フィットネスと筋力
運動の計画に筋力強化が欠かせない理由とは
体力があるといっても、その実態は様々です。例えば、マラソンを走ることができる人は間違いなく体力がありますが、重いウエイトを持ち上げることはできないかも知れません。一方、重いものを持ち上げられる人は、マラソンを走れないかも知れませんが、それでも体力があると言えます。フィットネスを、持久力、柔軟性、筋力というカテゴリーに大まかに分けて考えてみましょう。
フィットネスと筋力
筋力はフィットネスの4つの柱のひとつです。筋肉の強さは、物を動かしたり持ち上げたりする力に直接影響します。筋肉を増強し、耐久性を高める筋力トレーニングは、どんな運動プログラムにも欠かせません。
筋力トレーニングでは、ある種の抵抗力に対して体を動かします。ジムのマシンやフリーウエイト、ダンベル、ケトルベルなどを使ったトレーニングのほか、器具を使わずに自分の体重だけで行う方法もあります。
筋力トレーニングの重要性とは
調査によると、筋力強化に関連した運動には健康上多くのメリットがあり、筋力が強ければ強いほど、全体的な健康と運動能力が向上することが示されています。 1 その他、主な利点は以下の通りです。
• 疲れを感じることなく運動を楽しめるようになる
• 健康的な体重を維持しやすくなり、体組成(脂肪と筋肉の比率)が向上する
• 気分やエネルギー水準が高まり、睡眠パターンが健康的になる
• 姿勢が良くなり、筋肉が強化されて腰痛が軽減される
• 安定性、バランス、柔軟性が向上し、負傷や転倒が減る
• 運動後もカロリーの燃焼が促進される
• 骨の健康と骨密度の向上
• 脳の健康と認知機能の向上
• 気分、自信が向上し健やかさを実感
筋力トレーニングと病気、慢性疾患
これまでの研究によると 2 、腰痛、関節炎、糖尿病、さらには心臓病など、多くの慢性疾患の症状が筋力トレーニングを含む定期的な運動で軽減されることが示されています。
筋力トレーニングの種類
筋力トレーニングは、自宅でもジムでも、外出先でも行うことができます。ジムに通う場合は、筋トレ用のマシンで様々な筋肉を鍛えたり、サーキットトレーニングやボディパンプなど、ウエイトを取り入れたエクササイズのクラスに参加したりできます。これまで持久力向けと思われていたアクティビティも、筋力トレーニングに適しています。例えば、ランニングやヒルクライム、サイクリングなどは、体を前に進めるために脚の筋肉に負荷をかける運動をすることになります。
筋肉に負荷をかける運動を習慣にすれば、身体や筋肉を強化できます。筋肉を強化する機会は、いわゆる筋力トレーニング以外にも思わぬところに存在します。エレベーターに乗るか、階段を上るか、どちらかを選ベる場合は、階段を使いましょう。食料品の買い物に行ったなら、少し離れた場所に駐車して、荷物をトロリーに載せずに手で持って車まで運ぶようにしましょう。このような工夫を日常のあらゆる場面に取り入れてみると、運動を意識せずとも筋力強化の健康効果を実感できるようになるでしょう。