柔軟性を高めるトレーニングがフィットネス全体にもたらすメリットとは
柔軟性は日常生活の基盤です。
普段意識することはほとんどありませんが、柔軟性に何らかの問題が発生したときには、それがいかに重要か思い知ることになります。柔軟性がなければ、前かがみになって物を拾ったり、椅子に座ったりといった日常的な作業を行うことができません。筋肉に蓄積された緊張や痛みを取り除き、リラックスするにも柔軟性が必要です。緊張や痛みが強すぎると、休むことすらできなくなってしまいます。
フィットネスと柔軟性
柔軟性とは、筋肉とそれを取り巻く結合組織を一時的にどれだけ伸ばせるか、と言ってよいでしょう。フィットネスを支える4本柱のひとつとして、他の柱と共に働かせることで、運動のもたらす健康上のメリットを最大限に引き出すことができます。柔軟性が高いと、筋肉の可動域をしっかりと確保できるため、筋力や持久力の向上にもつながります。
柔軟性が重要な理由とは
柔軟性を高めると、体に良いことがたくさんあります。まず、可動域が広がってバランス調整力が向上するので、運動中に怪我をする可能性が低くなります。1 柔軟性を高めることで得られるその他の主なメリットは以下の通りです。
痛みの軽減
筋肉を伸ばしたり開いたりすると、体の緊張がほぐれて動きやすくなります。筋肉をゆるめると痛みや辛さを感じにくくなり、筋肉が引きつることも少なくなります。
姿勢とバランスの向上
姿勢やバランスが良いと、座ったり立ったり、動いたりするのが楽になります。ヨガなどの活動を通じて柔軟性を高めると姿勢やバランスが良くなることは、研究で示されています。2
健やかさを実感
柔軟性を重視した運動は、ゆっくりとした動作で体に優しいものが一般的です。研究によると、体を開いて伸ばすポーズを定期的に行うと、よりリラックスして幸福感を得られることが示されています。3
身体能力の向上
丈夫で効果的に働く筋肉は、筋力や持久力のトレーニングにも重要です。柔軟性を高めると筋肉がより効果的に使えるようになって、フィットネスに役立ちます。
柔軟性を高める運動
全体的な柔軟性を向上させるには、呼吸法、静的ストレッチ、動的ストレッチの3種類のエクササイズを組み合わせるのが最も効果的です。
呼吸法
適切な呼吸は、あらゆる種類の体力づくり、特にストレッチのような柔軟性を高める運動において重要な要素です。正しい呼吸で肺を満たすことができるようになれば、エネルギーを無駄なく使って運動を続けられます。
横隔膜呼吸は、横隔膜と体幹の筋肉を鍛えるのに役立ちます。以下のステップで簡単にできますのでやってみましょう。
- 楽な姿勢で立つか、椅子に座って、両手を肋骨に当てます。
- 鼻から息を吸って、肺に空気を入れながら、胸郭が広がるのを感じて下さい。
- ゆっくりと口から息を吐き、体幹に力を入れます。
静的ストレッチ
スタティック・ストレッチとも呼ばれ、一定の時間静止するストレッチの方法です。筋肉をゆっくりと温め、けがのリスクを減らすことができます。軽く引っ張っていき、緊張感が得られるところまで伸ばします。痛みを感じる手前で止めるようにして下さい。
動的ストレッチ
ダイナミックストレッチとも呼ばれる、動きを伴うタイプのストレッチ方法です。静的ストレッチとは異なり、筋肉の可動域をフルに使います。例えば、腿上げで足を片方ずつ持ち上げる動作を繰り返すと、筋肉中の血流を促進しつつ、大臀筋、腰、膝関節を伸ばすことができます。
柔軟性を高める運動は、自分自身や自分の体と向き合うすばらしい方法にもなります。身体を開放し、強く柔軟にして、全体的にバランスのとれた良好な状態を目指しましょう。
- https://www.researchgate.net/profile/Duane-Knudson/publication/240184136_Warm-up_and_flexibility/links/0046353b54ce3432ef000000/Warm-up-and-flexibility.pdf [↩]
- https://www.ijoy.org.in/article.asp?issn=0973-6131;year=2016;volume=9;issue=1;spage=27;epage=34;aulast=Polsgrove [↩]
- https://www.acefitness.org/education-and-resources/lifestyle/blog/6646/benefits-of-flexibility/ [↩]