世代や子どもたちの学校のプログラムでもガーデニングとその利点が取り入れられるようになっています。Plant Snap のようなアプリ、You Grow Girl のブログ、人気のハッシュタグ #citygarden #growyourfood なども、土いじりに勤しむ若者を支えています。ガーデニングが心身の健康と結びついていることを考えると、とても好ましい傾向と言うべきでしょう。 メンタルヘルスに良いガーデニング ガーデニングは個人の心身の健康にも健全な社会にも役立つアクティビティです。それはれっきとした科学研究でも立証されています。 あるメタ分析では、ガーデニングの効果として、不安やうつの軽減などが注目されています。また、ガーデニングをする人は、健康的な体重の指標となるBMI値が低めで、生活全般の満足度が高く、生活の質や社会とのつながりといった面でも好ましい傾向にあると認められました。1 ガーデニングは脳だけでなく、精神面の健康にも良い趣味です。ストレス解消に役立ち、リラックスできるという点では、読書などの他の趣味以上に優れています。また、空間美化にもなります。自宅や近所、市街地が美しく整うと、人々の生活の質にも良い影響がもたらされます。 ガーデニングのもたらす数多くの利点には、認知機能と脳の健康の向上も含まれます。オーストラリアの研究グループは、認知症の予防に役立つライフスタイル上の要因を探るべく、60才以上のシニア層3000人を16年にわたり調査しました。そして効果の高い活動のひとつとして、日々ガーデニングを楽しむことを挙げています。2 メリットは環境にも ガーデニングや自家栽培は環境面で倫理的な貢献をする活動にもなります。大規模な栽培農場の環境負荷は世界中の環境に悪影響を及ぼしています。輸送に大量の燃油とプラスチック容器を要すること、安全性の不確かな農薬が使われること、栄養価の低い未熟な状態で収穫されること、長距離を輸送されること、収穫から消費に至るまで長期間保存されることなど、いくらか前の世代にはなかったような問題点が山積みです。環境の変化は、野菜や果物、穀類、豆類、ナッツ類といった農産物にも根本的な変化をもたらします。例え、キッチンの窓辺でハーブを育てるというような小さな工夫でも、環境に優しく、自分と家族の栄養の基礎づくりに貢献することができます。出自のはっきりとした食材が手に入るという利点も見逃せません。ささやかながら、生産者の正体が分かっているという安心感が得られます。 ガーデニングとウェルビーイングの関係 先進国では自然に触れる機会が極端に少なくなっています。自然については、“nature”の頭文字をとってビタミンNと称する人もいます。都会で暮らしていると遠くの森林公園へ歩きに行く機会は限られてしまいますが、街角の小さな公園に出かけるだけでもビタミンNを積極的に取り入れることができます。庭も公園も自然の小宇宙です。そこに身を置けば、自然の様々な要素とのつながりを確かめることができます。森林を歩く時のように、庭でも景色やにおい、音が楽しめます。ガーデニングをすれば、それに加えて、手からあらゆる感触が伝わってきます。 ガーデニングの効果としてもうひとつ、免疫系と心の健康を支えるビタミンDがより多く得られるという点も見逃せません。また、Wi-Fiや携帯電話、5G、送電線や配電盤など、人工的な電磁波がスモッグのように私たちの生活環境に漂っていますが、大地と体を直に接触させることで、地球の自然な電磁場にリセットされるとも言われています。 運動にもなるガーデニング 一見そうとは思えないかも知れませんが、ガーデニングは運動になります。水泳やランニングほどの運動量はないものの、ガーデニングは柔軟で俊敏な体を維持するのに役立ちます。 草引きはスクワットになりますし、種まきの時にもかがみます。穴を掘ったり土をかけたりといった動作は体を捻りながら行います。こういった基本的な動きが良い運動になります。 数時間ガーデニングをした後の空腹感は自分でも驚くほどです。それだけのカロリーを燃焼したのだ、と思ってよいでしょう。 Soga, Masashi, et al.“Gardening Is Beneficial for Health:A Meta-Analysis.” Preventive Medicine Reports, vol. 5, 2017, pp. 92–99. doi:10.1016/j.pmedr.2016.11.007. [↩]Simons, Leon A, et al.“Lifestyle Factors and Risk of Dementia:Dubbo Study of […]
オリンピック選手に聞きました
Reading Time: < 1 minute オリンピック選手の足跡を辿ってみたいと思ったことはありませんか。ライフプラスはこのほど、イギリスのオリンピック選手、ジェームズ・エリントンのスポンサーとして提携しました。彼は2017年に大きな交通事故にあいましたが、その後エリートレベルの競技会に復帰しました。旅を続ける彼は多くの人々の心を動かしています。 私たちはこれから彼の旅に同行するわけですが、彼の来し方はとても興味深いものです。きっかけ、勝利、つまずき、モチベーションなどについて詳しくお聞きしました。 ジェームズ・エリントン 基本情報 スポーツ:男子陸上競技 – イギリス代表 短距離選手 種目:100m走、200m走 所属クラブ:ニューハム&エセックス・ビーグルズ 主要実績: オリンピック2大会に出場(2012年、2016年) 欧州陸上競技選手権大会で金メダルを2回獲得(2014年、2016年) 2014年コモンウェルスゲームズ 銀メダル 英国陸上競技選手権大会2連覇(2012年、2013年) 15歳未満、17歳未満、20歳未満の各部門で早くから全国タイトルを獲得 2004年世界ジュニア選手権100mで決勝レースに出場 ジュニア欧州選手権 金メダル 夢を現実に… ジェームズは3歳という幼少の頃からアスリートに憧れてきました。彼は自分のことを「頭が固い」と表現していますが、それは将来何をしたいのかを常に明確に意識していたということでしょう。13歳の時、テレビで陸上競技を見ていた頃には、大好きなスポーツをプロのレベルにまで高める気になっていたそうです。そして、周囲からプロのアスリートを目指すのは安全な選択ではないと言われても、子供の頃からの夢は絶対に失わないと心に決めて、目標に向かって邁進しました。 この心意気が確かなものであったことは、今日のジェームズに至るまでの見事な旅で実証されています。旅には常に浮き沈みがあるものですが、ジェームズの経験はひときわユニークです。だからこそ彼の成功への足跡は多くの人々にとってインスピレーションとなっているのでしょう。 インタビューの内容は以下の通りです。彼が夢を現実にするために歩んできた道のりをご覧下さい。 H2:ジェームス・エリントンに聞きました… これまでで最大の試練は何でしたか。 私の最大の試練は、2017年に経験した恐ろしいバイク事故です。脛骨、腓骨、骨盤を骨折し、陸上競技でのキャリアが完全消滅の危機に陥りました。回復の旅は長いものでしたが、自分が望む場所に戻って来られたことを誇りに思っています。キャリアを振り返ると挫けそうになったことは何度もありましたが、今思うに、いくつもの壁を乗り越えた経験は、最大の挫折である交通事故に立ち向かうために必要なことだったのでしょう。苦しかったことのすべてが、いつか訪れるどんな障害にも対応できるよう、精神的な強さと回復力を身につけることにつながったのです。 この上なく困難な旅ではありましたが、乗り切る上で大きな役割を果たしたのはマインドセットでした。私は子供の頃からの夢を信じ続け、物事を複雑にせずシンプルに保ち、自分にプレッシャーをかけすぎて踏み外してしまうことのないように努めてきました。歩くことができれば走ることができる、走ることができればスプリントができる、と常に口にしながら、私は一歩ずつ進んできました。 その一件の影響とは。 根本的に、意欲とモチベーションには今も変わりはありません。唯一変わったことは、今ここにいることをもっと楽しもうとしていることです。アスリートとして大会から大会へとわたり歩くことに夢中になっていると、すべてを受け入れることを忘れがちです。私は、今を生きること、そして成果を祝い味わうことにより重点を置くようにしています。それは何も大きなことでなくても構いません。心の中でしばし立ち止まって、今の自分を褒める時間をとるだけで充分なのです。 あなたにとってのヒーローは実在する人物では誰ですか。 これは難しい質問ですね。誰かの功績は常に称えてきました。また誰しも人間であるという視点を持つようにしています。誰かが何かを成し遂げることができたのなら、自分も何だって成し遂げることができる、そう思うのです。子供の頃にリンフォード・クリスティの優勝をテレビで見て以来、ずっと彼を尊敬しています。人生とは分からないもので、後に私は彼にコーチについてもらうことになりました。タイソン・フューリーもまた、あらゆる経験から尊敬の対象となっています。 座右の銘は何ですか。 自分らしく、すべてに誠実であること。相手の目に映る自分が偽りのないものであると思いたいですね。カメラの前に立つ時もカメラの背後にいる時も同じです。自分が何者であるかを開示することは大切だと思っています。 最も誇りに思っていることは何ですか。 キャリアを通して有言実行を続けていることです。人々が私のキャリアは終わったも同然なのに、クレイジーだと口々に言っていた時期でさえ、達成すると言ったことはすべて達成してきました。思いを込めれば、それは必ず実現します。鍵は意思を表明することです。 2021年の目標は。 以前はランニングを再開して競技に復帰することが最大の目標でしたが、それは達成しました。今の目標は2021年のオリンピックのチームに入ることです。自分の能力を最大限に発揮すれば、優勝できると信じています。厳しくとも、自分を信じて頑張ります。 選考会に向けて、トレーニングに変化はありましたか。 量より質を重視したトレーニングに変わりました。怪我のリスクをおかしてまで鍛えるのではなく、すべてのセッションで目的を明確にして、より効率的にトレーニングしています。栄養も私のトレーニングの大きな部分を占めています。栄養を正しく摂ることの大切さは常々感じていましたし、今でも回復とトレーニングの両方で栄養面からのサポートを意識しています。 トレーニングのスケジュールはどのようになっていますか。 週6日のトレーニングから週4日になりました。月曜と水曜はトラックの後にジムのセッションもあり、集中的に体を動かします。木曜日は簡単なリカバリー・サーキットとストレッチを中心に行います。そして土曜日にトラックセッションをこなします。週6日のトレーニングよりもコンパクトなので強度は上がっていますが、リカバリーに費やす時間は増えています。それがパフォーマンスを支える鍵となるからです。 トレーニングや競技をしていない時は何をしていますか。 音楽、アウトドア(ロックダウン規制下でなければ)、車などが好きです。意外かも知れませんが、実はハンス・ジマーの音楽が大好きなんです。トレーニング中はいつも音楽を聴いています。モチベーションを上げるために、Deep Tech HouseやOld School Garageなどのアップテンポな音楽をよく聴きます。大会に向けて準備をしているときは、ハンス・ジマーの音楽から始めて、ドラム&ベースの曲へと積み上げて行きます。音楽にはパワーがあります! 還元活動は何かしていますか。 学校に行って子供たちに話をしたり、キットの箱を配ったりと、恩返しの機会を常に探しています。過去には、Met-Track Athleticsと協力して、様々な問題を抱えた地元の子供たちのコーチをしたことがあります。陸上競技の指導が主な目的でしたが、精神的なサポートにも関わりました。 東京オリンピック以外の目標はありますか。 来年は欧州選手権か世界選手権を視野に入れています。オリンピックがどうなろうと、自分の体力がある限り、競技をやめることはありません。自分の体が許す限りのことをしていきたいと思っています。 ハイパフォーマンス選手として心がけていることはありますか。 自分が情熱を持っていることに全エネルギーを集中し、そこからあまり離れないようにしています。ハイパフォーマーは厳しい状況になった時に見分けやすくなります。実に多くの人が最初のハードルで挫折するのを見てきました。私の場合は、困難になると脳の中で何らかのスイッチが入って、もっと頑張ろうという気持ちになります。だからこそ、精神力を役立てて長年数々の大きな困難を乗り越えてくることができたのです。 […]
ピラティスのもたらすメリット
Reading Time: < 1 minute 心身の健康に役立つピラティス ピラティスの人気は近年ますます高まっています。ピラティスを行うことで得られる効果が広く知られるようになって、ダンスやヨガの好きな人だけでなく、自分の体をもっと知りたい人、体力や内面的な強さを求めている人にも人気のエクササイズとなっています。 ピラティスとは ピラティスという名称は、その生みの親であるジョセフ・ピラティスにちなんで名づけられたものです。彼は1920年代に姿勢やバランス、柔軟性を向上させるために体幹の筋肉を鍛えるエクササイズを開発しました。1 ピラティスはヨガとは異なる動きで構成されていますが、しばしば同類視されています。それはおそらく、体幹を重視しているためと考えられますが、呼吸のコントロールが重要であるという点でも確かに両者に共通項があります。ピラティスの原理原則は、センタリング(中心を把握すること)、集中力、コントロール、正確さ、呼吸、フローといった要素が健康にもたらす効果に基づいています。 ピラティスとヨガの違い 先に述べたように、ピラティスとヨガには共通する要素がいくつかあります。ピラティスもヨガも、強靭性、バランス、柔軟性、姿勢、優れた呼吸法を身につけるもので、心身の健康を結びつけることが核となっています。 とはいえ、明確に異なる点もいくつかあります。瞑想を含むヨガは静的なポーズが特徴ですが、ピラティスでは瞑想も静止のポーズも用いることはなく、動作の流れが重視されています。また、ヨガにはマット以外の道具は必要ありませんが、ピラティスの場合、マットの上だけで行うこともできるものの、一般的にはリングやボール、バンド、リフォーマーなどの器具を使用します。 ピラティスとヨガの効果を調査・比較するために行われた研究2 では、両者ともに、姿勢の改善、柔軟性の向上、筋肉の緊張やストレスの軽減など、身体的な健康だけでなく、精神的な健康にも効果があることが確認されています。改善度がより高かったのは、ピラティスの方でした。この研究は、健康で病気や身体的制限のない30歳から40歳までの男女90名のボランティアを対象に行われました。ピラティスをする群、ヨガをする群、全く運動をしない群の3つのグループに分けて、運動する群では8週間にわたり、1時間の運動を週3回実施しました。すると、運動機能と個人の健康状態においてピラティスを行った群で最も大きな改善が認められたということです。 さらに高齢女性(65歳以上)を対象とした研究では、ピラティスによる身体能力向上において年齢は障壁にならないことが示されました。3 結果が示したバランスの取れた動きや反応時間、筋力の向上は全て、ピラティスのエクササイズに起因していると考えられています。また、この研究では、ピラティスのエクササイズを通じて体力づくりの様々な要因を向上することで、高齢女性の転倒を減らせるとの見通しも述べられています。 ピラティスに向き不向きはあるか ピラティスのクラスに参加してみたい、あるいは自宅でピラティスの練習をやってみたい、と思ったなら、今がチャンスです。ピラティスは年齢層や体力レベルの異なるあらゆる人に適しています。個々のニーズに合わせてエクササイズを行うこともできるので、ピラティスの恩恵は誰もが受けられる、と言えます。同じピラティスでも、初心者向けの緩やかでゆっくりとしたものから、よりダイナミックでしっかりと体を動かすものまで、様々なレベルのクラスがあります。おすすめのエクササイズではありますが、具合の悪いところがある方は、医師やインストラクターに相談してから始めた方がよいでしょう。 ピラティスに必要なもの ピラティスにはマットを使うものと器具を使うものがありますが、床にマットを敷くだけでできるエクササイズはたくさんあります。マットを使うピラティスは無料動画を見ながら自宅でできます。器具を使うピラティスはインストラクターの指導を受けながら行うとよいでしょう。自分にとってどちらが良いか判断するために、両方を試してみる価値はあるかも知れません。ピラティスには、リフォーマーピラティスと呼ばれる専門的なピラティスもあります。これは、平らなプラットフォームのある大きなベッドに似たマシンを使用するもので、フレームに設置された滑車やバネを利用して、前後に転がったり負荷をかけたりしながら、様々な動きで全身を鍛えます。 ピラティスが健康にもたらすメリット ピラティスは、動作や姿勢の改善、ストレスレベルの低下など、心身の両面で様々な健康効果をもたらします。以下、メリットについて詳しく見ていきましょう。 体幹強化と安定性の向上 メイヨー・クリニックの研究は、ピラティスは関節の可動域を広げ、筋肉のコントロール、筋力強化、持久力向上を可能にするとの結論に達しています。4 ピラティスは目的に合わせてアレンジしやすく、安定性を高めるプログラムやゆっくりと筋力をつけていくトレーニングにも、経験の豊富なアスリートが次のレベルに挑戦するためのワークアウトにも応用できます。そういった幅の広さから、年齢や体力レベルの異なるあらゆる人々にとって優れた選択肢となる、と認められています。 姿勢、バランス、柔軟性の向上 メイヨー・クリニックの研究1 では、姿勢、バランス、柔軟性の向上を目的に体幹の筋肉を鍛えるなら、ピラティスが身近な方法となることが示されています。専門誌(Muscle, Ligaments and Tendons Journal)に掲載された調査結果によると、適切な姿勢と動きのパターンはピラティスで訓練できる、ということです。4 ピラティスを基盤としたエクササイズを特定の臨床集団に適用することのメリットは従来の研究でも示されていますが、ピラティスの適用と成功を実証するには、トレーニングの幅を広げ、リハビリテーションの場にも拡大して、さらなる研究資料の作成が必要である、との提言も記載されています。 腰痛の予防と改善 腰痛のリハビリには、体幹強化をはじめ科学的な裏付けで認められた様々な方法がありますが、ピラティスはその原理を利用したエクササイズなので、腰痛の予防と治療もまた、ピラティスがもたらす利点と言ってよいでしょう。7 ストレスの軽減 身体的な利点の多いピラティスですが、メンタルヘルスにも有益であると考えられています。5 ピラティスを定期的に行うと、姿勢や筋肉の締まり、バランス、関節の可動性が改善し、それがストレスや緊張の緩和につながるということは、医師にも認められています。 ピラティスのメリット ピラティスは体力レベルを問わず老若男女誰にでも、バランス調整力や姿勢、柔軟性の向上、ストレス軽減、メンタルヘルスの向上などの効果をもたらします。自宅でできるほか、教室で指導やサポートを受けて行うことも可能です。あなたも何度か試してみてはいかがでしょうか。 https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/pilates-for-beginners/art-20047673 [↩] [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6732550/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3737905/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3666467/ [↩] [↩]https://www.nhs.uk/live-well/exercise/guide-to-pilates/ [↩]
スポーツによるけがを予防するには
Reading Time: < 1 minute けがを予防し、運動のもたらす健康効果を享受するためのヒント けがを負うと頑張ってきた運動が台無しになってしまいます。熱心にエクササイズをしている人も、これから新しいフィットネス・プログラムに参加しようとしている人も、けがを防ぎ、フィットネスのゴールを目指すためには正しい体の動かし方や運動方法を知っておくことが重要です。 けがをしないためのヒントをご紹介 • トレーニングを慎重に選ぶ 最短の時間で最大の結果が得られそうなものに飛びつきたくなるものですが、自分に合ったトレーニング・プランを選択する際には、考慮すべき多くの内容や条件があります。ランニングなどのハイインパクトのエクササイズは、持久力向上と心臓血管の健康に最適ですが、関節に余分なストレスがかかるため、けがをするリスクが高くなります。水泳などのローインパクトのエクササイズは、心臓血管系を鍛え、基本動作トレーニングとしても優れています。しかも関節への負荷が少ないため、けがのリスクは少なくて済みます。 • 正しいエクササイズの方法とテクニックを学ぶ 小さな動きが大きなけがの原因になることがあります。重量挙げなどの場合は顕著です。重量の軽いものでも、持ち上げ方を間違えると筋肉が裂けたり、肉離れを起こしたりします。フィットネス・トレーナーやコーチに相談すれば、適切なテクニック、つまり立ち方や無理をせずに自分を追い込む方法などを学ぶことができ、やり過ぎやダメージを防ぐことができます。これは基礎疾患のある場合や身体能力に影響を及ぼす可能性のある他の要因がある場合にはさらに重要です。 • 適切な運動用具を手に入れる 運動は十分にハードなものなので、適切ではない用具に投資して、さらに運動が困難になるようなことのないようにしましょう。適切な運動靴を履くことで、バランスを崩したり、足の回内運動が過剰になったり制限されたりすることで引き起こされるけがを防ぐことができます。夜間に運動をする場合は、反射材入りのウェアを着用すれば他の人にも見えるようになり安全です。また、天候に合わせた適切な服装を心がけましょう。寒い中でランニングをする場合は、暑さを感じるほどになっても動きを止めると体温はすぐに下がるので、一度止まったらまた着られるような重ね着をしておくことが望まれます。 • ウォーミングアップ 焦ってすぐに取り組むのではなく、筋肉を温めて運動に備えましょう。筋肉を緩め、より自由に動かせるように準備すれば、トレーニング開始時の筋肉に及ぶ衝撃を抑え、可動域を超えて筋肉を引っ張ったり、過度に伸ばしたりするリスクを少なくすることができます。NHSのウェブサイトによると、ウォーミングアップのルーチンは、最高の効果を得るために少なくとも6分かける必要があるということです。1 • 水分補給を忘れずに 体は水を必要としています。水分を取らないと体調が悪くなるだけでなく、精神的にも肉体的にも持久力や意識が低下してしまいます。運動をすると発汗を誘発し水分が失われるので、定期的に水分を補給することがより一層重要になります。脱水状態になると、集中力が低下して疲労感が残り、けがをしやすくなり、けいれんや痛みを引き起こすこともあります。 • 一つの筋群を使い過ぎないようにトレーニングの種類を変えてみる トレーニングの計画を変えると、飽きないようにトレーニングを続けられるだけでなく、けがの可能性を減らすことにもつながります。良い運動でも同じ動作ばかりをやり過ぎては逆効果になりかねません。そういった意味でも工夫は必要です。新しいトレーニングに夢中になったとしても、休息を取ることを忘れないで下さい。疲れた筋肉には、回復と修復の時間が必要です。例えば、ある日ハイキングに行ったら、次の日は泳ぎに行ってみる、というように、いろいろなことを試してみましょう。 • 適切な栄養を体に補給する 運動による健康効果を最大限に引き出すためには、栄養を正しく摂ることがとても重要です。栄養素の種類によって体をサポートする方法は異なります。体と脳の回復や運動への適応に必要な燃料を供給するためには、グリコーゲンや炭水化物が必要です。また、細胞を作り、筋肉の修復をサポートするアミノ酸は、運動中に使われる割合が高くなるため、運動後の回復に欠かせない栄養素です。2 天然由来のアミノ酸を多く含む食品には、肉類、鶏肉、魚、卵、大豆、種子類などがあります。 運動終了後の30分は、栄養を吸収しやすい「ゴールデンタイム」です。この時間内に体の修復に必要な栄養を補給することで、けがをしにくくすることができます。 これらのポイントを守れば、けがのリスクを抑えながら、運動による健康効果を享受できるでしょう。 NHS:How to warm up before exercising [↩]NCBI:Effect of exercise on amino acid concentrations in skeletal muscle and plasma [↩]
フィットネスの基本
Reading Time: < 1 minute アクティブな生活を支える柱とは… アクティブでいるためにできることと言えば、ウォーキング、ランニング、サイクリングなど、手足を動かし心拍数を上げる方法が思い浮かぶでしょう。 ところが、私たちのすべての動作を支えている縁の下の力持ちについては、あまり考えることはありません。何か問題が生じて初めてその存在に気づく、ということも珍しくないようですが、フィットネスにおいて背中がどれほど影響力のある存在かをきちんと理解すれば、アクティブに体を動かす上でプラスになります。1 基本情報 筋肉、関節、体の柔軟性がオーケストラの奏者だと考えると、指揮者となるのは背骨(脊柱)です。全身の各部位を支えて姿勢を保つにも、様々な方向に動かすにも、脊柱が不可欠です。脊柱は33個の骨(椎骨)から成り、その間に衝撃を吸収する椎間板があります。首の椎骨(頚椎)と腰の椎骨(腰椎)は異なる形状をしています。下部の椎骨は上半身のほぼ全体を支えているので、大きく強いのですが、首の椎骨は頭のみを支えています。興味深いことに、動かす方向を決定するのは椎骨の形状です。小さい椎骨が並ぶ首は、脊椎下部よりもはるかに自由に動きます。 鎖状につながる椎骨と椎間板は、多くの筋肉、腱、靭帯によって支えられており、これらが強度と安定性をもたらします。筋肉と骨は腱でつながっています。筋肉が収縮すると、それによって生じる力は腱を介して骨格系に伝わり、特定の体の部位を動かす仕組みになっています。靭帯は関節を安定させるだけでなく、関節が動くたびに伸びたり縮んだりする柔軟性もあります。 「指揮者」として機能する脊柱は、非常に繊細に、かつ相互に連動するよう交響曲を奏でなければなりません。背骨がなければ、私たちは活動するどころか、まったく動くことができません。 適切なケアで大切に 腰から首にかけての背部に痛みを感じたことのある人は多いでしょう。少しばかり腰が痛むのは誰にでもよくあることですが、人によってはひどい痛みに悩む場合もあります。軽い痛みが走るにしろ、ライフスタイルを制限せざるを得ないほどの痛みにしろ、腰痛の原因を理解し、回避するためにできることは知っておきたいものです。2 実際、重大な事故やけがによる腰痛はむしろ少なく、大抵はライフスタイル上の要因の積み重ねによって引き起こされています。背中を丸めて携帯電話の画面を読んだり、コンピューターに向かって前かがみになったり、このような日常の習慣が脊椎や周囲の筋肉に負担をかけていると考えられます。このような悪い習慣を繰り返し続けると、困った症状につながりかねません。 それでも、よくある腰痛を予防するためにできることはたくさんあります。ちょっとした工夫を取り入れてみましょう。 じっと座っている – コンピューターに向かって一日中前かがみの姿勢でいることは、背中にとって最悪なことの1つです。体を動かさないママでいると関節や脊椎を弱めることになり、体に影響が及びます。 解決策:1時間に1回、立ち上がって2分ほど歩き回ってみましょう。立ち上がれば背骨が本来の位置に戻ろうとするので、座っている時の姿勢を改善することもできます。 スマートフォンを凝視 – 携帯電話やラップトップを見る時の頭を下に向けた姿勢は、首の筋肉に大きな負担をかけます。その影響は背骨や腰まで及ぶことがあります。3 解決策:画面に向かうのを小まめに中断し、画面を見下ろすのではなく、まっすぐ前を見るようにしましょう。 ストレス – プレッシャーを感じると、背中の筋肉が緊張します。ストレスはまた、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌量を急上昇させて体内の炎症を引き起こし、問題を悪化させます。 解決策:最新の研究によると、ウォーキングやヨガなどの緩やかな運動は、腰痛を和らげるのに非常に効果的なことが分かっています。屋外に出るとストレスが軽減されることも証明されています。毎日15分の散歩だけでも効果があります。 くしゃみ – くしゃみが腰痛の原因として上位5つ以内に入っていることはご存知ですか。くしゃみが出る時は時速160キロに相当する勢いがあるため、その圧力だけでむち打ち症になったり、背中と首の両方に痛みを引き起こしたりする可能性があります。 解決策:くしゃみが出そうになったら、膝を曲げて背骨ではなく下肢で力を吸収するようにします。あるいは、可能であれば(くしゃみが出る時の場所にもよりますが)、くしゃみをする瞬間に背中が丸まらないように、どこかにつかまって体を支えるか、体の向きを変えるのも有効です。喫煙 – 体の構造上、重要な機能の1つは酸素と栄養素を運ぶ血流です。研究者は、喫煙により関節や筋肉への栄養素の流れが減少すると、腰の組織に損傷が生じることを発見しました。 解決策:禁煙はもちろん難しいことですが、支援があれば達成できます。医師や看護師と話しをして、禁煙外来のあるクリニックへ登録してみましょう。電子タバコ、ニコチンパッチ、ガムや薬など、禁煙に役立つ様々なオプションもあります。 ストレッチ – 目覚めた時に腕を伸ばすだけでは不十分です。背中を強くしなやかに保つには、背中にも十分なストレッチが必要です。 解決策:背中を伸ばす時は、6つの異なる方向に動かすことが重要です。前後への屈曲と左右に体を倒す運動に加え、両方向へ大きく回転させましょう。座ったままでも、横になった状態でも、立ってでもできます。好きな方法で行なって下さい。ストレッチ運動の詳細については、ストレッチのメリットに関する記事をご覧下さい。 解決策のいずれか、もしくは全てがきっと役に立つはずです。重要な体の部位でありながら、最も見過ごされている背中を丈夫でバランスの取れた状態に保てば、アクティブで幸せな生活を長く支える柱となるでしょう。 https://mayfieldclinic.com/pe-anatspine.htm [↩]https://www.acatoday.org/Patients/What-is-Chiropractic/Back-Pain-Facts-and-Statistics [↩]https://www.spine-health.com/blog/modern-spine-ailment-text-neck [↩]