オリンピック選手に聞きました
オリンピック選手の足跡を辿ってみたいと思ったことはありませんか。ライフプラスはこのほど、イギリスのオリンピック選手、ジェームズ・エリントンのスポンサーとして提携しました。彼は2017年に大きな交通事故にあいましたが、その後エリートレベルの競技会に復帰しました。旅を続ける彼は多くの人々の心を動かしています。
私たちはこれから彼の旅に同行するわけですが、彼の来し方はとても興味深いものです。きっかけ、勝利、つまずき、モチベーションなどについて詳しくお聞きしました。
ジェームズ・エリントン 基本情報
- スポーツ:男子陸上競技 – イギリス代表 短距離選手
- 種目:100m走、200m走
- 所属クラブ:ニューハム&エセックス・ビーグルズ
主要実績:
- オリンピック2大会に出場(2012年、2016年)
- 欧州陸上競技選手権大会で金メダルを2回獲得(2014年、2016年)
- 2014年コモンウェルスゲームズ 銀メダル
- 英国陸上競技選手権大会2連覇(2012年、2013年)
- 15歳未満、17歳未満、20歳未満の各部門で早くから全国タイトルを獲得
- 2004年世界ジュニア選手権100mで決勝レースに出場
- ジュニア欧州選手権 金メダル
夢を現実に…
ジェームズは3歳という幼少の頃からアスリートに憧れてきました。彼は自分のことを「頭が固い」と表現していますが、それは将来何をしたいのかを常に明確に意識していたということでしょう。13歳の時、テレビで陸上競技を見ていた頃には、大好きなスポーツをプロのレベルにまで高める気になっていたそうです。そして、周囲からプロのアスリートを目指すのは安全な選択ではないと言われても、子供の頃からの夢は絶対に失わないと心に決めて、目標に向かって邁進しました。
この心意気が確かなものであったことは、今日のジェームズに至るまでの見事な旅で実証されています。旅には常に浮き沈みがあるものですが、ジェームズの経験はひときわユニークです。だからこそ彼の成功への足跡は多くの人々にとってインスピレーションとなっているのでしょう。
インタビューの内容は以下の通りです。彼が夢を現実にするために歩んできた道のりをご覧下さい。
H2:ジェームス・エリントンに聞きました…
- これまでで最大の試練は何でしたか。
私の最大の試練は、2017年に経験した恐ろしいバイク事故です。脛骨、腓骨、骨盤を骨折し、陸上競技でのキャリアが完全消滅の危機に陥りました。回復の旅は長いものでしたが、自分が望む場所に戻って来られたことを誇りに思っています。キャリアを振り返ると挫けそうになったことは何度もありましたが、今思うに、いくつもの壁を乗り越えた経験は、最大の挫折である交通事故に立ち向かうために必要なことだったのでしょう。苦しかったことのすべてが、いつか訪れるどんな障害にも対応できるよう、精神的な強さと回復力を身につけることにつながったのです。
この上なく困難な旅ではありましたが、乗り切る上で大きな役割を果たしたのはマインドセットでした。私は子供の頃からの夢を信じ続け、物事を複雑にせずシンプルに保ち、自分にプレッシャーをかけすぎて踏み外してしまうことのないように努めてきました。歩くことができれば走ることができる、走ることができればスプリントができる、と常に口にしながら、私は一歩ずつ進んできました。
- その一件の影響とは。
根本的に、意欲とモチベーションには今も変わりはありません。唯一変わったことは、今ここにいることをもっと楽しもうとしていることです。アスリートとして大会から大会へとわたり歩くことに夢中になっていると、すべてを受け入れることを忘れがちです。私は、今を生きること、そして成果を祝い味わうことにより重点を置くようにしています。それは何も大きなことでなくても構いません。心の中でしばし立ち止まって、今の自分を褒める時間をとるだけで充分なのです。
- あなたにとってのヒーローは実在する人物では誰ですか。
これは難しい質問ですね。誰かの功績は常に称えてきました。また誰しも人間であるという視点を持つようにしています。誰かが何かを成し遂げることができたのなら、自分も何だって成し遂げることができる、そう思うのです。子供の頃にリンフォード・クリスティの優勝をテレビで見て以来、ずっと彼を尊敬しています。人生とは分からないもので、後に私は彼にコーチについてもらうことになりました。タイソン・フューリーもまた、あらゆる経験から尊敬の対象となっています。
- 座右の銘は何ですか。
自分らしく、すべてに誠実であること。相手の目に映る自分が偽りのないものであると思いたいですね。カメラの前に立つ時もカメラの背後にいる時も同じです。自分が何者であるかを開示することは大切だと思っています。
- 最も誇りに思っていることは何ですか。
キャリアを通して有言実行を続けていることです。人々が私のキャリアは終わったも同然なのに、クレイジーだと口々に言っていた時期でさえ、達成すると言ったことはすべて達成してきました。思いを込めれば、それは必ず実現します。鍵は意思を表明することです。
- 2021年の目標は。
以前はランニングを再開して競技に復帰することが最大の目標でしたが、それは達成しました。今の目標は2021年のオリンピックのチームに入ることです。自分の能力を最大限に発揮すれば、優勝できると信じています。厳しくとも、自分を信じて頑張ります。
- 選考会に向けて、トレーニングに変化はありましたか。
量より質を重視したトレーニングに変わりました。怪我のリスクをおかしてまで鍛えるのではなく、すべてのセッションで目的を明確にして、より効率的にトレーニングしています。栄養も私のトレーニングの大きな部分を占めています。栄養を正しく摂ることの大切さは常々感じていましたし、今でも回復とトレーニングの両方で栄養面からのサポートを意識しています。
- トレーニングのスケジュールはどのようになっていますか。
週6日のトレーニングから週4日になりました。月曜と水曜はトラックの後にジムのセッションもあり、集中的に体を動かします。木曜日は簡単なリカバリー・サーキットとストレッチを中心に行います。そして土曜日にトラックセッションをこなします。週6日のトレーニングよりもコンパクトなので強度は上がっていますが、リカバリーに費やす時間は増えています。それがパフォーマンスを支える鍵となるからです。
- トレーニングや競技をしていない時は何をしていますか。
音楽、アウトドア(ロックダウン規制下でなければ)、車などが好きです。意外かも知れませんが、実はハンス・ジマーの音楽が大好きなんです。トレーニング中はいつも音楽を聴いています。モチベーションを上げるために、Deep Tech HouseやOld School Garageなどのアップテンポな音楽をよく聴きます。大会に向けて準備をしているときは、ハンス・ジマーの音楽から始めて、ドラム&ベースの曲へと積み上げて行きます。音楽にはパワーがあります!
- 還元活動は何かしていますか。
学校に行って子供たちに話をしたり、キットの箱を配ったりと、恩返しの機会を常に探しています。過去には、Met-Track Athleticsと協力して、様々な問題を抱えた地元の子供たちのコーチをしたことがあります。陸上競技の指導が主な目的でしたが、精神的なサポートにも関わりました。
- 東京オリンピック以外の目標はありますか。
来年は欧州選手権か世界選手権を視野に入れています。オリンピックがどうなろうと、自分の体力がある限り、競技をやめることはありません。自分の体が許す限りのことをしていきたいと思っています。
- ハイパフォーマンス選手として心がけていることはありますか。
自分が情熱を持っていることに全エネルギーを集中し、そこからあまり離れないようにしています。ハイパフォーマーは厳しい状況になった時に見分けやすくなります。実に多くの人が最初のハードルで挫折するのを見てきました。私の場合は、困難になると脳の中で何らかのスイッチが入って、もっと頑張ろうという気持ちになります。だからこそ、精神力を役立てて長年数々の大きな困難を乗り越えてくることができたのです。
- あなたにとってハイパフォーマンス文化とは何ですか。
私は自分に厳しいですが、目標に対しては現実的です。目標を口に出した私を多くの人がクレイジーだと思ったこともありましたが、今では信じてくれるようになっています。もし走るのをやめたとしても、それがどんなことであれ、同じ量のエネルギーを他の何かに向けるつもりです。
- 陸上競技ではどのようにしてチームスピリットを維持するのでしょうか。
今のところ4、5人のトレーニングパートナーがいて、セッション中はお互いに追い込みをかけながらサポートし合っています。シングルのスポーツでも、チームワークはとても大切です。
- 最後に、これから陸上競技を始める人へのアドバイスをお願いします。
陸上競技では短期記憶力が大切です。忘れるべきことはさっさと忘れてしまいましょう。常に勝つことはできません。私はキャリアを通して多くの敗北を経験してきましたが、それにとらわれていたら今の私はありませんでした。自分の定義を敗北に許してはいけません!
私たちと一緒に彼の旅をフォローしませんか
2021年のオリンピック出場権をかけて国内予選に挑むジェームズの次のステップをフォローしていきます。彼がどのようにサプリメントで栄養補給をしているのか、キャリアを通してどのように精神力を鍛えてきたのかを知りたい方は、ウェルネスセンターに加わる新しい記事をチェックして下さい。また、ライフプラスとの新たなパートナーシップにより、彼がどのように成長しているのか、他にどんなことが起こっているのかも、ライフプラスのソーシャルメディアチャンネルにて最新情報をご覧いただけます。チャンスは無限大です!