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きちんと食べる

食事にローフードを

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体を自然に丈夫にする

生で食べるローフードは本当に体に良いのでしょうか。それとも単なる流行なのでしょうか。ミキサーやジューサー、スライサーで用意された食事に懐疑的な人は少なくありません。料理と言えばフライパンや鍋を引っぱり出すか、オーブンのスイッチを入れるものという印象があるせいでしょうか、茹でたり、揚げたり、焼いたりする必要がない食べ物もあるという事実はしばしば見落とされています。私たちには、高熱調理で寄生虫やバクテリアを殺す習慣が根付いています。当然ながら、肉類、特に鶏肉ではこの加熱処理が欠かせません。一方、ある種の果物や野菜など、完全に生のままで食べられる食品もあります。普段からすべての食材に火を通しているのなら、自然のもたらす最高の栄養素の多くを逃しているかも知れません。他の様々な食事法と同様、ローフード食でもバランスが重要です。ローフードしか食べない、と限定してしまうとあまり健康の役に立たない 1 ようですが、高い比率でローフードを取り入れてバランスの良い食事にすると、とてもヘルシーな食生活ができます。

ローフードとは

ローフードは加熱の上限を42℃としているので、コンロや調理家電をほとんど使わずに済みます。ローフードについてあまり知らない人は、あらゆるものを諦めなければならないのだろう、と予想しがちです。あなたもその一人ではないでしょうか。実はローフードは非常にバラエティ豊かです。ギーセンのローフード研究所は、ローフード食を全体もしくは大部分が未調理の植物性食品(ときには動物性食品も可)でできているもの、としています 1 が、ローフードにどこまでこだわるかは個人の自由です。

生のものしか口にしないと決めている人もいますが、そうでない限りは、加熱調理したものと生で食べるものの健康的なバランスを探りながら、少しずつ食事を改善していく方が現実的でしょう。ローフードはしばしば、ベジタリアンやヴィーガンのためのものと思われています。

ところがローフードの取り入れ方にはバリエーションがあり、ローヴィーガン、ローベジタリアンだけでなく、ローフードに肉や魚を組み合わせる方法もあります。

  • ローヴィーガンは生の植物性食品しか食べません。
  • ローベジタリアンは、生の乳製品や卵も食べることがあります。
  • 肉や魚も食べるローフード食では、ツナやカルパッチョ、タルタルのようなメニューも取り入れます。空気乾燥させた干物やハムを食べることもあります。

ローフードは生のままか、42℃以下で調理して食べます。つまり、ホールフードをなるべく自然な状態で食べることにもなります。

ローフードと調理済み食品の違い

加熱調理には、茹でる、揚げる、焼く、殺菌処理など様々な方法がありますが、ローフードは生の状態で食べます。加熱調理をするかしないかで、体への影響はどのように変わってくるのでしょうか。生で食べることの健康上のメリットとは何なのでしょうか。

重要な微量栄養素は、40℃前後になると変化し始めます。茹でたり焼いたりしている間に壊れるビタミンもあれば、体内での吸収が妨げられるほど変化してしまう物質もあります。また、食品を高温で調理すると、望んだ風味になっても、そのために不要な物質が生じてしまうことがあります。例えば、アクリルアミドという物質がそうです。2 過剰摂取しない限りさほど危険ではないかも知れませんが、それでもこのような化合物はできるだけ控えたいものです。調理時に生じるアクリルアミドを最小限に抑えるには、カリカリになるまで待たず、こんがりとキツネ色になる程度にするのが良いとされています。2

それなら、有害な物質から体を守るためにも加熱調理を完全にやめてローフードに切り替えてしまおう、と思った方もいらっしゃるかも知れませんが、それはそれで偏ったバランスの悪い食事になってしまうのでおすすめしません。生と加熱調理の両方を組み合わせて、バランスのとれた食事を目指しましょう。害になるものを避けつつ幅広い栄養素を確保できるよう、程よい食べ方を見つけて下さい。3

ローフードを健康的な範囲で取り入れるには

ドイツ栄養協会では、1日に野菜を3ポーション、果物を2ポーション食べることを推奨しています。1ポーションの目安は自分の手の大きさです。4 このキャンペーンは「ファイブ・ア・デイ」とも呼ばれ、健康的な食生活を送る上で欠かせないものとなっています。では、これを考慮に入れてローフードに親しむのなら、実際どの程度の量が健康的と言えるのでしょうか。

ドイツのギーセン大学の研究で示されているように、ローフードだけですべての栄養素の必要摂取量を網羅することはできません。5 体に必要なものをすべて摂取したいのであれば、ローフード一辺倒は避けるべきです。ドイツ栄養協会では「ファイブ・ア・デイ」と照らし合わせて、成人の場合1日に摂取すべき野菜約400gのうち、200gは生かサラダで、200gは加熱調理して食べるべき、としています。加えて果物(通常生で食べることが多い)を約250g食べれば、1日分として適度になるということです。4 ローフードの利点を活かしつつ、加熱調理したものと組み合わせるのがポイントです。

ローフードのヘルシーな点:いつもの食事でローフードを増やすべき理由

1.ローフードは低カロリーで栄養たっぷり。

2.ビタミン、ミネラル、食物繊維、植物二次代謝産物のような貴重な物質が調理済みの場合よりも豊富。

3.ヘルシーなローフードに含まれるフリーラジカルは調理済みの場合より少量。

ローフードの質 – 自然な状態でも質が重要

果物や野菜がヘルシーなのは、ビタミン、ミネラル、食物繊維、植物二次代謝産物を豊富に含んでいるからです。あえて調理しないでおくことで、貴重な栄養素がそのまま食品中に残ります。ですから、ローフードを食べると、自然がもたらすものを最高の状態で体に取り込むことができるのです。

ローフードの豊富な栄養

  • ビタミン類、例えばビタミンC

ビタミンCは、免疫系の健康や新陳代謝などに貢献します。ただし、このビタミンは水溶性です。6 ホウレンソウやトマトはビタミンCが豊富な食材ですが 7 調理すると栄養素が失われ、生で食べた場合に劣ることになってしまいます。

  • ミネラル、例えばカルシウム

カルシウムは体内に存在する量からも非常に重要なミネラルで、特に骨や歯の維持に貢献しています。8 カルシウムを豊富に含む食事は、多くの人にとって重要です。カルシウムは、ブロッコリーやケールなどの緑の野菜にも含まれています。 8 野菜から摂取できる栄養を最大限に活用するには、生や加熱調理で変化をつけながら食べるとよいでしょう。

  • 食物繊維

食物繊維は調理済みかどうかに関わらず、満腹感を持続させる働きがあります。よって、ローフードは腹持ちが悪いという印象は的外れです。ニンジンやコールラビ(カブカンラン)を生で食べるなどの工夫で、日々必要な量の食物繊維を摂取しましょう。 9

  • 植物の二次代謝産物、例えばカロテノイド

植物二次代謝産物は、多くの代謝過程に好ましく働きかけます。ドイツ栄養協会では、抗酸化物質の摂取量をできるだけ増やせるよう、生で食べられる野菜、果物、ナッツ類を幅広く食事に取り入れるよう推奨しています。できれば種子類、豆類、ジャガイモや非精白穀類を組み合わせて、バランスのよい食事をして下さい。 10

酸化ストレスから身を守るために

食品を調理すると、フリーラジカルが発生することがあります。フリーラジカルという代謝中間体は非常に反応性が強く、体細胞を損傷する可能性があり、病気との関連性が続々と確認されています。11 果物や野菜など調理せず生の自然な状態で食べることで、フリーラジカルの過剰摂取を抑えることができます。

体を守るために、抗酸化作用のある栄養素の摂取量を増やすようにしましょう。例えば、亜鉛、セレン、ビタミンCは、酸化ストレスから細胞を保護する働きがあります。ローフードを導入することで、体が吸収できる栄養素の量が変わってきます。

生でおいしく — 自然な甘みと風味がいっぱい

私たちは普段、味を基準に食べたいものを選んでいます。トマトソースのパスタ、カレーライス、彩り豊かな野菜炒めなど、想像しただけでほっぺが落ちそうになるものがいくつかあるでしょう。そんな料理の多くは、材料を準備した後に茹でたり、炒めたり、焼いたりして作られます。毎週のように自分で作って食べている人でも、お気に入りのレシピのおいしさを損なうことなく、ローフードを食事に取り入れて変化をつけることはできるのでしょうか。

答えはもちろん、可能です。ローフードの世界には、想像以上の選択肢があります。次に買い物に行ったら様々な種類の野菜を手に入れて、コンロや家電を使わずに食事の支度をしてみて下さい。シャキシャキとしたニンジンやピーマンの自然な甘みほどおいしいものはないことに気づくはずです。新鮮なセロリも美味です。サラダに混ぜたり、ワイルドハーブのディップをつけてかじったりしましょう。加熱する手間がかからないので、これほど手早く食事ができるなんて、と驚くに違いありません。

食卓にローフードを取り入れるレシピはインターネット上にたくさんあります。例えば、コールラビのトルテリーニはご存知でしょうか。トルテリーニは茹でるもの、という先入観を捨ててみましょう。コールラビを小麦のパスタに詰めるのではありません。ごく薄くスライスするだけで、生で食べられるトルテリーニの生地になります。お好みの具材を包んで折りたためば出来上がり、とても簡単です。お皿に盛りつけると見た目にも美しく、おいしく楽しめるローフードです。ぜひご自身でやってみて下さい。おいしくヘルシーな食事がローフードでできるということがすぐに分かるでしょう。

生で食べてはいけないもの

ローフードを食べてみれば、お気に入りのレシピにもローフードによるアレンジを加えてみよう、という意欲が湧いてくるでしょう。いろんなお料理でバージョンアップを試みて下さい。ただし、生で食べてよい食材かどうかは事前にチェックする必要があります。例えば、豆類や穀物、ジャガイモなどは、生で食べるべきではありません。

豆類に含まれるレクチンという物質を破壊するには、加熱調理が欠かせません。12 大豆、ヒヨコ豆、レンズ豆など豆類は必ず加熱してから食べるようにしましょう。豆つきのもやしも同様です。エンドウ豆は他の豆類よりレクチン含有量が少ないものの、難消化性繊維が多いので、やはり生で食べるべきではありません。13

ローフード派の方でも、十分な準備をせずに穀類を食べるのは避けた方が良いでしょう。それはなぜかというと、穀類に含まれるフィチンには体内のミネラル吸収を阻害する働きがあるからです。14 穀類は挽いたり数時間水に浸したりすると消化しやすくなります。

ジャガイモには、ソラニンと呼ばれる苦くて毒のある物質が含まれています。この物質は主に皮に含まれていますが、長期保存したり、保管中の温度が高かったりすると、皮より内側へ移動することがあります。ソラニンは熱湯で茹でないと除去できません。15

ローフードのレシピ例

私たちは皆、多忙な毎日を送っています。慌ただしい日々の生活の中、栄養価の高い食事を一から準備する時間がいつもあるとは限りません。ストレスの重なった日には、オーブンに入れるだけの冷凍ピザや、電子レンジで温めるだけの出来合いの食事に頼ることもあるかも知れません。実は、まともに料理をする時間がないと思った時こそ、ローフードを試してみるチャンスです。短時間で用意できるのもローフードの魅力です。栄養価の高いヘルシーな食事やおやつが、あっという間にできます。

ローフード初心者を応援するために、おいしく楽しめるレシピのアイデアをいくつか集めてみましたので、参考にして下さい。アレンジはあなた次第です。

ローフードをたっぷりと取り入れたレシピ:

  • 朝食にはおいしいスムージーフルーツを。完熟したジューシーな桃をひと口食べれば、一日の始まりは最高のものになります。スムージーとフルーツをシリアルに加えた、スムージーボウルも簡単です。見た目だけでなく、味も最高です。スムージーのレシピをご参照下さい。
  • ランチには、ローフードの定番、サラダがおすすめです。紫キャベツ、マッシュルーム、ナッツ類といった生の食材で風味を加えれば、あっという間においしいランチになります。
  • 午後のおやつにはチョコレートも魅力的ですが、ワカモレ(アボカドのディップ)とパプリカがおすすめです。
  • スパゲッティはあまり好きではないけれど、ズッキーニに興味があるのなら、新鮮なズッキーニをパスタがわりに使ったディナーはいかがでしょう。これはスパイラル状に切れるカッターやスライサーがあれば簡単です。ローフードを取り入れたいなら、道具を手に入れておくと便利です。ソースは通常のパスタと同じようにお好みで選んで下さい。サーモン、バジルペスト、たっぷりの野菜など、色々と試すのも楽しいものです。

ローフード初心者のためのヒント

  • 一気にローフードに切り替えてはいけません
  • よく洗ってから食べましょう
  • ローフードはゆっくり、よく噛んで食べること

先述のレシピですでに発想が広がっているかも知れませんが、さっそくローフードを健康に役立てよう、と思ったとしても、あまりにも急激な変化があると、体がびっくりしてしまいます。ローフードは部分的に取り入れて、少しずつ増やしていくようにしましょう。

また、野菜はもちろん他のローフードも、食べる前にしっかりと洗うようにしましょう。そのままの状態では栄養は減りませんが、細菌もまた減ることはありません。細菌ごとお皿にのせるようなことをしてはいけません。

よく噛んでゆっくり食べるのが重要なのは、子どもの間だけではありません。ローフードを食べるなら、きちんと消化するためにもこの点を忘れないようにしましょう。 16

鍵はバランス – ローフードと調理済み食品の組み合わせ

健康的な食生活を送るためにはバラエティ豊かな食品を食べることが重要です。どのような食べ方をするかは、自分のライフスタイルに合わせて決めて下さい。肉、魚、乳製品を食べるにしても、ベジタリアンやヴィーガンになるにしても、高い比率でローフードを取り入れるのが賢明です。健康維持に必要な幅広い栄養素をしっかりと、しかもおいしく摂取できるでしょう。ローフードを始めたら、ヘルシーなだけでなくおいしく楽しい世界が広がります。

  1. https://www.uni-giessen.de/fbz/fb09/institute/ernaehrungswissenschaft/prof/nutr-ecol/forsch/forsch-epid/gi-rohkost-studie [] []
  2. https://www.bmel.de/SharedDocs/Downloads/DE/Broschueren/ErhitzenUnerwuenschteStoffe.pdf [] []
  3. https://www.bzfe.de/inhalt/schadstoffe-im-essen-vermeiden-1887.html []
  4. https://www.dge.de/ernaehrungspraxis/vollwertige-ernaehrung/5-am-tag/ [] []
  5. ttps://www.uni-giessen.de/fbz/fb09/institute/ernaehrungswissenschaft/prof/nutr-ecol/forsch/forsch-epid/gi-rohkost-studie []
  6. https://www.gesundheit.gv.at/leben/ernaehrung/info/vitamine-mineralstoffe/wasserloesliche-vitamine/vitamin-c []
  7. ttps://www.dge.de/wissenschaft/weitere-publikationen/faqs/vitamin-c/ []
  8. https://www.dge.de/wissenschaft/weitere-publikationen/faqs/calcium/ [] []
  9. https://www.dge.de/presse/pm/mehr-ballaststoffe-bitte/ []
  10. https://www.dge.de/presse/pm/sekundaere-pflanzenstoffe-und-ihre-wirkungen-auf-die-gesundheit-farbenfrohe-vielfalt-mit-potenzial/ []
  11. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7704185 []
  12. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7704185https://www.dge.de/presse/pm/ein-hoch-auf-huelsenfruechte/ []
  13. https://www.dge.de/presse/pm/ein-hoch-auf-huelsenfruechte/ []
  14. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4325021/ []
  15. [1]https://www.dge.de/wissenschaft/weitere-publikationen/fachinformationen/solanin-in-kartoffeln/ []
  16. https://www.daab.de/ernaehrung/darm-im-fokus/wie-funktioniert-verdauung/ []