世界の Lifeplus

いつまでも アクティブに

中高年の体力づくり

Reading Time: < 1 minute

中高年の体力づくりに運動が重要である理由

年を重ねても運動が重要なのは、体力維持が心身に多くのメリットをもたらすからです。シニア層では負荷が軽く効果の高い運動方法としてはヨガが人気ですが、解決策となるものはそれだけではありません。太極拳やウォーキング・クラブ、水泳、瞑想なども検討してみましょう。

加齢と運動

加齢のプロセスを止めてしまうことはできませんが、定期的な運動と適切な食事、支え合える社会的な関係、そしてポジティブな展望を心掛けることで、老化を大幅に遅らせることは可能です。5,000人以上の成人を対象に加齢と運動の効果について研究したところ、定期的に運動している人は、座っていることが多くあまり動かずに生活している人よりも、細胞レベルまで若いことが突き止められました。染色体の端を守るテロメアは、定期的に運動する人のほうが顕著に長かった、というのです。また、テロメアが短いと10年分の加齢が現れるとも推定されています。1

テロメアは、靴ひもの両端にある小さなプラスチックの鞘に例えることができます。その役割は、靴ひもが端から擦り切れてしまわないように守ることです。それでも時間の経過とともに摩耗し、やがて靴紐はその役割を終えます。私たちの体内では、テロメアが劣化すると細胞の老化が進んで細胞死に至ります。これが加齢現象のもとになっています。

運動のもたらすメリットとは

定期的な運動が重要なのは、細胞の老化に対抗するだけでなく、他にもたくさんのメリットがあるからです。運動は筋肉量の維持を助けてくれます。また、蓄積された脂肪を減らし、エネルギーを増進し、気分を向上させます。さらに、可動域の維持、痛みの軽減、自信の向上、転倒防止など、様々な効果が期待できます。つまり、アクティブでいれば、シニアになっても好きなことを楽しみながら生きていけるというわけです。

自分の目標や個性に合ったアクティビティを見つけることは大切です。ヨガを楽しいと思えない人が毎日クラスに通うことは困難です。お友達と一緒に近所をウォーキングするほうが楽しいと思うなら、ヨガの代わりにそうすればよいでしょう。自分で選んだアクティビティを楽しんでいれば、長続きする可能性が高くなります。

好きなことをして楽しむ、それだけのことで1日幸せな気分でいられるという利点もあります。また、体を動かすと、気分を良好にする物質が体内で生成されて、人生に対するポジティブな姿勢にふさわしい気分や考え方が維持しやすくなります。年齢を重ねるにつれて、ポジティブ志向を維持しにくくなるのはよくあることです。特に、運動をせず、体が弱ってしまうと気持ちが望ましくない方向に向かいがちです。体力づくりを心掛け、心身共に健康的でいられるようにしていれば、よりポジティブな感情や体験が引き寄せられてきます。この原則に年齢は関係ありません。

運動のタイプ

最大限の成果を有効に得るには、数種類のアクティビティをルーチンにするのがおすすめです。異なる動作をこなせば、全身を存分に動かすことができます。中高年になってからの体力づくりに向いている楽しいアクティビティの例をいくつかご紹介しましょう。

太極拳

太極拳は動作がゆっくりしている点と衝撃性が低い点でヨガに似ています。たいていは指導者のいるグループで行われています。ヨガも太極拳も、バランス維持能力と筋肉強化に有効です。いずれも高齢になったときの可動性維持と転倒防止の鍵となる要素です。運動の効能に関する研究では、日常的に太極拳を実践することで、転倒のリスクのあるシニアが50%近くもそのリスクを低減できたということです。太極拳は、自力で立てない、あるいは歩けない高齢者にもアレンジ次第で楽しめるエクササイズです。2

水泳

水泳、水中歩行、水中エアロビクスといったエクササイズは、転倒のおそれがあるシニアにぴったりの選択肢です。水中では浮力が働くので、安全な環境で筋肉を動かすことができます。また、水の抵抗があるため、筋力を強化し筋肉を増やす効果も期待できます。水泳は有酸素運動と筋力トレーニングを兼ねた効率的な運動方法です。衝撃性が低いので、関節炎や関節痛のある方にもおすすめです。

ウォーキング

ウォーキングは、足に合った靴さえあれば他に特別な道具を必要とせず、どこででも楽しめる簡単で効率の良い運動です。ウォーキング・クラブに参加すれば血液の循環が良くなります。これは脳の活動にも有益です。また、他の人たちと一緒に歩くので、思わぬ事故があっても助け合えるといった意味で安全性が高まります。加えて、何となく腰の重いときでも、仲間が待っていると思えば出かける気になれるものです。歩きながら友人と話をするのは、脳に良いことです。人との会話は健康的な認知機能を維持する最善の方法のひとつなのです。社交を兼ねたウォーキング・クラブの活動は、孤独を防ぎ、気分を全般的に高めてくれます。

機器を用いたエクササイズ

サイクリングは好きだけれど路上を走るには不安だという方は、エアロバイクを試してみてはいかがでしょうか。自宅やジムの安全な環境で、転倒の心配なく同等のエクササイズができます。思わぬところに突然現れる穴や障害物を気にする必要もありません。スキー、階段昇降、ジョギング、ローイングも固定器機を利用して楽しめます。屋外で体を動かすのと同じくらいの運動ができるだけでなく、大抵の機器に手すりや心拍モニターなどの安全装置が付いています。

ウエイトトレーニング

一般的に成人は30代後半から40代にかけて加齢による筋肉の損失が始まります。アクティブとはほど遠い生活をしていると、10年ごとに5%の筋肉が失われていきます。何の対策もせずにいると、可動性が制限されたり、バランス調整がうまくいかなくなったり、転倒のリスクが高まったりします。加齢に伴う筋肉の減少を防ぎ、失った筋肉を取り戻すには、筋肉に負荷をかける運動が必要です。ジムでウェイトトレーニングや水泳をしてもよいですし、食料庫にある缶詰をウエイトのかわりに上げ下げしても構いません。高齢になってからでも、筋肉をつけることはできます。また、すでにバランス調整に不安があって座っていることが多い場合は、ゴムバンドの抵抗を利用したエクササイズなら気軽に筋力トレーニングを始めることができます。3

運動が重要な理由はたくさんあります。運動が加齢にどのように役立つのか理解が深まる一方で、様々な形の運動が可能になっています。新しいタイプの運動を試してみるなら、今が絶好のチャンスです。

  1. Larry A. Tucker.“Physical activity and telomere length in U.S. men and women:An NHANES investigation.” Preventive Medicine, July 2017, Vol. 100. []
  2. Lomas-Vega, R., Obrero-Gaitán, E., Molina-Ortega, F. J. and Del-Pino-Casado, R.(2017).“Tai Chi for Risk of Falls.A Meta-analysis.” J Am Geriatr Soc. doi:10.1111/jgs.15008. []
  3. www.webmd.com/healthy-aging/guide/sarcopenia-with-aging#1 []