ビタミンやミネラルが必要な理由 – マグネシウムの場合
各種のビタミンとミネラルは、私たちの健康全般において重要な役割を果たしています。
体の最適な機能のためには、あらゆる種類の栄養素を適切な量で摂取することが大切ですが、マグネシウムはミネラルの中でも特に軽視されがちです。マグネシウムは地殻に多量に存在します。よって、すべての生物の代謝プロセスに組み込まれているのも不思議なことではありません。 1 マグネシウムは何百もの酵素の仕組みに関与しています。研究により、重篤な病気にかかっている人にはマグネシウムの欠乏がよく認められることが分かっています。 2
マグネシウムの必要量とは
イギリス国民医療サービスのガイドラインでは、男性は1日300mg、女性は1日270mgのマグネシウムが必要とされています。3 マグネシウムは、ほうれん草、かぼちゃの種、ナッツ類、全粒粉パン、ダークチョコレート、脂肪分の多い魚、アボカドなどから摂取することができます。あるいは、高品質のサプリメントで確保してもよいでしょう。
マグネシウムが健康にもたらすメリット
マグネシウムは、食べ物をエネルギーに変える働きを補助することで、エネルギー増進に寄与します。また、筋肉の収縮と弛緩、アミノ酸からのタンパク質の形成を助け、脳や神経系にメッセージを送り、神経伝達物質を調整する働きもあります。
運動パフォーマンスの向上に
マグネシウムは、筋肉中を血糖が移動しやすいように助け、運動中に蓄積されると痛みや疲労の原因となる乳酸の除去をサポートします。研究によると、運動の強度によるものの、運動時には安静時よりも10%~20%も多くのマグネシウムが必要になることが示されています。 4
よりよい睡眠を促す
マグネシウムは睡眠促進のプロセスに影響を与える可能性があり、よく眠れない人はマグネシウムを多めに摂取するとメリットが得られると示した研究があります。5 マグネシウムが不足すると眠りが浅くなり、不眠症に至る可能性があることも分かっています。 6 さらにマグネシウムは、睡眠と覚醒のサイクルを合わせる役割を持つホルモン、メラトニンの調整にも役立ちます。
リラックスにも
マグネシウムは副交感神経を活性化することが明らかになっています。副交感神経は、体を落ち着いた、リラックスした状態にする役割を担っています。 7 また、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体に結合します。GABAは神経の活動を鎮める神経伝達物質です。
様々な健康効果があるマグネシウムは、積極的に摂取する価値のあるミネラルです。ナッツ類、種子類、穀物類など、マグネシウムを多く含むホールフードをしっかりと食べて、必要なマグネシウムを摂取し、全身の健康をサポートしましょう。こういった好ましい食品が苦手な場合は、良質なサプリメントの利用を検討して下さい。
- https://www.annualreviews.org/doi/abs/10.1146/annurev.me.32.020181.001333?journalCode=med [↩]
- https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0885066604271539 [↩]
- https://www.nhs.uk/conditions/vitamins-and-minerals/others/ [↩]
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17172008/ [↩]
- https://link.springer.com/article/10.1023/A:1012790321071 [↩]
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23969766/ [↩]
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27933574/ [↩]