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メンタルヘルス
オリンピック三段跳び選手、クリスチャン・テイラーと目標設定について考える
Reading Time: < 1 minute 目標の大小にかかわらず、目標はより幸せな人生への足がかりとなり、目標達成までの道のりがやがて大きな違いを生むことになります。 望むもの(目標)に向かって努力することは、人間にとって大切です。いつも順調に進めるとは限らず、困難も経験するかも知れませんが、それでも、目標は人生を豊かなものにします。目標は生きる意味と目的を与え、進みたい方向を示し、興味を引き出します。いずれも、幸福な人生につながる要素です。 今回は、2024年のパリ五輪を目指すオリンピック三段跳び選手のクリスチャン・テイラーさんに、彼の目標設定に対する考え方や経験について聞いてみました。 けがから回復したとき、2024年のパリ五輪に向けてどのような計画を立てましたか。 アキレス腱は、走る動作はもちろんですが、それ以上にジャンプで重要な役割を担うので、最初は復帰できるかどうかも分からず、不安でした。まず気にかかったのは、ジャンプのエネルギーを吸収し、放出するのに必要な腱の中でも、アキレス腱が最も重要だという点です。それでも、外科医やセラピストには、2024年にパリでオリンピックに復帰することが最終目標だと率直に伝えました。私が近道を求めず、長期戦を覚悟していることが伝わると、皆乗り気になって期待を寄せてくれました。そこから、段階を踏んで詳細なリハビリテーション・プログラムを構築していきました。 あとは何でもきちんとこなすのみ。また似たようなけがをして再起不能になるリスクを、どれだけ回避できるか考えました。最初にきちんとやれば、二度三度とやり直す必要はないのです。このような心構えでリハビリに取り組みました。 当初の計画通りにできましたか、それとも何か変更しましたか。 計画には柔軟性を持たせつつ、例えば、次のような指標を設けました。 3ヵ月:松葉杖を使わずに歩く 6ヵ月:より速く歩けるようになる 人生に不確実性はつきものですから、目標を設定する際には流動性と柔軟性がとても重要です。計画を立てていても、思わぬ転機が訪れることがあります。そんなときにどう適応するかが重要です。私は、計画に対して柔軟であればそれだけ、ポジティブでいられることに気づきました。もし予定通りに達成できなかったとしても、少なくとも正しい道を歩んでいる、と思うことで、敗北感を味わうのではなく、より前向きな気持ちでいることができます。 あなたにとって、今年はどんな一年でしたか。 今のお気持ちはいかがですか。 最高です。とはいえ、自信が持てないときや、停滞期に入っていると感じたとき、体の限界ではないかと思ったときは確かにありました。私は毎週カウンセラーと話をしているのですが、そのおかげで、以前のことを手放して、けがをした後の自分の変化を受け入れる必要があると考えられるようになりました。私はかつてできていたあれこれをバックミラーで見ることにエネルギーを使いすぎていました。今の自分、今の自分にできること、可能だと思うことを受け入れ、前を向くよう、カウンセラーに励ましをもらいました。実際に受容ができたとき、私は再び前へ進み始めたのです。 目標を設定する際は、複数のプランを作成するのでしょうか。 2024年のパリ大会で優勝するという最終的な目標は不動ですが、そこに至るまでの目標はそうではありません。私の場合は、プロセスがやや柔軟であることが重要です。途中思うように進めなくても、マインドセット、心構えでライバルに差をつけることができると私は信じています。実際の身体能力とは別の、競技に対する見方、モチベーション、挫折への対処の仕方などに、私の強みがあるのです。 私も人間ですから敗北や失望を感じる瞬間はありますが、それを長引かせることはありません。ゴルフに例えると、ボールを打った時に完璧なショットができたと思ったのに、林の中に入ってしまうと動揺します。でも、次のショットを打つまでに、その動揺は手放さなければなりません。これは、人生を歩む上での心構えと同じです。何らかの感情を経験しても、ある時点でそれを手放して前に進まなければならないのです。 心構えの元になっているものは何ですか。誰かから学びとる必要はありましたか。 実は、この考え方を教えてくれたのは父なんです。父はいつも、手放せ、と言っていました。当時はまだ子どもだったので、自分の世界を理解しない父にもどかしさを感じたものです。父が言うには、この先失敗することもあるし、成功よりも失望することの方が多いだろう。その悔しさを持ち続けていると次の達成の妨げになってしまう、と。きっぱりと語ったその意味を、私は後になって理解することになりました。今の私は撥水機能を身につけたように、何かが降りかかっても受け流しています。 ご家族やお友達などのサポートグループは、あなたの歩みにどのように関わっていますか。 私にはとてもしっかりしたサポートネットワークがあります。物事が本当にうまくいっているときは、私が地に足をつけて謙虚でいられるように、また、私が落ち込んでいるときは、最高の気分を思い出せるように励ましてくれる、そんな人たちに囲まれています。皆が私の土台を支えてくれているのです。目標設定に関して言えば、私は年とともに自分で自由に探求し、自分のことを自分でできるようになってきましたが、幼い頃から両親には常にベストを尽くすよう教え込まれてきました。 私が何をするにしても、両親はいつも励ましてくれました。自分のやろうとしていることについて、よく調べて取り組むよう、そして優れた力を発揮できるよう、促してくれたのです。仕事に対する姿勢やメンタルがライバルと違うのは、幼い頃からそうやって培われた価値観があるからだということに、やはり後になってから気づきました。私は両親に心から感謝しています。調子のいい時も良くない時も支え、然るべき時には背中を押してくれる、そんな存在です。 この数年で、ご自身の考え方に変化はありましたか。 はい。パンデミックの直前にカウンセリングを受け始めたのですが、メンタルヘルスとセルフケアの重要性を理解したことで、また一段階、成長した気がします。若いうちは無敵なものですが、大人になるにつれて、セルフケアの重要性を認識するようになります。スポーツに関しては、回復に要する時間が長くなることや、回復後を考えることを重視するようになりました。そして、何か決断をするときは、自分のことだけではなく、妻や家族のことも考えるようになりました。私のマインドセットは、これからも進化していくことでしょう。 どのようにしてモチベーションを維持していますか。 非営利活動で出会う子ども達に助けられています。私は2014年からNPO「クラスルーム・チャンピオンズ」に参加し、低所得などの問題を抱えた地域の子ども達をサポートしています。2012年のロンドン大会では、生涯の目標を達成しました。その瞬間はとても誇らしかったのですが、国歌が流れる中、表彰台に立ったとき、少し寂しさを感じて、何かもっと見つけなければならないことがある、と思いました。スタンドには家族もいましたし、自分が代表した人たちがそこにいるのに、なぜか距離を感じたのです。マネージャーと相談して、世界記録を追いかける話もしましたが、それだけでは物足りないような気がしました。 そこでマネージャーが、指導員として子どもたちに関わることを勧めてくれました。出張が多い私には難しいかと思いましたが、クラスルーム・チャンピオンズなら、オンライン指導で全米の生徒や先生と取り組むことができます。まずは2クラスを受け持ちましたが、誰かの人生にインパクトを与えることができる素晴らしさを感じました。こうして多くの人と関わり、変化を生むことができる、という手応えを得て、自分のトレーニングに目的があると思えるようになったのです。私のキャリアはもはや私だけのものではありません。私が彼らに何を与えることができるか、またその逆も然りなのです。私は子どもの率直さが大好きです。悩んでいるときは、子ども達のおかげで考えすぎずにいられました。 ですから、リオの表彰台に上がったとき、今度は感無量で涙が溢れました。実際の成果よりも、それまでの4年間、私が関わり、私を見てくれていた子ども達を思ってのことでした。 特定の目標へ向かっていくとき、重要なスキルとはどのようなものでしょうか。 忍耐力と回復力でしょうか。私はいつも、失敗や挫折があっても大丈夫だと話しています。失敗や挫折は、次への学びの機会ととらえればよいのですから。私はこれまで何度も負けてきましたが、誰もそのことを記憶していません。本当に勝つべき時には勝ってきた、と私は思っています。私は決してあきらめず、レジリエンス、回復力を発揮しました。また、夢を実現するためには、周りにいる人が鍵となります。 小さな勝利も大切にしていますか。 もちろんです。毎朝目覚める度に感謝していますし、陸上競技に関しては、10年前は当たり前だったことが、今ではひとつひとつをとても大切に思えるようになりました。けがをしてからは、小さな節目を迎えるたびに、できたことを祝うのを重視しています。そこに至らなかった可能性もあったわけですから。 オフシーズンは競技から離れているのでしょうか。 シーズンが終わっても、3週間くらいは競技に気持ちが向いています。夜、就寝してからも、もっとこうすればよかったと反省したり、睡眠時間を増やすべきだっただろうか、移動日程をもう1日多めに設けておくべきだっただろうか、ライバルに易々と渡してしまったことはなかったか、などなど、できたかも知れないことを考えたりしています。私はいつも1%ずつ改善していくようにしています。最終的に必要なのは1%の改善なのですから、それができたら充分に誇ってよいと思っています。 自分にとって最大の審査員は自分自身です。つまり、最後に寝転がって、全力を出し切ったと振り返れるかどうか、です。次の年に改善したいことや反省点は、思い出せるように書き出しておきます。つまづきから学ばなければ、つまづいた意味がありません。それではもったいない。オフに入って3週間ほど反省をしたあとは、スイッチをオフに切り替えます。 才能とマインドセット、どちらが成功の要だと思いますか。 私は常に、自分の成功はマインドセットによるものだと考えています。もしも、アスリートの集まった部屋の中に入ったとしたら、私はまず左右を見渡すでしょう。私が他の誰よりも才能で優れているとは思いません。が、それこそが私のモチベーションになります。私はいつも、相手の目を見て、その人の意気込みを探ります。モチベーションがわかれば、どの程度競って来るかが分かるんです。そこは心理戦ですから、私の成功は100%心構えによるものだと思います。 今、目標に向かっている人たちへのメッセージをお願いします。 目標を設定するときは、大胆に、そして大きな夢を持って下さい。安全策をとるのは簡単なことです。目標が何であれ、困難を乗り越える方法を見つけ、逆境よりも強いモチベーションを見つけて、何度でも立ち向かう心構えを忘れないで下さい。目標やシーズンごとに変化はあっても、答えはきっと見つかります。それを心に留めて、集中力を高めて下さい。 スポーツでも、健康でも、仕事でも、バランスのとれた生活をすることでも、目標設定の背景にある考え方はすべての人に通じるものです。クリスチャンが言ったように、あなたのマインドセットがすべてです。 ライフプラスのソーシャルメディアチャンネルをフォローして、2024年パリ五輪を目指すクリスチャン・テイラーの近況をご覧下さい。
幸せに寄せる期待を見直して希望と喜びを得る方法
Reading Time: < 1 minute 次に手に入れる何かが幸せをもたらしてくれる、と待ち望むその陰で、知らず知らずのうちに喜びを得る機会を失っていませんか。 期待したことが逆に失敗を招く場合もあります。幸せについて再考することで、より多くの喜びを得ることができるよう、ガイダンスをまとめました。 — _________が手に入れば… _________が見つかったら… _________さえできたなら… もしも______________________________だっら… …そうすれば、自分は幸せになれるはず。 そんな風に思い込んだことはありませんか。意識的であろうとなかろうと、現代社会においては良くある考え方です。もっとお金を稼ぎたい、もっと大きな家を買いたい、完璧な体を手に入れたい、トップレベルの地位を得たい、といった望みは、一層の努力をする励みになります。問題は、達成したときに幸福を生み出すのか、それとも不満や苦しみを増大させるだけなのか、です。 イェール大学のウェルビーイングの科学コースによると、私たちの心は誤った願望、適応、予測をして、実際には存在しないところに幸福を求める悪循環に陥ることがあるそうです。 望むものを間違えていませんか 何かの必要性を説くコマーシャル、買い物を促すウェブサイト、他の人たちが何をしているかを見せつけるソーシャルメディア、乗るべき流行など、幸せのためと訴えかけてくる情報は巷にあふれています。 ところがこういった情報に誘導されて、真に自分を幸せにする何かを脳が誤解してしまうことはよくあります。そして、しばしば「大きいことは良いことだ」「高価なものは優れている」「良いものをより多く手に入れることが幸福につながる」という考え方に騙されるのです。 順応による変化 慣れが生じるのは当然のことです。新しいスケジュールをこなすにしても、環境の変化に適応するにしても、新しい物事の目新しさはやがて薄れるものです。 例えば、新しい車を買うことに胸を踊らせ、手に入れた瞬間に幸せが訪れたとしても、時間とともに新車特有のにおいは消えてゆき、タイヤの交換が必要になったり、走行距離が増して消耗し始めたりします。そうなると、かつて新車がもたらしてくれた新鮮な刺激は感じられなくなります。ここに至って、新車のもたらす幸せが過大評価されていたことに気づくでしょう。 ハーバード大学の心理学者で『明日の幸せを科学する』の著者であるダニエル・ギルバートは、「すばらしいことは、初めて起こったときは特にすばらしく感じられるが、そのすばらしさは繰り返されるうちに薄れていく」と述べています。 誤った予測をしていませんか たったひとつの結果にとらわれるあまり、他の可能性が遠のいて、間違った予測をしてしまうことが多々あります。 仕事でミスをしたらクビになる、A評価の成績を出さないと良い仕事には就けない、ある年齢までに真に愛し合える人が見つからなければ、一生縁がない、といった風に考えてしまうかも知れません。このような思考はしばしば破局視と呼ばれます。 仕事で成功するには昇進するしかない、GPAが4.0あればいい仕事に就ける、幸せになるにはある程度の年齢までに結婚する必要がある、といった考え方も同様です。 もし、望むことを間違えている、あるいは順応を終えている、誤った予測をしていると自分の心に思い当たる節があっても、現代においてはむしろ、ごく普通のことだと受け止めてよいでしょう。 次のステップとして、幸福感を引き上げる2つの行動習慣を学んで下さい。
オキシトシンと幸せの関係
Reading Time: < 1 minute 愛のあるところには、オキシトシンが存在します。 オキシトシンは、ドーパミン、セロトニン、エンドルフィンと並ぶ、4つの「幸福の化学物質」のひとつで、愛情や親しみと関連する神経伝達物質です。 オキシトシンは視床下部でつくられ、下垂体から分泌されます。オキシトシンは化学的メッセンジャーとして、特に生殖や関係強化、慈愛にまつわる情報を全身に伝えます。 愛情ホルモンとして知られるオキシトシンは、以下のような場面で分泌されます。 分娩(体に陣痛を開始させるための信号を送る) 乳幼児と母親の結びつき(授乳や抱っこ、お世話を通じて愛着を感じる) 恋愛関係 セックス ハグ 人とのつながり 思いやりを示す オキシトシンは思いやりや愛情に基づく行動によって分泌され、より大きな幸福感をもたらします。 体内のオキシトシンは以下のような方法で増やせます。 子どもやパートナーと手をつなぐ ハグする セックスをする ペットを抱っこする 誰かを助ける 相手を励ましたり、褒めたりする優しい言葉をかける 人に何かを与える 子供と遊んだり、夫婦で話し合ったり、食事を一緒に楽しんだりと、今この場にいる人との時間をじっくりと楽しむ オキシトシンの材料となるアミノ酸を含む栄養素を摂取し、消化が適切に行われるようにする オキシトシン点鼻薬を利用する ほんのちょっとした行動でも、愛情に大きな影響をもたらすことがあります。例えば、33歳のキャミ・ウォーカーさんが29個のプレゼントという処方箋を受けた話 が参考になるでしょう。 多発性硬化症と診断されたキャミさんは、その後、衰弱性の症状とネガティブな思考に悩まされていました。 そんな中、彼女は友人でありアフリカの薬師であるムバリー・クレアーゾさんからユニークな「処方箋」を手渡されました。その処方箋とは、29日間にわたって誠意と感謝をもってあらゆる種類のプレゼントを誰かに贈る、というものでした。それが人とのつながりや愛情の実感につながり、全体的な幸福感を高めることになったのです。 キャミさんのすばらしい体験は、あなたにとってもヒントになるかも知れません。これからの1ヶ月間、自分から人々に贈り物をしてみましょう。そして、自分がどう感じたか、何を経験したか、それが自分をどう変えたかを記録していって下さい。 子どもたちとの絆を深める機会にしたいでしょうか。配偶者と充実した時間を過ごしたいですか。隣人の手助けをしたり、同僚をほめたりしたらどうなるでしょうか。 日々の暮らしにこのような愛情に基づいた行動を織りこむ方法を考え出し、幸せという報酬を増やしましょう。 参考資料: http://www.29gifts.orghttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21250892/
瞑想がもたらす10のメリット
Reading Time: < 1 minute 瞑想を実践する人はここ数十年で急増しています。経験者はもちろん、その周囲の人々の目にも、瞑想の癒しの効果は明らかです。今日では、ビジネスマンやプロのアスリート、そして子どもたちまでもが、瞑想で心と体の両方を穏やかにする方法を学んでいます。 ホリスティックな瞑想のメリットは多岐にわたり、不安や抑うつなどの精神的な問題を軽減し、ストレスや怒りを自然に管理することができます。痛みの緩和や心臓の健康増進、睡眠パターンの改善などの身体的効果も広く知られています。 継続することで、免疫力の向上、気分の高揚、人間関係の改善、全体的な幸福感の上昇など、様々な効果が期待できます。 ((https://www.nhs.uk/mental-health/self-help/tips-and-support/mindfulness/)) メイヨー・クリニック & ポジティブ・サイコロジー 最大のメリットはおそらく、瞑想には悪い副作用がないということでしょう。自分に合っているかどうかはともかく、やってみて損をすることはありませんから、ぜひ試してみて下さい。 瞑想と科学 古代から行われてきた瞑想については、何千年もの間に多種多様な集団で宗教的、精神的、学術的、科学的に研究されてきた記録が残っています。現代に生きる私たちは、ジムのクラスや地域のグループに参加したり、携帯アプリを使ってデジタル瞑想を体験したりしています。 ところが「瞑想とは何か」の定義は定まっていないため、効果を科学的に証明するのは困難です。 実際に瞑想を行っている人に聞けば、それぞれに異なる答えが返ってくるでしょう。それは唯一の「瞑想法」というものがないからです。瞑想のやり方は、宗教、文化、信仰によって異なり、種類も様々です。多くの人にとって聞き覚えがあるものといえば、マインドフルネス、スピリチュアル、禅、トランセンデンタルあたりでしょうか。 何千年も前から受け継がれてきたあらゆるものと同様に、瞑想も時とともに進化し、個人化され私的なものになっています。とはいえ、瞑想する誰もが同意することがひとつあります。それは、瞑想のメリットは数多く、重要であるということです。 瞑想の作用が科学的な観点から理解され、主流の医療の一部として取り入れられるようになったのは、ごく最近のことです。 ジョンズ・ホプキンス大学医学部の助教授で、瞑想が健康にもたらす影響について研究しているマダブ・ゴヤール医学博士は、次のように述べています。 「不安や抑うつ、慢性的な痛みを抱えている人の治療や補助的療法に(瞑想を)臨床的に用いることについては、推奨に足る良好な根拠があると言えます」(ゴヤール博士) ((https://www.prevention.com/health/a22679621/health-benefits-of-meditation/)) 一方、BUPA社はレポートで次のように言及しています。 「調査によると、瞑想は英国で好まれているウェルビーイング・セラピーであり、英国の成人の4分の1以上(26%)が過去5年内に精神面の健康を向上する方法として瞑想を行ったと回答しています。同期間に瞑想をやってみた男性は約3分の1(30%)であるのに対し女性は18%と、男性で倍近い積極性が見られました。」 ((https://www.bupa.com/newsroom/news/meditation-brits-favourite-wellbeing-therapy)) 瞑想の起源 瞑想という言葉は、ラテン語で「熟考する」を意味する「meditatum」に由来します。 瞑想の最古の記録は紀元前1500年頃のインドにあり、ヒンドゥー教の伝統であるヴェーダーンタ哲学に関連した記述が残っています。しかしながら、歴史的にはそれ以前、紀元前3000年頃には瞑想が行われていたと考えられています。 時を経て瞑想は東洋から西洋へと広がり、1927年には「チベット死者の書」の英訳版が出版されました。瞑想は世界の隅々にまで行き渡り、特に西洋人の注目を集めて関心が高まりました。 瞑想の方法 ブッダの有名な言葉にこうあります。 「過去にとらわれるな。未来を夢見てばかりいてもいけない。今この瞬間に集中なさい。」 今現在に生きる心を取り戻すには、瞑想が有効です。自己の内側に目を向け、心身を落ち着かせて、穏やかで安定した、明晰な状態に導きましょう。 瞑想は誰にでもできるという点で優れています。あなたが何者であるか、どこにいるかは関係ありません。根気よく練習すれば、誰でもできるようになります。 途中で気が散ったり、頭が混乱したりしても気にする必要はありません。落ち着いた穏やかな状態になれるまでは、ある程度時間がかかるものです。まずは身辺のノイズを取り払ってリラックスする時間をとりましょう。毎日5分から始めても効果は期待できます。 試してみたいと思ったなら、早速始めましょう。簡単な瞑想のステップを6段階でご紹介します。 座る。座り心地の良い椅子や床のある静かな場所を見つけて下さい。瞑想している間、途中で寝てしまわない程度に快適に過ごせることが大切です。 時間制限を設ける。瞑想初心者は短めに設定するとよいでしょう。5分から10分くらいが理想的です。練習を重ねていくと、時間をのばすことができます。 自分の体に意識を向ける。腕の力を抜いて、そっと下ろします。手は膝の上に置いても構いません。足は組まずにそのままにしておきましょう。椅子に座った状態で、目を閉じるか、視線を下げるか、あるいは焦点を一ヶ所に定めて下さい。ロウソクの炎を利用する方法もありますが、目に負担がかからないよう要注意です。 呼吸する。息を吸ったり吐いたりしながら、自分の呼吸に耳を傾けます。体が落ち着いていくのを聞きましょう。 心がさまよい始めたら。どんな人の心も揺れ動くものですから、気が散ってもイライラせずに、呼吸に意識を戻して続けて下さい。最初は難しいかも知れませんが、練習すれば次第に簡単になっていきます。 終了。時間になったら目を開き、視線を上げてみましょう。急がず慌てず、ゆっくりと立ち上がります。体で何か変化が感じられるか、心の中はどうか、確かめて下さい。 瞑想のメリット トップ10 心身全般の健康を侵襲性のない方法で改善できるのは、瞑想を実践している人にとって大きなメリットです。具体的なメリットのトップ10を以下にご紹介します。 不安や抑うつを軽減 ハーバード大学の医学研究者であるジョン・W・デニンガー博士は、次のように述べています。 「瞑想は、持続的な集中力を獲得し、ネガティブな思考や感情、身体的な感覚が侵入してきても集中力を取り戻せるように脳を鍛えます。」 抑うつや不安を生じる脳内の特定の部分に瞑想が働きかけることは研究で明らかにされています。瞑想を毎日行うことで、ネガティブな感情を大幅に軽減し、症状を長期的に和らげることができます。 ストレス管理で心身の健康を増進瞑想はストレス管理に有効な療法となります。瞑想を定期的に行っているとコルチゾール(ストレスホルモン)が大幅に低下することは研究でも示されており、ストレスに悩む人が経験する一般的な症状を自然に安定させることができます。 ある研究(Bostock, Crosswell, Prather & Steptoe, 2019)では、専門家が職場に瞑想を導入することで、仕事の効率が上がり、燃え尽きを減らし、配慮が行き渡りやすくなることが明らかになりました。 痛みの管理と治癒の促進瞑想で痛みの軽減を試みた研究では様々な結果が出ていますが、痛みの管理をより効果的に行うことの利点はよく知られています。NCCIH(アメリカ国立補完統合衛生センター)の研究によると、マインドフルな瞑想は体の痛みの感覚を軽減し、しかも脳内の天然鎮静物質を使わないことが分かっています(Cherkin 他 2016)。 ストレス軽減の専門家、ジョン・カバット・ジン氏は、痛みに対処する瞑想として、ボディスキャンというマインドフルネスの方法を学ぶことを推奨しています。ボディスキャンは、痛みを完全に消し去ることではなく、痛みの存在を認め、そこから学びを得て、最終的に痛みを管理することを目的としています。 […]
ロングCOVIDと後遺症の対処法
Reading Time: < 1 minute COVID-19が発見された頃、しつこい咳、発熱、味覚や嗅覚の喪失といった主な症状はすぐに明らかになりました。 一方、あまり知られていないようですが、新型コロナウイルス感染症が長期化し後遺症が残ることがあります。 ロングCOVIDとは ロングCOVIDとは、新型コロナウイルスに感染して初期症状から回復した後に長期間、一連の不調に悩まされる後遺症のことです。これまでの研究によると、この後遺症は広範囲かつ多様であり、多くの場合、現れては消える症状が繰り返されます。新たな症状が現れることもありますが、大抵の後遺症は初期感染時に経験する症状と似ており、以下のようなものが報告されています。 極度の疲労感(倦怠感) 息切れ 胸の痛みや締め付け感 記憶力や集中力の低下(頭にもやがかかったような感覚) よく眠れない(不眠症) 動悸 めまい 頭痛 しびれ 関節痛 抑うつ、不安 耳鳴り、耳の痛み 悪心、下痢、胃痛、食欲不振 高熱、咳、頭痛、喉の痛み、嗅覚や味覚の変化 発疹 後遺症の残る確率は COVID-19に罹患したら必ず後遺症が残るというわけではありません。統計的には後遺症は男性よりも女性、70才以下の場合に出やすく、陽性反応が出てから5週間後の症状に着目すると、35才から49才の年齢層で最も多くなっています。また、症状の程度は一定ではありません。 1 後遺症はいつまで続くか このウイルスは比較的新しい存在ですので、なかなか明確な答えが出ないのは仕方のないことでしょう。新型コロナウイルス感染症からの回復にどのくらいの期間がかかるのかはまだ分かっていませんが、4週間以上経っても症状が続いている場合や、別の症状が出始めた場合は、長期化している可能性があります。 2 現在入手可能な統計からは、6ヶ月という長い期間、場合によってはそれ以上、後遺症に悩まされる可能性もあることが読み取れます。 3 イギリスの国家統計局(ONS)は、長期化し12週間症状が続いた人は約70万人、そのうち約47万5千人に6ヶ月以上の後遺症があったと推定しています。そして、実に約7万人が最初の感染から1年後にも症状が残っていたということです。 1 長引く症状に対処するには 症状の実態は様々ですので、自己判断をせずに、病院で相談して他の疾患の可能性を除外することが望まれます。症状によっては、血液検査、血圧測定、心臓検査、レントゲン撮影などが行われます。 特定の治療法はないものの、前向きな対症療法はいくつかあります。イギリス国民医療サービスは、後遺症の患者がサポートを受けられる場所について助言しています。 4 この回復支援策の一環として、心身の健康を維持することの重要性を認識し、症状を管理するだけでなく、運動を再開し、食生活を改善するよう推奨しています。自分に優しく接しつつ、自分のペースで身体を動かすことが大切です。早く復帰しなければならないというプレッシャーを感じなくて済むように、友人や家族には自分の気持ちを伝え、日によって辛い時があるのならそのことも話しておきましょう。COVIDからの回復は予測できないことばかりですが、気を強く持って前向きに考えるようにして下さい。初期症状を克服できたあなたなら、時間さえかければきっと、自分自身を取り戻すことができます。 https://www.ons.gov.uk/peoplepopulationandcommunity/healthandsocialcare/conditionsanddiseases/bulletins/prevalenceofongoingsymptomsfollowingcoronaviruscovid19infectionintheuk/1april2021 [↩] [↩]https://www.bhf.org.uk/informationsupport/heart-matters-magazine/news/coronavirus-and-your-health/long-covid [↩]https://evidence.nihr.ac.uk/themedreview/living-with-COVID19-second-review/ [↩]https://www.yourcovidrecovery.nhs.uk/ [↩]
記憶力を高めるには
Reading Time: < 1 minute 記憶力は人それぞれです。情報を記憶し、事実や数字を思い出すということを簡単にできる人もいれば、単純なことでもなかなか思い出せない人もいるでしょう 物忘れがひどくなっても慌てないで下さい。記憶力が年齢とともに自然に低下することは研究で明らかになっており、必ずしも深刻な事態の兆候とは限りません。 1 とはいえ、物忘れには困った面もあります。誰かの名前を忘れて恥ずかしい思いをしたり、家や車の鍵をどこに置いたかわからなくてイライラしたり、そんな経験はあるのではないでしょうか。 自分に優しく 幸いなことに、生理的な面の健康状態は改善が可能です。記憶力の低下は遺伝的な要因もありますが、主に加齢によるものです。メンタルを健康的に保ち、記憶力を高めるために、できることをやってみましょう。 1. 糖分の摂取を控える 砂糖の摂りすぎが体に良くないことはよく知られていますが、体だけでなく記憶力にも影響があることはご存知ですか。砂糖については、記憶力の低下や脳容積の減少、特に短期記憶に影響することが研究で明らかになっています。健康のためにも記憶力のためにも、お砂糖の摂取量を控えましょう。 2 2. 脂肪分の多い魚を食べるか、魚油のサプリメントを摂取する 数多くの研究により、天然のオメガ3脂肪酸を豊富に含む魚油が精神面の衰えを遅らせることが示唆されています。 3 サーモンやサバなどの魚が好きな方にとっては朗報です。記憶力を向上させる効果があることを知った上で、楽しく味わって下さい。魚が苦手な方や食べられない方でも、高品質のオメガ3系サプリメントを摂取すれば、同じメリットが期待できます。 3. 瞑想の時間をとる 瞑想には、血圧を下げたり、ストレスを軽減したりするだけでなく、記憶力を高める効果もあることが分かっています。 4 瞑想は体だけでなく、心にも良い影響を与えるのです。 4. 体重を管理する 体重を健康的な水準に維持することは、体のためにできる最善策のひとつです。糖尿病や心臓病など、体重超過に関連する病気を防ぐことができ、関節への負担も軽減されます。また、健康的な体重を維持することは、心にも良い影響を及ぼします。それは、肥満がアルツハイマー病の発症リスクを高めるだけでなく、記憶に関連する遺伝子を変化させる可能性があるからです。 5 5. 睡眠を確保する 疲れがたまったときの怠さ、ちょっとしたことが重荷になる感覚は、誰もが知っていることでしょう。睡眠不足が記憶力の低下と関連しているのは不思議ではありません。十分な睡眠がとれていないと、物事を記憶する認知能力に実際に影響するという研究結果が出ています。 6 6.アルコールを控える アルコールは飲んでいる間だけでなく、その後にも影響を及ぼします。研究によると、飲み過ぎは脳を変化させ、記憶障害を引き起こす可能性があるということです。また、多量飲酒を繰り返すと、記憶をつかさどる脳の一部である海馬が損傷する場合もあります。 7 7. 脳を鍛える スポーツで上達したければトレーニングをする必要があります。記憶力の良さもまた、体を鍛えるのと同様に、トレーニングで向上できます。クロスワードや数独など頭脳を働かせるゲームは、楽しい余暇になるだけでなく、脳を鍛えることにもなります。 8. 体を動かす 運動は精神的にも肉体的にも重要です。研究によると、運動はあらゆる年齢層の記憶保持に役立つとされています。特に中年期の定期的な運動は、認知症の発症リスク低減に関連しています。 8 9. ダークチョコレートを自分へのご褒美に チョコレート好きの方にとって嬉しいことに、カカオにはフラボノイドと呼ばれる抗酸化物質がたっぷり含まれていて、これが特に脳に良い影響をもたらします。複数の研究で、ダークチョコレートを食べた人は、フラボノイドを含まないホワイトチョコレートを食べた人よりも記憶の保持力が高いことが示されました。 9 記憶力の低下は多くの人にとって気がかりなことです。今この時にも、悩んでいる人は少なくありません。今のステージが人生のどの段階であっても、生理的な面から健康状態を改善し、記憶力を維持するためにできることをやってみる意義はあるはずです。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/joim.12533 [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26970578/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3262608/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4895748/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4728728/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3413705/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3548359/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18570697/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21324330/ [↩]
健やかな心のために視野を広げる ウェルビーイング・ガイド
Reading Time: < 1 minute 気分を良くするホルモンについてご存知ですか。ホルモンの働きが体調を整える仕組みと、健康なメンタル維持の方法について考えてみましょう。 明るい展望に目を向けることは健やかな心を保つうえで重要です。自分が心の内でどのように考え、感じているのかを理解することは、ウェルビーイングに不可欠な要素です。とはいえ、境遇によっては、ポジティブな姿勢を保つのが難しいこともあるでしょう。 そこでライフプラスでは、ストレスに対処し、変化に応じていくためのヒントをウェルビーイングガイドにまとめました。食事や運動、睡眠をどのように役立てることができるのか、信頼できる情報を提供しています。視野を全体に広げるホリスティックなアプローチは、心の健康にポジティブに働きかけます。いま少し元気のない方には、活力を呼び覚ます方法をぜひ参考にしていただければと願っています。ぜひご一読下さい。なお、このガイドは自由に共有していただけます。
ジェームス・エリントンと作る レジリエンス・アクションプラン
Reading Time: < 1 minute レジリエンスとは何か、ご存知ですか。 ライフステージのどの段階にいようと、人生の浮き沈みに遭遇することは避けられません。困難な出来事に対処し立ち直る能力、それがレジリエンスです。感情の起伏やストレス度の変化を経験せずに済ませることはできませんが、心の痛みや苦しみをどのように乗り越えるかによって、大きな違いが生まれます。 オリンピック選手のジェームス・エリントンは、日頃からレジリエンスの鍛錬に取り組んでいます。オートバイの大事故の後、車いすでの生活を余儀なくされた彼は、キャリアだけでなく、人生そのものまでも脅かされるような衝撃を受けたはずですが、そのような状況にもかかわらず、彼はレジリエンスと決意をもってエリートレベルの競技に復帰を果たしました。 レジリエンスで最も重要なのは、時間をかけて積み重ねていくことです。一夜にして得られるものでも、すぐに忘れてしまえることでもありません。また、時間だけでなく、精神的な集中力と強さ、そして支え合える好ましい人々の輪が必要です。それはスポーツで果敢な目標を達成するのと似ています。途中で挫折しそうになったとしても、最終的には自分がどれだけ先へ進めたかを振り返って、無上の喜びを味わえるでしょう。 今回はレジリエンスを向上させるためのヒントをいくつかご紹介します。ジェームズ・エリントンが伴走しますので、自分なりのレジリエンス・アクションプランを作ってみましょう。 エネルギー補給と体調管理 レジリエンスを求められる状況に対処するために、自分を大切にすることで心身を整えておきましょう。自分の体の声に耳を傾け、自分のニーズや感情に注意を向けることが大切です。自分が楽しめて、リラックスできるアクティビティをするようにして下さい。エクササイズ、マインドフルネス、読書など、何でも構いません。好きな方法で自分時間を過ごすのです。 ジェームズが選んだアクション: 優先事項は常に変化するので、自分のために時間を使うことは後回しになりがちです。私の場合は、エクササイズ、散策、家族や友人と会うなど、毎日何か自分が気持ちよく過ごせることをするよう心がけています。また、自分が興味のあるテーマについて考えを巡らせることで、ストレスを感じることなくリラックスした状態を保つことができます。 あなたのアクションは?_________________________________________________________________________ ポジティブとネガティブの両方を見るように脳を鍛える 脳は非常に複雑です。ポジティブな要素はネガティブな部分よりも見つけにくいことがあります。それはなぜかというと、幸福感をもたらす脳内化学物質(ドーパミン、セロトニン、オキシトシン)は生存に必要なときにわずかな時間分泌されるのみで、すぐに代謝されてしまうからです。幸せをもたらす化学物質の利点を得るには、分泌を刺激するような行動をとることが重要です。 幸福感へ向かって行こうとすると、脳は自動的に、ニーズを満たす上で障壁となるものを探知します。その障壁を乗り越えると、次の障壁を見つけ、越えようとします。このネガティブな要因を探知しようとする本質的な思考回路を変える、シンプルな方法があります。1分間でポジティブなことを探す練習を1日3回、45日間続けて、ポジティブな回路を作るのです。そうすることで、脳にポジティブな習慣ができます。同時に、協力的なサポートサークルやワークライフバランスなど、ポジティブな思考回路に影響する外的要因にも目を向けましょう。 ジェームズが選んだアクション: 私は、ネガティブなエネルギーや自分の中のネガティブな考えとは距離を置き、物事の見方は自分で作るものだと自分に言い聞かせています。とはいえ、慢心に陥らないためには、何らかの形でネガティブなもの(批判)に触れる必要もあるので、その意義を認識することで対処しています。 あなたのアクションは?_________________________________________________________________________ 学び続けることがメンタルの筋肉のストレッチに 体に筋肉をつけるには、時間をかけてしっかりと体を動かし、適切な食事をして根気よく続ける必要があります。そうしないと筋肉が弱くなっていくことは、誰もが理解しています。精神的な強さについてもこれと同じことが言えます。思考を変えるのも一つの方法ですが、感情をポジティブにコントロールするための練習も必要です。 簡単なものから複雑なものまで様々な方法がありますが、まずは簡単なエクササイズをひとつ決めて、定期的に実行しましょう。楽器を習うなど新しいことに挑戦するのでも、脳トレやパズルを完成させるのでも構いません。それができたら、精神面を強くするために、メンタルの筋肉増強に役立つ新しい何かを毎日の生活に取り入れていきましょう。 ジェームズが選んだアクション: 私は、考えさせられるような刺激的な会話や、知らない人と語り合うことが好きです。それは、家族や友人との快適なコミュニケーションの範囲を超えて、異なる意見を聞いたり、洞察に満ちた議論をしたりできるからです。 あなたのアクションは?_________________________________________________________________________ 社会との関わりを維持する 友人、家族、同僚など、身近にしっかりとした人間関係のネットワークがあることは重要です。社会的な繋がりは、危機に直面したとき自分を守る要素となります。誰かに状況を話すだけで悩みが解消されるわけではなくとも、自分の気持ちを打ち明け、サポートしてもらい、ポジティブなフィードバックを受け、問題解決の可能性を考えることができるでしょう。 今日ではテクノロジーの力で、世界中の人々といつでも簡単に繋がることができます。直接対面できなくても接点は持てるのです。人生は慌ただしく、何かあっても一人で抱え込んでしまいがちですが、他の人と一緒に過ごす時間を設けることも大切です。きっと心に良い影響があるはずです。 ジェームズが選んだアクション: 私は、家族や親しい友人とのコミュニケーションを大切にしています。落ち込んだときにはそれがポジティブな影響をもたらしてくれることを知っているからです。同様に、アスリート仲間とのつながりも、困難な状況に対処する上で重要です。彼らも似たような気持ちを経験していて、共感や励ましが得られることがあります。 あなたのアクションは?_________________________________________________________________________ 目標設定 目標を設定する際に最も重要なのは、現実的であることです。これは問題が発生した場合でも同様です。何かに圧倒されそうになったときは、まず一歩引いて、目の前の状況をシンプルに把握することに努めましょう。続いて、あらゆる解決策を検討し、それを管理可能なステップに分割して下さい。 大局的な視点も大切ですが、小さめのステップを複数設けることで、自分の進歩を確かめながら進んでいくことができます。随時、自分の成果を認めることは大切です。 ジェームズが選んだアクション: 私は常にメインの目標を意識していますが、それを達成するためには、複数のマイルストーンに分けて考えるのが良いと思っています。そうすることで、不要なプレッシャーを感じることなく、小さな成功を収めるたびに達成感を感じ、目標の達成に向けて現実的に取り組むことができます。 あなたのアクションは?_________________________________________________________________________ 内省から再起動、再構築へ この先どんな困難が待ち受けているかは分かりませんが、人生を前向きに進めていくレジリエンスを駆使することは、身体的にも、個人的にも、職業的にも、感情的にも、社会的にも重要です。目標を考える際には、これまでに学び得たことをこれからのチャンスに生かすことが重要です。上記のヒントを参考に、レジリエンスを向上させていきましょう。内省、再起動、再構築という3つの重要な過程を意識して実践することをおすすめします。 自分なりのレジリエンス・アクションプランを楽しく作れたなら何よりです。ジェームズのアクションプランの行く先は、ソーシャルメディアでご覧いただけます。ぜひフォローして下さい。また、投稿する時はタグ付けをお忘れなく。
ポジティブなストレス
Reading Time: < 1 minute ストレスには良い面も 私たちの多くはストレスは悪いものだと信じて育ってきました。それは、ストレスという言葉が何か悪いことに関連して使われているからです。いわゆる「負のストレス」は、自分ではどうしようもない、対処できないという不快な感覚を伴い、恐怖や不安、心身の病気の原因となることがあります。 一方で、健康なメンタルの維持に有益な働きをするストレスがあることはご存知でしょうか。ある種のストレスに対して肯定的な反応が生じることは、研究で示されています。 1 私たちの体は、生きていくために実にうまくできています。特定の状況下では、ストレスは良い刺激になります。ストレスがかかるからこそ、プレッシャーのかかる状況でも課題に対処し、タスクを完了できます。ストレスが闘争・逃走反応の引き金となって、やらなければならないことに対処したり、危害を加える可能性のあるものから逃れたりすることができるのです。 ネガティブなストレスをポジティブなストレス(ユーストレス)に変える 私たちの体はポジティブなストレス(ユーストレスと呼ばれる)をすぐさま認識できるとは限りません。よって、ストレスのかかる状況に対する最初の反応はとてもポジティブなものではない場合があります。しかしながら、ポジティブなストレスとネガティブなストレスが同時に発生すると、ポジティブなストレスの方が優位に立つことを示した研究が報告されています。 2 ストレスに前向きに対処しようとする際に影響する要因として、他にも以下のようなものがあります。 • 希望と期待に満ちた信念を保ち、人生を前向きにとらえること• 自分を信じ、ストレスに対処する能力に自信を持つ• 自分の最悪の状態ではなく、最高の状態に期待を寄せる• ストレスのある状況に対処したら報酬が得られることを予期する ユーストレスの効果 ユーストレス、つまり良いストレスには、ネガティブな気分ではなく、爽快な気分に導く作用があります。ストレスのかかる状況が終われば、体内のストレス系のシステムも終了して、健康的な精神状態に戻ります。ポジティブなストレスは、プレッシャーに負けずに効率よく仕事をこなすのに役立ちます。例えば、スポーツ競技に出場するとき、テストや試験を受けるとき、結婚、休暇、引っ越しの計画を立てるとき、重要な締め切りに間に合わせるときなどに有益に働きます。 ポジティブなストレスを味方につける ストレスを前向きに捉えて心身の健康状態を良好に保つためには、定期的に自己チェックをしてストレス度を把握することが重要です。「自分はできる」「大丈夫、問題ない」と自分に言い聞かせ、前向きでいることの大切さを忘れないようにしましょう。辛い時には、少しだけ時間を作って瞑想や深呼吸をしてみて下さい。 また、整理整頓は、押し潰されそうな気持ちになったり、プラスのストレスをマイナスに変えてしまうようなミスをしたりするのを防ぐためにも必要です。整理整頓が苦手な方は、やらなければならないことを重要度順にリストアップしてみましょう。重要な作業をしているときは必ずバックアップかコピーを取り、紛失した場合のストレスを防ぎましょう。ストレスが精神的に影響していると感じたなら、セルフケアに重点を置いて計画を立てて下さい。定期的に休憩をとってリラックスすること、睡眠や休息の時間は必ず確保することも忘れずに。時には仕事から離れて新鮮な空気を吸ったり、軽い運動をしたりするのも必要です。健康的でバランスのとれた食生活をして、たっぷりと水を飲んで水分補給をすることも重要です。 このようにして、ポジティブなストレスをうまく利用すれば、不安感に悩むことなく仕事をこなせるようになるでしょう。 https://www.healthline.com/health/benefits-of-stress-you-didnt-know-about [↩]http://www.idosi.org/wjms/11(2)14/6.pdf [↩]
幸せホルモンに注目
Reading Time: < 1 minute ホルモンに幸せな気分をもたらすものがあることはご存知ですか。 快感ホルモンとも称されるこの種のホルモンは、健康なメンタルを維持するために体内で分泌される物質です。そもそも、ホルモンとは一体何なのでしょうか。また、ホルモンが健康の生理的な面に影響を及ぼす理由は何なのでしょうか。 ホルモンとはある種の化学物質で、血流に乗って脳に信号を送り届けることにより、気分を含む体の様々なプロセスに影響を及ぼします。幸せや喜びといった感情を促進するホルモンは4種類あります。 • ドーパミンは、快感をもたらす神経伝達物質です。物事に興味を持ったり、やる気を支えたりします。 • セロトニンは、気分を調整し、睡眠や学習、記憶を助ける神経伝達物質です。 • オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、絆、信頼、共感を促進します。 • エンドルフィンは、ストレスや不快感に反応して分泌される天然の鎮痛剤です。食事や運動など、報酬が得られる活動を行うと分泌量が増加します。 幸せホルモンの分泌をサポートする方法 犬に抱きついてみましょう。犬を抱きしめるとオキシトシン量が上昇することが分かっています 1 – これを言い訳にしない手はありません。自分の飼い犬でなくてもよいとのことですので、犬を飼っていない人はお友達の犬を抱っこさせてもらいましょう。 ヨガとマインドフルネス。 研究によると、ストレスや不安を自然に軽減するヨガのような習慣をつけると、エンドルフィンが分泌され、オキシトシンの生成もサポートされるため、生理的な健康に良いということです。 2 音楽を楽しみましょう。 自分にとって楽しいと思える音楽を聴くことで、快感ホルモンであるセロトニンとオキシトシンの分泌量が増えることは複数の研究で分かっています。ある研究では、歌手グループが歌のレッスンを受けた後にオキシトシン量を測定したところ、全員が上昇しており、本人たちも満足感を得ていたと報告されています。 3 運動しましょう。運動をして心拍数を上げると気持ちが前向きになります。これは、運動によってエンドルフィンが分泌されるためであることが明らかになっています。 4 日光を浴びましょう。 火傷をするほど長く外にいてはいけませんが、研究によると、毎日10〜15分程度、自然の太陽光を浴びるだけで、セロトニンとエンドルフィンの分泌量が増えると言われています。 5 サプリメントを役立てましょう。 さらなる研究が必要ですが、栄養補給が特定の快感ホルモンの分泌に関与すると考えられています。例えば、緑茶やプロバイオティクスは、ドーパミンやセロトニンの分泌を促進するようです。 睡眠を大切に。 睡眠が直接的に快感ホルモンを増やすわけではないかも知れませんが、不足するとドーパミンのバランスが崩れ、結果的にネガティブな気分になります。1日を通してメンタルを健康的に保つためにも、規則正しい就寝時間を守るようにしましょう。 幸せを実感できるのはすばらしいことです。誰もがそうありたい、と願っていることでしょう。上に挙げたような工夫で自然に幸せホルモンを増やすことができれば、人生の困難に対処しやすくなるはずです。特に困ったことがなくても、犬を抱っこする良いきっかけになると思いませんか。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4290532/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3768223/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12814197/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6091217/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2290997/ [↩]
サステナブルな暮らしが心身の健康に及ぼす影響とは
Reading Time: < 1 minute サステナブルな暮らしの基本は、自分の行動が周囲の環境にどう影響するかを考え、地球にかかる負荷を減らすためにできることを実行することです。 生活の中で持続可能性に配慮することが環境に与える影響は明らかですが、一方で、そんな生活が本人の精神的・生理的な健康の向上にも役立つことは、あまり知られていないかも知れません。 サステナブルな暮らしと人々のウェルネスには明確な関連性があります。ここでは、より持続可能なライフスタイルを実践することでウェルビーイングを向上する方法をいくつかご紹介します。 身体的なウェルビーイング 持続可能な生活は、環境だけでなく、私たちの身体的な健康にも寄与します。例えば、移動に車ではなく徒歩か自転車を選択した場合、大気中に放出される汚染物質の量を減らすことができるだけでなく、移動中に自分自身の体力づくりができます。つまり、二酸化炭素排出量の削減に貢献することと、身体的な健康を向上させることが両立するのです。 もちろん、誰もが徒歩や自転車で移動できるわけではありません。目的地が遠かったり、健康上の理由で移動が困難だったりといった事情はあるでしょう。そのような場合でも、二酸化炭素排出量の削減と身体的健康の増進を同時に実現できる方法があります。そのひとつは、食生活を見直すことです。植物性食品は動物性食品に比べて二酸化炭素排出量が少ないため、栄養価の高い果物や野菜を中心にした菜食に近い食べ方をすることで、環境保護に貢献できるだけでなく、体に必要なミネラル、ビタミン、タンパク質が摂取できます。 社会的なウェルビーイング 持続可能なライフスタイルを実現するには、広汎な社会的規模での努力も必要です。友人や家族と情報やアイデアを共有したり、ボランティア活動をしたり、地元のコミュニティでつながりを築いたりすることもあるでしょう。同じような目標や関心を持つ人と出会うことで、社会的な交流の輪やサポートネットワークが自然と広がっていきます。 精神的なウェルビーイング 生きていれば、どこかでストレスを感じたり、経験したりするものです。研究によると、ストレスに対処する最善の方法のひとつは、自然と触れ合うことだそうです。 1 サステナブルな暮らしを通じて周囲の環境の質を維持することで、自然が身近な存在になります。郊外で自転車に乗ったり、森の中を散歩したり、ピクニックの用意をして野原に出かけ、夏の風を感じたりしてみましょう。次の休暇にキャンプはいかがでしょうか。電気、ホテル、テレビ、車などに頼らず、真に自然に浸ることができます。 環境的なウェルビーイング 環境的ウェルビーイングとは、自分の周囲の環境に配慮することです。職場や家、学校、あるいはもっと範囲を広げて地球のことを考えてみましょう。環境は自分の心身の健康にどのような影響を及ぼしているでしょうか。埃をかぶって不安を煽るような雑然としたものに囲まれたりしていませんか。散らかっている状態がストレスや不安、悩みの原因になるとことは研究で示されています。2 整理整頓は、より健康的な精神状態をもたらしてくれます。サステナブルな暮らしを目指している人の多くは、ミニマリスト的なライフスタイルを選択しています。必要なものだけを購入するという選択をすれば、ストレスのかからないすっきりとした環境を楽しむことができます。 知性的なウェルビーイング サステナブルな暮らしをするなら、知らないことを放置しておくわけにはいきません。自分の行動が起こす波紋について、理解を深めていく必要があります。持続可能性に関する記事を読むなど、自主的に時間と労力を割いて学ぶ体験は、知的な面の幸福度を高めるのに役立ちます。コミュニティや個人レベルで情報に基づいた意思決定を行う方法や、自分を取り巻く環境にプラスの変化をもたらす方法などを知る機会にも恵まれるでしょう。生活の中で持続可能性に配慮する簡単な方法はたくさんあります。地域のリサイクル活動など利用できるものについて知っておきましょう。 経済的なウェルビーイング 人生で最もストレスを感じることのひとつは、お金の心配です。幸いなことに、サステナブルな行動の多くは、お金の節約につながります。例えば、蛇口の水漏れを修理したり、ドアの下に隙間風よけを設置したりして家の中を少しずつ変えていくことで、暖房の電気代や水を節約できるようになります。 また、必要なものを全て新品で買う必要はないということも重要です。例えば、洋服がそうです。服を買いに出かける前に、チャリティーショップを覗いてみたり、友人に借りたりしても良いのです。また、プラスチックの使用量を減らすことも大きな効果が期待できます。外出の際は水筒に水を入れて持っていくと、飲み物を買う必要がなくなります。その分、プラスチックの無駄遣いを減らせるだけでなく、水分補給のような基本的なニーズにお金をかけずに済むので、出費も抑えられます。 サステナブルな暮らし方は、ライフスタイルのあらゆる面に適用することができます。少しずつでも、思い切りでも、自分の納得できる範囲で心がけましょう。一人ひとりの行動にはそれほど大きな影響力がないように感じられるかも知れませんが、皆がひとつでも小さな変化を起こせば、全体として大きなインパクトを生むことができます。 https://www.annualreviews.org/doi/abs/10.1146/annurev-environ-012312-110838 [↩]https://www1.racgp.org.au/newsgp/clinical/what-does-clutter-do-to-your-brain-and-body [↩]
子どものメンタルヘルスに運動のメリットを
Reading Time: < 1 minute 子どもの心の健康を運動で促進する方法とは メンタルヘルスの問題は、どの年代の人にも起こりえます。子どもは大人よりもおおらかなことが多いようですが、それでも無縁とは言えません。体を動かすことで得られる健康効果は、身体的なものにとどまらず、精神的な面にも及びます。特に、6才から18才までの子どもについては、運動と健康的な精神状態に相関性があることが証明されています。1 これは、かつてないほどの変化が押し寄せる今の時代、非常に重要なことです。 子どもたちのメンタルを健康な状態にするために運動を役立てる 運動でネガティブな感情をリセットし、気分転換 ストレスや怒りは、子どもを含めすべての人に影響します。体を動かすことで、自信喪失のような負の感情から離れることができます。運動は体と脳をリセットし、穏やかな気持ちを取り戻すのに最適な方法です。ある程度息が上がってくるようなものであれば、どんな運動でも構いません。ランニング、サイクリング、水泳、あるいはサッカーボールを蹴るだけでも、子どもたちの有り余るほどのエネルギーや不要な感情を燃焼させることができます。 運動で社会性を養い、友達の輪を広げる チームスポーツは、人との出会いの場としても最適です。チームメイトと協力してプレーすることで、運動中もその後も良好な社会的スキルを身につけたり、実践したりすることができます。分かち合うこと、順番に発言すること、交渉すること、問題を解決することなどのスキルは、ほとんどのスポーツで知らず知らずのうちに学べます。しかも、こういったスキルを身につけながら、同時に友達を作ることができるのです。 運動で学習と発達を促進 休憩を取って体を動かすと、全体的な疲労を軽減するのに役立つことが研究によって示されています。2 どんな方法であれ、活発に動けば、エネルギーに満ちた注意力のある状態に向かっていきます。教室内で座って授業に集中する時に、これが役に立ちます。 運動で自己価値観を高める 人はそれぞれに違います。勉強が得意な人もいれば、体力的に優れた人もいます。勉強が苦手な子どもたちが運動で自分の能力を発揮することができれば、輝かしい気持ちになって自信がつきます。 運動で子どもも気分良く 運動をすると脳からエンドルフィン(気分を快くする化学物質)が分泌されることは研究で証明されています。3 これは、子どもたちに運動を奨励する理由の中でも特に重要なもののひとつであり、科学的にも、運動は子どもたちをより幸せにすると言われています。 運動は精神面の健康に多くのメリットをもたらします。これは子どもにも大人にも当てはまることです。ですから、子どもに運動を促す時には、大人も一緒に体を動かせる方法を考えてみましょう。どんな動きでも構いません。何もしないよりは良いのです。運動に慣れていない人は、丸1時間運動することにこだわらず、短時間の運動から始めましょう。自分が楽しめるものを見つけるのがポイントです。ウォーキングやダンス、庭でのバドミントンなど、どれもカロリー消費に最適な方法です。同時に、子どもの心の健康にも良い影響を与えることができます。 https://link.springer.com/article/10.1007/s40279-019-01099-5 [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6585675/ [↩]https://link.springer.com/article/10.2165/00007256-198401020-00004 [↩]
メンタルヘルスのヒント
Reading Time: 2 minutes メンタルヘルスを向上し、うつ病を防ぐためのヒント エリザベス・ロビンソン このほどケンブリッジ・マーケット・リサーチが実施したライフプラスのメンタルウェルビーイングに関する意識調査の最終報告書のレビューを担当したところ、抗うつ薬について使用頻度や長期的な影響などの懸念があることや、代替となるメンタルヘルス支援を求める声が高まっていることが浮き彫りになっていました。 うつ病について 「うつ病は最も一般的な精神疾患であり、世界的には障害の原因の第2位と考えられています。うつ病にはいくつものタイプがあり、軽度から重度まで程度も様々です。私は、問題の本質を認識するとともに、介入や治療が個々人の特有のニーズに最も適したものであることを確かめるのが重要であると考えています。うつは真剣に受け止めるべきです。本人はもちろん周囲の専門家、家族や友人(必要に応じて)を含めて、どんな助けが得られるかに目を向けて、前に進めるようになってもらいたいと思っています。」 うつ病には様々な治療法があります。重要なのは、長期的にメンタルヘルスのケアするためにも(うつになった場合も)自分でできる対処法はたくさんある、と知っておくことです。 知ること、伝えること、そして助けを求めること 私は40年近くメンタルヘルスに関わる仕事をしてきましたが、うつ病を含む精神的な問題に汚名がついてまわることにいつも悲しい思いをしてきました。しかしながら、メンタルヘルスに対する否定的な見方は徐々に払拭されつつあり、個人がメンタルヘルスの問題をより容易に認識し、誰かに伝えて助けを求めるようになってきていることに感動してもいます。これは大きな一歩ですが、必要とされていることはまだまだたくさんありますので、国としての推進策が望まれるところです。 では、自分がうつになっているかどうかはどうすれば分かるのでしょうか。そして本来の軌道に戻るには、何をすればよいのでしょうか。第一歩としてはまず、自分でメンタルヘルスのチェックを行うことから始めましょう。自分の気分を観察して、悲しみや苛立ちなどを感じているか、気力はどうか、睡眠や食欲の状態はどうかをよく見て下さい。そして「いつもの健康な自分」の状態と比べて、普段の感じ方と同様か、考えて下さい。 本来の自分の姿ではないという確信があり、うつかも知れないと思ったら、うつ病について少し調べて(イギリスなら NHS, Young Minds, メンタルヘルスの慈善団体 MIND, または Royal College of Psychiatristsなどのウェブサイトが有用です)どんな対処法がよいか決めることをお勧めします。大切なのは、うつ病は病気であって心の弱さではないこと、一時的な状態であると認識することです。そして気分を良好にするためにできることはたくさんあると知っておくことです。治療には様々な選択肢がありますし、自分が前に進むために最も適切なのは何か、自分で決めることができます。うつに対処するなら、自分に親切にすることを忘れないで下さい。 治療のオプション うつ病は非常に一般的です。うつの対処法や影響を最小限にするために自分でできることは広く知られるようになりつつあります。治療の必要性を認識する人が増えていることを考えると、うつ病に対処する治療法がたくさんあることを事前に知っておくと役に立つと言えそうです。 私はしばしば、様々な介入で対処できるという点で、うつ病を2型糖尿病になぞらえています。いずれの場合でも「これひとつで皆解決」という策は期待できません。例えば2型糖尿病では、食べるものを慎重に観察して、いつ、何を食べるかをコントロールすることで症状を管理できる患者さんもいれば、薬が必要な患者さんもいます。さらに、錠剤の内服で対応できる人もいれば、注射をしなければ心身の健康を望めない人もいます。うつ病も全く同じで、セルフヘルプや友人からのサポートを利用した生活改善を自分で行って症状をコントロールできる人もいれば、対人関係療法 (IPT), や 認知行動療法 のような心理療法を用いた軌道修正が必要な人もいます。また、抗うつ薬の服用、あるいは心理療法と薬物療法の組み合わせが必要になる人もいます。人によっては治療が難しく、様々なタイプの薬(気分を安定させる薬や精神病の治療薬など、抗うつ作用のあるもの)を使いこなすなど、より大きな介入を必要とする病状になることもあります。うつ病が治療可能であることはぜひ認識していただきたいことです。患者さんの回復を助けるためには、その人にとって適切なレベルで治療が行われるようにする必要があります。 NHSは対話療法の治療オプションをいくつか提供しています。かかりつけの医師から紹介してもらうこともできますし、直接連絡して助けを求めることもできます。 心理セラピーへのアクセスを改善するサービス(IAPT)を通じて、セルフヘルプやカウンセリングによる支援、前述の対人関係療法、認知行動療法に繋いでもらえます。 心のウェルビーイングを引き出すためのヒント セルフケア メンタルヘルスを気遣うことは、身体の健康に気をつけるのと同様に重要です。ポジティブな状態でいるために役に立ちそうなことを以下にいくつか挙げていきます。 もしも自分が充電式のバッテリーだったら 自分をバッテリーに例えて想像してみましょう。あなたは現在どの程度の充電量で動いていますか。満充電でフルに稼働していると感じますか、電力は半分くらいでしょうか、それとも空っぽのまま稼働しているでしょうか。自分の生活の中で何がバッテリーを消耗させているのか、に関心を持ち、よく考えて下さい。バッテリーの消耗度はどのくらいでしょうか。この消耗を抑えるために何か変更できることはありませんか。エネルギーの流出を抑える手助けをしてくれそうな人は身近にいますか。一方、バッテリーの充電になる物事は何ですか。エネルギー量を上げてくれる人は周りにいますか。その人たちと、あるいは自分一人で、バッテリーを最適な充電状態に保てるだけのことを楽しんでいますか。 仕事、家庭、社会生活のバランス 少し時間を作って、生活のそれぞれの側面について考えてみましょう。それぞれにどのくらいの時間を費やしているか、満足度、楽しさ、困難や課題はあるか、など自問して下さい。休息やリラクゼーションを含めて、仕事、家庭、社会で過ごす時間と活動のバランスが取れていると感じられますか。偏りを調整するために、それぞれの側面で何か変えられることはないでしょうか。より良いバランスを保つために、他の人やサポートに助けを求めることはできるでしょうか。 自分と向き合い、長所と短所を知る あなたは何をしていると気分が高揚しますか。何を楽しいと感じ、どんなことから本当の意味での満足感を得ていますか。仕事や社交、趣味、人間関係の要素のバランスがとれていれば、自分自身についての感じ方、ひいてはメンタルヘルスにおいて、全体的にポジティブと言える状態になります。何が自己価値感や気分をポジティブに導いてくれるかを認識しましょう。それに対する感謝の気持ちをもちつつ、可能ならより多くの時間を割り当てるようにして下さい。逆に、自分に正直になって、生活の中で気になっている部分は何か、どんなことが気分を害するのか、ネガティブな感情につながっているのか、も見極めましょう。何か変えられることはないでしょうか。これに対処できるのは自分だけですか。そうでないなら、助けを求められる人は誰かいませんか。 話題にするのは良いこと 私は長年にわたってたくさんの人にセラピーを提供してきましたが、他人に打ち明け、悩みや不安を共有することの効果を過小評価したことは一度もありません。実際、話すという体験が非常に貴重なものとなり、前進に役立った、というコメントを多数受け取っています。単純なことに聞こえるかも知れませんが、ぜひ誰かに話すことを検討してみて下さい。ストレスや苦しい出来事に対処する際には、世界が変わるほどの違いが生まれ、ポジティブなメンタルヘルスとウェルビーイングにつながります。助けを求める相手は必ずしもプロのセラピストでなくても構いません。思いやりがあり、理解を示してくれる、良き友のサポートには、金にも劣らない重みと価値があります。 「自分に優しく接して下さい。悪いことが起こったら嫌な気分になるのは全く正常です。人はしばしば、自分自身に苦しい時間を与え、自分を弱い存在とみなします。悲しいことに、他人に負担をかけたくないから自分の悩みは話さない、という人も少なくありません。このような理由で悩みを共有したり話したりしないでいると、うつ病などの精神的問題の発症リスクを高めることにつながります。」 「問題を共有することは問題を半分にすることである」ということわざが示すように、問題や心配事を共有してくれる人がいることは常に有益です。苦しみを味わったとしても、信頼できる人に対して感情を表現し、共有することは健康的です。これはぜひとも認識しておきたい重要なことです。 食事、運動、アルコール、薬物 自分と向き合うことについては先にも述べましたが、体調を整え、ポジティブな気持ちに導いてくれるものとそうでないものを判断するのも必要です。そして重要な点を繰り返しますが、バッテリーパック全体の中の「ランニングチャージ」がどの程度か把握することです。運動すると快感ホルモンが分泌され、気分が高揚することはよく知られていますが、規則正しい食事に気を配ることも大切です。過度に食事を減らしたり栄養の偏ったものを食べ過ぎたりして、エネルギー水準が不安定になると、うつに影響する可能性があるので気をつけましょう。アルコールや薬物がうつ病をはじめとするメンタルヘルスの問題につながることは明らかです。アルコールに関しては、私は通常、うつ病の管理との関連でアルコールがどのような影響をもたらすのかをクライアント本人に考えてもらいます。お酒の出る場が社会的交流の点から総合的に好ましい方向へ作用することもあれば、飲酒のネガティブな影響の方が大きい場合もあるでしょう。アルコールを禁忌とする薬を服用していないのであれば、症状にどう対処するかは個人で判断して良いと私は思っています。 楽しみや喜びをもたらす活動を 休息、リラクゼーション、喜び、楽しみを得るために何ができるか、積極的に考えることをお勧めします。バッテリーを充電し、幸福感を高め、心身のウェルビーイングを最適化することにつながるなら、何でもやってみましょう。目の前のことで手一杯になって、自分のために時間を作ることを優先できないこともあるでしょう。それでもアンテナを立てて機会を捉え、好ましい活動に時間を割くことで、心のウェルビーイングが大きく変わります。 人間関係を活用する 人の生きる世界はとても社会的です。人は家庭や職場、社交などを通じて多くの人間関係に囲まれています。その関係性には、困難であったり挑戦的であったりするものもあれば、支えになったり、やりがいになったりするものもあります。私がよく使う簡単な例えは、「ラジエーター暖房機と液漏れ」です。そばにいると温もりをもたらしてくれる人、支えてくれる人、バッテリーの充電になる人、自分自身についてより好ましく思えるようになる、そんな存在は誰でしょうか。会うと自分自身を良く思えなくなる、液漏れを引き起こす人はいませんか。あなたの暮らしの中でラジエーターを最大限に活用するにはどうすればよいでしょうか。助けを求めたり、存分に楽しんだり、リラックスできることをしたりと、温もりのある人との関わりを充分に持っているでしょうか。「液漏れ」対策に違った方法を検討してみませんか。 薬剤 メンタルヘルスの管理に自力で最善を尽くしても、薬物療法が必要かつ適切な治療となるタイプのうつ病になっている場合もあります。うつ病と治療に関する情報を調べて、積極的に専門家に助けやアドバイスを求めて下さい。その道のプロがウェブ上に掲載している情報に加え、かかりつけの医師やメンタルヘルスの専門家、薬剤師も窓口になります。薬物療法を検討する際は怖がらずに、どのような薬が必要なのか、どのくらいの期間必要なのか、治療の結果はどうなると予想されるのかなど、気になることを聞いて下さい。投薬は、耐え難い副作用を引き起こすことなく、症状を治療するためのものです。上記のように自分と向き合ってうつの症状を認識し、治療を始めてからの変化に注意していれば、最終的には「いつもの自分」に戻るという目的が達成できるでしょう。それでも心配なことがあれば、いつでもかかりつけ医のもとに戻って聞いて下さい。他のオプションについて質問しても構いません。 エリザベス・ロビンソン博士 は、メンタルヘルスの分野で35年以上に及ぶ経験を有する心理療法士です。最初に精神科の看護師として専門的な訓練を受けた後、ヘルスサイエンス(BSc.Hons)を学び、続いてダーラム大学で博士号を取得しました。当時の研究では、対人関係療法を用いたうつ病の脳機能イメージングに取り組んでいます。 さらに博士は、急性の精神症状の治療や法医学的精神医学、メンタルヘルス研究所の上級研究員として働いてきました。1997年にジュネーブで対人関係療法の初期研修を受けた後、1998年にニューヨークの専門家の監督下で対人関係療法の実習と研究にあたり、研修を修了しました。博士は研究者として活動する傍ら、対人関係心理療法士として多くの臨床試験の主任を務めています。 現在は対人関係療法のトレーニングや講座を全国で多数開催し、精神科医や心理士、看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士など、セラピーを行う立場にある人々に継続的な指導をしています。研究面では、統合失調症、うつ病、不安、社会的機能、自殺、性機能障害、対人関係療法、脳イメージングなどを扱う無作為化臨床試験の評価や精神鑑定、治療に携わっています。うつ病、心的外傷、性や人間関係の問題に特に造詣が深い一方、不安や恐怖症への取り組みにおいても経験が豊富で、対人関係療法、性心理カウンセリング、眼球運動の脱感作と再処理法、不安管理、認知行動療法など、多くの心理学的治療モデルを用いています。
メンタルヘルスとソーシャルメディア
Reading Time: 2 minutes ソーシャルメディア時代のメンタルヘルス管理 ソーシャルメディアは激しい議論と感情の渦を巻き起こし、今の世代の偉大なパラドックスとなっています。 私自身、かつてはソーシャルメディアと複雑な関係にありました。ソーシャルメディアは現代のコミュニケーションの礎であり、ネットワーキングを容易にし、世界中の友人とのつながりを促進しました。自由に発言できる場ができて、あらゆる運動に力を与えたという意味で、多くの人に変革をもたらしました。 しかし、同時に人をゴミ屑のように感じさせてしまう力も持っています。 ライフプラスの依頼でまとめられたメンタルヘルスに関するレポートを読んだとき、回答者の5人に4人がソーシャルメディアはうつ病の増加に一役買っていると考えていることを知っても、私は驚きませんでした。人口の大多数が利用しているこのテクノロジーが健康に影響を及ぼすことは不可避でしょう。 多くのオンラインレポートによると、現在までのところ、アクティブなユーザー数が最も多いのはFacebookで、YouTube、そしてInstagramと続いています。一方、若い世代に好まれるアプリ Tik Tokは、ロックダウン中にユーザー数とエンゲージメントが急増しました。 偉大なる悪役? ソーシャルメディアは様々な理由で悪の権化とされています。中毒性の要素ひとつをとっても懸念はあります。私自身、平均で1日に30回もスマホをチェックしています。何をするわけでなくとも、そうするのが癖になっているのです。私の脳は無意識のうちに特定のお気に入りのアプリに引き寄せられています。 サイモン・シネックは「インサイド・クエスト」のインタビューでこの問題を強調して反響を呼びました。ソーシャルメディアの使用は、飲酒やドラッグ、ギャンブルで誘発されるのと全く同じ化学物質(ドーパミン)を脳内で生成する、と彼は主張しています。例えば、投稿した写真に「いいね!」が付くたびに、あるいは新しいフォロワーを獲得するたびに、ドーパミンが出る、というわけです。ドーパミンの最も純粋な表れは「快感」であり、人はそれを欲することをやめられません。潜在的に中毒性のある他の物質にはセーフガードや制限が設けられていますが、ソーシャルメディアについては実質的にゼロです。私たちは、いつでも、どこでも、何歳であっても関与することができます。この際限のない情報の消費は健康的ではないと考えられています。 「いいね!に誘導されるソーシャルメディアの文化は、私たちの気分や自尊心には残酷なものとなる可能性があります。FOMO(見逃すことに対する恐怖)や、ハイライトリール(自分の最高の状態を見せる写真)をアクティブに維持することへのプレッシャーは言うまでもありません。また、過去に関わった人々を詮索したくなるという誘惑に負けて、別れたお相手がモデルとデートしている様子を目にしてしまったりもします。場合によっては両者の心の準備が整い、互いの近況を知っても大丈夫な強さを取り戻すまでは、情報に触れない方が癒しのプロセスが助けられるのですが、ソーシャルメディアはそれを許しません。良くも悪くも、私たちは知り得る世界にアクセスできる状態にあるのです。」 クレア・イーストサム、メンタルヘルスブロガー 私には、オンラインで「完璧な人生」を投影する必要性の犠牲になった過去があります。おいしい食事も、友達と遊ぶ時間も、ありのままに楽しむことができませんでした。逐一記録して、他の人たちがハートの絵文字をクリックして自分の経験を認めてくれるのを待たなければなりませんでした。友達や同僚が自分よりも何かエキサイティングなことをしているのを見ると、私の気分は急に落ち込みました。 最終的には、Instagramとの関係が睡眠に影響を及ぼすようになりました。私の携帯は常に顔の近くにありました。画面が発する光は適切な疲労感をもたらすホルモン、メラトニンの分泌を妨げていたはずです。時には夜中の2時まで眠らず、無限のフィードをスクロールしていたこともあります。 睡眠不足は翌日に無気力感をもたらし、栄養価の高い食事や十分な水を飲むなどの基本的なセルフケアを行うエネルギーが不足していました。手っ取り早く疲れを癒すために、私は糖分やカフェインを求めました。このような悪循環にはまってしまった私は、無力感と焦燥感に苛まれました。 バランスをとってポジティブな要素を見つける では、答えは何でしょうか。すぐに全てのアプリを削除して、ソーシャルメディアの痕跡全てを世界から消し去ってしまうべきなのでしょうか。もちろんそれは正解ではありません。第一、それでは私が偽善者になってしまいます。つまるところ、私はそれでキャリアを築いてきたのですから。私を含めて多くの人にとって、ソーシャルメディアはビジネスの基本的な広報ツールになっています。それは費用対効果が高く、ブランドがターゲットにしたオーディエンスに届くからです。 落とし穴はあるものの、ソーシャルメディアは正しく管理されていれば、驚くほどポジティブでパワフルなものになります。精神疾患を抱えて生活している多くの人(私もその一人です)にとって、ソーシャルメディアは発散の場であると同時に、似たような立場にある人たちからサポートを得る手段でもあります。 最も暗い時期 に私は何度もオンラインコミュニティに手を伸ばし、見知らぬ人たちから多くのサポートとアドバイスを受けました。私はそこで受け取った愛情に心を打たれました。私にはこれが回復の原動力となったのです。荒らしが蔓延しているのは事実ですが、思いやりのあるまともな人間もたくさんいます。 ロックダウンで厳しい規制が続いた時期、ソーシャルメディアは多くの人々、特に一人暮らしの人にとって、生命線ともなりました。Facetime、Skype、Zoom、Houseparty などで家族や友人の顔を見られたことで、励まされた方は多いでしょう。 また、こういったアプリを活用して大きな混乱もなく営業を続けた事業者も少なくありませんでした。 オンラインで正気を保つためのヒント 1. 使い方に配慮する – 他の嗜好品を楽しむときと同じように、ソーシャルメディアについても利用の度合いを意識することが重要です。例えば、朝起きてウォッカを一気飲みするようなことはしません。携帯電話のチェックを第一の優先事項としないのも同じことです。また、刺激を受ける前に、自然な方法で心のウォーミングアップをしておきましょう。 ソーシャルメディアを楽しむこと自体は良いのですが、どんな良いものでもそうであるように、あまりにも多量だと病気のもとになってしまいます。従って、量の管理が重要です。しかし、それを罰のように感じるべきではありません。脳が代替もなく抗わずに禁欲を受け入れることはほとんどありません。私はそれをよくお気に入りのおもちゃを取り上げられた子どもに例えています。 ですから、携帯電話から離れて休憩しているときには、何か別のことを楽しんだりリラックスしたりできるよう計画して下さい。お風呂でくつろいだり、散歩に出かけたり、気になっていたドラマや映画を観たりするほか、レトロなボードゲームで家族と一緒に遊ぶことができれば尚よいでしょう。オフラインの他の選択肢からもドーパミンが得られることを脳に教えてやるのです。 2. ソーシャルメディアにも就寝時間を – 午後9時以降の使用は最小限に抑えるようにしましょう。繰り返しになりますが、これを罰として扱ってはいけません。夜の儀式を改める機会にして下さい。例えば、ホットチョコレートを片手に連続ドラマの1話分だけ見る、あるいは少し読書をする、といった風に変えるのです。もし携帯で電子書籍を読んでいるなら (理想的ではないけれど紙の本より安価ですから) 少なくとも画面の光量を「夜間モード」に設定するとメラトニンの生成に及ぶ影響を抑えることができます。アプリからの通知は気が散るもとになるので、オフに設定しましょう。電話本体かアプリ内のいずれかで設定を変更できます。 3. 常にコンテキストを問う – Instagram上の写真には、見る人に自分の生活が不十分であるかのように思わせる力があります。ところが人には、いわゆる「現実」として提示された写真をあまりにもたやすく受け入れてしまう傾向があります。 パーティーや休暇、何かを楽しんでいる様子など、自分のベストシーンを投稿したくなるのは人情です。 一方、完璧と言えない日のことはわざわざ投稿する気になれないものです。例えば、二日酔いの頭を抱え、パジャマのままソファに5時間も寝そべってシリアルを箱から直接食べていた、そんな日曜日のことなど。こう こうして、世界は非現実的に表現されていきます。他の人と比較して自分のあり方に価値を見出そうとするのは不健康で不安定なだけではありません。自分でコントロールできる範囲を完全に超えて、振り回されてしまいます。ファンタジーとの戦いに現実が勝つことはほとんどありません ですから、悲しみや嫉妬、イライラを少しでも自覚したら、ソーシャルメディアが提供する情報にはコンテキストが欠如していることについて考えて下さい。ビーチでくつろぐ誰かの写真は、確かに天国のように見えるでしょう。でも、旅先で食中毒にかかっていたかも知れません。もしかしたら、撮影の10分前までトイレに釘付けになっていた可能性もあります。そもそも、その写真は今現在のものなのでしょうか。何ヶ月も前の休暇の時の写真かも知れません。 私がインスタグラムに投稿した、最も素敵に見える自撮り写真の一枚は、最も辛かった頃のものです。疲れ切って、押しつぶされそうで、あらゆる痛みに耐えていました。それなのに写真に映る自分はゴージャスで、人生をフルに謳歌しているように見えました。 最近はこのファンタジーの悪循環に対抗するために、可能な限りありのままを投影するよう試みていますが、ともすると虚栄心が顔を出しそうになるのをおさえています。 4. ポジティブなグループやハッシュタグ、コンテンツに関与する – 私がフォローしているハッシュタグは#dogsofinstagramです。それは、必ず私を楽しませてくれるのが分かっているからです。たわむれる子犬や、転がる犬の写真を見ていると、思わず笑顔になってしまいます。そして幸せな明るい気持ちになって、心のバランスがとれてきます。 日々にポジティブな要素をもたらしてくれる、お気に入りのものでバーチャルな領域の自己を囲むことができるとういう点で、ソーシャルメディアは優れた機会を提供します。 私は、友人や同僚に加え、励みになる人や自分を好ましく思えるようにしてくれる人を選んでフォローしています。これは、私が特にティーンエイジャーに繰り返し言っているアドバイスです。 私がソーシャルメディアを使う目的は、メンタルヘルス、ライター、古着、フェミニストの世界のコミュニティとつながるためです。今現在、自分が興味を持っていることを軸としているのです。 ソーシャルメディアのおかげで、今まで出会うことのなかったようなすばらしい人とのつながりが広がっています。 […]
スポーツ中に感じる不安を克服するには
Reading Time: < 1 minute 不安感に悩まされる体験は決して面白いものではありません。 慈善団体 mind.org.uk は、不安とは、緊張したり、神経質になったり、リラックスできなかったりすることだと説明しています。最悪の事態を恐れる気持ちや、世界の動きが早くなったり遅くなったりしているような感じ、自分の心があらゆる人々に裁かれているような気がする、といったことも不安と言えるでしょう。 1 スポーツ中の場面で感じる不安は、一般的にあがり症と呼ばれるものです。珍しいことではありませんが、この種の感情をうまくコントロールできないと、運動や好きなことが楽しめなくなったり、キャリアに影響したり、さらに悪いことには、自己価値観に深刻な問題を引き起こして、自信を失ってしまうこともあります。 感情のコントロールを学ぶ 不安を完全に克服し、メンタルを健康的な状態にすることは簡単ではありませんが、症状を軽減するためにできることはあります。まず、自分の感情に向き合い、自分の症状を知り、それが不安であることを認識するのが大切です。 スポーツのパフォーマンスに影響する不安の症状には、以下のようなものがあります。 • 心臓がドキドキしたり、呼吸が速くなったりする• 口の中や喉が乾いてつまった感じがする• 手や膝、唇が震える• 声が震える• 手の冷たさやべたつきを感じる• 胃の奥が落ち着かない感じがする• 吐き気や体調不良• めまい、視界の変化 人前に出たり、誰かと一緒に何かをする場面になったりすると、自分の恐れや弱さが表面化することがあります。重要なのは、完璧な人間はいないという事実を忘れずにいることです。あなたは完璧であることを求められているわけではありませんし、ミスをしても構わないのです。自分の不安と向き合い、自分自身を受け入れることが大切です。また、ネガティブな思考をコントロールし、よりポジティブな思考に転換していく方法も学びましょう。 不安を解消して自信をつけるには 自信や健全な精神状態をごく自然に保てる人はいるでしょう。あるいは、そのように見せるのが得意な人もいるかも知れません。幸いなことに、自信は習得が可能です。 スポーツにおける不安を克服する最善策のひとつは、徹底的に準備することです。スポーツそのものだけでなく、その周辺の雑多なことも含めて練習しましょう。当日の服装やイベントの時間帯、移動手段、トレーニングやレース中の燃料補給などにも慣れておくのです。 トレーニングや本番の日は、消化器官に配慮してカフェインや砂糖を控えて下さい。また、飢餓状態にならないように注意が必要です。本番の数時間前には、全粒粉のパスタや米などの複合炭水化物を摂取して、十分なエネルギーを確保して下さい。 観客をポジティブにイメージする 一緒にトレーニングをしている人たちや観客に批判されるような気がするのはよくあることです。しかしながら実のところ、観客はあなたの成功を望んでいることが多いのです。観客やライバルのことを考えるときは、ポジティブな面に集中しましょう。うまくいかないことには目を向けず、成功を具体的にイメージして下さい。 不安を解消してスポーツのパフォーマンスを上げるための工夫と精神衛生 慣れるまでは大変かもしれませんが、観客とのコミュニケーションを大切にしましょう。観客に笑顔を見せ、目を合わせるのです。できるだけ親しみを感じやすい顔を探して、その人にパフォーマンスを見せるつもりでやってみて下さい。たとえ気分が乗らなくても、笑うようにしましょう。特に面白いことがなくても、笑えばリラックスできることは、研究で示されています。 2 また、見た目の美しさや気分の良さとパフォーマンスには強い関連性があります。 3 自分の外見に誇りを持つことでパフォーマンスが向上する可能性があります。もし幸運の靴下を持っているのなら、それを履いても損はありません。 パフォーマンスに伴う不安感は非常に不快なものですが、その感覚は一瞬に過ぎないことを忘れてはいけません。多少臆病な人でも、自分の恐怖心と向き合い、それをコントロールすることを学べば、力が湧いてくるはずです。どうしても不安感にのまれてしまうという方は、認知行動療法士に相談してみるのも一案です。不安を克服する方法を教わったり、心理的なサポートが得られたりするでしょう。 https://www.mind.org.uk/information-support/types-of-mental-health-problems/anxiety-and-panic-attacks/symptoms/ [↩]https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.2466/pr0.2002.91.3f.1079 [↩]https://www.inc.com/molly-reynolds/research-shows-that-the-clothes-you-wear-actually-change-the-way-you-perform.html [↩]
メンタルの不調をサポートするエクササイズ
Reading Time: < 1 minute メンタルヘルスに問題があるときに運動を始めるには メンタルヘルスの重要性を語ることが一般的になってきたのは嬉しいことです。生理的な面と精神状態の両方で健康を維持することは、身体的な健康に劣らず重要です。メンタルヘルスは、私たちの考え方、感じ方、行動に影響を与え、ストレスへの対処法を決定し、人との関わり方をも左右します。1 精神面の調子が良くない時こそ、ほんの少しでも体を動かすことでメリットが得られるはずなのですが、実際にはどうにも運動する気になれない、ということはあるものです。 「運動」を見直して楽しめることに集中しましょう 気分の上がらないときは「運動」という言葉を聞くだけで面倒に感じるかもしれません。これは、運動を楽しくない活動と関連づけてしまうことや、寒くて雨の降る日など、やりたくないのに強制的に運動させられた学校での経験が原因となっていることが多いようです。でも、大人になった今、あなたの主導権を握っているのは自分自身です。運動を課題にするというよりも、自分の好きなことをして体を動かすのがポイントです。体を動かすことで得られる健康効果は実に多彩です。しかも、それを実感するために無理やりジムで有酸素運動をする必要はありません。例えば、ちょっとした散歩に出たり、庭の植物を整理したり、雑草を抜いたりするだけでもよいのです。ガーデニングは心身の健康に良いとされています。新鮮な空気は心まで清々しくしてくれます。天気が悪い日でも、オンラインで新しいダンス・エクササイズや他のトレーニングを試してみることができます。Zoomでクラスを実施しているものもあれば、事前に録画されたものを視聴できるようになっているものもあり、幅広いオプションが提供されていますので、人前で運動するのが苦手な方でも心配ありません。 エネルギーが最も高まる時に運動をする 人はそれぞれに違います。早朝が好きな人もいれば、どれだけ寝てもベッドから出られない人もいます。夕方になると元気になる人もいれば、夜9時にはベッドに入りたい人もいるでしょう。あなたが朝型でも夜型でも、それは問題ではありません。そういった傾向に逆らわず、自分に合った方法を見つけましょう。研究によると、朝一番に運動をすると、一日を元気に過ごせるという説が有力ですが2 、朝が苦手な人は無理する必要はありません。運動する時間帯は、午後か夕方に設定しましょう。早朝は理想的ですが、唯一絶対ではありません。 快さを感じられるように より快くなる工夫は、どんどん取り入れましょう。友達に5kmマラソンに誘われたとして、気乗りしないのに参加する必要はありません。でも、その理由を考えてみてください。本当に自分にはできないと思っていますか。もしも早くからトレーニングを始めて、計画が順調に進んでいたとしたら、どう答えたでしょうか。適切な衣類を持っていないと思ったのなら、他の人にどんな服を着るか聞いてみたり、ランニングのフォーラムを参考にしたりできるはずです。やりたくなくてもやらなければ、というプレッシャーを感じるのは良くないことですが、簡単に解決できる何かを理由に断念しているのなら、ちょっとした工夫で楽しい経験ができるかも知れません。その可能性を考えてみる価値はあるでしょう。 自分に優しく、ご褒美も用意して どんな運動をするにしても、挑む相手は自分だけであることを忘れないで下さい。あなたよりも健康で丈夫な人は必ずいますし、その人よりも健康で丈夫な人も必ずいます。他人と自分を比べる必要はありません。比較するなら、対象は自分自身だけにしましょう。昨日はできなかったけれど、今日できるようになった、それは立派な成果です。多少気がすすまなくとも、その成果に報いましょう。昨日しなかった何かをすれば、それだけで今日はより良い日になるのです。 運動を社会活動にする メンタルヘルスに着目した研究によると、一人で運動するよりもグループで運動した方がメリットが大きくなる可能性があるということです。 3 グループでの運動には、単独での運動にはない多くの要素があります。例えば、参加することに対する責任感、ベストを尽くすためのモチベーションや励ましをもたらしてくれる人々、嫌なことがあった日にも頑張れるよう支えてくれる人々、そして、新しい出会い環境に触れることで、社交やサポートのネットワークが自然と広がる、といった点です。繰り返しになりますが、人はそれぞれ違うということを忘れてはいけません。一人で散歩やジョギングをしたい人はそれで良いですし、自宅にいる方が快適にエクササイズができるのなら、それも良いのです。 メンタルの不調を抱えている人が運動を始める一番の方法は、楽しいと思える体の動かし方を見つけることです。それができれば、あとは自然に運動できるようになるでしょう。 https://www.cdc.gov/mentalhealth/learn/index.htm [↩]https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/jappl.2001.91.1.91 [↩]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1755296617301722?via%3Dihub [↩]
免疫系に及ぶストレスの影響
Reading Time: < 1 minute ストレスの影響の受け方は人それぞれです。また、遺伝や幼少期の出来事、性格、社会的・経済的環境などによって、ストレスに対処する能力も異なります。1 メンタルヘルス財団によると、ストレスとは、対処できそうにない、あるいは押し潰されそうだ、と感じられるような、精神的または感情的な圧力のことです。 ストレスの引き金になるもの 人は皆、他の誰とも同じではありません。ある人がストレスを感じる状況でも、他の人にとっては特に気にならない場合もあります。とはいえ、大多数の人がストレスを感じる状況もいくつかあります。例えば、死別、友人や家族の病気、失業、転居、金銭問題などです。 ストレスを認識する方法 自分で自覚できるストレスもあれば、ストレスを受けていることに気づかないこともあります。不安、恐怖、怒り、落ち込み、苛立ち、落ち着かない、といったネガティブな感情が兆候となるので、注意して観察して下さい。これらの症状は、他者の目から見た方が分かりやすい場合がありますので、感情に向き合うというよりも、行動を振り返ってみるとよいでしょう。いつもより涙もろくなっていませんか。他人に我慢できなくなることがありますか。寝つきが悪い、眠りが浅い、目が覚めないなどの症状はありませんか。ストレスは、頭痛、吐き気や消化不良、発汗、動悸、体の痛みなど、身体的な症状にもつながります。2 ストレス下の免疫系 免疫系は、病気の原因となる微生物やその他の有害物質から体を守る、重要な仕組みです。ストレスが人間の生理的な健康や免疫系に及ぼす影響については、何十年にもわたって研究されてきましたが、複数の研究結果に基づく一般的な見解としては、ストレスを感じている人は免疫系が損なわれやすく、その結果、病気にかかる頻度が高くなるというものです。3 さらに踏み込んだ研究で、ストレスを媒介するメディエーターは血液脳関門を通過して免疫系に影響を及ぼし、風邪を引きやすくなったり、頭痛や体力の低下、消化器系の問題など、様々な症状を引き起こしたりすることが分かってきました。4 押し潰されそうになった時の対処法 ストレス対処の第一歩は、ストレスが問題になっているのを認識し、心身で感じていることと目の前にあるプレッシャーを結びつけることです。避けられないプレッシャーもあるかも知れませんが、取り除いたり軽減したりする方法があるのなら、それを試してみるべきでしょう。現実的な解決策としては、例えば、よく眠れるようにいつもより1時間早くスクリーンから離れることなどが考えられます。 自分のライフスタイルを見直してみて下さい。多くを抱え込みすぎていませんか。すべてに同意する必要はありません。もしも引きこもりがちになっているならそうと認識することは大切ですが、自分の時間が必要だと感じた場合は、社交的な予定を断ってもよいということを知っておくのも、ストレスをうまく管理するためには重要です。 頼れる人と支え合えるような関係を築きましょう。ストレスに対処するとき、まずは友人や家族がサポートしてくれることが多いでしょう。身近な人がそばにいない場合は、ソーシャルグループに参加してネットワークを広げたり、新しい人と出会ったりしてみて下さい。例えば、近所にウォーキングのグループがあるかも知れません。 最後に、多少の抵抗があっても、ストレスを感じたときには誰かに話してみることをお勧めします。日常的に支え合う人間関係がなくても、専門家に助けを求めるのは恥ずかしいことではありません。イギリスのメンタルヘルス・ファースト・エイド(MHFA)の調べでは、成人の6人に1人がうつや不安、ストレスに関する問題を経験しているということです。5 ストレスへの対処を助ける仕組みは存在します。こんなに孤独なのは自分だけだ、とまさに今感じているかも知れませんが、一人で悩まないで、助けを求めて下さい。 https://www.mentalhealth.org.uk/a-to-z/s/stress [↩]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299908000277 [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5579396/ [↩]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/016756999090069L [↩]https://mhfaengland.org/mhfa-centre/research-and-evaluation/mental-health-statistics/ [↩]
冷水療法のすばらしいメリット
Reading Time: < 1 minute 伝統的な冷水療法は冷水浴としても知られ、15°C(59°F)程度の水を健康促進や治療に役立てるというものです。 セラピーというよりも何かの罰のように聞こえるかも知れませんが、プロのアスリートたちは長年にわたって冷水療法の力を利用してきました。氷を浮かべた水風呂が運動後の筋肉を助け、遅発性筋痛(DOMS)の発生を抑えることが知られていますが、冷水療法はスポーツ選手だけのものではありません。実際、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーといった北欧諸国では、冷水浴が古くからの伝統となっており、海岸線や湖に沿って点在する美しい野外浴場に多くの人々が集まって、氷のように冷たい水に浸かっています。 冷水療法の健康効果 冷水療法は、心臓や循環器系の疾患がなければ、誰にでも適しています。定期的な冷水浴には、多くの健康効果があることが分かっています。フィンランドのオウル大学の科学者たちが行った数々の研究の中の1つに、冷水浴が一時的に血液循環を変化させることにより、記憶力の向上、緊張の緩和、エネルギーの増進をもたらした、というものがあります。1 他にも多くの具体的なメリットが科学的に裏付けられています。 筋肉痛の軽減 激しい運動をした後に短時間、冷たい水に浸かると、後々の筋肉痛が軽減されるという研究結果があります。医学的には、冷水によって血管が収縮し、血流が減少することで、腫れや炎症が改善することが一因とされています。2 健康的な精神状態の維持に うつ病の治療法というわけではありませんが、冷水療法はうつの症状改善に役立つことが研究で示されています。その理由としては、体温の短時間の変化のように自然界で経験するストレス要因に、生理的な健康状態が多少なりとも左右されることが考えられています。3 免疫力を高める可能性も 冷水を浴びると体の免疫系が刺激される可能性があることは研究で示されています。理論的には、病気と闘う能力を高めることにもつながります。4 偏頭痛や頭痛に 偏頭痛に悩む人は、保冷剤などで冷やすと楽になる場合があります。これは、冷たさで神経を麻痺させることにより、痛みが軽減されるためと考えられています。氷まくらは簡単な家庭療法です。首回りにかけられる形状のものを凍らせておいて、片頭痛の発症時に使うと、辛い痛みが大幅に軽減されるという研究結果もあります。5 北欧の湖にアクセスできなくても… 北欧の伝統的な方法では、新鮮な空気と自然の恩恵を受けられる湖で行われますが、近くにそのような湖がなくても問題ありません。水風呂に氷を浮かべたり、冷水でシャワーを浴びたり、屋外で泳いだりといった方法で取り入れることができます。わざわざ辛い思いをする必要はありません。氷のように冷たいシャワーを浴びるのは勇気がいるかも知れませんが、温かいお湯から始めて、徐々に温度を下げていっても構いません。また、いつものシャワーの最後に冷水を浴びてもよいでしょう。さらにステップアップするなら、シャワーを使わずに、水風呂に氷を入れて15℃くらいにして浸かってみて下さい。ただし、あまり長く入っていると低体温症になってしまうので、数分程度で十分です。近場に屋外で泳ぐには冷たい場所があるなら、そこで試してみることもできます。ただし、低体温症は水から上がった後にも発症する可能性があるので、すぐに温かい衣類を着込んで、体を動かし続けるようにして下さい。 思い切って、あなたも冷水療法に挑戦してみませんか。冷水療法を日常的に行ってきた北欧の人々は、そのメリットをよく知っています。単に気分転換になるだけでなく、筋肉痛の軽減、新陳代謝の促進、健康的な精神状態の維持など、生理学的な健康効果も期待できますので、ぜひ試してみましょう。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15253480/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21710292/ [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17993252/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4034215/ [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3727573/ [↩]
精神的集中力を保つためにジェームズ・エリントンが重視していること 10選
Reading Time: < 1 minute 精神的集中力とは イギリスのオリンピック選手、ジェームズ・エリントンは2017年に大きな交通事故にあいましたが、フォーカスをエリートレベルの競技会復帰に定めて見事に達成しました。旅を続ける彼は多くの人々の心を動かしています。 重傷をいくつも負い、車いすでの生活を余儀なくされた時は、キャリアだけでなく人生そのものまでも脅かされるような衝撃を受けたはずですが、それでも彼はエリートレベルの競技に復帰することを自ら決意し、意志の力を見出したのです。 精神的集中力とは、何かに意識を集め、そのために全ての精神力を注ぐ能力のことです。健康な精神状態で集中力を活かすことを一度習得すれば、どんな状況になっても、新しいことを学び、目標を達成し、良好なパフォーマンスを発揮することができるようになります。 ジェームズが精神的に集中するために実践しているいくつかのコツを以下にご紹介します。ぜひご自身でやってみて下さい。 1. 目標を小さなステップに分割する スポーツ、日常生活、仕事、その他どんな場合でも、大きな目標に圧倒されないようにすることが大切です。最終的な目標に至る過程を短期的な目標に分割して取り組むと対処しやすくなり、気がつけば目標達成に何歩か近づいているはずです。一日一日を大切に進んでいきましょう。 2. 鍵は可視化 ひとつひとつの目標を達成していく自分を、思い描いてみましょう。一歩ずつ進むことも大切ですが、最終的な目標を達成した時の自分をビジュアライズすることでモチベーションが上がり、望む先にある感慨や充実感に触れることができます。ジェームズは、自分が走り、レースを勝ち抜いていく姿を想像しています。負けたことが頭の片隅にあっても、それに気を取られることはありません。勝利はいつも最前線にあるからです。 3. 自分を振り返る時間を作る ジェームズはいつも「早く忘れること」を勧めていますが、自分を振り返る時間も作ってもらいたいと考えています。改善の余地は常にあるものです。ジェームズは、自己ベストのパフォーマンスを振り返って、ベストな方法を今後のレースに活かすことの重要性を認識しています。例えば、彼はオリンピックに向けて、ヨーロッパ選手権準決勝の最高のパフォーマンスを振り返り、現在の自分との比較をしています。 ここで重要なのは、感情を抜きにして過去の経験から学ぶことです。振り返る理由は、常にポジティブなものでなければなりません。 4. サポートの輪を持つ 目標に向かっていく自分を応援してくれる人が周りにいることは、精神面でとても有意義です。 ジェームズの場合、意識を集中する上でチームメイトが重要な役割を果たしています。同じようなトレーニングをしている同志と一緒にいると、互いに共感し合えます。誰にでも調子の悪い日はあります。他の誰かが不調を経験しているときにはいつも、必ず復活できる、とチームでお互いに言い聞かせています。また、皆がポジティブでいると、それが自分にも伝わってきて、モチベーションが上がります。 サポートは物理的に身近にいる人に限りません。遠くからでも応援してくれている誰かの存在を実感することは大切です。ジェームズは大きな競技会やレースの前に集中力を高めるために、家族や友人、その他あらゆる関係や物事から離れることがあります。これには決して個人的な他意はなく、彼の場合は馴染みのある顔ぶれと一緒にいると、リラックスして集中力を失ってしまいがちだからです。自分の目標やそれを達成することの意味を理解してくれる人の中に身を置くことは重要です。 5. 気が散る原因をなくす 達成しようとしている目標から意識をそらすようなものを取り除くことは、精神状態を健康的にするための重要なステップです。私たちはあらゆる電子機器の通知で定期的に邪魔されることに慣れてしまっています。むしろ、通知が入る前に、気になってチェックしてしまうほどです。 ジェームズは競技の前によくデジタルデトックスを行い、達成しようとしていること以外にエネルギーや思考を使わないようにしています。デバイスからの通知をオフにすると、デバイスをコントロールできるようになり、気が散ることが少なくなります。 6. マインドフルなエクササイズを マインドフルネスの利点は、心を落ち着かせ、集中できるようになることです。どんな状況下でも心を安定させて意図した所へ集中させる能力は、ストレスを感じたり、気が散ったり、圧倒されたりしそうな時には特に重要です。 マインドフルネスのエクササイズは数多くありますが、その中から自分に合ったものを見つけることがポイントです。ジェームズはヨガにも関心を持っており、音楽療法を定期的に行って、心静かに座する時間をとっています。彼は他にも考え事をせずに静かに過ごす機会をしばしば作っているそうです。 7. 正しく栄養摂取 食事が1日の気分に及ぼす影響は忘れがちです。身体で作られるエネルギーの20%は脳で使われているため、脳に適切な栄養を与えていないと、疲労感や集中力の低下を感じるようになります。 多くの人がそうであるように、ジェームズも精白された炭水化物や砂糖の摂り過ぎが集中力やエネルギーに支障をきたすことに気づきました。栄養 について彼は、常に自分の体の声に耳を傾け、体が必要としている時に必要な栄養素を知るというアプローチをとっています。 体と心は連動しています。健康的でバランスのとれた食生活を心がけることが大切です。 8. 日課を守る 例え朝だけであっても、自分のための日課を設定すると、特定のタスクに集中でき、しかるべき所へエネルギーを注いで力を発揮できる、健全な精神状態になります。ジェームズにとってトレーニングは日課の一部ですが、ルーチンにこだわりすぎないことも重要だと認識しています。生きていれば壁に直面することは何度もあります。ルーチンをこなすことで集中力と生産性を高める一方で、柔軟性と適応力を保つことが重要です。 ジェームズは事故の後、トレーニングを量より質重視へと変えていきました。トレーニングの量は減ったものの、回復時間を確保するために、より質の高いトレーニングを行っています。以前のルーチンは変更することになったわけですが、ジェームズはその利点を自分でよく理解しています。 9. 自分の体の声に耳を傾ける 生産性や集中力を高めようと思っても、体や心が休息を必要としている場合があります。そんなときは自分に無理強いしないことです。そのまま押し通そうとすると、最終的には目標に影響が及ぶ可能性があります。 ジェームズは、体調不良や心身の疲労を感じているときにトレーニングを休むのはとても難しい決断であることも、それに抵抗すると長期的にはパフォーマンスに大きな影響が及ぶことも知っています。目標から目をそらさず、必要に応じて体を回復させることで、より早くベストな状態に戻ることができます。 10. 自分を信じる 最後になりますが、自分を信じることは、思った以上に精神的集中力に影響します。自分に疑いを抱えたまま困難に直面すると、対策を先延ばしにしたり、やる気を失ったり、あきらめたりしてしまいがちです。 ジェームズがトラックに立つとき、他のアスリートとの競走で負ける確率は8分の1は存在します。それでも彼は、自分の能力を最大限に発揮すれば勝てると信じています。その信念は、意識の最も重要な焦点なのです。 精神的集中力を高めるために、自分なりのソリューションを 「ひとりひとりは違っても、困難な状況で役に立つ同じツールを誰もが持っています。自分にできることが分かりにくい場合もあるでしょう。それでも辛抱ができれば、自分で大きな変化を起こすことができます。自分にできる何かを宣言し、途中の課題を現実的に考えて ’できない’ から ’できる’ へとマインドセットを変えましょう。きっと、自分にこんなことができるなんて、と驚く時が来ます。」 – ジェームズ・エリントン、オリンピック選手 考えられないようなことでも実現は可能です。ジェームズの旅がまさにそれを反映しています。何らかの状況下で圧倒されそうになったり、諦めそうになったりしたら、ジェームズのヒントを一部でも全部でも実行して、健康的な精神状態を取り戻すようにしましょう。
化学的不均衡とは何か、食生活で改善できるのか
Reading Time: < 1 minute 人体の機能やメッセージ、神経細胞を伝わるインパルスは、すべて脳から発信されています。特定の栄養素が不足していたり、機能を最適に働かせるために必要な燃料が得られなかったりすると、化学的不均衡が生じます。そして、神経伝達物質や脳内の化学的なメッセンジャーが不安定になります。1 化学的なバランスが崩れる理由 化学的不均衡は誰にでも起こり得ることであり、恥じることは何もありません。化学的不均衡がうつや不安といった精神的な症状と関連していることは、研究で明らかになっています。 2 ある種の神経伝達物質は、運動不足や特定の栄養素が不足した食習慣などの要因に影響されて、バランスを崩すことがあるのです。 脳内の神経伝達物質のバランスを保つには 神経伝達物質のバランスが保たれていると、脳内の報酬系がトリガーとなる刺激に応じてドーパミンを放出し、ポジティブで幸せな気持ちに導かれます。ドーパミンが放出されると、脳はそれを引き起こした行動を認識し、快感を再び得るために同じ行動を繰り返すことを欲します。嬉しいことに、このドーパミン放出を誘発するためにできることがいくつもあります。また、それを習慣化すればするほど、簡単にできるようになります。 頻繁に体を動かす。ドーパミンが減っていると尚のこと、運動の優先順位は低く思えるかも知れませんが、新鮮な空気の中で外を散歩するだけでもよいので、体を動かしてみましょう。研究により 3 脳内の化学物質や神経伝達物質のバランスを整えれば、気分に大きな影響を与えることができると分かっています。 ノーと言うことを学びましょう。 あまりにも多くを引き受けると、ストレスや混乱を招くことがあります。自分に求められているあらゆる物事に押しつぶされそうに感じたら、一旦立ち止まって「ノー」と言ってみましょう。自分の手に負えないほどのタスクを引き受ける必要はありません。断るということを実際に始めれば、自分自身がよりバランスのとれた状態になっていることに気づくでしょう。 心休まる自分時間を過ごす。 あなたは自由な時間に何をするのが好きですか。犬の散歩をしている時が一番幸せですか。絵を描いたり、落書きりしたりするのが好きでしょうか。料理しているとリラックスできる人もいれば、単に友人や家族と一緒に過ごすことで最高の幸せを感じられる人もいるでしょう。自分にとって楽しいことが何であれ、それを楽しむ時間を自分のために作って下さい。 化学的不均衡は食事でコントロールできるか 生活習慣がドーパミンの水準に影響を及ぼすことは確かです。食生活は化学的不均衡の主な要因の一つとなっています。食べ物が気分に作用するのは本当です。化学的不均衡と食事には強い相関性があるのです。 ドーパミンとセロトニン ドーパミンとセロトニンは、気分を良好にしたり、睡眠を改善したり、全体的な幸福感を高めたりする「幸福感」の化学物質ですが、実はある種の食品に豊富に含まれています。ドーパミンの摂取源となる果物には、バナナ、プランテン、アボカドなどがあります。また、ビロードマメ(ムクナ)の葉や豆にもかなりのドーパミンが含まれています。柑橘類、リンゴ、トマト、ほうれん草、エンドウ豆、その他の豆類も低量ながらドーパミンを含有しています。セロトニンの豊富な食品もいくつか知られており、葉酸を多く含むものではブロッコリー、濃い緑の葉野菜、豆類、ビーツ、柑橘系の果物、卵など、食物繊維を多く含むものでは全粒穀物、オーツ麦、野菜、梨などがあります。 グルタミン酸とGABA グルタミン酸は体内でガンマ-アミノ酪酸(GABA)に変換されます。GABAは神経系を調節する物質で、これが少ないとうつや不安につながることが示されています。 4 グルタミン酸は、魚介類、魚醤、納豆、味噌、海藻、大豆、キノコ、ほうれん草などから摂取できます。また、トマト、ジャガイモ、サツマイモなどある種の野菜や栗、オーツ麦、小麦、大麦、米、ソバなどの全粒穀物からもGABAが得られます。さらに、GABAそのものを含んではいませんが、その産生を促すことができる食品もあります。ヨーグルトやケフィアのようなプロバイオティクス食品、そして緑茶も取り入れてみるとよいでしょう。 食生活上の意義 特定の食品を食べた後、自分がどう感じるか注意してみると、何か気づくことがあるかも知れません。食べた直後だけでなく、次の日の気分も観察して下さい。エネルギーに満ち溢れ、落ち着いた幸せな気持ちでいるのか、それとも不安でイライラしているのか、自分に問いかけるのです。気分が良くなる食べ物とそうでない食べ物の区別がつかない場合は数週間(加工食品や精白された糖分は一切摂取せず)「クリーンな」食品だけを食べてみて下さい。それから徐々に他の食品を食事に取り入れていくようにすると、自分にとって良くないものが何か見えてきます。 https://www.brainforestcenters.com/resources/chemical-imbalance-really-affect-brains [↩]https://www.medicalnewstoday.com/articles/326475#what-conditions-are-linked-to-chemical-imbalances [↩]https://jnm.snmjournals.org/content/jnumed/41/8/1352.full.pdf [↩]https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17127302/ [↩]
呼吸法がもたらすウェルビーイングの向上
Reading Time: < 1 minute 私たちが毎日欠かさず行っている呼吸は当たり前のことと思われがちです。 人はこの世に生まれた時から空気を吸って吐き、この世を去る時にそれを終えます。呼吸は私たちにエネルギーをもたらします。人体は呼吸によって酸素を細胞に送り込み、細胞の機能を最適に保ち、老廃物の排出を助けています。 呼吸が根本的に重要なものであることは誰もが知っていますが、同時に、それを軽視しているとも言えます。あなたはどれくらいの頻度で自分が呼吸していることを認識していますか。また、どのようにして呼吸しているかを考えたことはありますか。おそらく、あまりないでしょう。 様々な呼吸法の健康効果 意外なことに、正しい方法で呼吸をしていないために呼吸の効果を最大限に発揮できていない人はたくさんいます。生命が維持できているのだから、呼吸は機能していることは確かなのに、おかしいと思われるでしょうか。単に生存するための呼吸以外にも、様々な種類の呼吸法があり、それぞれが健康にメリットをもたらします。 健康増進、ストレス軽減、リラクゼーション 研究によると、深呼吸は気分やストレスを効果的に改善できることが示されています。これは自己申告による評価と、心拍数や唾液中のコルチゾール濃度などの客観的な評価の両方で確認されました。1 ストレスのかかる状況から離れる機会は重要です。時にはゆっくりと、生活のペースを落としてみましょう。感情は体に直接影響を及ぼします。例えば、嬉しい時には口角が上がり、笑顔になります。同じように、落ち着いているときは呼吸がゆっくりと深くなり、緊張したり不安になったりすると呼吸が早くなったり浅くなったりします。 様々な呼吸法 肺には大きく分けて3つの部分があります。通常、私たちは上葉(一番上の部分)を使った浅い呼吸しかしておらず、残りの部分の容量をあまり使っていません。様々な呼吸法を試してみると、酸素を胸から腹部へと導くことができます。呼吸がうまくできていないことに自分ではなかなか気づきにくいものです。息切れする、息が止まる、急に大きく息をしたくな る、といったような症状があれば、呼吸が最大限に働いていない可能性があります。そのために酸素が十分に供給されない状態が続くと、心身の健康に影響しかねません。酸素の安定供給は体にも心にも必要なのです。実は、慢性的な呼吸障害に悩む人には、不安や抑うつが多いという研究結果もあります。2 主な呼吸法を試してみましょう 呼吸法によっては、すぐに効果が感じられるものもあれば、時間をかけて練習することで効果が出てくるものもあります。 深呼吸・横隔膜呼吸 お腹まで使って、より大きなエネルギーになる呼吸の方法を学びましょう。 仰向けになって枕を使うか、椅子に腰掛けて肩、頭、首を背もたれで支えて楽な姿勢をとります ゆっくりと鼻から息を吸って、お腹まで空気を満たしていきます 吸った時の2倍の時間をかけて、鼻から息を吐きます 片手を胸に、もう一方の手をお腹の上に置きます 息を吸うときにお腹が上がり、吐くときにお腹が下がる感触を確かめて下さい さらに数回、お腹に息を入れることを忘れずに、深い呼吸を繰り返します 細く長く息を吐く呼吸 横隔膜を動かして体内に入る酸素を増やす呼吸なので、肺の健康が気になる方に有効です 鼻から普通に息を吸います 唇をすぼめて口から息を吐きます 息を吸った時の2倍の時間をかけて息を吐いて下さい マインドフル・ブリージング マインドフルネスを取り入れた呼吸にも様々な方法がありますが、その一例をご紹介します。呼吸に集中することで、瞑想のような効果を得ることができます。 気が散らない静かな場所を見つけて下さい 座るか横になって、楽な姿勢をとります 呼吸に集中して、息を吸ったり吐いたりする間の体の様子を感じとり、音に耳を傾けます 集中力を維持しつつ、どんな考えが浮かんでも気にしたり判断したりせずに、心の中を通り抜けていくようにしましょう 4-7-8呼吸法 この呼吸法は、眠る前に慌ただしい心を落ち着かせるのに適しています。 舌先を口内の上側に軽く当てて、リラックスして口から息をしっかりと吐き出します 鼻から息を吸いながら4つ数えます 息を止めて7つ数えます 口を開いて大きく息を吐きながら8つ数えます 呼吸は、心と体をひとつにしてより良く機能させ、ストレスを解消し、リラックスしてネガティブな感情をコントロールできるようにしてくれます。呼吸はまた、魂を整える強力なツールにもなります。息吹は生命そのもの、なのです。 https://link.springer.com/article/10.1007/s10072-016-2790-8?correlationId=8806e3e9-7c91-4807-8462-792e593fc8a9&error=cookies_not_supported&code=daa444bd-df80-4b1e-b724-79afe9d38c99 [↩]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0012369215344688 [↩]
マニフェステーションとは何か、人生の向上にどう役立つのか
Reading Time: < 1 minute マニフェステーション、すなわち顕在化は、引き寄せの法則と深く結びついています。 何か望むものがあるのなら、求めずして叶えることはできません。マニフェステーションの本質は、ポジティブに考え、願い、それを現実にしていくことを目的としたプロセスと言えます。映画『ザ・シークレット』で有名なカナダの自己啓発作家、ボブ・プロクターは「心で見ることができれば、手に持つことができる」という有名な言葉を残しています。これこそが、マニフェステーションの核心なのです。 仕事でのマニフェステーション 朝起きた時の気分がどのようなものであれ、外に出てその日一日中、人から「素敵だね」「肌が輝いているね」「元気そうだね」と言われていたら、家に帰る頃には、とてもポジティブな気持ちになっているでしょう。逆に「具合はどうですか」と聞かれたり、「元気がないですね」と言われたりすることが何度もあると、家に帰るまでにすっかり落ち込んだ気分になることも考えられます。これがポジティブ思考の力です。私たちは自分の考えを感覚でとらえているのです。顕在化を意識することで、願ったものを手に入れることができます。 マニフェステーションのステップ 何かを顕在化させるのに、間違った方法も正しい方法もありません。ある人にとっては、静かな内省を経てポジティブに考えることが基本かも知れませんし、別の人にとっては、自分の望みを周囲の人々に伝えることかも知れません。また、マニフェステーションとスピリチュアルには関連性がありますが、スピリチュアルな人でなければうまくいかないというわけではありません。 マニフェステーションは非常に個人的なものです。どこから始めたらいいかわからないという方は、以下の簡単なステップを出発点とするとよいでしょう。 自分の目標を明確にする あなたの真の望みは何ですか。それが分からないままでは、それを存在するものにして手に入れるのは困難です。単に「幸せな人生」を求めるだけでなく、もっとフォーカスをはっきりとさせる必要があります。自分を幸せにするものは何でしょうか。新しい仕事、健全な人間関係、思いつくものを具体的に挙げていきましょう。もしも本を書こうとしているのなら、そのプロセスを小分けにして考えてみましょう。書くために何かインスピレーションになるものは必要でしょうか。新しいアイデアを思いつく創造性を広げたいと思いますか。出版までの見通しはついていますか。自分が何を望んでいるのかを明確にすることで、何を求めればよいのかが見えてきます。 望み、求める シンプルそうでありながら、ここでつまづいてしまうことは珍しくありません。自分に合ったやり方で願望に向き合って下さい。紙に書き出す、ビジュアルボードで見える形にする、他の人に話す、瞑想する、様々な方法があります。重要なのは、自ら手を伸ばし、求めることです。 目標に向けて行動計画を立てる 目標はその辺に飾っておくためのものではありません。願えば叶う、望めば手に入ると確信していても、自分で果たすべき役割を忘れてはいけません。例えば「新しい仕事がしたい」と言ったのなら、面接の練習をしたり、新しいネットワークグループに参加したりと行動してみることです。チャンスは現れます。でも、その道筋に自分の身を置く必要があります。自分の願望に意識を集め、そこへ至るプロセスを信じましょう。求め続けている限り、手に入れることのできる時はやってきます。 抵抗をなくす 願望に向かって進み続け、実現するためには、相応の波長に自分を合わせていく必要があります。人生には浮き沈みがつきものですが、良いことを引き寄せるポジティブな波動を基本として維持したいものです。1 引き寄せの法則では「類は友を呼ぶ」とされています。ですから、人生をポジティブなものにしたいなら、自らポジティブになる必要があるのです。良い気分になれることに集中し、自分の行く手を阻む抵抗や毒はすべて除去しましょう。恐怖心やネガティブな気持ちで視界が曇っている場合は、一旦それを認めた上で、それにとらわれずに自分で乗り越えていきましょう。 受け入れ、認め、感謝する 思い通りのタイミングではなかったとしても、望みが実現したときには、必要な時間を経て辿りついたのだと信じて、感謝の気持ちを大切にして下さい。ポジティブなことを受け入れがたく感じて、褒められたときや贈り物をもらったときの対応に困る人もいますが、自分が求めてたものを手に入れたこと、自分にはその価値があることを忘れないで下さい。勇気を出して有言実行を成し遂げた自分を認め、望みが実現したことに感謝しましょう。 https://www.throughthephases.com/how-to-raise-your-vibration/ [↩]
ソフロロジー – 心身に働きかけるテクニック
Reading Time: < 1 minute ソフロロジーとは何か、ストレス管理のリラクゼーションテクニックとしてどう役立つのか ソフロロジーはスイスやフランスでストレスのコントロールに用いられています。ヨーロッパでもさほど広く知られてはいないようですが、導入例は増えつつあり、今後も広まっていくと予想されています。ソフロロジーはヨガと同様の原理に基づいたリラクゼーションのテクニックで、より認知度の高いマインドフルネスに似ています。 開発者はコロンビア出身の神経精神科医、アルフォンソ・カイセド教授です。彼は受け持ちの患者が日常生活の中でより穏やかな気持ちになれるようにサポートする方法として1960年代にソフロロジーを編み出しました。1979年に開催された第1回国際ソフロロジー会議では、ソフロロジーがセラピーであり自己啓発の手法であるとともに、哲学でも生き方そのものでもあることが力説されました。ソフロロジーは、ストレス管理から不眠症、感情のコントロール、対人関係まで、幅広い悩みに対応する方法として認められています 1 。 ソフロロジーの呼吸法が健康にもたらすメリットとは ソフロロジーは意識的な呼吸法によって心を穏やかに落ち着かせます。他のリラクゼーションテクニックと同様に、ソフロロジーも練習を重ねることでより良いものになっていきます。ソフロロジーでは、ソフロロジストのガイダンスのもと、12の段階を経て身体の奥深くに意識を向けていきます。最初はボディスキャンによって、特に緊張の強い部分を意識しながら呼吸します。その後、ビジュアライゼーションのような、より精神的な要素を導入しながら、身心の一体感を見出し、最終的には自分の価値観を確認します。 ソフロロジーと他のリラクゼーションテクニックとの違い 心を静めて満たされた気持ちになるためにリラクゼーションテクニックを用いるのは特に新しいことではありません。落ち着いて「今に生きる」重要性に立ち返るための瞑想や内省の様々な方法は、何世紀も前から世界中に存在します。ソフロロジーが他の瞑想や呼吸法と異なる点は、目標に対する指向性がより明確であることです。ソフロロジーは単に今現在に焦点を当てるのではなく、緊張や不安が予測される未来の状況に備えて、心を落ち着かせリラックスする手助けをします。フランスでは、ソフロロジーはメンタルヘルスを理解する方法としてすでに認知されており、授業で教えている学校もあります。また、助産師は、出産時に体をリラックスさせ、出産後の治癒を早めるためにソフロロジーを用いています。 ソフロロジーを試してみましょう ソフロロジーのメリットを得るには、ガイドを利用して段階を踏んでいくことが望まれます。様々なオーディオ資料がありますので、これをガイドとして体験してみるとよいでしょう。ソフロロジーがどんなものか少しだけやってみたい方は、以下のエクササイズを試してみて下さい。まず、目を閉じて息を吸い、数秒間息を止めて、全身の筋肉を緊張させます。次に、息を吐きながらすべての筋肉をゆるめて、心身がゆっくりと落ち着いてくるのを待ちます 2 。 Research Gate: Four decades of sophrology and its scientific status [↩]The Guardian: ‘Learning to live’ – why sophrology is the new mindfulness [↩]
健康的な食生活からライフスタイル改善へ
Reading Time: < 1 minute 健康的な食生活とライフスタイルの改善は、似ているようで同じではありません。この2つを混同してしまうと、実際の目標が何なのか分からなくなってしまうことがあります。 食事を健康的なものに切り替えていくというのは、通常、減量などの特定の目標がある場合に行われます。しかしながら、一度目標を達成しても、元の食生活に戻ってしまうことがよくあります。一方、ライフスタイルの改善はより長期的なアプローチであり、健康と長期的な体重管理のために、全体的により良い食習慣を取り入れることです。さらに、食事療法は食べ物の摂取に限って考えますが、ライフスタイルの改善は、運動量など、健康や体重に影響する他の要因も考慮します。 ライフスタイル改善が難しい理由とは 健康的な食生活を始めるのも、健康的な食事を積極的にしようと決断するのもすばらしいことですが、何か新しいことをするときには、本気で取り組まなければ継続は難しいものです。健康的な食生活を続けようとすると様々なことが気になってしまいます。時間がない、と思う日もあれば、体に悪い食べ物に誘惑されたり、どうしても食べたくなるものが目についたりもするものです。科学的に見ても、ライフスタイルを変えるのはとても難しいことが分かっています。研究によると、健康的な食事のような新しい行動が習慣として身につくまでには、平均で66日、場合によっては254日もかかるということです。1 ライフスタイルの改善で得られる長期的なメリット 健康的な食事を取り入れた新しいプログラムで長期的な成功を狙うなら、長い目で大局的に見てメリットを検討するのが一番です。そもそも、なぜ健康的な食事をしようと思ったのでしょうか。それは体重を減らすためですか。健康的な食生活は体重を減らす助けとなりますが、望ましい体重を維持するにはライフスタイルの改善が役立ちます。全体的に健康になりたい場合も、健康的な食事で目指すことはできますが、以前の食習慣に戻ってしまうと、またすぐに倦怠感に陥ります。それが心配なら、小さめのお皿を使って、体に悪いものを食べても量が少なくて済むようにしたり、フルーツボウルを置いて、間食したくなったら健康的なおやつを手に取れるようにしたり、と行った工夫をするとよいでしょう。 ライフスタイルは食事だけではありません ライフスタイルを変えるということは、食習慣だけではなく、その他の要素も改善するということです。それを忘れてはいけません。健康的なライフスタイルの要素はたくさんあります。 睡眠 心身の健康は、睡眠時間に大きく左右されます。睡眠不足がうつ病や気分障害、肥満、糖尿病、心臓病などの原因になることは、研究で明らかになっています。2 最適な睡眠時間を確保するには、同じ時間に就寝する、携帯電話や画面のブルーライトを避ける、寝室を清潔感のある快適な場所にするなど、寝る前の規則正しい習慣を身につけることが望まれます。 体を動かす 毎日の運動は、心肺機能と筋肉の健康を維持し、メンタルヘルスにも良い影響を与えることが分かっています。研究によると、運動はストレス、不安、抑うつを改善し、体調不良につながる炎症を抑える働きをするということです。3 ストレス管理 健康的な食事、十分な睡眠と運動を心がけることで、ストレスに対処しやすくなります。加えて、瞑想やヨガ、塗り絵や絵画のようなマインドフルネスに有用なアクティビティなど、ストレス管理に役立つことはたくさんあります。 目標に合わせてライフスタイル改善 ライフスタイルの改善を食習慣の一新から始める人は多いようです。世の中には様々な食事法がありますが、自分に合ったものを見極め、長続きさせるにはどうすればよいのでしょうか。できるだけ良い結果を得るためには、自分の目標について考える必要があります。減量を目的とした場合は通常、食事内容を変えることが中心となりますが、ライフスタイルの改善に取り組めば、もっと小さな目標であっても持続しやすい設定をすることで、長期的に大きな効果を達成できます。具体的には現在の習慣がどのようなものかによっても異なりますが、例えば、週に1回新しいエクササイズのクラスに参加する、1日1万歩歩く、砂糖を控える、毎日食べる果物を増やす、といった目標が考えられるでしょう。 http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.695.830&rep=rep1&type=pdf [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3741412/ [↩]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0378512217308563 [↩]
自家栽培の知られざるメリット
Reading Time: < 1 minute 自分で食べる物を自分で育てることには、栄養価の向上、心身の健康増進など、多くのメリットがあります。 キッチンで使える小さなハーブの鉢植えでも、新鮮な野菜や果物をたくさん育てる貸し菜園でも、自分の健康と環境の両方に良い趣味になります。 ここでは、自家栽培をお勧めする理由を5つご紹介します。 より良い栄養価 栄養価が高く、健康的でバラエティに富んだ食生活を送りたいなら、自分で食材を育てるのはすばらしい方法と言えます。多種多様な野菜や果物を育てて食べれば、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質をたっぷりと摂取することができます。生でも食べられる食品が特に美味なもののひとつであることは確かです。さらに、含有する栄養素が非常に豊かであることも研究で明らかになっています。 1 食品を調理するのが悪いというわけではありませんが、収穫してから食卓にのるまでの時間がお店で買ってきたものよりも短いため、新鮮さが保たれるという利点があります。 環境に優しい 栄養価が落ちる時間が短いだけでなく、輸送を必要としない自家栽培の食品は、二酸化炭素排出量に影響しない環境にも優しい選択肢です。 2 化石燃料に依存した長距離輸送を減らすことができるだけでなく(食品が消費されるまでに平均約2400km移動すると言われています) 3、環境に悪影響を及ぼす可能性のある化学薬品や農薬の使用も避けることができます。 身体の健康に良い 長時間のランニングとは異なる活動と思われるかも知れませんが、自分で食材を育てることは、実は健康でアクティブな生活を送るすばらしい方法となります。根を掘り返したり、苗を植えたり、草むしりをしたり、水をやったり、育てた作物の世話をしたりするガーデニングは、心臓を丈夫にし、ストレスを減らしつつ、体力と柔軟性を向上させる良い運動なのです。また、屋外に出ることで、健康な骨や歯の維持、病気に対する免疫力の向上に欠かせないビタミンDも摂取できます。 4 心の健康にも良い 家庭菜園やガーデニングは、体だけでなく、心の健康にもメリットをもたらします。体を動かすというシンプルな行為が、ストレスや憂鬱、不安を解消し、エネルギーを高めることは明らかにされています。5 お金を節約できる スーパーでサラダを買ってくるよりも出費がかさむように感じるかも知れませんが、一通りの庭づくりができれば、時間と根気と水を加えるだけで自分で食べる物を育てることができます。オーガニック食品の値段の高さを考えれば、自分で育てているうちに、最初に鉢や土などにかかったお金をすぐに取り戻せることが分かるでしょう。 自家栽培をする際には、種類の幅広さが鍵となります。今まで食べたことのないものを恐れずに試してみて下さい。新しいものを取り入れるために、農薬の使用量や輸送コストが増えることはありません。目新しい、興味深い新鮮な食材との接点をできる限り多く持ちながら、自分と地球の健康に貢献しましょう。 https://pubs.acs.org/doi/pdf/10.1021/jf60202a021 [↩]https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0921344914002626 [↩]https://cuesa.org/learn/how-far-does-your-food-travel-get-your-plate [↩]https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3356951/ [↩]https://journals.lww.com/acsm-essr/Citation/1990/01000/Effect_of_Exercise_on_Depression.16.aspx [↩]
パンデミックの時代にポジティブで健やかな心を維持するには
Reading Time: < 1 minute ケンブリッジ・マーケット・リサーチが実施したライフプラスのメンタルウェルビーイングに対する取り組みに関する第2次調査報告書をレビューしたうえで、Covid-19の影響とコンテキストについてのコメントと、メンタルヘルスをポジティブに維持するための提案をまとめました。 Covid-19のコンテキストで見たメンタルヘルス 生活をしていればストレスや課題が時に重くのしかかるものですが、Covid-19のパンデミックが加わったことで多くの人々の生活が一変しました。家庭や職場での振る舞いや、友人や家族との関わり方が大きく変化し、社会的支援の利用にもそれが表れています。懸念事項はたくさんあります。経済的不安定、刻々と変わる規制やロックダウンによる不確実性、在宅ワークや自宅学習に対応するために従来と全く異なる水準のマルチタスクを強いられるストレス、ウイルス対策に伴う継続的な脅威、そして潜在的な病気など、不安要素は尽きません。悲しいことに、多くの人々が重篤な病気に苦しんだり、Covid-19で愛する人を失ったりといった経験をしています。制限があるために大切な人のサポートができなかった、あるいは喪失感の中で通常なら得られるはずのサポートが得られなかった、という方も少なくありません。このパンデミックの状況下では、メンタルヘルスの諸問題の悪化や新たな問題の発生を防ぐために、一人ひとりが精神面の健康を最適に保つ努力をすることの重要性が増しています。 H2:メンタルヘルスと健康を最大限に引き出すためのヒント パンデミックの中でも、肯定的なアプローチを利用して、できるだけポジティブで健やかな心を効果的に引き出すことは可能です。以下は第1次調査の後でまとめたヒントです。 人間関係 人間は社会的な生き物です。積極的に他者とつながり、触れ合うことは、メンタルヘルスを最適に維持するうえで有用です。このパンデミックが始まって以来の大きな変化は、人と人との社会的なつながり方にも及び、精神面の脆弱性が危惧されています。私たちは様々な方法で他者から社会的なメリットを得ています。社会的なサポートを改めて認識し、必要な時に思い出せるよう、童謡の「頭、肩、ひざ、足と手」を口ずさみながら、感謝の気持ちを取り戻しましょう。「頭」は知恵を寄せ合うことのできる人々の象徴です。互いに近況を語り合ったり、刺激的な議論に夢中になったりできる相手が何人かいるでしょう。「肩」は厳しく困難な時、泣きたい時に「肩を貸して」くれる人です。嫌なことがあったら嫌な気持ちになるのは当然です。それを表にあらわし、理解を示してくれる人と気持ちを共有するのは健康的なことであり、メンタルヘルスの問題の悪化を最小限に抑えられます。「ひざ」は「ひざを交えて」気楽に過ごせる人たちのことです。笑い合ったり、ホッとしたり、そんな時間を共にすることで充電されて、大きなストレスのかかる出来事や課題に立ち向かう力が蓄えられます。一方、普段避けている何かに着手するのに、誰かの後押しが必要になる場合があります。なかなか「足」を踏み出せない、「手」を出せない時にやる気を引き出してくれる人を思い浮かべてみて下さい。 人間関係も社会的な接触やつながりも、偶然の産物であるとは限りません。ポジティブで健やかな心を維持するために、意図的にその機会を計画することも必要です。Covid-19の蔓延する昨今、人との接触は(規則が許すなら)対面であれ遠隔であれ、よりクリエイティブで想像力に富んだ方法で行うよう求められています。 アクティビティ – 楽しく体を動かす 身体を動かすこと、趣味やレジャーに熱中することがポジティブなメンタルヘルスに貢献し、うつ病やストレス、不安の症状を和らげることについては、確かな証拠があります。毎日、もしくは毎週の日課に定期的なアクティビティをどのように組み入れるかを考えてみましょう。長時間デスクワークをしている場合は、携帯電話のアラーム機能が利用できます。一定の間隔で設定して、立ったり、ストレッチをしたり、休憩を取ったりしましょう。ビデオ通話やクイズ、ウォーキング、ランニング、サイクリングなど、心身をアクティブに保つ方法はたくさんあります。自分なりに考えて、他の人にもサポートしてもらいましょう(オンラインでも対面でも構いません)。外出中に他人に話しかけたり、フェンス越しに隣人に声をかけたりと、社交的になるのもおすすめです。家の中でもアクティブに過ごしましょう。音楽を流して洗濯や家事をしながら歌い踊るなど、仕事を片付けながら活発に体を動かせば一石二鳥です。 「自分の時間」を確保して、リラックスするのも大切です。具体的に自分のための時間を計画し、それ自体はもちろん、その時間に向かっていく期待感も楽しみましょう。ロックダウン中は、自分時間で何をするかを創造的に考える必要があるかも知れませんが、何であれ自分のためになることをやるように計画して下さい。見たい映画やテレビ番組があるなら、自宅の誰かと一緒に見るか、よその人と同じ時間帯に見て感想をやりとりすると良いでしょう。ビデオ通話で誰かと話す、お気に入りの本を持ち込んでゆっくりと泡風呂に浸かる、夜の「デート」を特別な食事で演出する、といった工夫もできるでしょう。 運動の習慣を身につけましょう。できれば他の誰かを巻き込んで下さい。同じ運動を一緒にできなくても、自分で決めた目標に向かって、どのように進歩しているかを話し合うことができます。マインドフルネスのテクニックを使って、五感を使って自分の環境に注意を向けましょう。外を歩いているときにしばらく立ち止まったり、あえて歩調をゆるめたりして、見たもの、聞いたもの、感じたもの、嗅いだものをとらえるのです。植物が成長していく様子、枝先に出てくる新しい葉、球根、色、形、身の周りの風景、動き、光、質感、近くの音、鳥、風、人、水音などを拾い上げ、体を包む空気の感触や匂いを意識して下さい。そして、気に入った体験にフォーカスして、それを心から楽しむようにして下さい。 仕事と家庭のバランス 家庭と仕事の重要性は同等です。両者の適切なバランスをとり、維持するのに苦労している人は珍しくありません。加えてCovid-19により、施設の制限や技術的な問題、家庭教育など、諸事情の複雑な変化に誰もが影響されています。 在宅ワークの場合は、仕事と家庭の境界線をはっきりとさせて、けじめをつけましょう。また、可能であれば仕事用のエリアをリラックスするスペースとは別の場所に設けましょう。書斎を確保できれば理想的ですが、住宅事情によってはダイニングの一部に仕事場をつくらなければならないかも知れません。仕事をする日は始業、終業の時間を決めて、その間仕事に関係のないものは仕事場に入れないようにして下さい。仕事を始める前に片付けをしたり、終わってから家庭の食卓に使えるように戻したり、といった手間はかかりますが、それでも従来の通勤ほど時間を費やす必要はないはずです。仕事の合間に休憩をとり、席を離れることも忘れないようにしましょう。机に向かって座って作業したあとは、立ち歩いたりストレッチをしたりするのが有効です。こまめに水分を補給して、栄養価の高いヘルシーな食事を決まった時間にとるようにすることも大切です。画面の前に長時間座りっぱなしになって、いよいよ我慢できなくなってから体に悪いスナック類に頼るようなことはやめましょう。 現在の状況に応じた働き方と仕事量を明確にして、相応のリソースと技術的サポートが得られるよう、同僚や上司と話し合って下さい。自分に何がどれだけ期待されているのかについても、思い込みで自分を追い詰めないことです。期待が自己から来るものであれ他者から来るものであれ、いずれの状況においても、充分かつ適度な範囲なのか、それを超えているのか、自問自答してみて下さい。 人はしばしば自ら、自分にとって最悪の敵になってしまいます。そして、あれもこれもできなかった、と自分を責めてしまいます。それよりも一歩引いた位置からできたことに目を向けるようにしましょう。仕事は少しの余裕を持たせて計画を立てて進めましょう。指定された時間内でできることについて欲張らず、現実的な範囲で達成の見通しをつけて下さい。自分一人でできることには限度があるのを忘れずに、他の誰かに手伝ってもらったり、分担したりすることを考えましょう。 – 寄稿 エリザベス・ロビンソン博士 自分を尊重する 仕事に家庭に育児にと、生活の諸々で手一杯の慌ただしい日々を送っている人は少なくありませんが、時には立ち止まって、自分が達成できたことに目を向けてみませんか。一歩引いて視野を広げれば、自分にできたあらゆることが見えてくるはずです。複雑にしすぎたり、大げさにしすぎたりせず、ありのままを認めましょう。友人関係に何かをもたらした、子供に何かを与えた、自己を笑い楽しむことができた、ユーモアのセンスを発揮した、近所の人の手助けをした、料理やガーデニング、裁縫を学んだ、新しいITスキルを身につけた、といったようなことで構いません。振り返って自分を認めるということをどのくらいやっていますか。さらに、自分の成果について自分自身を褒めることはどのくらいあるでしょうか。 自分とまっすぐに向き合いましょう。また、自分の改善点は何かも考えてみて下さい。私自身は折にふれて自分に笑顔を向けるように心がけています。そして、学校の先生なら通知表に「頑張りましょう」と書きそうなことは何かを想像しています。私の場合はきっと、自分のための時間を作ること、自分で自分を失敗に仕向けないためにも、仕事や家庭でできることについて現実的な期待をすること、が指摘されると思います。 目標 調査結果の中では、若い人ほど目標を設定して取り組む傾向があることが示されています。これは、メンタルヘルスを最適化し、生活の質を向上させるために有効なテクニックだと思われます。先述の内容に沿って言うなら、人間関係を最大限に活かす方法、仕事と家庭のバランスの取り方、アクティブでいること、自分自身を尊重することなど、いずれにおいても目標を持つことが役に立ちます。目標は短期でも中期でも長期でも構いません。ポイントは現実的で達成可能なものにすることです。私がよく提案する方法は、設定した目標の達成度を10段階(10=目標達成)で評価するというものです。そして今の段階でどこまで達成に近づいているか、に続いて、10に達するには何をすれば良いか、を考えてもらいます。例えば、ある人が友人と5キロを走るという目標を設定しているとします。本人が今、この目標の達成度を1と評価している場合、そこから上げていくために何ができるかを考えましょう、となるわけです。また、自分の目標を身近にいる大切な人と共有し、目標達成の計画について話し合うのも有益です。 Covid-19のコンテキスト Covid-19がもたらした途方もない困難にも関わらず、人々が見せた善意善行と適応力に私は圧倒されました。友人や隣人たちの手助けは本当に生活の役に立つものでしたし、聞き役になる、エクササイズの街頭レッスンを開く、といった働きかけも見られました。支え合いの精神はコミュニティに広がり、以前より近所の人たちと知り合えた、という人は多いようです。私の80歳の母はデジタル技術の使い方を覚えましたし、私自身が国内外の友人や同僚とこれまで以上にやりとりするようになったことに驚いています。 他者に目を向けて、この困難な状況の中でもこんなに最善を尽くしている人がいる、と気付くことが支えとなるようです。私たちは皆、過去最大級の課題に直面しています。個人的には、単にこの状況を乗り越えるのではなく、自分の歩みを振り返り、ここに至る旅を助けてくれた人たちのことに思いを馳せる機会にしたいと思っています。 メンタルヘルス支援 イギリスのNHSのウェブサイトには、心のあらゆる問題に対処する組織や慈善団体、サポートグループの一覧が掲載されています。不安、うつ病、男性の健康、自殺予防、強迫障害、性的虐待、アルコール・薬物の乱用、アルツハイマー病、死別など、専門家の支援が必要な場合に参考になります。ただし全てがリストアップされているわけではありませんのでご注意下さい。 同サイトには、(大人と子供の)メンタルヘルスとウェルビーイングに関する情報も掲載されています。ストレス、孤独感、悲しみ、怒りなどを軽減したい時にヒントになるでしょう。呼吸法のエクササイズや時間管理のヒント、お金の悩みへの対処、マインドフルネス、メンタルヘルスとウェルビーイングの改善に向けた5つのステップなどが紹介されています。ビデオやオーディオセッションも役に立つでしょう。さらに、対人療法、カウンセリング、認知行動療法、ガイド付き自己啓発、マインドフルネスに基づく認知療法など、心理療法についての情報も充実しています。ストレス解消用に様々なアプリがありますので、使えそうなものを探してみるのも一案です。 メンタルヘルス支援 – NHS提供 慈善団体/組織/サポートグループのリスト 最後になりますが、ライフプラスは、メンタルヘルスをサポートするためのシンプルなアプローチ「メンタルヘルス5-a-day」を編み出しました。日常に少しずつ取り入れられる工夫を発信することで、メンタルヘルスの向上を支援しています。 エリザベス・ロビンソン博士 エリザベス・ロビンソン博士は、メンタルヘルスの分野で35年以上に及ぶ経験を有する心理療法士です。最初に精神科の看護師として専門的な訓練を受けた後、ヘルスサイエンス(BSc.Hons)を学び、続いてダーラム大学で博士号を取得しました。当時の研究では、対人関係療法を用いたうつ病の脳機能イメージングに取り組んでいます。 さらに博士は、急性の精神症状の治療や法医学的精神医学、メンタルヘルス研究所の上級研究員として働いてきました。1997年にジュネーブで対人関係療法の初期研修を受けた後、1998年にニューヨークの専門家の監督下で対人関係療法の実習と研究にあたり、研修を修了しました。博士は研究者として活動する傍ら、対人関係心理療法士として多くの臨床試験の主任を務めています。 現在は対人関係療法のトレーニングや講座を全国で多数開催し、精神科医や心理士、看護師、ソーシャルワーカー、作業療法士など、セラピーを行う立場にある人々に継続的な指導をしています。研究面では、統合失調症、うつ病、不安、社会的機能、自殺、性機能障害、対人心理療法、脳イメージングなどを扱う無作為化臨床試験の評価や精神鑑定、治療に携わっています。うつ病、心的外傷、性や人間関係の問題に特に造詣が深い一方、不安や恐怖症への取り組みにおいても経験が豊富で、対人関係療法、性心理カウンセリング、眼球運動の脱感作と再処理法、不安管理、認知行動療法など、多くの心理学的治療モデルを用いています。
メンタルの強さとレジリエンスを向上させるには
Reading Time: < 1 minute 人生とは思いがけない時に思いがけないことが起こるものです。 感情の渦を乗り越えていけるのか、試されるような状況に追い込まれることも少なくありません。それが人間関係の終焉であれ、やりがいのない仕事や健康上の懸念であれ、不安に陥ることなく冷静に舵を切って進むのは至難の技に思えるでしょう。すべてが順調だったとしても、いつまでもそうとは限りません。それは、私たちが皆経験したように、世界的なパンデミックのような事態があらゆる計画を突如ひっくり返すことがあるからです。 試練の日々はやがて過ぎ去っていきます。それまでは困難に思えるかも知れませんが、物事は良くなっていくという事実に意識を向けて、自分自身の精神力と回復力を頼りに待つことが大切です。 精神的な強さと回復力 – 両者の違いとは 精神的な強さと回復力は密接に関連していますが、両者には違いがあります。いわゆる回復力は発生した状況に対処する能力のことで、レジリエンスと呼ばれます。レジリエンスがあることと、精神的に強いということは同じ意味ではありません。何らかの物事に対処すること自体は可能であっても、それがポジティブな方法でできるのか、歯を食いしばって我慢して、ただ時が過ぎるのを待つのか、で差が出てきます。 メンタルの強い人とは、ストレス要因やプレッシャー、課題に効果的に対処し、自分が置かれている状況に関係なく、自分の能力を最大限に発揮できる人です。1 この違いは微妙ながら重要なものです。それは、生き残りにとどまるのか、繁栄していくのかの分かれ道になるからです。 より良い人生の礎は、精神的な強さで築かれます。強いメンタルはどんなことがあっても対処できる仕組みとして機能するだけでなく、社会で有意義な人間関係を広げるにも、自信をもって新しいことを試してみるにも役に立ちます。最良の点は、精神力を高める努力は、今いる場所で、いつでもできるということです。メンタルを強くするためのヒントのトップ3を見ていきましょう。 前向きに考えることを学ぶ 言うだけなら簡単だろうと思われるかも知れませんが、期待したほど自然には身につかなくても、よりポジティブに考えることは学習できます。海軍特殊部隊やオリンピック選手を見れば、何かを達成するのにどれほど心の力が役立つかが分かります。ポジティブ思考への第一歩は、自分がネガティブになっている時、その事実に気づくことです。そして、自分を責めるのではなく、あるがままを認めて、それを変える努力をすることです。「失敗するかも」と考えるのではなく、「成功するかも」と自分に言い聞かせてみて下さい。結果的に成功しなかったとしても、ベストを尽くしたのならそれで良し、としましょう。前もって自分がどんな感じ方をしたいか決めておくだけで、実際の感情を受け入れやすくなるということはよくあります。ポジティブに考える、と心に決めれば、ポジティブ思考は向こうからやってきます。これは、マニフェスト – すなわち具現化、願望実現として知られています。朝元気に目を覚ましても、一日中周りの人から具合が悪そうだと言われ続けたら、おそらく夕方までには本当に不調を感じるようになってしまうでしょう。常に自分に向かって幸せになるように言い聞かせていれば、その感情が具現化されて、実際に幸せな気分になる可能性が高まります。 瞑想して自分のための時間を確保する 多方面で責任を負い、忙しく立ち回る世界にいるからこそ、時にはペースを落として自己内省に集中できるようにすることも大切です。瞑想は心を落ち着かせ、今この瞬間に存在することに立ち返るすばらしい方法です。リセットしたその時点から、フレッシュかつポジティブな視点で物事に向き合っていけるようになるでしょう。瞑想やマインドフルネスがうつ病につながるDNAを分子レベルで覆すという驚くべき可能性を示した研究もあります。2 コベントリー大学の心理学研究所(Centre for Psychology, Behaviour and Achievement)で脳・信念・行動について研究するイヴァナ・ブリック博士によると「ヨガや瞑想のような心身への介入がもたらす健康上のメリットを享受している人は世界中に何百万人もいるが、あらゆるメリットはおそらく本人の知らないうちに分子レベルで始まり、遺伝情報がその行方を変更している可能性がある」とのことです。博士の研究では、瞑想のような活動が細胞に残す分子署名でヒトの遺伝子の発現方法が変わり、ストレスや不安の影響が逆転する、と説明されています。 体を動かす時間をつくる メンタルの強さに関して言うなら、体も心と同じくらい重要です。心身の健康は密接に結びついており、どちらかが損なわれれば、もう一方も損なわれる可能性があります。運動がセロトニンとドーパミンという「快感」物質の脳内濃度を高めることは研究で明らかになっており、3 この物質の作用により、うつを軽減し、すっきりとした頭で落ち着いて集中できる状態に導かれます。 子どもたちにレジリエンスを 特に子どもは周囲の人の行動に強く影響されます。まるで小さなスポンジのように、見たものや学んだことを吸収していくので、子どもたちの手助けをする前にまず、周りの大人が自ら精神力を鍛えることが大切なのです。 子どもは他人から学びます。ですから、子どもを大切にし、子どもの利益を一番に考え、子どもに良い影響を与えてくれる人、つまり友達、家族、先生、コーチといった存在に接する機会を促しましょう。子どもたちには、自分はひとりぼっちではないこと、自分の利益を一番に考えてくれる人たちがいること、サポートが必要なときはいつでも頼れる人がいることを教えてあげましょう。 創造性や戦略を用いる遊び方は、子どもにとって自主的に学ぶ良い機会となるので大切です。例えばボードゲームは、衝動をコントロールし、我慢して交代することの必要性を教えるのに最適な方法であるだけでなく、状況が急に変わっても柔軟に応じる精神力を鍛え、より良い結果を得るために考え方を変える練習ができます。 助けを求めることを怖れない メンタルを強くするには、時間も練習も必要です。思うようにいかなくても、自分は一人きりではないということを忘れないで下さい。人生は時に厳しいものです。乗り越えることに困難を感じるのは恥ずかしいことではありません。自力で対処できるかどうか分からないと感じたら、友人や家族、専門家など、誰かに自分の気持ちを話してみるのが一番です。悲しい、怒っている、イライラしている、ストレスを感じている、不満を感じやすい、といった感情に気づいたら、うまく対処できていない可能性があります。誰かに助けを求めるべきサインとして見逃さないで下さい。 https://www.mentaltoughness.partners/developing-mental-toughness-peter-clough-doug-strycharczyk/ [↩]https://www.sciencedaily.com/releases/2017/06/170615213301.htm [↩]https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1600-0838.2009.01049.x [↩]
在宅ワークのメリット
Reading Time: < 1 minute 在宅ワークのメリット:最大限に活用していますか? 1年前は誰もが自宅で仕事をしているように見えたかも知れませんが、事は当時に始まった話ではないようです。 1 COVID-19のパンデミックで社会的距離を保つことや在宅勤務が推奨されましたし、今では「新常識」として受け入れられるまでになっていますが、テレワークの人気はそれ以前から高まっていました。スタートアップやテクノロジーなど特定の業界では、在宅勤務を認め、特典として挙げている企業も少なくありません。また、意図的に在宅勤務を企業文化に組み込んで、遠隔でありながら完全に連携できるチームを作っている所もあります。 変化の始まりにはしばしば困難が伴うものです。在宅勤務が初めての方はいくつかの課題に直面するかも知れませんが、かなりの充実感を得られる可能性もあります。一人暮らしであれ、あっという間に子供が学校から帰ってくる家庭であれ、効率的な在宅勤務に移行するには調整期間があることを予期しておくべきでしょう。 在宅ワークと生産性 自宅で仕事をする事と生産性は相応の準備をしておかないと両立しにくく、仕事モードと家庭モードの切り替えが大切です。まずは、仕事に専念するための特定のスペースかゾーンを確保しましょう。育児を気にしなくてよい場合や、子どもが既に自立している場合は、居間や寝室など私生活用の空間とは別の場所を家の中で見つけて下さい。 どうしても育児に参加しなければならない場合(あるいは育児も仕事も一人で担う場合)は、リビングではなくダイニングの一角に小さなデスクを置くなど、遊んだりリラックスしたりするためのスペースから少し離れた場所に作業環境を作りましょう。 次に、就業時間を決めて、時間外の業務連絡の通知はオフに設定しましょう。就業時間中は効率よく仕事に集中し(ソーシャルメディアやニュースページを見ないように!)、自分を休ませるための時間もおろそかにしないで下さい。過労に陥らないよう優先順位に応じた仕事の進め方をすることについて、仕事仲間と話し合うことも大切です。 うまく行かない場合は在宅ワークのメリットに着目しましょう 人によって自宅で仕事をすることに向き不向きはあるかも知れませんが、近年見られるように、他に選択肢がない状況になることは考えられます。通勤時間がなくなれば、配偶者や子供、ルームメイト(一人暮らしの場合は自分自身)と一緒に過ごす時間が増えます。 この時間を大切にしましょう。在宅勤務にはたくさんのメリットがあります。朝の通勤時間がなくなった分ゆっくりと朝食をとれますし、一日をスタートする前に瞑想したり本を読んだりする時間もできそうです。 昼休みを上手に使って、仕事から離れて大切な人と過ごす時間にすることもできます。また、午後の帰宅に費やす時間が空いた分、家族と夕食を食べたり、散歩に出かけたりする時間が作れるでしょう。家族と一緒に庭でランチを食べるなど、普段はできない特別なことに時間を使いましょう。 朝はきちんと起きて服を着替え、歯を磨いて寝室を整えましょう。一日のスタートをしっかりと切ることがポイントです。それが仕事に向けて頭を切り替え、心の準備を整える助けとなります。これは仕事以外の時間を尊重することにもつながります。 休憩の重要性 ある研究により、自宅で仕事をする場合、個人的な時間とスペースをきちんと確保しないと、プライベートの時間にリラックスしづらくなることが分かっています。 2 オフィスにいてもやるべきことですが、デスクから立ち上がって歩き、ストレッチをしたり、少しだけ仕事から離れたりして、休憩をとりましょう。これは短時間でも心を休ませるだけでなく、血流を向上し、体に酸素を行きわたらせるにも有効です。 自宅に子供がいて、仕事をしている間にも世話をしなければならない場合は、子供の学習や遊びの時間に合わせたスケジュールを組んでみましょう。 子どもが小さくてまだひとり遊びをさせていない方も、幼児期の子供に自主的な遊び方を促すなら、今がチャンスかも知れません。 子供にまだまだ手がかかる場合は、就労時間を柔軟にできないか、職場のチームに相談するのも一案です。子供たちの日課に静かに過ごす時間やお昼寝の時間を作り、その間に仕事に集中しましょう。朝、子供たちが起き出す前の数時間は、最も仕事に集中できる時間帯になるかも知れません。 助けを求めてもいい 人生いつ何が降りかかってくるかは分からないものです。ですから、自分自身に優しく接し、必要に応じてサポートを得ることが重要です。困難な時には余計にストレスを感じることがあります。物理的には人と距離があっても、あなたは一人ではないということを忘れないで下さい。そして、仕事でも私生活でもテクノロジーの力を利用して、気軽に人とやりとりをするようにしましょう。 https://iaap-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/apps.12290 [↩]http://www.nomads.usp.br/documentos/textos/modos_vida/02_bladerunner_working_from_home.pdf [↩]
内面の美しさとは
Reading Time: < 1 minute 内面の美しさと外見との関係 美の概念はこの数十年の間に変化してきました。ステレオタイプな体型や特定の身体的特徴を強調するような体型をもはや美とは考えなくなっています。その代わりに、より多くの女性が「美」を多面的な概念として捉え、ウェルネスを核として「美」は単に外面的なものではなく、内面から生まれるものであると認識するようになっています。内面の美しさは、かつては人格や性格についてのみ関連付けられてきましたが、今やそれを超え、心の面だけでなく、身体的な意味も包含するようになっています。簡単に言えば、内面で起こったことが外見に影響するということです。 世界中の多くの女性が健康とヘルシーな生活を美の概念と同等に結び付けて考えるようになっているのを受けて、化粧品、ヘアケアやスキンケアの業界もそれに呼応するように変化しています。内面の美しさが主役になりつつある、その進化のきっかけはおそらく、一部の大都市のヘルス&ウェルネス・スパから始まったと考えられますが、その流れは各地へ広まり、地方でも人気を博しています。また中国の鍼のように、健やかさの真髄を世界の伝統から見出し、美容に活用する動きも一般的に認められるようになりました。 美しさとは常に変化する概念 内なる精神を養い、エネルギーの循環を理解し、ストレスを減らすといったコンセプトは、美容に浸透しつつあります。従来の美容業界の在り方は、美への希望を瓶に詰めて消費者に売るというものでしたが、メーカーも昨今の消費者がより全体的なアプローチを望んでいることを認識するようになっています。 不健康な肌を化粧品で覆い隠すよりも、肌そのものを健康にしたい、健やかな髪のためにビオチンやMSM(メチルスルフォニルメタン)のサプリメントを使ってみよう、そういった考え方をする人が増えています。体形についても同様に、単に痩せ細るのではなく、引き締まった健康的な体をボディイメージに選ぶ女性が多くなっています。 つまり女性は、美は健康から生まれると信じ始めているのです 美と健康が結びつくことは、誰もが直観的に知っているはずです。女性にとって美を望む気持ちは健康的なライフスタイル維持のよい動機となります。にべもない言い方ですが、虚栄心があってこそヘルシーな行動を起こす気になるものであって、ヘルシーな行動そのものに対する欲求はたかが知れています。1 とはいえ、美と健康を重視することはナルシシズムとは大きく異なります。美しさは目に見えるものだけではありません。音の響きや触れた感触など、様々な感性に訴えてくるものがあります。美には単なる外見を超えた要素が複合的に関わっています。ウィンストン・チャーチルが言ったように、虚栄心は欠点でありながら多くの長所を伸ばすものにもなり得るのです。 内面の美しさを重視することは、外面の美しさを求める人のモチベーションアップにつながる ある研究では、健やかな外見を望む気持ちが、野菜や果物の摂取量を増やす主な動機となっていることが分析されました。2 また、別の研究では、日光による加齢の進んだ人々の写真を見せると、日焼け止めを正しく使おうという気持ちにつながることも指摘されています。 3 こちらの研究では、皮膚がん予防に関するディスカッションをした場合とも比較しており、見た目の問題の方が強い動機付けになったことも明らかにされています。 ただ、美の探求には二面性があり、健康への意欲につながれば良いですが、羞恥のメカニズムに変わってしまうことのないよう注意が必要です。あくまでも現実的であるよう心がけて下さい。芸能人やインターネット上のちょっとした有名人に憧れることはあるかも知れません。しかし、彼らの現在の立ち位置と自分のスタート地点はそもそも一致していないということを忘れてはいけません。 他者の内面の美しさからインスピレーションを得る 昨今のインターネットの普及で、フィットネスの目標をネット上の誰かに重ねる人が増えています。4 Instagram、YouTube、Pinterest などの投稿は健康や美容に役立つアイデアとなり得ますが、理想と比較することで自分が劣ると感じたり、達成不可能な目標を掲げてしまったりといった弊害が生じる可能性もあります。 美容と健康の両面に着目するアプローチで、適度な範囲の道筋をつけるのが得策かも知れません。禁煙に関するある研究では、口腔衛生と見た目の両面から喫煙を見直す試みが行われました。5 外見の美しさが主な動機であっても、内面の美しさは大切なのか 健康的に見られたいという動機でも、健康的に感じていたいという動機でも、内面の美しさは大切です。先述の禁煙について調べた研究者は、健康と美容を組み合わせた二本立てのアプローチによって、禁煙に対する意欲がより明確になったと報告しています。私たちは見た目の美しさを望むと同時に、内面で美を感じていたいとも思っているのです。外と内の両方に動機は存在するのです。 動機となる要因やインスピレーションの多くは、共感できる他者のストーリーによってもたらされます。誰かをお手本にしたい場合は、自分の価値観と目標をまずよく把握し、考え方や目指しているものの似た人を一人か二人見つけると、目標を達成するのに有用な発想が得られる可能性があります。これなら自分も現実的に達成できそうだ、と思える誰かをフォローして、目標に到達する過程を追ってみましょう。それを自分のための努力につなげていって下さい。 Pan, W, and J Peña.“The Exposure Effects of Online Model Pictures and Weight-Related Persuasive Messages on Women’s Weight-Loss Planned Behaviors.” Journal of Health Communication, U.S.National Library of Medicine, Oct. 2017, www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29020539 [↩]Whitehead, R D, […]
食べ物で気分を上げるには
Reading Time: < 1 minute 私たちと食べ物の間には複雑な関係があり、気分を高めてくれる働きのある食品はたくさんあります。 私たちは単に体に必要な燃料を得るために食事をしているわけではありません。ひとつのパンを友人や家族と分け合ったり、愛情の込もった家族のレシピを伝授したり、何時間もかけて一緒に食事をしながら関係を強化することもあります。時にはストレスがたまって、気持ちをなだめるために甘いお菓子や塩味のきいたスナックに手を伸ばすこともあるでしょう。そしてお祝い事があればグラスを手に乾杯をします。 私たちが食べ物と強く、感情的につながっていることは確かです。それは必ずしも悪いことではありません。なぐさめになる食べ物は子供の頃の温かな思い出をよみがえらせてくれることがあります。食とは多分に文化的なものであり、それゆえ人々とより大きな社会を結び付ける役割を果たします。旅先で食べたすばらしい食事を覚えている方は多いでしょう。 気分を高める食品とは 元気を出したいとき、カフェインと砂糖は即効性がありますが、代謝の関係で後にスランプを招きがちなため、健康的な選択肢とは言えません。気分を高める作用のある食品でも、体にとってより持続可能性に優れているものを選ぶことが望まれます。 ダークチョコレートは抗酸化物質とフラバノールが豊富で、気分を改善し、感情を高めることが多数の研究で示されています。その作用は部分的にカフェインを含有していることもあって、コーヒーで気分を高めるのと少し似ています。ちなみに気分を改善するというコーヒーの作用はカフェインだけがもたらすものではないようです。ある研究では、カフェイン抜きのコーヒーを飲んだ場合でも、被験者は気分と認知に改善を実感した、と報告されています。 1 食べ物とメンタルヘルスの関係 最近脚光を浴びているチアシードやヘンプシードほど目立ちはしませんが、メンタルヘルスの観点からは、マグネシウムが詰まったかぼちゃの種が元気を出したいときにぴったりのオプションになります。マグネシウムは脳の機能に不可欠です(睡眠や腸管からの排泄など、他の無数の身体機能も同様です)。 2 ところが残念なことに、私たちの多くはマグネシウム不足になっています。それは主に農地の土壌に含まれるミネラルが枯渇しているためです。 トリプトファンと呼ばれるアミノ酸をたっぷり含むナッツやシードの類も気分を助けてくれます。トリプトファンは体内でセロトニンを生成する際に使われます。ブラジルナッツには、脳の健康に重要なセレンが豊富に含まれています。フラックスシード、ヘンプシード、チアシードはいずれも、気分改善効果でよく知られているオメガ3脂肪酸の優れた供給源になります。 うつ対策にオメガ3 気分を高める働きのあるオメガ3脂肪酸の優れた供給源といえば、脂肪分の多い魚に勝るものはありません。天然のアラスカサーモンやイワシ、ホッキョクイワナ、アンチョビ、大西洋産のサバは、オメガ3が豊富なだけでなく、持続可能性でも好ましい魚です。地中海では、野菜、魚、全粒穀物、豆、ナッツ・シード類、オリーブオイルをよく食べる生活が定着しています。15,000人を超える人々を対象とした長期的な研究の結果、地中海風の食事を中心的に続けた人は、うつ病の発生率が低かったことが分かりました。 3 気分を高揚させるハーブ、スパイス アーユルヴェーダの伝統ハーブ、アシュワガンダは、アダプトゲンの一種とみなされています。 アダプトゲンとは、身体の内分泌系(基本的にホルモン系)と連携して機能を最適化し、ストレス軽減や気分の改善に役立つもののことです。研究に参加した被験者は、このハーブを服用すると不安感が低減された、と述べています。4 別の研究によると、慢性的なストレスによって上昇するコルチゾールをアシュワガンダで減少させることができるということです。 5 食べるということは、社会的にも、身体的にも精神的にも、私たちの生活において大きな役割を果たしています。創造的で変化に富んだ食事をすれば、幅広い風味を楽しみながら、様々な栄養素の恩恵を受けることができます。気分を高めつつメンタルヘルス上の利点を得るためにも、食を楽しむのはとても大切なことです。 Haskell-Ramsay, Crystal, et al.“The Acute Effects of Caffeinated Black Coffee on Cognition and Mood in Healthy Young and Older Adults.” Nutrients, vol. 10, no. 10, Sept. 2018, p. 1386., doi:10.3390/nu10101386 [↩]Inna Slutsky, Nashat Abumaria, […]
毒になる感情と対処法
Reading Time: < 1 minute 「毒になる感情」という表現を見かけることがありますが、その意味するところはご存知でしょうか。 具体的には、怒り、罪悪感、羞恥、不安、恐れ、自己嫌悪、後悔、辛さなど、心の健康や人生にポジティブな要素をもたらさない感情のことで、本人だけでなく家庭や職場など周囲のあらゆる人々にも害になるという性質があります。有害な感情を放置しておくと、心身の健康に影響が及ぶ可能性があります。幸いなことに、有害な感情に対処し、ポジティブな思考パターンを身につける方法はたくさんあります。 過度なネガティブさに起因する問題から自分と周囲の人を守るためにはまず、自分の感情が周囲の世界にどう影響し、逆に世界が自分の感情にどのように作用するのかを理解することから始める必要があります。両者は相互に作用しあう関係にあり、そのような関係性はさらに網の目のように広がっています。なるほど、感情は風邪よりも簡単にうつる、と言われるわけです。 毒になる感情にとらわれやすい理由 様々な習慣と感情(善と悪の両方)を調査してみると、それらが周囲に伝染していく可能性があることが明らかになってきました。例えば、否定性を通じて築かれる対人関係に関する研究では、第三者についての否定的な意見を相手と共有することは、その相手と親密になる上で非常に効果的であることが知られています。ただ、それは他者に対する相互嫌悪の上に結びついてる関係です。1 確かに最初の絆はここで生まれるかも知れませんが、それが健全な友情の基盤となることはほとんどありません。このような対人関係は、人がかつて小さなグループごとに結び付き、他のグループを「敵」とみなして生命存続を導いてきた、原始時代の名残りと考えられます。 今日ではそのような関係性は機能不全になってしまったばかりか、むしろ「非存続」作用があると言えそうです。つまり、かつて人が生き抜く手段としたものが、現代においては、ネガティブな人や悪い影響を自ら引き寄せてしまう力になっているのです。別の研究の結果、一度ネガティブな体験をすると、その後不幸に陥る可能性が2倍になると報告されていますので、状況は一層悪化するでしょう。2 害になる感情に対処するには 実は、幸せや親切な行いもまた、他の人に伝染していきます。有毒な感情に対処する方法も、物事をよりポジティブに受け止める方法も同様の方法で学ぶことができます。何かひとつ善い行いをすれば、社会に網目のように広がる人間関係を通じて、見知らぬ人にまで良い影響を与えられる可能性があります。3 さらに嬉しいことに「幸せな」友人がひとり増えるごとに、あなたの幸福感が10%近くも高まる可能性があるということです。4 私たちには自分が意識している思考や感情を引き込む傾向があります。それに加えて、人間には仲間の表現の仕方やボディーランゲージ、スピーチなどを模倣するという原始的な本能があり、身近な人々の感情をより敏感に「受信」します。5 自分の感情が周囲の人々に影響し、また周囲の人々が自分の感情に影響を及ぼすことは明らかです。 6 当然、ネガティブな経験や有毒な感情にこだわる人に囲まれていると、同じような考えや経験に同調していってしまいます。 逆に、喜び、感謝、幸福など、ポジティブな感情に焦点を当てる人々と一緒にいるようにすると、肯定的な物事や人々、経験、アイデア、および概念に合った自分の考えや感情を見つけることができます。 これには自宅での時間を活用するのが最も簡単でしょう。自宅は特に自力でコントロールしやすい場所だからです。誰を家に招き入れるか、ステレオでどんな音楽を再生するか、テレビをどのチャンネルに合わせるのかを自分で選択しましょう。最初は些細なことと思われるかも知れませんが、このような環境要因は、あなたの感情に大きな影響を与える可能性があります。 ストレスの重なった1日を終えて自分だけの聖域に帰り、前向きな友人と時間を過ごしたり、気分を高揚させる音楽を聴いたり、気楽なショーを見たり、やる気が出るような本を読んだりと、ストレスを軽減するのに役立つ何かをすることで、ポジティブな心の再調整が助けられ、有害な感情が定着するリスクを軽減できます。 職場での有害な感情にどう対処するか 職場で有害な感情にとらわれないようにするためには、もう少し鍛錬が必要です。それは、職場では一緒にいる相手を選ぶということが難しいからです。部下を怒鳴りつける上司や、他の社員のゴシップが好きな同僚がいるなど、職場のネガティブな環境から逃れられないということもあるでしょう。 有害な感情の存在する環境で感染を防ぐ最善の方法は、職場内で楽しい何かを求めている前向きな同僚を見つけ、自分のポジティブ思考を強化することです。良好な人間関係に時間とエネルギーを投資すると、自身の善い行いと積極性がオフィス全体に波及し、否定性が打ち消されていくはずです。ネガティブな感情に毒されないことによってもたらされる違いを感じる同僚が増えるにつれて、この効果は雪だるま式になり、ストレスの軽減と感情の改善だけでなく、相互協力の向上、対立の減少、仕事のパフォーマンスの向上にもつながります。 7 職場、自宅、友人との外出、ディナーパーティーでの新しい人との出会いの中で、例えネガティブな働きかけを受けたとしても、それに反応する必要はないことを忘れないで下さい。 ネガティブ志向の人々は、しばしば自分たちの話に同調してくる人を探しているものです。有毒な感情とはどんなものかを考えるとき、何らかの状況やその場にいない人について、あなたに不平不満を言わせようとしてきた誰かとの会話を思い出す人は少なくありません。次に似たようなことがあったら、反応する必要はない、と意識してみましょう。否定的な感情に同意する必要はありません。また、その人と対立し口論する必要もありません。 毒になる人や環境を避けられない場合は 選択の余地なく、毒になる感情をあらわにする人々の近くにいなければならない場合、実質的に可能なのは、否定的なコメントに影響されないように自分を守ることです。自分の内なる思いを見つめなおし、自分の行動が、ポジティブな考え方や経験にフォーカスを置きたいという欲求に忠実であることを確認しましょう。 そして可能ならその場から素早く、失礼のないように立ち去って下さい。職場では、終わらせなければいけない仕事があるから、と言えばいいのです。ディナーパーティーでは、飲み物をとりに行くことを口実にできます。 感情はまるで細菌と同じように伝染していきます。そして、予防策を講じなければ、気づかないうちに有害な感情に感染してしまう恐れがあるのです。有害な感情に対する免疫力を強化するための最良の方法は、確固たる意志をもってポジティブな思考を持ち続けている人たちに囲まれて過ごすことです。 Bosson, Jennifer K., Amber B. Johnson, Kate Niederhoffer, and William B. Swann.“Interpersonal Chemistry through Negativity:Bonding by Sharing Negative Attitudes about Others.” Personal Relationships 13, no. 2 (2006):135–50. https://doi.org/10.1111/j.1475-6811.2006.00109.x [↩]Hill, […]
フラワーセラピーとは
Reading Time: < 1 minute ウェルビーイングに役立つフラワーセラピーをご存知ですか 心を癒し全体的な健やかさを手助けするとして近年注目を浴びているセラピーはたくさんあります。マインドフルネスに自然体験、アロマセラピー、美の鑑賞、マニュアルセラピー、クラフトセラピー、実用性を兼ね備えたアート、創作表現…ところが、個人的にやってみようとすると、いずれもかなりの時間と労力が必要になりそうです。このようなセラピーのあらゆるコンセプトがひとつにまとまったものがあったらいいのに、と思いませんか。実は解決策があります。それはフラワーセラピーと呼ばれる、花を使ったマインドフルネスの実践方法です。ではフラワーセラピーとはどんなものなのでしょうか。 フラワーセラピーのやり方 一口にフラワーセラピーと言っても具体的な方法は様々です。花屋さんやスーパーの花売り場でしばし立ち止まる、あるいは、庭に出たり通りを歩いたりして見つけた花の香りを楽しむ、といった単純かつ受動的なものもあれば、花束を作ったりフラワーアレンジメントに挑戦したり、と積極的に手を動かすものもあります。でも、基本はとてもシンプルです。 フラワーセラピーのメリット フラワーセラピーは、やることリストやデジタル機器の画面から離れるためにも適しています。手を動かしながら意識を一点に集中していると、今現在の瞬間に満たされます。 マインドフルネスというと難しく考えてしまうかも知れません。雑多な思考をまとめることなどできるのか、あるいは、瞑想に必要な30分の休憩時間は確保できるのか、と疑問に思う人もいれば、瞑想というものに違和感があって、つい敬遠してしまうという人もいることでしょう。 自然を活用したセラピー ある種のセラピーや予防策として、自然に浸ることを「処方」する医師がいることはご存じでしょうか。スカンジナビアで昔から言われてきた「悪いのは天気ではなくて服装だ」の心で、季節を問わず自然の中で過ごすことは広く推奨されています。また、患者のためにウェルネス・ガーデンを設置している病院もあります。「森林浴」の人気もすっかり定着したようです。それは、自然には人を癒す力があるからです。自然の力に英気を養われるのが健康に良いことに疑いの余地はありません。1 身近な範囲で自然に親しむことは可能です。自然というと、遠くまで出かけないと触れられないものという印象を持っている人は少なくありません。でも、ほんの少しの草花も自然と考えれば、毎日の暮らしの中で自然が身近に感じられます。フラワーセラピーはその手軽さが魅力と言えます。 花に秘められた力 花の香りのすばらしさも忘れてはいけません。初夏に外を歩いていて、ラベンダーやジャスミンの香りが漂ってきたときのこと、あるいはクリスマスツリー用に木を買ってきて家じゅうに緑の香りが広がったときのことを思い出してみて下さい。花や緑をはじめ、自然がもたらす様々な芳香が刺激となって、脳内では快適さを誘発する物質が分泌されます。エッセンシャルオイルが大人気となったのも、自宅や職場に手軽によい香りを取り入れて、気持ちを穏やかにすることができるからです。2 花を生けるのも、花屋に立ち寄るのも、花壇で過ごすのも、それだけでアロマセラピーと同様の効果が得られます。 香りのすばらしさはもちろんのこと、花は見た目の美しさも楽しめます。人間は美しいものに惹かれます。私たちは視覚的な喜びを知っています。旅に出たなら、少し奮発して眺めの良い部屋に泊まりましょう。美術館を訪れれば、何時間でも美しいものを堪能していられます。家の中は快適なだけなく、見た目の印象も好みに仕上げたいと思うでしょう。そして自分の体形や髪、肌をお手入れして、似合う服を着て魅力を引き立てるのも、美しくありたいという気持ちがあるからです。花を見て美しい色合いを愛でるひと時は心地よいものです。 フラワーセラピーで創造性を発揮 フラワーアレンジメントや生け花は手作業です。オフィスワークに従事している人の多くは座って画面を見ている時間が長く、雑多なコミュニケーションで頭の中がいっぱいです。だからこそ、手作業で何かを創り出すことに意味があるのです。余暇に趣味として日曜大工をしたり、マニュアルセラピーがわりに料理を楽しんだりしている人もいるでしょう。花を生けるのもまた創造的な活動であり、作品は自宅や職場に飾って楽しめます。 創造性は人の暮らしに必要なものです。趣味で絵を描くのも、ピアノの演奏をするのも素敵ですが、実際には学校を卒業して以来創作活動らしきものからはすっかり遠ざかっている、という人が多いようです。それでも、フラワーセラピーを機に、内なる美的創造力が引き出されるかも知れません。まずは気に入った色の花を買ってくるか摘んできましょう。そして、適切な大きさの花瓶かグラスを用意し、手触りや色、形などをじっくりと楽しみながら生けてみて下さい。単純なようですが、それだけで究極のウェルビーイングにつながるセラピーになります。 Song, Chorong, et al.“Physiological Effects of Nature Therapy:A Review of the Research in Japan.” International Journal of Environmental Research and Public Health, vol. 13, no. 8, 2016, p. 781., doi:10.3390/ijerph13080781 [↩]Cho, Mi-Yeon, et al.“Effects of Aromatherapy on the […]
ガーデニングとウェルビーイング
Reading Time: < 1 minute ガーデニングが心身に良い理由とより良い効果の引き出し方 ガーデニングを趣味として楽しんでいる人もいれば、庭仕事を面倒な家事のひとつととらえている人もいます。ガーデニングとウェルビーイングの関係が密接であることは、せっせと手入れに励む人にとっても、たまに庭に出る人にとっても朗報と言えそうです。ガーデニングは暗く彩りに欠ける冬から逃れる機会を与えてくれたり、植えておいた種や球根が息を吹き返すのを目の当たりにする春の楽しみをもたらしてくれたりします。人によって当たり前だと思っていたり、気付いていなかったりするかも知れませんが、ガーデニングには多くの利点があるのです。 ガーデニングは老後や祖父母の趣味にとどまりません。特に近頃は若い世代や子どもたちの学校のプログラムでもガーデニングとその利点が取り入れられるようになっています。Plant Snap のようなアプリ、You Grow Girl のブログ、人気のハッシュタグ #citygarden #growyourfood なども、土いじりに勤しむ若者を支えています。ガーデニングが心身の健康と結びついていることを考えると、とても好ましい傾向と言うべきでしょう。 メンタルヘルスに良いガーデニング ガーデニングは個人の心身の健康にも健全な社会にも役立つアクティビティです。それはれっきとした科学研究でも立証されています。 あるメタ分析では、ガーデニングの効果として、不安やうつの軽減などが注目されています。また、ガーデニングをする人は、健康的な体重の指標となるBMI値が低めで、生活全般の満足度が高く、生活の質や社会とのつながりといった面でも好ましい傾向にあると認められました。1 ガーデニングは脳だけでなく、精神面の健康にも良い趣味です。ストレス解消に役立ち、リラックスできるという点では、読書などの他の趣味以上に優れています。また、空間美化にもなります。自宅や近所、市街地が美しく整うと、人々の生活の質にも良い影響がもたらされます。 ガーデニングのもたらす数多くの利点には、認知機能と脳の健康の向上も含まれます。オーストラリアの研究グループは、認知症の予防に役立つライフスタイル上の要因を探るべく、60才以上のシニア層3000人を16年にわたり調査しました。そして効果の高い活動のひとつとして、日々ガーデニングを楽しむことを挙げています。2 メリットは環境にも ガーデニングや自家栽培は環境面で倫理的な貢献をする活動にもなります。大規模な栽培農場の環境負荷は世界中の環境に悪影響を及ぼしています。輸送に大量の燃油とプラスチック容器を要すること、安全性の不確かな農薬が使われること、栄養価の低い未熟な状態で収穫されること、長距離を輸送されること、収穫から消費に至るまで長期間保存されることなど、いくらか前の世代にはなかったような問題点が山積みです。環境の変化は、野菜や果物、穀類、豆類、ナッツ類といった農産物にも根本的な変化をもたらします。例え、キッチンの窓辺でハーブを育てるというような小さな工夫でも、環境に優しく、自分と家族の栄養の基礎づくりに貢献することができます。出自のはっきりとした食材が手に入るという利点も見逃せません。ささやかながら、生産者の正体が分かっているという安心感が得られます。 ガーデニングとウェルビーイングの関係 先進国では自然に触れる機会が極端に少なくなっています。自然については、“nature”の頭文字をとってビタミンNと称する人もいます。都会で暮らしていると遠くの森林公園へ歩きに行く機会は限られてしまいますが、街角の小さな公園に出かけるだけでもビタミンNを積極的に取り入れることができます。庭も公園も自然の小宇宙です。そこに身を置けば、自然の様々な要素とのつながりを確かめることができます。森林を歩く時のように、庭でも景色やにおい、音が楽しめます。ガーデニングをすれば、それに加えて、手からあらゆる感触が伝わってきます。 ガーデニングの効果としてもうひとつ、免疫系と心の健康を支えるビタミンDがより多く得られるという点も見逃せません。また、Wi-Fiや携帯電話、5G、送電線や配電盤など、人工的な電磁波がスモッグのように私たちの生活環境に漂っていますが、大地と体を直に接触させることで、地球の自然な電磁場にリセットされるとも言われています。 運動にもなるガーデニング 一見そうとは思えないかも知れませんが、ガーデニングは運動になります。水泳やランニングほどの運動量はないものの、ガーデニングは柔軟で俊敏な体を維持するのに役立ちます。 草引きはスクワットになりますし、種まきの時にもかがみます。穴を掘ったり土をかけたりといった動作は体を捻りながら行います。こういった基本的な動きが良い運動になります。 数時間ガーデニングをした後の空腹感は自分でも驚くほどです。それだけのカロリーを燃焼したのだ、と思ってよいでしょう。 Soga, Masashi, et al.“Gardening Is Beneficial for Health:A Meta-Analysis.” Preventive Medicine Reports, vol. 5, 2017, pp. 92–99. doi:10.1016/j.pmedr.2016.11.007. [↩]Simons, Leon A, et al.“Lifestyle Factors and Risk of Dementia:Dubbo Study of […]
友情とメンタルヘルス
Reading Time: < 1 minute 友情とメンタルヘルスの関係とは 生涯のどの時点であっても、友情を育むことは大切です。友情とメンタルヘルスには本質的な関連性があり、友情の価値を実感することは心の健康にプラスに作用します。 人が社会集団やサブカルチャーに影響されることは何度も立証されていますが、高齢者には特にその傾向があるそうです。日々のライフスタイルや健康にまつわる選択まで、友人関係に大きく左右されます。 友情が生きがいに 深く強くつながってきた友情があれば、あらゆる経験に意義を見出すことができます。友達はいわば自分の人生の証人です。最高の瞬間を目の当たりにしたこともあれば、最悪の時期を支え合ったこともあるでしょう。 友達の存在があるからこそ自分の価値観が守れるとも言えます。真の友情は励ましや支えになるだけでなく、相手のためにもより良い人間でありたいという動機になります。例えば一緒にエクササイズする仲間がいると、互いに励まし合うことができます。これに限らず、交友そのものがあらゆる機能を良好に保つ助けとなります。 メンタルヘルスにもたらすメリットは家族関係より大きい可能性も 「血は水よりも濃い」と昔から言われるように、友人関係よりも家族が優先されることはよくあります。家族はもちろん大切です。家庭で生まれ育ち、新たな家庭を築くのが人の営みというものです。ところが健康面の利点に着目すると、友情の大切さも劣るものではありません。 少し前に、高齢者の健康状態に及ぼす家族と友人の影響に着目した大規模な研究が行われました。1 その結果、年をとるにつれて人は意義ある人間関係により重きを置き、そうでない場合は疎遠になる傾向が示されました。ただし家族関係については一筋縄ではいかないようです。相手が家族の場合、さほど深く交流していないからといって関係を切るわけにはいきません。これに対して、友人関係はより流動的で様々な進展を遂げる可能性のあるものです。家族は選ぶことも替えることもできません。酷に聞こえるかも知れませんが、友達は選ぶも替えるも自由です。 年を重ねるにつれて人生を振り返ることが多くなりますが、表面的な付き合いに終わらない、深い友情ほど真価をもたらします。 歳月を経て強まってきた友情は柔軟性を兼ね備えています。家族の一員として介護や世話を引き受けることには義務感が伴う可能性がありますが、友情で結ばれた関係ではあくまでも自発的な意思で支え合うことができます。 脳の認知機能にも良い友情 高齢になっても社交的な人は、認知機能の低下という観点でも統計的に大きな違いがあります。ある研究では、頻繁に友達と過ごす高齢者はそうでない人と比べて認知機能の低下率が70%も低かったと報告されています。2 小学校時代の友達はもういない、という人も恐れることはありません。今からでも人と関わる機会は増やせます。信仰のある人なら、信者のグループに参加したり、新たなグループを作ったりできます。地元で高齢者向けに提供されている機会もチェックしてみましょう。ウォーキングのクラブや読書会など、色々な趣味の集まりが開かれているはずです。 年齢などただの数字です。自分と同じ年齢層にこだわる必要はありません。メンターとして青少年と関わる機会を探してみてもよいでしょう。自分と異なる年齢層のグループに声をかけるのも一案です。地元の図書館で学習支援プログラムなどの手伝いが必要とされているかも知れません。人とのつながりを求める人の集まる場なら、有意義な絆を望む気持ちも受容されやすいでしょう。最後になりますが、価値ある友情がすでに存在するなら、それを大切にして下さい。友人との関係は喜びをもたらしてくれるだけでなく、メンタルヘルスの観点からも大いにメリットのあるものなのです。 Chopik, William J.“Associations among Relational Values, Support, Health, and Well-Being across the Adult Lifespan.” The Health and Retirement Study—The National Institute on Aging,vol. 24, no. 2, Apr. 2017, pp. 408–422, doi:10.1111/pere.12187 [↩]James, Bryan D., et al.“Late-Life Social Activity […]
栄養精神医学
Reading Time: < 1 minute 栄養精神医学がメンタルヘルスの理解の鍵に 精神疾患は世界の健康問題のかなりの割合を占めており、健康面だけでなく、社会的、経済的にも大きな懸念事項となっています1 。 従来の治療では、処方薬による薬物療法や対話療法、認知行動療法などの心理療法が主流となっていますが、栄養精神医学の観点からは、メンタルヘルスを理解するためには、食べ物や食事の担う役割も考慮すべきであることが示されています。 栄養精神医学によると、食べ物はこれまで考えられていた以上にストレスのコントロールに大きな役割を果たしている可能性があるとのことです。食事と栄養とメンタルヘルスの間に介在する生物学的経路について新たな研究で探求が試みられる中、腸の健康がウェルビーイングと幸福の鍵を握る要因となっていることが指摘されています 2 。 腸の健康とメンタルヘルスの関係について分かっていること 栄養精神医学は比較的新しい分野ですが、過去数十年にわたる数々の研究により、特定の食品がメンタルヘルスに及ぼす影響に統一性を認め得る見解が示されています。うつ病や不安症などの一般的な精神疾患に対して栄養素や食品の摂取がそれぞれどう関与するか、に着目した観察的研究が多数進められ、気分障害の治療ではサプリメントを使用した試みも行われています。 3 腸の健康は気分に影響するか 腸内の微生物叢は炎症調整の鍵となります。腸内には何兆個もの細菌が存在しています。そのバランスが適切であり、「悪玉菌」に振り回されることなく「善玉菌」が豊富にいる間は、アミノ酸のトリプトファンをセロトニンに変換する過程が補助されます。4 セロトニンは、健やかで幸せな気分を調節する重要なホルモンです。セロトニン量の低下はうつに関連しており5 、悪玉菌が増えると体内のセロトニンの産生が妨げられます。ですから、ヘルシーな食事をして腸の健康を保つことで、悪玉菌の暴走を防ぐことができます。同時に、善玉菌を活発に働かせることでセロトニンの産生量を増やせば、気分に良好な作用が期待できます。食べて幸せになるというのは実際に可能なことなのです。 幸せな気持ちに導く食べ物とは 最近メンタルヘルスの慈善団体(Mind)の支援を受けたあるプロジェクトで、食べ物と気分に関する調査6 が実施されました。公表された結果では「ストレス要因」になる食品と「サポート役」になる食品が特定されていました。ストレス要因になる食品には、砂糖、カフェイン、アルコールなどが含まれていました。一方、気分をサポートする食品としては、水、果物、野菜、ナッツ類、種子、食物繊維、全粒粉、脂肪分の多い魚などが列挙されていました。 まずは数週間、サポート役になる食品を増やし、ストレス要因となる食品を減らして、気分にどのような効果があるか試してみてはいかがでしょうか。最初は難しく感じるかも知れませんが、幸せでポジティブな気持ちになれるのなら、困難を補って余るものがあるはずです。 NCBI: Nutritional psychiatry – the present state of the evidence [↩]NCBI: Nutritional psychiatry – where to next? [↩]Psychiatry online: Association of Western and Traditional diets with depression and anxiety in women [↩]The Guardian: Nutritional psychiatry – can […]
ポジティブなメンタルヘルスのために、心と体のつながりを理解する
Reading Time: < 1 minute マインドフルネスを身につけてポジティブで健やかな心をサポート ポジティブで健やかな心には様々な要因が関与しています。身の回りで起こることすべてを自力でコントロールすることは不可能ですが、より幸せでポジティブな心でいられるよう、然るべき方向へ進みたいのなら、マインドフルネスの習得が確かな一歩となります。 ヘルシーな「高周波エネルギー食品」を食べるべき理由 「宇宙の秘密を知りたいのなら、エネルギー、周波数、振動といった点から考えてみることだ」 – ニコラ・テスラ 私たちの体はただの物体ではありません。科学的に言うなら、エネルギー場によって結束されたエネルギー源そのものです。エネルギーを持つものはすべて振動していて、エネルギーが大きいほど振動の周波数が高くなります。1 周波数の高い食品には、本来人が持っているエネルギーの振動を促進して自己とのつながりを確かめやすくしたり、不健康な思考を取り除いたりといった働きがあります。 振動エネルギーを高める食品には、オーガニックの果物、ハーブ、野菜、ナッツ類などがあります。2 対照的に、肉、鶏肉、砂糖などの低周波食品や、高度に加工された食品、化学処理や遺伝子組み換えを施された食品、人工添加物を含む食品は、大量に食べると健康を害する可能性があります。 水分補給が大切な理由 水分が不足すると体調を崩すだけでなく、メンタルヘルスにも影響が及びます。3 人間の脳は約75%が水分で構成されており、この水分量が低下し始めると、血液や酸素の循環が悪くなって体中の血液や酸素の移動にも遅れが生じます。4 軽度の脱水症状であっても、考え方や感じ方に影響します。思考力の明晰でない時にマインドフルになって幸せを実感するのは難しいものです。 運動が心の健康に欠かせないのはなぜか ネガティブな心に関連する症状のいくつかを緩和するのに、体を動かすアクティビティや運動が有効であることを示す根拠は多数報告されています。さらに、運動は不安の症状を軽減するだけでなく、自己イメージや社会的スキル、認知機能の向上にも役立つとの結論に達した科学的研究も知られています。5 新鮮な空気の中を散歩したり、ゆっくりと泳いだりしてみれば、気持ちが前向きにならないはずはない、とすぐに分かるでしょう。 睡眠の重要性 睡眠不足に悩まされた経験のある人なら誰でも、翌日脳の働きが鈍ることに気づいたことでしょう。睡眠不足は精神面を疲弊させ、感情的になったり、周囲の人たちを不安にさせたりします。毎晩8時間、質の良い睡眠をとるようにしましょう。(5) 毎晩寝る前に同じルーチンをこなし、同じ時間に就寝するように心がけて下さい。 起床時間も(週末を含めて)毎朝同じにしましょう。寝る前に携帯電話などの電子機器とにらめっこするのは、脳をリラックスさせる妨げとなるので禁物です。 鍵は思考の向上 引き寄せの法則によると、私たちが宇宙に発したものは、私たちが受け取ることになるとのことです。6 喜びや幸せを引き寄せたいなら、相応のメッセージを積極的に発信していく必要があります。自分にとって望ましくない物事にとらわれず、自分が人生に望む何かに意識を集めましょう。意味のある目標を設定して、毎日を最大限に活用できるよう努めて下さい。 メンタルヘルスに利他主義が有益な理由 誰かのために親切な行いをすることは、相手だけでなく、自分のためにもなります。人と関わり、時間を割いて手助けをすると、ポジティブな波動が生まれて、目的意識と幸福感が促進されます。人を助けることがストレス軽減や心身の健康改善に繋がること、心に穏やかな安らぎをもたらし、自信、幸福感、楽観性を高めることは、科学的に示されています。7 他人を助けることが巡り巡って、自分の人生をより幸せで充実したものにしてくれるのです。 心はそれだけを見れば分かるというものではありません。身体的な健康状態を含めて、ライフスタイルの様々な側面が関わっています。そして、その全てがポジティブな心の状態に貢献する要因となり得ます。8 Full on happiness: Vibrational Frequency 101 + Foods to increase it [↩]Mindbodygreen: How to make sure you’re eating high-vibrational food [↩]https://psychcentral.com/news/2012/02/20/dehydration-influences-mood-cognition/35037.html [↩]AIFC: How important is water and […]
エコセラピーを探る
Reading Time: < 1 minute 外に出て本当に大切なことに向き合うと… 外に出て新鮮な空気を吸ったり、運動したりすることは、身体の健康に良いだけでなく、心の健康にも良いと言われています。このことに特別な驚きは感じられないかも知れませんが、自然との触れ合いに基づいたセラピー、いわゆるエコセラピーが、ストレスや不安、つらい時期を経験している人の間で実践的な対処法として人気を集めていることをご存知でしょうか。 エコセラピーは自然療法の一種で、自然環境の中に身を置いて自然とつながることでもたらされる利点に着目したアプローチです。 1 アウトドア活動に参加したり、自然と触れ合ったりすることで、心と体をよみがえらせるのが狙いです。 新鮮な空気を味わい、自然の美しさを愛で、季節の移り変わりを体験しているうちに、日々の生活に忙殺されていると見逃しがちなちょっとした物事に気付くようになります。 ストレスやうつ病などの症状を軽減し、自尊心や自信を高めるための方法として、エコセラピーが処方された実例もあります。 2 エコセラピーとは エコセラピーのプログラムは都市部でも郊外でも参加者を募っており、グループで自然に直に触れる体験をしたり、自然と関わることができる活動を紹介したりしています。 3 そこでは積極的に活動に参加することや、スキルを身につけ共有することに重点が置かれています。また、身の周りの環境に意識を向けて、その時々の景色や音、匂いなどに気付くことも大切です。「今現在」に存在することに集中するのがポイントです。 エコセラピーのアクティビティには以下のようなものがあります。 環境保全 – 植林や森林の手入れなど、環境保全に関わる実践的な活動をします。 屋外での運動 – 公園でヨガや太極拳をしたり、田園地帯をグループで歩いたり、緑地で運動したりといった活動に参加します。 園芸 – ガーデニングを行います。 貸し菜園 – 自宅に庭がなくても自分で植えて育てた野菜を収穫して食べることができます。 アニマルセラピー – 動物の世話のしかたを学びながら触れ合いを楽しめます。 どのように役立つか 季節性感情障害(SAD)の症状を緩和するには、太陽の光を浴びるのが有効であることが知られていますが、エコセラピーにも同様の作用があります。 研究で軽度から中程度のうつ病を経験している人にエコセラピーを試したところ(カウンセリング、薬物療法、認知行動療法などの他の療法と一緒に行うことも)、屋外で有意義に過ごすことが自信と健康の向上につながると分かりました。 気持ちを落ち着かせてよりリラックスした状態になるよう助けることから、ストレスの緩和にも役立つとの報告もあります。気分が落ち込んでいるときやストレスが溜まっているときには、運動する気になれないのは自然なことです。何をするにも意欲が湧かない、という時もあるものです。それでも外に出て何らかの活動に携わり、新鮮な空気を吸って過ごすようにすれば、少しずつ解きほぐされて穏やかな気持ちになることができます。 また、人とのつながりを作る良い方法ともなります。うつ病やそれに関連した健康問題はしばしば孤立につながりますが、理解ある人が集まるグループの一員になることで、やりがいや気分の高揚を感じることができます。 自分でできるエコセラピー エコセラピーが医療の一端で成果をあげていることは事実ですが、適用はストレスやその他の問題への対処に限られたものではありません。ポジティブでいるための一般論として、誰もが生活に取り入れることができます。 エコセラピーに関心はあるけれど、参加できそうなプログラムや一緒に参加できそうな人がいない、という場合でも大丈夫です。エコセラピーの基本を自分なりのやり方で生活の中に取り入れてみましょう。思考をクリアにし、体をリラックスさせて、心身とも健やかな状態になる方法はたくさんあります。 自然豊かな田舎に住む必要はありません。都市部でも公園や緑地が身近にあれば充分です。そうでなくとも、外に出るだけでも効果を得ることは可能です。 では、エコセラピーを生活に取り入れる方法をいくつかご紹介しましょう。 玄関先の自然を見直しましょう。前庭の植物を手入れしたり、芝生を刈ったりしてみましょう。庭がない場合は、鉢やプランターを買ってきて、花やハーブを植えるだけでも楽しめます。 何年も乗っていないかも知れませんが、自転車に乗ってみましょう。自転車はレンタルで構いません。安全に走れるサイクリングコースを見つけて、自転車で出発して下さい。サイクリングはとても良い運動で、気分を高揚させる快感ホルモン、エンドルフィンの産生を助けます。 環境保全活動にボランティアとして参加してみましょう。地元のプロジェクトを探して、自分が手伝える仕事があるか問い合わせてみませんか。草刈りや切り戻しの作業など、自然の美しさを後世に残すことにつながる機会はたくさんあります。 森の中を散策して木々を観察してみましょう。葉の色、木の実、森の中で暮らす野生動物をよく見ながら歩いていくと、生命の息吹が感じられます。自分もまた、そのネットワークの中にいるのだという感覚に浸ってみて下さい。 ビーチへ行ってみましょう。磯の水たまりを探検し、貝殻を集め、カモメの鳴き声に耳を傾けて、波が打ち寄せる様子を眺めましょう。波の音を聞きながらどこまでも続く水平線を眺めていると、心が落ち着くと同時に、謙虚な気持ちになります。抱えていた問題の大きさも違って見えてくるでしょう。 自分だけのナチュラルアートを作りましょう。松ぼっくりや貝殻、海草、小石、葉っぱなどを集めてきて、どんなものが創作できるか、発想を広げて下さい。 自己流のプログラムを組んでしばらく続けてみると、充実感やひらめきが得られるでしょう。エコセラピーは誰もが恩恵を受けることができるものです。心身にメリットをもたらす上記のようなアクティビティは年齢を問わず家族でも楽しめます。 どの季節であっても自然の中でちょっとした工夫を加えて過ごすだけで、直面している課題やストレスの影響を軽減できます。さらに、より大きな世界へと視野を広げつつ、自分を取り囲むあらゆる物事に感謝の気持ちが感じられるようになるでしょう。 https://www.psychologytoday.com/gb/blog/out-the-darkness/201204/the-power-nature-ecotherapy-and-awakening [↩]https://www.webmd.com/balance/features/nature-therapy-ecotherapy#1 [↩]https://www.mind.org.uk/media/2699029/making-sense-of-ecotherapy-2015.pdf [↩]
睡眠の重要性
Reading Time: < 1 minute 回復できる安眠を 私たちにとって睡眠は欠かせないものです。睡眠不足で困った経験は、誰もが一度や二度はあるでしょう。睡眠が不足すると、白目や肌のくすみ、頭痛などの身体的な影響を引き起こしますが、睡眠の重要性はメンタルヘルスを理解する上でも重要な鍵となります。率直に言うと、睡眠不足はメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。睡眠不足による日中のパフォーマンスの低下は普遍的なものであり、社会的、経済的、人的にも大きなコストがかかっていると考えられます。睡眠不足に関する研究では、程度の差はあれ、気分、認知力、運動機能に(負の)影響があることが繰り返し示されています。1 睡眠の段階とは 睡眠は一定の直線的なプロセスではありません。枕に頭をのせたらすぐにぐっすりと眠れて、8時間後に同じ姿勢で目が覚めるような幸運な人もいるかも知れませんが、本当の意味で安眠を達成するには、段階的な睡眠をこなす必要があります。 睡眠には5つの段階があり、1、2、3、4を経てレム睡眠(急速眼球運動を伴う睡眠)に至ります。第1段階から始まって、レム睡眠まで順番に進んだら、再び第1段階から始める、という周期を繰り返します。睡眠のサイクルは平均90~110分、各段階は5~15分程度です。 2 一般的に話題になるのは夢を見る段階であるレム睡眠ですが、実は最も回復力が高まるのは、ノンレム睡眠の第3段階と第4段階です。いずれも最も目覚めにくい段階で、体と心を回復させ、次の覚醒期に向けて準備をしている状態にあります。 毎晩8時間眠ることは本当に重要か そうとも言えますし、そうでないとも言えます。8時間ぐっすりと眠り、その間睡眠サイクルを何度も繰り返し、第3段階と第4段階の回復期の睡眠も都度経験しているのなら、良いことです。一方、8時間を達成したとしても、その間に何度も目が覚めてしまう場合は、第3段階の睡眠が不足していたり、深い睡眠に到達できていなかったりする可能性があります。このような睡眠では、合計時間では目的に達したとしても快眠とはならず、疲れが残ってしまうでしょう。入眠から順次すべての段階を経て周期を繰り返す、そんな睡眠を維持することがポイントです。 睡眠の質を改善する方法 私たちには体内時計が備わっていますが、ずれが生じてしまうと、眠れなくなったり、すぐに目が覚めたり、爽快な気分で目覚められなくなったりします。寝るにも起きるにも、同じ時間帯に決まったルーティンをこなすようにすると、体が慣れてきます。就寝は快適な日課にしたいものです。寝室はできるだけ心地よく整えて、新鮮な空気を入れ、安定した温度を保つようにして下さい。 特に就寝前の数時間は、食習慣が睡眠の質を左右します。カフェインには心を活発にする作用があるため、スイッチを切って落ち着くのが難しくなります。ですから、コーヒーやチョコレートなどの刺激物を控えると、より良い睡眠がとれます。また、就寝前に重たい食事をしないようにすることも賢明です。胃に食べ物が留まったままでは不快感を招き、寝つきが悪くなったり、途中で目覚めたりする原因となることがあります。 定期的な運動は不眠症の改善に役立ち、深い睡眠段階で回復に費やす時間を増やすことができます。激しい運動をすればするほど、睡眠への効果は大きくなります。激しい運動と聞いて怖気付くことはありません。ウォーキングなどの軽い運動を日課にするだけでも睡眠の質を向上させることができます。 最後になりますが、スマホからは離れましょう!携帯電話、パソコン、タブレット、テレビなどの画面から発せられるブルーライトには、睡眠と覚醒のサイクルを制御するホルモンであるメラトニンの産生を抑制する作用があり、入眠の妨げとなります。3 https://www.healthline.com/nutrition/10-reasons-why-good-sleep-is-important [↩]http://healthysleep.med.harvard.edu/healthy/science/what/sleep-patterns-rem-nrem [↩]https://www.sleephealthfoundation.org.au/technology-sleep.html# [↩]
何か新しいことを試してみましょう!
Reading Time: < 1 minute 人間は実にすばらしい生き物です。新生児として誕生してから数日、数週間、数ヶ月の間に、自分がどれだけの変化を遂げたか、考えてみたことはありますか。 私たちは生まれたその日から驚くような変化に満ちた世界で生きていきます。身のまわりには、新しい感覚、音、匂い、味、景色があふれています。生まれたての赤ちゃんにとっては、すべてが未知のものです。私たちは皆、新しいことばかりに囲まれていても一々大騒ぎをすることなく、それなりにやってきたのです。考えてみると凄いことだと思いませんか。物事を認識することを学び、どれが一番楽しいかを考え、聞いたり見たりしていることに意味があるのを理解するようにもなりました。私たちは生まれながらにして学習者なのです。 幼い頃は特に、変化は単なる事実として簡単に受け入れることができました。しかし、規範となる行動パターンを習得するにつれて「こんな時にはこうする」という一定のやり方が定着し、予測可能な範囲で行動することが増えます。そしていつしか漫然と過ごすようになり、変化に抵抗や恐れさえ感じるようになります。子供の頃はかわいらしく好奇心旺盛だったはずなのに、どうしたことでしょうか。 実は、変化を楽しみ、新しいアクティビティや体験にトライすることは、人生全般を通して健康に良いことです。その重要性は加齢とともに増していくと言ってもよいかも知れません。 人生の新たな1ページを開くのに、新年を待つ必要はありません。今日からでもよいのです。 ほんの少しの時間で構いませんので、今までやったことのない何かをすることに費やしてみましょう。それがさらに多くのチャンスにつながり、解放感や若々しさ、高揚感をもたらしてくれます。 手始めに本当に簡単なことからやってみましょう1 。 バンジージャンプやスカイダイビングに挑戦する必要はありません。例えば、朝いつもと違うルートで出勤したり、別のバス停や駅で降りたりしてみましょう。町の大通りを歩いているときに、上を向いたら何が見えるか試すという方法もあります。お気に入りと分かっている料理ではなく、新しいメニューに挑戦するのはいかがですか。新しい映画を見に行く、展覧会に出かける、新しい音楽を聴くなど、1~2時間だけでも自分の好きなことに時間を割いてみて下さい。 誰もが慌ただしく暮らしている中、新しい経験としてひとつおすすめできるのは、自分のために15分の「自分時間」2 を作ってあげることです。どこか静かにリラックスできる場所に身を置いて、自分と向き合ってみませんか。多くの人にとって、それ自体が新しい経験になることでしょう。 新しい人との出会いもまた、とてもポジティブで良いものであり、心をフレッシュな状態に保つのに有効です。高度な情報化された現代では、マウスを数回クリックするだけで、地元のグループ活動について知ることができます。調べてみればたくさんのオプションと豊富な情報があるはずです。もしかしたら、常々やりたいと思いつつ踏み出せなかった何かが見つかるかも知れません。そうとなれば実行に移す絶好のチャンスです。新しいスキルを学び、友人を増やし、語り合ったりブログに書いたりするうちに、自慢できるようになる可能性もあります。今いる友人とも交流を続けつつ自分が始めたことに巻き込んでいけば、新たな友人との繋がりも広がって、社会生活全体が活気づくでしょう。 新しいことに挑戦し、楽しみながらマスターしたら自信がつきます。そして、その自信は周囲に伝わります。機嫌の良いあなたに誰かが気付いて声をかけてくれる、あるいは、仕事でその新しい自信を効果的に使う、と言った場面もあり得るのです。 アドバイスはもう充分でしょう。これ以上待つことはありません。今すぐ、何か新しいことにトライしましょう! http://www.bbc.co.uk/earth/story/20160420-how-nature-is-good-for-our-health-and-happiness [↩]https://www.mindbodygreen.com/0-20080/why-me-time-is-so-important-for-happiness-infographic.html [↩]
変化を受け入れる
Reading Time: < 1 minute 人生のもたらす大きな課題をポジティブに受け止めるには ストレスは誰もが感じるものです。どんな形でどのような影響を及ぼすかは人によって異なりますが、誰一人として好んでストレスを求めることはない、という点は共通しています。大抵の場合、ストレスは思いもよらないときにやってくるものです。ストレスの源として最も一般的なのは変化です。私たちは日々の生活の中であらゆる変化に順応できるよう努めていますが、想定外の何かが突発し、慣れ親しんだ対処法では太刀打ちできない場合もあります。特に「大きな変化」にまつわるストレスの負担が重くなることは広く認識されています。人生において多大な影響力のあるライフイベントの渦中で、コントロールするには自分の力が足りない、あるいは全く及ばないといった感覚に陥ることは珍しくありません1。 離婚、失業、お金の心配…等々、生きていれば困難な出来事は起こり得ます。誰もが一度は特に大きなストレスを抱える事態に直面することでしょう。 引っ越しや結婚、出産のようなポジティブな人生の変化でさえも、大きなストレスの原因となることがあります。明るく楽しいポジティブな時期であっても、従来の心地良い状況とはほど遠く、不慣れなことを要求されていると、不安な気持ちが生まれてしまうのです。 ポジティブなアプローチ 重要なのは、ストレスを完全に取り除こうとすることではありません。それを目指すのは率直に言って非現実的です。ストレスはいずれやってくるものとして受け入れ、その時がきたら最善の対処ができるよう、適応しやすい思考や生活を普段から心がけましょう。 ポジティブな行動にフォーカスを合わせ、立ち止まってリラックスする時間を確保することで、ストレスから受ける影響を軽減することができます。 ここでは、ポジティブなものもネガティブなものも含めた人生の「ビッグイベント」数例と、誰でもできるポジティブな対処法をご紹介します。 転居 古巣を離れて人生の新章に踏み出すということは、人によっては混乱と疑念でいっぱいになる一大事です。まさに今自分がそうだ、という方には、意識するポイントを変えてみることをおすすめします。新しい家での暮らしがどのようなものになるかを考えるようにしましょう。新居に落ち着き、満足感に浸る感覚はどのようなものか、それがどんな風に見えるかを思い描いてみて下さい。 マインドフルネスは黙想や呼吸法の技術を応用してストレスを軽減する強力なツールです。基本的には、今現在の瞬間に意識を集めるというもので、簡単に習得でき、このような状況で大いに役立ちます2 。新しい家に落ち着くまでの混沌とした状況の中でも、心穏やかになれる瞬間を見つけることである種の静けさが生まれ、新しい空間に感覚的に「同調」していくよう働きかけることができます。 マインドフルネスには、散り散りになった意識を身の周りの現実に集めるだけでなく、ストレスの原因から焦点をずらす作用があります。それが脳の働きにも影響することは既に実証されています。 結婚 大事な晴れ舞台に向けて、緊張感でいっぱいになっていませんか。騙されたと思って、そのエネルギーを有効に活用してアクティブに体を動かしてみて下さい。 運動が優れたストレス解消法になることは本当です。はやる心を落ち着かせ、あるべき状態を取り戻すにも有効です。運動をすると、精神的にも強くなれます。実はこの状況では単独でできるエクササイズが最適です。一緒に体を動かしたい仲間はいるかも知れませんが、顔を合わせれば何が話題になるかは想像に難くありません。その人が結婚式の招待客に入っているならなおさらです。 ランニングやサイクリング、ウォーキングなどで、リズムに乗って片足ずつ前に出すという単純な動作に集中しているうちに、家族や会場のこと、席割りなど、気にならなくなってきます。自分一人で外に出て、自分の鼓動だけを感じながら、至福の時を過ごして下さい。 運動すると考えただけで気が遠くなってしまうという方は、短時間散歩に出るだけでも爽やかにリフレッシュできます。大切なその日に向けて、どんなことでも受けて立つ、という姿勢が整って来るはずです3 。運動をすると心を支配している感情が多少なりとも和らいで、思考がクリアになり、より冷静に問題に対処できるようになります。 失業 仕事を失うことになったら、怒りや動揺、何らかの不備不満を感じるのは当然のことです。世間には世の成り行きというものがあり、自力ではどうにも変えようのないことがあります。ただ、それは必ずしも当人のせいではありません。今ほど、このことを理解し受け入れることが重要な時代はかつてなかったのではないでしょうか。 雇用をめぐる懸念はストレスの最大の原因のひとつです。仕事を失うと、疲弊し不安な時間を過ごすことになりかねません。仕事がらみの困難な状況を変えるのは、常に可能とは限りません。こういった事実を受け入れることを学び、自分のコントロールの及ぶ範囲を把握しましょう。 鍵はここにあります。後年になって振り返ってみると、失業が人生において最もポジティブな経験になった、と言う人はたくさんいます。それは、仕事を失うことについての不満や憤りを手放して、新たな可能性に意識を向け、より望ましい何かにフォーカスを合わせ直すことができたからです。 仕事を失うことで一旦終止符を打つことになるのは確かですが、人生のひとつの章に区切りがつくだけのことです。自分が本当にやりたいと思っていたことに目を向ければきっとそこから新しい章が始まります。 死別 愛する人を亡くすとあらゆる感情が押し寄せ、心が乱れるものです。日々の生活に向き合うことも、誰かと話をすることすらも困難に感じるかも知れません。とめどない悲しみと向き合い、自分の感情を処理するために、時間的な猶予を自分自身に与えることは重要です。 それでも、力を振り絞ってでも自ら友人や家族と連絡をとって下さい。日頃から支え合ってきた人々のネットワークと接点を持つことは不可欠です。人とのつながりがもたらす力を忘れずに、辛い時には助けを求めましょう。誰かに聞き手になってもらう、何かの手配を手伝ってもらう、顔馴染みに食料品の買い物を依頼する、といったようなちょっとした関わりでも、人と接すること自体が慰めや支えとなります。時には、特に話をするでもなく誰かがそこにいるだけで気持ちが落ち着くこともあります。誰かに頼ったからといって、あなたが脆く弱い人間だということにはなりません。自分には信頼できる人々がいて、その人たちに助けてもらえると思えることの証だと考えましょう。それこそが不可欠なサポートになるのです。 離婚 人間関係の終わりは当然ながら感情的な苦痛をもたらします。特に配偶者との関係が破綻すると、壊滅的な状態になり得ます。自己不信に陥ることもあれば、ああすればよかった、こうすれば違っていたかも知れない、と考え込んでしまうこともあるでしょう。 そんな時は、ポジティブな物事を可視化すると足場を固めなおすのに役立ちます4 。日常や人生に見いだせるポジティブなことや、自分が心から感謝している何かに焦点を当てることで、多大なメリットが得られる可能性があります。当初はこれから先のことを考えるのも、関係が悪化する前にあったはずのポジティブなことを思い出すのも辛いかも知れません。 それでもやがて時間とともに和らいでいきます。あとはポジティブ思考の「筋力」をどれだけ鍛えられるか、です。手始めに簡単な方法としておすすめなのは、毎日寝る前に、うまくいったことや笑顔になったことを3つ書き出してみることです。期待できるのか疑わしいと思われるかも知れませんが、この方法で物事の捉え方が変わってくることは実証されています。ポジティブな要素を積極的に見つけようとすることで、これまで見過ごしていた何かを再発見できるのです。 自分の思考は訓練で変えることができます。よりポジティブになるよう意識的な努力をすることで視点が変わってくれば、新たな希望を感じつつ未来に目を向けることができるはずです。同時に、別離に至った過程も含めて、人生の変化を受け入れることができるでしょう。どう対処するかを自分で決めて歩み出すと、新たな始まりとチャンスに恵まれる可能性が広がって、一朝一夕とはいかなくとも、立ち直ることができます。 誰もがいつかどこかで困難に直面します。その時々の変化がもたらすストレスを避けることはできませんが、よく理解した上で、ポジティブかつ現実的な方法で対処すれば、自分に及ぶ影響をコントロールすることができます。それは決して簡単なことではありませんが、一人で戦わなければならないと思い込まないで下さい。少しの努力と、友人や愛する人のサポートで、明るい未来がくっきりと見えてくるでしょう。 https://www.inc.com/larry-alton/the-7-most-stressful-life-changes-and-how-to-cope-with-them.html [↩]https://www.health.harvard.edu/blog/mindfulness-meditation-may-ease-anxiety-mental-stress-201401086967 [↩]https://www.psychologytoday.com/us/blog/the-athletes-way/201704/need-midday-energy-boost-skip-the-caffeine-take-walk [↩]https://www.psychologytoday.com/gb/blog/living-forward/201806/3-effective-visualization-techniques-change-your-life [↩]
生活の速さ。
Reading Time: < 1 minute あらゆる分野でスピードが加速する現代、適応に困難を感じる人のいる理由を考えてみたことはありますか。 時間の認識と人による違いを理解するには、社会学者や心理学者の考察 1 が参考になります。 1. 技術の進歩が期待のハードルを上げる ドイツの社会学者ハルトムート・ローザは、技術の進歩が人の予期した通りに時間を節約してくれるとは限らない、と述べています。2 例えば、手紙を郵送するよりも、テキストメッセージやeメールを送信する方がはるかに速いのは事実です。ところが、その速さゆえに、より多くのメッセージを送らなければならないと思い、多忙な印象を持つことにつながっているのではないでしょうか。さらに、返信も郵便よりはるかに早く返ってくるものと期待しています。こういった想定がストレスの原因になって、反応の遅い人には足を引っ張られるように感じてしまう可能性があります。 食器洗い機や掃除機など、いわゆる省力化に優れた機器を使えば、日常の家事の一部が効率よく片付きます。すると、その分他のことができると思うでしょう。掃除が短時間で済むようになったのだから、週に1回に限らず3回やってもいいではないか、というように。しばらくすると、まるで「いつも」掃除ばかりしているような気分になります。 交通機関が発達したことで、片道1時間の通勤時間を誰も気にかけなくなりました。私たちはすっかり忘れてしまっていますが、祖父母の時代なら誰も毎日そのような通勤をしようとは考えなかったでしょうし、渋滞や電車の遅延、原因不明の待ち時間などのストレスに悩まされることもなかったはずです。 2. 選択肢が増えればできないことも増える テクノロジーや交通機関の発達により、余暇の過ごし方も多様化しています。 夕方からの娯楽を決めるのは、かつては簡単なことでした。家にこもってテレビを見るか、映画を見に出かけるか、という程度だったからです。今では、自宅にいても様々なデバイスで映画を見ることができます。外出すれば、シネコンや映画館、映画クラブなどから行き先を選ぶことができます。また、どこで食事をして、何を食べるかにもたくさんの選択肢があります。 休暇に旅行をしたければ、世界中のどこへでもほぼ確実に行くことができます。制限事項はお金と時間の問題くらいではないでしょうか。見逃せない旅行先リストを作るというアイデア自体が、優先順位をつける必要性を多くの人が実感しているということを浮き彫りにしています。 ハルトムート・ローザ 3 は、何を決めたとしても、人は自分が選択しなかったことを常に意識している、と指摘しています。そして、実現可能な選択肢よりも、はるかに多くの潜在的な選択肢が存在する現代、人は常に時間が足りないと感じ、選択しなかったすべてのものを逃してしまったと認識している、というわけです。 3. 時間とは様々な捉え方のできるもの アメリカの心理学者ロバート・レヴィーンによると、時間認識には3つのタイプがあるということです。4 「時計時間」の人は、次の予定がいつかをきちんと把握していて、慎重に時間を守ります。よって、例えば昼食は1時から1時30分までの間と決めた通りに済ませて、次の予定へと進みます。 「出来事時間」の人は昼食には都度必要な時間をかければよい、と考える傾向があります。お昼休みに入る準備ができたらランチにして、食べ終わったら仕事に戻ります。パーティーを企画したことがある人なら誰もが知っているように、この2つのタイプは互いに見解の違いで我慢できない相手だとみなすことがしばしばあります。 そして3つめのタイプは、世界でも特に隔絶された場所で見られる「自然時間」です。太陽の進行と季節の変化を軸として生活する人々は「牛が戻ってきたら」会おうか、という相談をしていることでしょう。 4. 時間認識は文化によっても異なる レヴィーンはまた、異なる文化の時間観についても理論的に考察しています。彼は、切手を買ったり、短い距離を歩いたりするような一般的なタスクを世界各地の人々がどのように行っているかを調査しました。 そして、社会が発達しているほど時間の流れが速くなることを見出しました。裕福で工業化が進み、冷静沈着で個人主義的な社会では、仕事でも歩行でも人々の行動が速くなる(最大50%増し)傾向がありました。生活のペースが最もゆったりとしていたのは、豊かさや工業化とは最も遠いものの、温かみのある地域社会に密接している国々でした。さらに、田舎よりも都会の方が時間の流れが速いことも指摘されています。 レヴィーンの分析では、時間の流れが最も速いのは西欧とアジアの大規模な工業都市で、その住民は自分の生活に満足しつつも、ストレスに悩む傾向が見られました。これに対して、メキシコやインドネシアのような発展途上国の農村部では、時間の流れが遅く感じられ、人々が焦りを感じることは少なかったということです。 5. 何かに夢中になると、時間が止まっているように感じる 心理学者のミハイ・チクセントミハイには、何らかの活動に完全に没頭している状態を「フロー」という概念で提唱した著書があります。 5 彼の言うフローに入ると、意識は完全に集中し、対象に入り込んだ状態で楽しみに満たされます。 チクセントミハイはさらに、フローの体験は喜びにあふれていているだけでなく、最高のパフォーマンスが引き出され、時間の経過を忘れてしまう、と説明しています。騒音や温度のような外部の刺激や、空腹などの内部の刺激についても、一切考えが及ばないほどになります。仕事であれ趣味であれ、そこまで没頭できたなら、慌ただしさに追われるような気分に対抗するには充分だと言えるでしょう。 https://en.wikipedia.org/wiki/Time_perception [↩]https://journals.sagepub.com/pb-assets/cmscontent/ASJ/Acceleration_and_Resonance.pdf [↩]https://journals.openedition.org/ress/2893 [↩]https://www.amazon.com/Geography-Time-Temporal-Misadventures-Psychologist/dp/0465026427 [↩]https://www.amazon.co.uk/Flow-Psychology-Happiness-Classic-Achieve/dp/0712657592 [↩]
ライフワークで若々しい心を保つ
Reading Time: < 1 minute 私たちは歳を重ね成長するにつれて、知恵や経験を得るとともに、より自信をつけ、不安を減らしていきます。ここで言う成長は特定の年齢を対象としたものではなく、人としてのあり様です おそらくあなたも、実年齢よりも成熟した振る舞いのできる若い人に会ったことがあるでしょう。もしくは、子供や孫よりも社交的な生活を送っている親や祖父母がいらっしゃるかも知れません。彼らは体をよく動かすライフスタイルを送り、全般的に「はつらつと」しています。健康である限り、年齢は本当にただの数字に過ぎません。 心の若さを保つのは簡単です!年齢に関係なく、より健やかで幸せでいるためのヒントを厳選しました1: 体験を共有する 失敗から学びましょう。失敗はつきものです。ですから失敗しても自分自身につらく当たらないで下さい。若い頃にやり過ぎたことや自分のケアをおろそかにしたことを後悔している場合は、その体験を共有しましょう。ただし、最も重要なのは、過去にとらわれないことです2。過去を変えることはできません。ですから、今こそ未来に焦点を合わせる時だと考えましょう。健康的なライフスタイルにしたいともがいているのはあなただけではありません。周りの人と話してみましょう。何が刺激になったか、どんなことがやる気につながったかを探りながら、交流を通じて新しい友達を作るのがおすすめです。 精神的な刺激を受ける 精神的な刺激を受けられるよう心がけることは、退屈やうつ、不安を防ぐのに役立ちます 3。何気なくテレビを見たり、ソーシャルメディアのページを追ったりするのはよくあることですが、いつの間にか画面に夢中になっていませんか。読書や塗り絵、料理をしたり、一から何かを作ったり、新しいスキルを学んだりと、何か新しいことを試してみて下さい。 体を動かしアクティブに過ごす スポーツ選手である必要はありません。クラブに参加して体を動かしましょう。靴を履いて散歩に出かけるくらいなら、体力レベルに関係なく大抵の人ができるはずです。新鮮な空気を吸いに外へ出かけることは、精神的にも身体的にも驚くほど効果があります4。散歩をすれば体内の酸素濃度が上がり、皮膚が血色を取り戻し、血液が重要な臓器の周りを循環し始めます。また、良く眠れるようになって毎朝目覚めもすっきりするのが分かるでしょう。 ヘルシーな食べ物で体に栄養を与える 食生活の改善でひもじい思いをする必要は全くありません。ひとかけらのチョコレートやグラス1杯のワインを口にしたからと言って、自分を否定するのも筋違いです。肝心なのは、バランスを取ることです。日々の食事では人工調味料・保存料や添加物を避けるようにしましょう。それらに栄養価はほとんどなく、ビタミンやミネラルが欠乏して風邪や腹痛、その他病気につながる可能性があるからです。全粒穀物、良質の脂肪、果物や野菜などの「ヘルシーな」食べ物は、体を健康に保ち、物忘れを予防するのに役立ちます5。「若い」というのは体の状態と同じくらい心の状態を示しています。つまり、高齢期が人生でも特に幸せな時期になる可能性はあるのです。年齢を問わず、はつらつとした人々を見つけて、今ここでより健やかで幸せな充実したライフスタイルを満喫しましょう。 https://www.psychologytoday.com/gb/blog/click-here-happiness/201801/how-be-happy-23-ways-be-happier [↩]https://www.psychologytoday.com/gb/blog/evolution-the-self/201108/the-past-dont-dwell-it-revision-it-part-1 [↩]https://www.betterhelp.com/advice/depression/boredom-and-depression:-can-one-lead-to-the-other/ [↩]https://www.businessinsider.com/why-spending-more-time-outside-is-healthy-2017-7?r=US&IR=T#spending-time-outside-reduces-inflammation-3 [↩]https://www.healthline.com/health/brain-fog#causes [↩]
人生の生産性を向上させるには
Reading Time: < 1 minute 生産性を向上させる方法とは 今日の忙しい世界では、仕事をこなし、家を片付け、友人や家族と充実した時間を過ごす…これらをくまなくやり遂げることをしばしば期待されているように見受けられます。多くの場合、過剰に約束や決め事をしてしまい、長い長いToDoリストを作成してしまいます。その結果、その数に打ちのめされ、非生産的であると感じてしまいます。それを防ぐためには、立ち止まり意思決定から一歩離れ、リラックスする時間が必要です。 しかし、圧倒されることなく、生産的だと実感するにはどうすればよいのでしょうか。 幸いなことに、生産性を向上させるには様々な方法があります。例えば、自分へのご褒美として休みを取るという案はあらゆる人に適していると思われます。自分に合った方法で、目標に向かって一心不乱に努力を続けるモチベーションを高めましょう。日常生活の中ではちょっとした気晴らしをすることもよくありますが、集中力の必要な過程では気を散らす要因となるので、生産性を向上させたい場合は可能な限り避ける必要があります。1 昼寝で生産性向上 生産性を上げるには、休暇などの長い休みと質の高い昼寝のような短い休憩のバランスを取ることが役に立ちます。昼寝をすれば、短い休憩と引き換えに、エネルギーが戻ってきます。特に在宅勤務の人にとっては、短い仮眠がその後の仕事にさらに良い結果をもたらしてくれるでしょう。以前は悪いかもしれないと思われていた昼寝ですが、研究によると、予想されたよりも有益であり 2 、15分間でも質の高い睡眠を取れば、脳の生産性と体の健康をサポートすることが分かっています。重要なことは、あまり長く眠らないことです。そうすれば、もうろうとした感じで目覚めたり、生産的に仕事を続けられなくなったり、夕方に眠りにつくのに苦労したりすることがなくなります。 ITを活用する テクノロジーは物事をより迅速に捕らえ処理するのに役立ちます。3 適切なITを使用すれば、物事を計画し、段階的に処理していく助けとなります。テクノロジーはすべての人に適しているわけではありませんが、生産性の向上に役立つアプリケーションはたくさんあり、その多くが無料で提供されています。簡単な記述でも詳しい記述でも使えるToDoリストを作成したり、タスクを分類したり、決められた時間に決められたことができるよう通知を設定したり、といった使い方ができます。繰り返しになりますが、バランスが肝心です。電子機器に向かうということは、常に気を散らす要因になるリスクを伴うということは理解しておきましょう。 フォーカスを明確にする 意識の焦点を合わせ直すには、ウォーキングが役立ちます。ある研究プロジェクトで行われた4つの実験により、ウォーキングをするとアイデアが自由に湧き上がり、創造性を高めるシンプルかつ確実な解決策となることが分かりました。なかでも屋外でのウォーキングは、研究の参加者に最も大きな影響を与えたということです。4 もう一つ、焦点を合わせる方法として、単純に書き留めていく、というやり方もあります。複数の目標をやり遂げるためにToDoリストを使用するか、単一のタスクで使用するかは重要ではありません。自分の目標に注意を向け、集中するのに役立つのは、書くという単純な行為そのものだからです。目標を実際に文字として視覚で見ると、目標を達成しやすいと感じる人もいます。 職場での生産性向上 生産的に働きたいのであれば、過度の労働時間はお勧めできません。調査によると、労働時間が短いほど、労働者はより集中できるようになることが分かっています。5 プロジェクトに長時間取り組むと、細部への集中力と注意力を維持することがますます困難になります。したがって、休憩時間を十分に取れるよう予定しておく必要があります。これは、オフィスで働く場合は特に重要です。定期的に体を動かし、新鮮な空気をたくさん取り入れるようにしましょう。調査によると、良好な条件下で働き、仕事を楽しむことによって、生産性そのものが向上することも分かっています。6 仕事を楽しんでいても、仕事から離れ休憩を取ることは大切です。調査によると、休暇を取った従業員は復調によって幸福度と業務能力が向上した一方で、7 休暇を取らないと、身体的健康に悪影響を及ぼす可能性があることが示されています。 自宅での生産性向上 家や家族の世話をすることは、有給の仕事と同じくらい多くのストレスを引き起こす可能性があります。仕事に精を出せるようにするためにも家ではリラックスできるようにする必要があります。家にいる時でも、自分自身のために時間を持つことを忘れないで下さい。家の周りでやらなければならない仕事がある場合、分割してこなすか、後で意識的に自分にご褒美を与えるようにすると、それが手助けになります。 重要なタスクのために生産性を向上させる ターゲットを絞った休憩を取ることは、生産性を向上させるための最良の方法のひとつです。休憩は量よりも質が重要であり、主な目的が心と体をリラックスさせることである限り、それほど長く取る必要はありません。 最も重要なのは、達成に計画より時間がかかっても、焦ったり後悔したりしないようにすることです。1日ですべてを行う必要はありません。タスクをこなすのに少し時間がかかっても、自分にプレッシャーをかけないようにした方がパフォーマンスが向上し、自分自身もより良好な気分でいられる可能性があります。 https://www.apa.org/monitor/2017/09/boosting-productivity [↩]https://www.health.harvard.edu/newsletter_article/napping-may-not-be-such-a-no-no [↩]https://www.ocr.org.uk/Images/76928-level-1-unit-01-improving-productivity-using-it.pdf [↩]https://www.apa.org/pubs/journals/releases/xlm-a0036577.pdf [↩]http://ftp.iza.org/dp8129.pdf [↩]http://www.ox.ac.uk/news/2019-10-24-happy-workers-are-13-more-productive [↩]https://thriving.berkeley.edu/sites/default/files/Embracing%20Work%20Breaks%20(Eschleman%20Lecture).pdf [↩]
思いやりを大切に:情けは人の為ならず
Reading Time: < 1 minute 困難な時代は歴史上何度となくありましたが、それは人間の本性が最大限に引き出された時でもありました。 世界中の自然災害や戦争、経済不況がそれを物語ってきました。そして今日も例外ではありません。それぞれの状況が前例のないものであり、人々が抱える葛藤も個々に異なるものでしたが、それでも思いやりのある寛大な行動をした人々に心動かされる場面はいくつもありました。 2018年にドワイト・マッキー博士は「親切でありなさい、なぜならあなたが出会う人は皆、それぞれに厳しい戦いのさなかにあるのだから」という哲人の名言を引用し、続けて「どんな小さな戦いでも大きな戦いでも、誰かの親切は助力になります」と述べました。その真意を今こそ思い出すべきかも知れません。「自ら親切な行いをすることで、思考や感情をポジティブな波長に保つことができます。そして、あなたの人生に、よりポジティブな思考や感情、人間関係、体験が引き寄せられてきます。他人に親切にすることは、自分に親切にすることです。」 では、親切にするとはどういうことでしょうか。定義するなら、親身になって寛大な心で相手を思いやること、と言えそうです。1 他の誰かに親切にするのは、何らかの見返り(戦略的利益・自己利益)が欲しいからだ、と主張する人もいるかも知れません。しかし、本当に心優しい人が親切な行いをするのは、それがその人の本質であり、心からの(利他的な)善意が行動となるからだ、との主張もあります。そもそも、それの何が問題なのかと問う人もいるでしょう。いずれにしても、親切に心を満たす作用があることは研究によって明らかにされています。サセックス大学 2 は2018年に「親切な行為」をしていた人1000名以上を対象として脳細胞を調べる研究を実施しました。親切な行為をした時に脳内で何が起こるかを、真の利他主義から行動した場合と戦略的な動機から行動した場合に分けて分析してみると、動機に関係なく両群ともに自身の行為から恩恵を受けていることが示されました。報酬を司る脳領域の活性化(より多くの酸素を使用する)が、両方で認められたのです。なお、利他的な群では、脳内の他の領域でも活性化が見られたということです。ここで重要なのは、この研究により、他者を助けることが自分自身を助けることになる、と確認された点です。 これは、イギリスのメンタルヘルス財団MHFの2012年の報告書『Doing good? Altriuism and wellbeing in an age of austerity』の焦点となりました。3 MHFの調査では、他者を助けると本人のメンタルヘルスと健康全般にメリットがあることが根拠とともに示されました。利他的な行為が自身のストレスを軽減して感情を健やかにし、さらには身体的な健康にも利益をもたらす可能性が見えてきたのです。他者の手助けをすることで促進される脳内の生化学的変化が、オキシトシン(愛情ホルモンとして有名)の分泌による幸福感につながるとともに、一酸化窒素と呼ばれる化学物質の放出を引き起こし、その作用で血圧が下がり、心臓の健康に寄与するということです。 他者の力になることは、帰属意識をもたらし、孤独感を軽減します。また、ネガティブな感情を取り除くか軽減し、より穏やかな気持ちで調和のとれた人間関係を築くのにも役立ちます。イギリスでは毎年、メンタルヘルス財団が「メンタルヘルス啓発週間」を主催していますが、今年(2020年5月18日~22日)当初のテーマであった睡眠から、優しさの力と可能性に焦点が移ったことは注目に値します。4 誰もが知っているように、危機や困難にみまわれたとき、人はそれぞれに異なる反応をします。冷静で落ち着いて集中力を発揮できる人もいれば、遠慮がちになったり、怒ったり、落ち込んだりする人もいます。ネガティブな反応をする人も、ポジティブな反応をする人もいますし、合理的であることが難しいと感じる人もいるでしょう。そしてもちろん、こういった感情は日々変化します。でも、それでよいのです。一様に「正しい」反応はありません。 また、どんなやり方が助けになるかも人それぞれに異なります。時と場合によって、そっとしておいて欲しいこともあれば、話し相手を求めることもあるでしょう。重要なのは、必要なときに手を伸ばせば、そこに誰かがいるという確信です。ちょっとした声かけがその先大きな支えとなっていく可能性があります。 2018年にマッキー博士は次のように語りました。「思い通りにいかなくとも立ち向かわなければならないことは日々いくらでもあります。でも、自分の周囲にいる人、身近な人もそうだということを意識することはほとんどないのではありませんか。どんな戦いでも、誰かの親切は助力になります… 親切心は人生を形作るツールの中で最も重要なものと言ってもよいかも知れません。他の人がどんな戦いに挑んでいるか分からないこともあれば、自分が挑んでいる戦いがどんなものか分からないこともあるでしょう。それでも私たちがほんの少しでも親切心を行動にすれば、そのポジティブなエネルギーは地球上の全ての人にプラスになるに違いありません。」 親切な行為は今この時も、あちこちで盛んに行われています。草の根の相互支援グループが増えてきて、近所の人の買い物を手伝ったり、電話をかけて様子をうかがったりしています。こういった活動はおそらく、危機的状況に限らずとも行われていたのでしょう。今になって気付く人が増えた、ということなのかも知れません。いずれにしても、その思いやりにあふれた行動は、私たちが辿るべき道を示してくれているのです。 https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/nice [↩]http://www.sussex.ac.uk/broadcast/read/46037 [↩]https://www.mentalhealth.org.uk/publications/doing-good-altruism-and-wellbeing-age-austerity [↩]https://www.mentalhealth.org.uk/campaigns/mental-health-awareness-week [↩]
スキンケアとセルフケアの関係
Reading Time: < 1 minute 自分を優先することに罪悪感を覚える人は少なくありませんが、自分自身の健康や幸福を大事にすることは利己主義には当たりません。優しさ、愛、思いやりを自分自身に向けることは、セルフケアの一つとして有効であり、常にそのような時間を見つけるよう努めるべきです。 セルフケアは心の健康を守る手助けとなるだけではありません。それは肉体としての自分自身をケアする、つまり生涯を通じて付き合う、生まれ持った体を大切にすることと同じと言えます。ところが、心と体の健康は本人が思っているほどはっきりと自覚されていないということは見過ごされがちです。心か体の一方をケアすると他方に驚くほど効果がある、ということはぜひ意識したいところです。 より良いセルフケアにはより良いスキンケアを お肌のケアにお金をたくさん費やす必要はありませんが、スキンケアの日課をきちんとした良いものにすることは必要です。朝の日課である顔のクレンジングは、1日のスタートに備えるさわやかな儀式として行って下さい。洗顔後にタオルで軽く押さえるようにして乾かしてから、優れた保湿剤かローションを使ってお肌の水分を保つようにしましょう。 英国皮膚科医師会の研究で強調されているように、肌の見た目や感触に不満があると、自信やメンタルヘルスに悪影響を与える可能性があります。1 研究では「肌と精神的健康の間には強い関連がある」と結論付けられています。 お肌のお手入れは本来心地よいものです。ゆっくりと決まった手順に沿って素肌にフレッシュな水を感じ、保湿剤や濃厚なボディクリームでマッサージしたり、お湯に浸したタオルで顔を心地よく温めたりして、自分自身のために贅沢なゆったりしたひとときを味わいましょう。こういったお手入れは、体を気遣うのと同じくらい心を気遣うことにもなります。肌感覚によるリラクゼーションの効果は、犬をなでた時の効果を見れば一目瞭然です。お肌に触れることは、肉体的なだけでなく、精神的な面でもメリットをもたらします。上質のスキンケア製品の香りなら、それを嗅ぐだけでリラックスすることができるはずです。 肌の持つパワー 皮膚は合計で約2平方メートルにも及ぶ人体で最大の臓器です。その役割は、微生物をはじめ太陽光や風などの環境から体を保護し、温度や触覚を感じるようにすることです。皮膚は穴の多い多孔質であるため、付着したものは何でも吸収します。査読を経た研究では、香料成分の吸収率が100%であることが示されました。2 このことを考えれば、肌につけたものは何であれ、体内にも入ってしまうことが容易に理解できるでしょう。有害な成分を避ければ、身体的な反応、炎症、刺激のリスクを減らすことができ、天然成分を含む高品質のスキンケア製品を選べば、外から内側へと栄養を与えることにもなります。 スキンケアの日課を楽しいものにすれば、自分と向き合う良い機会となり、心と体に大きなメリットがもたらされます。最高の気分でいるための自分流のセラピーを毎日の習慣にしましょう。 https://www.bad.org.uk/News.aspx?sitesectionid=154&itemid=9761 [↩]https://onlinelibrary.wiley.com/doi/pdf/10.1034/j.1600-0536.2000.042005251.x [↩]
幸福を理解し心の健康に役立てるには
Reading Time: < 1 minute 幸せは定義すれば達成しやすくなるのでしょうか。 大抵の人は幸せになりたいと願うものです。幸せとは何か、漠然としたイメージはあるでしょう。自分自身、自分の仕事、人生、周囲の人々に対して感じるあの満ち足りた気持ちです。自分が不幸なときは確実に自覚できます。しかし幸福が実際のところ何なのかというのは定義し難く、それが分からなければその幸せを得ることはさらに難しくなります。 おそらく問題の一つは、日常的に目に入る広告やテレビ番組によって、幸福とは持っていない物を手に入れる能力であるかのように思い込まされていることではないでしょうか。隣の家の芝は青く見えるのが常です。それは広告主やテレビのプロデューサーのせいではなく、今の自分とは違う自分になりたいという私たちの願望が症状となって表れていると言ったほうがよいかも知れません。 夢や野望、憧れを持つことと、すでに手にしている幸せをきちんと認識することの間でうまくバランスを取るべきです。実際に可能かどうかに関わらず一つの目標を達成することだけに没頭して生きていては、すでに手にしている幸せに気づかないまま日々を過ごしてしまうかも知れません。 すでに持っている物から幸福感を得られれば、それが将来の目標に向かうための強固な基盤となるでしょう。 幸せは人それぞれです。幸せか否かを判断する基準などありません。また、幸せは永遠に続く状態でもありません。毎日の出来事や直面する問題によって満ちたり引いたりするものです。私たちにできることは幸せな瞬間を心から楽しみ、困難な時を乗り越える糧とすることです。 「幸福指数」をアップするためのアイデアをここにいくつかご紹介します。 人生において最も意義のある人間関係に時間を費やしましょう。ネガティブな人々に引きずられて自分までネガティブになってしまってはいけません。自分をサポートし、応援し、前向きな気分にさせてくれるポジティブな人を見つけましょう。そういう人を引き寄せる最善の方法は自分自身がポジティブでいることです。ポジティブさを共有して下さい。1 変化を受け入れましょう。物事が変化するという事実を変えることはできません。変化を恐れたり避けたりするのではなく、刺激的な体験と捉えられるよう見方を変えてみましょう。ネガティブなことに囚われていては幸せになれません。未来に目を向け、過去についてはよい思い出だけを取っておくのです。 今の状態に感謝しましょう。ありがたく思うことや毎日楽しんでいることを書き出してみて下さい。日々起こり得る失望感や喪失感も、このメモが打ち消してくれるでしょう。 不安な気持ちを解き放ちましょう。ネガティブな考えや恐れを気球に乗せて二度と戻ってこないところまで飛ばすのを想像してみて下さい。きっと気分がすかっとするはずです。 こんな朗報はご存知でしょうか。楽観的な人は悲観的な人より最長7年半長生きするという研究結果があります。幸せになるために何が必要かという議論において、これ以上説得力のある論拠はないでしょう。2 https://my.happify.com/hd/why-friends-make-us-happier/ [↩]https://edition.cnn.com/2011/10/31/health/happiness-linked-longer-life [↩]
ポジティブ思考で心も体も健康に
Reading Time: < 1 minute ポジティブ思考の本当のパワー 私たち人間は何かを心配する事に膨大な時間を費やします。それは断熱性の低い家で暮らすのに少し似ています。現在、過去、未来に関するネガティブな考えに多くのエネルギーを無駄に費やしても、そこから得られるものは特にありません。 そして実のところ、先のことについて眠れないほど心配したのに結局何も起きなかった、ということが何度となくあったのではないでしょうか。過去の問題から何かを学び、その後に生かすことは可能ですが、過ぎてしまったこと自体は後から思い悩んでもどうにもなりません。 心配事や悩み事などネガティブな思考に使っているエネルギーをすべてポジティブな方向で使うことができたらどうなるか、を考えてみませんか。きっと元気が出て開放感が生まれます。 もちろん口で言うほど簡単なことではありません。落ち込んでいるときに人から「ほらほら、元気出して!」と言われても余計に落ち込むだけということもあります。もっとポジティブに生きるには具体的にどうしたらよいのでしょうか。 まず自分について人に話す時どんな言葉を使っているか考えてみて下さい。その言葉は力強く前向きですか。自分の目標や希望について人に話していますか。それとも、謝ったり、言い訳をしたり、卑下したりすることが多いですか。 自分自身について語るときに使う言葉は今すぐ変えることができます。無意味な自慢や無理な目標を持ち出す必要はありません。1 自分の価値を知り、自分が日々何を成し遂げているかを知ることは大切です。親として子どもの面倒を見ていること、隣人の手伝いをしたこと、やらねばならない仕事をひとつ終わらせたこと、どれもが努力の成果です。目標が大きければそれだけ困難に思えるでしょう。しかしまず一歩踏み出すことが達成への第一段階です。短期的なもの、長期的なものを含め、自分が何をしてきたのか、そしてこの先何をしたいのか、人に、そして自分自身に伝えてみましょう。 人によってはビジョンボードを活用しています。理想の未来を表す絵や写真を集めて貼り付るのです。これは良いアイデアですが、挑戦しがいがあると同時に目標は現実的な範囲にするというバランスが大切です。いつか必ず訪れる辛い時のために家やオフィスに心に響く名言を貼っておくのもよいでしょう。 自己啓発のためのアプリやCDもたくさんあり、こういったものが迷った時に新たな道を示してくれるかも知れません。とても簡単にできることがもうひとつあります。毎日誰かに心からのありがとうを言いましょう。その人が自分にしてくれたことに、それがどんなに小さなことであっても感謝を伝えるのです。人に対し、思い切りほめたり感謝を伝えたりすることを恥ずかしがってはいけません。 セバスチャン・フォーカンは、街の中を走ったり障害物を飛び越えたりして自由に移動するスポーツ、フリーランニングの創始者です。パリ郊外の貧しい地域で、彼は「障害物」の意味を考え直しました。障害物とは自分の道をふさぐものではなく、新たな高みへ到達するための踏み台とみなすことができるのです。乗り越えられないように思える問題も、このような自由な考え方が克服の手立てとなるかも知れません。2 ポジティブ思考を解き放ち、問題に囚われるのではなく前に進む方法を考えるようにすれば、たちまちよく眠れるようになり、もっと元気になれることでしょう。 そして何よりも、問題を抱え込まないで下さい。友人や家族に心を開いてみましょう。きっと驚くほど多くの支援が得られ、元気づけられるに違いありません。 https://medium.com/swlh/how-to-stop-thinking-poor-thoughts-and-start-thinking-mind-blowing-thoughts-3b3c3e4c1fbf [↩]https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2011/jul/20/sebastien-foucan-founder-free-running [↩]
自分のための時間がメンタルヘルスにプラスに働く
Reading Time: < 1 minute 心が広いことは良いことです。それについて疑いの余地はありません。他人のために時間を使う、ヘルプを求められたら迷わず助ける、そういう行為はその人の善良さを示しています。1 やりくりして役目を果たし、日々の家事や雑用をこなし、家族のニーズに応え、仕事を中心に周りのことを調整する。このように、私たちは限られた時間の中で必要とされている多くのことを為すべく奮闘しています。ところが、英気を養う必要があるのに見落とされがちで、誰よりもあなたの助けを必要としている人が一人います。それはあなたです。 私たちはしばしば自分を優先順位の下の方に位置付けます。そしてこう言います。「やるべきことは他にもたくさんあるけれど、私は大丈夫。私が頑張っていればいいのだから」と。自分自身のために費やせる時間が多少できたとしても、自分の労力を他人に与えない自分をわがままに感じ、罪悪感を感じることさえあるかも知れません。「自分時間」は身勝手なものではなく、不可欠なものです。そして何よりも、それはあなたにとって本当に良いことなのです。 毎日、毎週、この貴重な時間を持つことの利点は、衰えたエネルギーを再充電し、気持ちを静め、心をクリアにし、バランスを取り戻せるようになることです。これらは、リラックスし、情熱と忍耐を蘇らせる良い手段となります。あらゆる物事に追いつこうと走ってばかりいるように感じていませんか。また、常に遅れをとっているような気がしませんか。そのままではストレスや不安で疲れ果て、普段ならうまくやっていることもできなくなる危険があります。この連鎖反応に周囲の誰もが気づき始め、あなたを心配します。しかし、おそらくは誰もあなたに時間や空間の余裕を与えてはくれません。雑用には終わりがありません。では「自分時間」とは何でしょうか。答えは人によって異なります。基本的には、自分自身のために何かをする時間を取っておくことであり、自分が本当に楽しめる何かをすることです。自分を甘やかす、友人と昼食に出かける、静かに座って温かいお風呂で目を閉じる、朝5分間早く起きてお茶を味わいながら自分を見つめるなど、どんなことでも構いません。2 「自分時間」は時間の自己管理で生み出すものです。「自分時間」で何をしたいのかを決め、そのための時間の余裕を作り、それをやり遂げて下さい。別の日に先延ばしにすればよいと妥協を求めてくるような誘いが他にあっても、そのために予定を乱すことはせず、きっぱり断りましょう。助けて欲しい、手伝ってもらいたいという要求をお断りしなければならないこともあるかも知れません。それでも大丈夫です。人はあなたが手一杯かどうか分かってくれます。断る場合でも罪悪感を感じる必要はありません。断ったからと言って、金輪際頼りにはしない、という話にはならないので安心して下さい。あなたから相手に助けを求めることも可能です。マッサージに行く30分を都合するために、放課後の子供の世話をする人が必要な場合は、近所の人やパートナーに頼んでみて下さい。それは、彼らにとってはあなたに優しくするチャンスであり、あなたが毎日していることにどれほど感謝しているかを示す機会になります。そして彼らが「自分時間」を必要とした時にはあなたが恩返しをすればよいのです。時間の余裕を持てるなら、それを最大限に利用して、大いに楽しみましょう。自分のためにその時間を満喫しましょう。そしてもちろん、それを誰かとシェアすることもできます。あなたの考える理想的な「自分時間」が何年も会っていない古い友人とのおしゃべりなら、それは彼らにとっても良い「自分時間」となるでしょう。「自分たちの時間」も同じく効き目があります! https://psychcentral.com/blog/7-signs-you-need-a-little-me-time/ [↩]https://www.mindbodygreen.com/0-20080/why-me-time-is-so-important-for-happiness-infographic.html [↩]
食べ物と気分
Reading Time: < 1 minute 食べたものが気分に影響を及ぼすというのは本当でしょうか。 食べ物の選択と気分に関連性があることは、古くから知られています。気分が落ち込んでいる時や不機嫌な時、私たちはしばしば食べ物で心を満たそうとします。幸せな時にもまた、お祝いで食べ物を口にします。あるいは、退屈しのぎに甘いものを求めて冷凍庫を開き、アイスクリームを探すということもあるでしょう… 今一度視点を変えて、気分と食べ物の関係について、心に良い食べ物とは何か、考えてみましょう。食べ物の選び方を変えれば、心の状態にも変化をもたらすことができるのではないか、という関心は高まっていますが、これまでのところ、ほとんどの研究は科学的というよりはむしろ主観的な経験談をまとめたものに過ぎないようです。 メンタルヘルス関連の大規模な慈善団体が支援した、食品と気分に関する最近の調査1 によると、食事の改善が直接心の状態に働きかけ、前向きな気持ちになった、と答えた人は88%もいたそうです。2 調査にあたっては、食品を「ストレス要因」として削減すべきグループ(例えばカフェイン、アルコール、砂糖など)と、健やかな心の「サポーター」になるグループ(野菜、果物、脂肪分の多い魚、水など)に分類しました。調査対象者がこれをもとに食生活を調整したところ、4分の1を上回る人々が、気分の変動や不安、パニック発作が減った、あるいはなくなった、と報告したということです。 利便性重視や糖分の多い食品は、エネルギーを急激に上昇させますが、ピークの後に大きな落ち込みがやってくる可能性があります。糖分摂取による気分の上下は避けた方がよいでしょう。高GI食品と低GI食品のバランスをとって、糖分の分解吸収に時間をかけるようにすると、均一かつ良好な水準でエネルギーを維持しやすくなります。 食品によっては、ポジティブな気分を高めるビタミン、ミネラル、酵素が摂取できるものがあります。クルミやヒマワリの種には、亜鉛、オメガ3、マグネシウムが豊富に含まれています。亜鉛が認知機能の正常化に、マグネシウムが疲労感や倦怠感の軽減に貢献することは、複数の報告書で示されています。これらの重要な栄養素は、バランスのとれたヘルシーな食事が難しい時には、サプリメントを上手に活用することで、効果的な摂取を可能にできます。 アルコールの摂取量を減らしたり、水を飲む量を増やしたりすることは、全身の健康だけでなく、気分にも大きな影響を及ぼします。 冷蔵庫に向かってしまう時や、スーパーのスナック菓子の列を避けた時の気持ちは、別の方向へ転換しましょう。食べたいという欲求を別の何かで解消するのです。例えば、浮いた時間で20分ほど運動をする、といった案はいかがでしょうか。 その決断をするだけでも、心の状態に良い影響力があります。食生活をバランスの良いものへと変えていくにつれて、気分が上向きになり、よく眠れるようになって、ストレスに上手に対処できるようになってきます。 最後になりましたが、チョコレートが気になっている方はいらっしゃいませんか。前述の食品と気分に関する調査では「ストレス要因」に分類されていましたが、チョコレートに気分を高める作用があるのは確かです。味、香り、食感が一体となって、ポジティブな気分に導くのでしょう。ただし、くれぐれも食べ過ぎないよう、ご注意を… https://www.mentalhealth.org.uk/sites/default/files/food-for-thought-mental-health-nutrition-briefing-march-2017.pdf [↩]http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/2264529.stm [↩]
寛大な心で健やかな自分に
Reading Time: < 1 minute 当たり前のことでも時には敢えて言葉に表す価値があるものです。誰もがお互いもう少し親切に接することを心がければ、世界はより良い場所になるというのもそんな当たり前なことのひとつです。では、私たちが実際にできることは何でしょうか。 誰もが個人的な幸福を追求する現代では、寛大さは熱帯雨林と同じぐらいの消失の危機にさらされている、とまで言われています。しかし、過去に誰かを助けた経験は誰にでもあるはずです。そして、その人の人生を少しでも楽にできたことに幸せを感じたことは、誰もが覚えているのではないでしょうか。 その記憶は、時間、知識、友情、必要とあらば金銭面においても寛大であり続ける大きなモチベーションとなりえます。寛大であるということは、些細な過ちについては見て見ぬふりをすることです。自分の思い通りにならない時もあると受け入れることです。急いでいる人がいたら道を譲る、それも寛大であればできることです。 相手を思いやる広い心は、声高に言われはしないものの、今を生きる私たちに必要とされている資質ではないでしょうか。 全ての主要な宗教において、寛大さが育み実践されるべき美徳のひとつとされているのは偶然ではありません。まずは広い心を持つようにしてみましょう。すると寛大さは周囲に影響を及ぼして、次第に広がっていきます。 思いやりの心を広げるのは簡単なことです。 コーネル大学による2012年の論文の中で「ペイ・フォワード」と呼ばれる現象について記述があります。例えば、コーヒーを買うために並んでいるところを想像してみて下さい。あなたが次の人の分も支払うと、その人はそのまた次の人の分を支払い、その人も・・・とどんどん続いていきます。実は2012年にカナダのドライブスルーでこれと全く同じことが起きました。226人の客が自主的に次の客の料金を支払ったのです。このすばらしい実話は、寛大な行動が人から人へと広がりやすいことを明示したと言えるのではないでしょうか。1 行動の伝染というのは興味深い考え方で、寛大さと関連付けられることの多い互恵関係という概念に新たな視点を与えてくれます。互恵関係には恩は返さねばならないとう感情や、返されることを期待する感情があります。それは恩を与える者と受ける者との間にある直接的な関係で、寛大さが伝染していくこととは違います。その違いが分かるでしょうか。 困難な時期に助けてもらったのでその恩を返したいというのも互恵関係です。慈善事業でボランティアをしたり寄付をしたりするモチベーションとしてすばらしいことです。しかし人に何かしてあげることを義務と感じたり、恩は売っておくものだという動機があったりするのなら、自分が何かを差し出す理由について、一歩下がって考え直すよい機会かも知れません。何かもらったからお返しをしなければ、というだけの理由でプレゼントを買いに出かけたことはありませんか。特別な誰かのためにワクワクしながら選ぶのではなく、お返しの義務感で買ったプレゼントが過去にどれくらいあったでしょうか。 それに対し、あなたが自発的に誰かのためになることをした時、それを目撃しインスピレーションを受けた別の人がまた別の誰かに優しくする、そんな間接的な思いやりの連鎖が起きたとしたら、すばらしいと思いませんか。 本当の幸福は、見返りを期待せずに惜しみなく与えることから得られるのです。2 寛大さはいろいろな方法で実践できます。誰かにアドバイスを求められたら相談に乗ってあげましょう。子どもたちへの読み聞かせやお年寄りとの交流など、ボランティア活動に貢献するのもよいでしょう。レストランや商品のレビューを書いたり、オープンソースのソフトを無料で作ったり、タイヤがパンクして困っている人を助けたりもできます。悩み事を打ち明けたいと思っている人がいたら、ただ黙って耳を傾けるだけでその人の心が軽くなるかもしれません。 何の見返りも求めず、ただ人の話に耳を傾けたことに満足して帰路につけたなら、本当の意味で寛大な行為をしたということです。そして誰かに与えたこのすばらしい贈り物が、自分自身に深い喜びをもたらしてくれるでしょう。 他人を寛大な気持ちにするのは難しいことではありません。私たち自身が寛大であればよいのです。これが世界に善を広げるのに最適な方法ではないでしょうか。 https://www.nytimes.com/2014/03/16/opinion/sunday/the-science-of-paying-it-forward.html [↩]https://www.swissinfo.ch/eng/sci-tech/warm-fuzzy-feeling_being-generous-makes-you-feel-happier-a-study-reveals/43325688 [↩]
マインドフルネスを毎日の習慣にするメリット
Reading Time: < 1 minute 今、ここにあるがままの心を取り戻す さっきまで読んでいた本の最後の段落が思い出せない、あるいは、数分前にどこにいたのか思い出せない、という経験をしたことはありませんか。眺めのよい場所を歩いている間、過去や未来の出来事に気を取られてしまって、絶景を見逃したことはないでしょうか。 ストレスや病気、職場や家庭で担う重い責任に日々追い立てられているのなら、マインドフルネスのテクニックを利用して呼吸と自分自身に向き合う時間をつくると、いっぱいになっていた頭と心を休ませることができます。 マインドフルネスの伝統と科学 マインドフルネスのルーツは仏教にあり、概念としては2500年以上も前から存在しています。マインドフルネスとは、仏教の伝統にならい、自分が望む有り様を思い描くのではなく、物事や状況をあるがままに受け止める心の状態です。1 一切の感情や概念的な執着を取り払って、自分の思考、感覚、行動、周囲の環境に意識を向けると、心の視界がクリアになってきます。そして、状況や行動、人をより客観的に理解できるようになります。マインドフルネスのメリットは、客観性にとどまるものではありません。2 ストレスのかかる状況には振り回されやすいものですが、マインドフルネスで不安を軽減し、忍耐と思いやりの心を併せ持つことで、そのような事態を防ぐことができます。 マインドフルネスを取り入れることの好ましい効果とその可能性は、現代の科学でも認められつつあります。心理学や神経科学の研究では、マインドフルネスを実践することで、重度の病気に伴う精神的症状が軽減される可能性があると示されています。また、慢性的な痛みへの対処法となり得るほか、気分障害や不安障害のある人にも効果が期待されています。2 ストレスのかかる状況に対処するのが楽になるというマインドフルネスの可能性を研究した例はいくつかあり2 、定期的にマインドフルネスを実践することで、特にストレスのかかる状況において、より高い集中力や注意力を発揮できるようになると考えられています。 私たちをマインドフルネスから遠ざけるものとは マインドフルネスにこんなにたくさんの効果が期待できるのなら、もっと多くの人が毎日実践していても良さそうなものですが、他のあらゆることと同様マインドフルネスもまた意のままに使えるようにするには相応の努力と練習が必要です。 簡単な方法をいくつかご紹介しますので、自分自身や身近な人々に対して、よりマインドフルな接し方を心がけてみて下さい。 マインドフルネスの実践 呼吸に意識を集中させるマインドフルネスの練習は、瞑想の初心者に定番のタスクとして知られています。 基本的なやり方を説明しますので、試してみて下さい。まずは邪魔の入らない静かな場所を見つけて(携帯電話やテレビなどは電源をオフに)、しばらく快適に座れる快適な姿勢をとり、ひとつひとつ呼吸を追っていきます。自分がどのように息を吸って、どのように息を吐いているかに意識を向けて下さい。そして、お腹が上がったり下がったりする感覚を心の中でたどりながら、10分ほど自然な呼吸に集中します。 説明を読んだだけでは、呼吸のような当たり前に、しかも普段無意識にしていることがマインドフルネスの入門にどう役立つのか、ピンとこないかも知れません。それでも実際に始めてみると、ただの呼吸に意識を集めることが課題として充分であることにすぐ気が付くはずです。あなたの思考は、何度も何度もさまようでしょう。夕食は何にしよう、あのメールの返信がまだだった、お弁当の用意はできているだろうか、等々。 これはマインドフルネスの始めにはよくあることです。大抵の人にとって、心を占めている何かから離れるのは難しいものです。 次に、心は日々の生活によって条件付けされていることも理解しておきましょう。より限られた時間でより多くの情報に接する現代、たった一つのことに集中するということ自体が私たちにとっては馴染みのないものになっています。呼吸のように普段意識せずにやっていることとなると、特にそうです。心がさまよったのなら、心がさまよっていたとそのまま認めた上で、呼吸に集中することに意識を戻して下さい。大切なのは、集中力の切れたことを不満に思わずに続けることです。気が散っているという心の状態に気付くこと自体が、マインドフルネスの実践ができた瞬間なのです。覚悟を決めて、呼吸に集中できるようになるまで何度でも行って下さい。 普段からできるマインドフルネスのエクササイズ もう少し工夫して、日常的に行っている反復的作業を活用すると、実生活に取り入れやすくなります。例えば、歯磨き、着替え、靴の脱ぎ履き、手洗い、階段の上り下り、人の話に耳を傾ける、といったことが良い機会になります。 おそらく、ここで歯磨きを意識することがどう役立つのかと疑問に思われたことでしょう。先ほど挙げたような動作に意識を集中させることで、思考に引きずられて今ここではないどこかへ飛んでいかないように練習するのです。反復作業に意識を集める練習を繰り返すうちに、今この瞬間に自分がやっていることに集中する能力が高まります。そして、自分の行動や発言、思考をより深く理解できるようになります。単純な反復作業は練習にぴったりです。その積み重ねで、より困難な状況でも意識の力を発揮できるようになるはずです。 日々の生活がよくもたらす課題は、誰にでもあるでしょう。対処しにくい気難しい人、プレゼンテーションの出番、要求の多い家族…そんな状況でもマインドフルでいられたら、より意識的な対処ができる気がしませんか。最初のうちは、後になってから別の可能性を考えてしまうかも知れません。それでも日常の中でマインドフルネスの練習を続けていれば、難しい状況でもよく理解して、より積極的なアプローチをしたり、いつもより少しだけでも合理的な反応をしたりと、自分だけでなく周りの人たちにとってもより良い流れを作ることができるでしょう。 今日では、様々なアプローチでマインドフルネスを学ぶことができます。着眼点やテクニックにはそれぞれ若干の違いがありますが、自分の費やせる時間と個性に合った方法を選ぶとよいでしょう。興味があるなら、オンラインで検索し、レッスンを探すのも一案です。ちょっとした練習でマインドフルになる機会を増やして、穏やかな心を見つけて下さい。 https://www.apa.org/monitor/2012/07-08/ce-corner [↩]https://www.psychologytoday.com/gb/blog/compassion-matters/201303/benefits-mindfulness [↩] [↩] [↩]