セロトニン:幸せの化学物質
私たちの体内に存在する化学物質(正確には4つの神経伝達物質)が幸福度に影響を与えることをご存知ですか。
セロトニンは、これらの不思議な神経伝達物質のひとつで、(ドーパミン、オキシトシン、エンドルフィンとともに総称して)「幸福の化学物質」と呼ばれています。具体的には、リラックスして落ち着くという感覚、気分に関連しています。
セロトニンは主に腸で生成される化学伝達物質で、全身に情報を伝達するように設計されているだけでなく、脳と直接つながる性質があります。つまり、セロトニンの濃度は、幸福感の大小を左右する可能性があるのです。
さらに詳しく見てみましょう。
セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸によって作られます。トリプトファンは体内でまず5-HTPに変換され、最終的にセロトニンになります。ですから、トリプトファンはこの神経伝達物質の構成要素になるというわけです。
セロトニン量が低下すると、次のような症状が現れることがあります。
- うつ
- 不安
- 衝動的な行動
- イライラ
- 睡眠障害
- 好ましくない選択
では、セロトニンが減る原因は何なのでしょうか。
研究はまだ進行中ですが、腸の健康と深い関連性があると考えられています。
セロトニンは腸内細菌叢の影響をかなり受けます。乏しい食生活、善玉菌の不足、抗生物質の過剰使用はいずれも、セロトニンの生成に支障を生じる可能性があります。
セロトニンを健康的な水準に維持できるよう、以下のようなセルフケアを実践してサポートしましょう。
- 腹式呼吸
- 瞑想
- ヨガ
- 森林浴
- 有酸素運動
- マッサージ
- 外に出て太陽の光を浴びる(1日10~15分以上が理想的)
- プレバイオティクスやプロバイオティクスなど、健康な腸内細菌叢に必要なものが豊富な食事をする
- トリプトファンの豊富な食品を、吸収の良い炭水化物と一緒に食べる(七面鳥とチーズのサンドイッチ、玄米のサーモン丼など)
- 抗生物質の使用を慎重にする
- 5-HTPのサプリメントを利用する
また、一般的な抗うつ剤SSRIは、セロトニンを枯渇させないよう脳に働きかけ、代わりに体内でセロトニンを再利用するように促す作用があります。これは、深刻なうつ病に有効です。
幸せには、ライフスタイルや身体的、精神的な様々な要因が関与していますが、セロトニンも重要な役割を担っています。
ヘルシーな食事と積極的なセルフケアでセロトニンをサポートし、気分を高めましょう。きっと、笑顔でいられるようになります。