マインドフル・エクササイズとその重要性
最近「マインドフルネス」という言葉が巷にあふれ、「マインドフル」に物事を行うことの重要性が強調されていますが、その意味とは一体何なのでしょうか。
運動に関しては、心理学者のアリア博士は、マインドフル・エクササイズを「不要な思考や雑念を手放し、かわりに身体感覚や呼吸、体の動きに注意を向けること」と定義しています。1
マインドフル・エクササイズのもたらす利点とは
マインドフルネスを意識して運動すると、より効果的な運動ができるだけでなく、けがをする可能性も低くなり、自分の体や身体能力に対する認識がよりポジティブになります。自分の体が何をしているのか、どう感じているのかに意識を向けることで、心と筋肉のつながりが強化され、より大きな可能性を引き出すことができます。研究によると、活性化している筋肉に意識を向けるだけで、より早く、より効果的な成果が得られることが分かっています。 2
マインドフル・ランニング
マインドフル・ランニングは、体を動かすことで得られるメンタルヘルス面の効果を高めることができます。片足を前に出し続けるというランニングの性質は呼吸や体の動きに連動し、自然と瞑想のようになります。研究によると、走っているときの感覚に集中し、自分の体と調和し、日常の雑念を断ち切ることで、ランニングとしてもより高いパフォーマンスを発揮できることが分かっています。 3
マインドフル・ブリージング
私たちは常に呼吸をしていますが、それは自然なことで、実際にどのように呼吸しているかを意識することはほとんどないでしょう。呼吸を意識することは、運動をするときに大いに役に立ちます。呼吸を利用してパフォーマンスを引き出すために、まずは運動前に深呼吸をしましょう。気持ちが落ち着いて、これから始まる運動の準備を整えることができます。運動をゆっくりと始めたら、呼吸がどのように応じているかを意識して下さい。そして、呼吸が浅くなっていないか、深くなってきたかを確かめ、運動の強度に体がどのように対応しているかを考えましょう。
マインドフル・ウォーキング
マインドフル・ランニングの原理はウォーキングにも適用できます。マインドフル・ウォーキングについては、自然に目を向けたり、自然に包まれる感覚を体感したりすることで、脳を若返らせる効果があるという研究結果もあります。 4 動いている間、意識は動作と体の感覚に集中させましょう。そうすることで気持ちの乱れやストレスになる思考を防ぎ、今この瞬間の精神状態を良好に保ちやすくなります。気がそれてしまうことがあるのは当たり前なので、もしそうなっても自分を責めないで下さい。雑念の存在は認めつつ、意識をそちらに引っ張られないようにそっと手放し、落ち着いて今のこの瞬間に戻ればよいのです。
運動をマインドフルにする6つの方法
運動は現在の状況から離れて別の「ゾーン」に入るための方法として使われることがありますが、マインドフル・エクササイズはその逆で、心を解き放つのではなく、自分が行なっている運動に意識を集め、自分の体に起こっていることに注意を払い、心身と呼吸がどのようにつながっているかを考えるものです。
- 周囲を意識する – 屋内でも屋外でも、景色やにおい、音など、自分の身の周りにあるものに目を向けましょう。
- 自分の体の声に耳を傾け、感覚を認識する – 疲れを感じたら気を紛らわそうとするのではなく、自分の呼吸や喉の渇き、体の様子を把握して、良いフォームを保つことと水分を補給することに集中して下さい。
- 目標を定める – 運動で何を達成したいか、目標を設定して、フォーカスを目標に定めましょう。
- 自滅的な思考に対処する – 「難しすぎる」と思っても「難しいけど、できる」というように、力強く考えるようにしましょう。
- 達成感を見逃さない – 自分がどれだけやってきたかを振り返って下さい。他の人と比較してはいけません。他の誰かが自分より遠くまで歩いた、走った、速く泳いだ、といったことは問題ではありません。自分が昨日達成できなかったことを今日達成したのならそれが重要なのです。
- ストレッチで筋肉に集中する – 運動の後にすることは、運動中にすることと同じくらい重要です。ストレッチをする間は気を抜かずに、筋肉の感触に集中しましょう。
運動を始めたばかりの人も、普段から運動をしている人も、マインドフルに体を動かすようにすると、パフォーマンスが向上し、生理的な健康にもメリットがもたらされます。次に運動をする際には、上記の6つのステップを実践して、心身に起こる変化を注視して下さい。