ドーパミンと幸福感の関係
大きなプロジェクトを完了したとき、新しいことを学んだとき、設定した目標を達成したときなど、良い気分になったことはありませんか。
その達成感や充実感は、報酬を得るという幸せの一形態です。
これにはしばしば、神経伝達物質であるドーパミンの働きが関与しています。
ドーパミンは、幸福物質と呼ばれる4つの神経伝達物質のうちの1つです。セロトニン、オキシトシン、エンドルフィンとともに、特に幸せを感じるためのメッセージを全身から脳へ送る役割を担っています。
ドーパミンは特に報酬と関連する物質で、気分を高揚させ、イベントへの期待感(デート、家族との時間、休暇など楽しみにする気持ち)を高める働きがあります。
自分の好きなこと、食べたいもの、学びたいことなどを思い浮かべてみて下さい。そうった物事を楽しもうとする気持ちをドーパミンは後押しします。
一方、ドーパミンの不足は、アルツハイマー病、パーキンソン病、依存症(ギャンブル、薬物、買い物など)と関連することが分かっています。また、集中力と注意力を高める効果があるため、ADHDの人をサポートする薬の主成分にもなっています。ドーパミンの量を自然に増やすことで、将来の病気を防ぐことができるかも知れません。
体内のドーパミンを増やすには:
1.チロシンを含む食品を摂取する
チロシンはドーパミンの材料となるアミノ酸の一種です。種子、肉、乳製品、大豆、豆類などの食品に含まれており、ドーパミンの量を増やすのに役立ちます。
また、L-チロシンやL-テアニンなどのサプリメントを摂取してサポートすることもできます。
2.自分をほめる
おいしい手料理を作ったとき、ランニング5kmの目標を達成したとき、頑張った自分をほめてあげましたか。
マッサージを受けるなり、好きな映画を見るなり、発泡酒で乾杯するなりと、自分へのご褒美で楽しくドーパミンを増やしましょう。
3.避けるべき食品を口にしない
加工食品も、砂糖やカフェインが多く含まれる食品も、ドーパミンを減少させる可能性があります。
できるだけ減らすか、食べないようにしましょう。
4.質の良い睡眠をとる
ドーパミンは睡眠と覚醒のサイクルに重要な役割を果たし、注意力にも関係しています。
適切な睡眠がとれていないと、ドーパミンの受容体が減少し、疲労感や全体的な倦怠感に陥る可能性があります。健康的な睡眠習慣を守って、幸福感をサポートしましょう。
5.自分を大切にする
セルフケアはドーパミンのレベルを上げる簡単かつ効果的な方法です。
夜温かいお風呂に浸かる、静かに読書をする、お気に入りのトレイルでハイキングをするなど、自分に合った過ごし方をして下さい。
ストレスに対処し、ドーパミンを増やすためにできることはたくさんあります。
これまでに思っていたよりもずっと身近な方法で、幸福感を高めることができるのです。望ましい食習慣と適切な睡眠、そして健康的なストレス管理を実践すれば、今日からでも上機嫌で過ごせるようになるでしょう。
参考資料:
https://www.longdom.org/open-access/happiness-role-of-dopamine-and-serotonin-on-mood-and-negative-emotions-2165-7548-1000350.pdf
https://www.cedars-sinai.org/blog/science-of-kindness.html