体の強化と調整 – とても重要なのに見過ごされがち
筋トレというと、ボクサーやレスラーのように、特別強い筋力を必要とする人がやることと思われがちですが、実は、スポーツの好きな人も苦手な人も、筋力強化とコンディションの調整に力を入れることでメリットが得られます。
強化と調整には、自分の体重を利用するものや、様々な器具を使って行うものがあり、動作や健康、身体能力を向上させることができます。より具体的には、以下のような効果も期待できます。
機能全般と運動能力、パフォーマンスの向上
強化調整の主な目的は、体力をつけ、全体的な動きを向上して運動能力を高めるスキルを身につけることです。エクササイズではしばしば体幹を鍛えることを重視します。体幹がしっかりしていれば、他の筋肉にエネルギーを伝達し、より効果的でパワフルな筋収縮を可能にできるからです。強化調整の優れたプログラムは、自分の能力を最大限に引き出すうえで重要な分野を特定しながら、長期的にパフォーマンスを向上させていきます。
より良い動きを可能に
強化と調整は、バランス、コーディネーション、姿勢など、ボディメカニクス全般を向上します。ある研究では、転倒の危険性が高い高齢者に筋力トレーニングを行うと、その危険性を約40%低減できることが示されています。 1
姿勢の改善に役立つ
ボディメカニクスが改善されると、体を支えている筋肉が強化され、姿勢が良くなります。座りっぱなしになるライフスタイルが増えている現代、アスリートだけでなく、すべての人がこの恩恵を受けることができるのは明らかです。さらに、姿勢が良くなると呼吸器系や循環器系など他の身体機能の改善にも役立つという研究結果も出ています。 2
怪我のリスクを減らす
強化と調整に着目した動き方のテクニックを導入し、自分の動きをよく見て正しく動けているか確認しながらバランスをとるようにすることで、怪我を防ぐことができます。これはアスリートに限らず非常に有益です。誰だって、痛みを感じなくて済むならその方が良いでしょう。
しっかりとした基礎を作るには
アスリートの場合パーソナルトレーナーの指導を受けるという選択肢がありますが、自宅でできる強化調整エクササイズもたくさんあります。高価なジムに通う必要はありません。自分のペースで気軽にできて、全身にメリットをもたらすトレーニングを行うことができます。まず最初に、心拍数を上げるためにウォーミングアップをしましょう。5分間の早歩きやジョギングをしながら、腕や脚などの筋肉をぐるぐる回してほぐします。
初心者の方は、以下の4つの簡単なエクササイズから試してみて下さい。いずれも道具は必要なく、自分の体重だけでできるエクササイズです。
ランジ
ランジは、腰から大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部、ふくらはぎまで、下半身の筋肉を鍛える運動です。
ランジのやり方:
- 足を肩幅に開いて立ち、背筋を伸ばします。
- 右足を前に大きく踏み出し、右膝が90度の角度になるまで腰を落とします。左膝から下は地面と平行になるようにします。ポイントは右膝が右のつま先より前に出ないように注意することです。
- 背筋をまっすぐに立てます
- この姿勢を5秒ほどキープ
- 右足を元の位置に戻します
- 左側も同様に行います
スクワット
スクワットは主に臀部と脚の筋肉に働きかけますが、体幹や背中、肩の筋肉も強化できます。
スクワットのやり方:
- まっすぐに立ち、足をヒップより少し広めに開きます
- ゆっくりと腰を落としていき、スクワットの姿勢をとります
- 腰を上げて立ち上がります
- 以上を繰り返します
プランク
プランクは体幹の強さと安定性を高めるのに最適です。また、背中や胸、肩の筋肉を鍛えるのにも役立ちます。
プランクのやり方 :
- 床に膝をつき、両手と前腕部を床につけます
- 前腕とつま先だけで体を支え、まっすぐに保ちます。腰が落ちないように、お尻をキュッと締めて腹筋に力を入れて下さい
- プランクの姿勢をできるだけ長く保ちます。体力がついてくれば、保てる時間が長くなります
どのエクササイズも、自分の体力や能力に合わせてアレンジすることができます。スクワットが1回できるか100回できるかは重要ではありません。自分自身に挑戦し、体力がついたときに得られるメリットを享受することを重視して下さい。