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学生にとってストレス管理が重要な理由とは

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ストレスとは

生きていれば誰でもストレスを経験します。人生の大きな変化、将来への不安、病気、争いごと、経済的問題などは、いずれも広くストレス要因として認識されています。精神衛生に大きな問題を引き起こし得る例を挙げましたが、全てのストレスが常に悪いものであるとは限りません。実際、ある状況下においては、短期的かつポジティブなストレスが成功や障害克服のモチベーションになることもあります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の大流行を通して、ほぼすべての人、なかでも若い人たちのストレスレベルが上昇しています。

イギリスの慈善団体 Student Minds による2021年の報告書では、「若年層は、教育の縮小、仕事の先行きの暗さ、仲間との社会的接触の減少という三重苦に見舞われ、パンデミック中に特にひどい打撃を受けている」と強調されています。1  

学生は特にストレスを感じやすいのか

ストレスのかかっている学生は珍しくありません。イギリスのNHSは「大学生活は楽しくて刺激的であると同時に、ストレスの多い経験になることがある。新たなスタート、試験、コースワークの締め切り、相性の悪い人との共同生活、将来について考えることなど、ストレスに感じる可能性がある」と述べています。2

様々な要因でストレスや不安に悩まされる学生の割合が高いことは、パンデミック以前から、欧米の数多くの研究により一貫して報告されています。多くの学生がメンタルヘルス上の懸念を打ち明けることに不安を感じ、偏見を持たれるのではないかと感じて支援を求めることをためらっています。

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学生にとってストレスが負担になる理由

大学や専門学校への進学は、人生の大きな転機であるとともに、様々な困難を伴います。課題や締め切りのプレッシャーに適応すると同時に、初めての自立生活に対処していくことになります。新しい街に住み、同居人がいる場合はうまく折り合いをつけることを学び、友達を作り、限られた予算を管理し、勉強とアルバイトを両立させる責任を負うなど、慣れ親しんだ子どもの頃の日常から大人の世界の現実へと急速に適応していく時期になるでしょう。これらの変化はすべて、楽しみであると同時に不安ももたらします。

学生が最もよく挙げるストレスの要因には、次のようなものがあります。

  • 勉強や提出物締め切りのプレッシャー
  • 試験
  • 時間管理の難しさ
  • 過度な飲酒など、不健康な生活習慣
  • 孤独感やホームシック
  • 予算や状況による食習慣の乱れ
  • 経済的なプレッシャーや借金
  • 質の悪い住居
  • 友人関係や人間関係の難しさ
  • 新しい環境への適応
  • 失敗を恐れる
  • 将来の仕事に対する不安

ストレスの兆候に気づくには

イギリスの慈善団体 MIND は、ストレスの一般的な兆候として以下のような感情が頻繁にあることを指摘しています。

  • いら立ち
  • 不安
  • 負担が重いと感じる
  • 楽しめない、未来に期待が持てない
  • 落ち着かない、集中できない、心を休ませることができない

このような感情が重なると、やがてストレスは悪化します。決断ができない、状況に直面せずに逃避する、暴飲暴食をする、友人や家族と疎遠になる、そんな悪循環に入ってしまうのです。また、パニック発作、不眠、筋肉痛、胃痛、頭痛など、身体的な衰弱症状にもつながる可能性があります。ストレスは私たちの感情や身体の健康に害を及ぼします。その兆候を認識し、対処と管理をするための行動をとることが重要です。

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ストレスの原因を解決し、対処するために

学生のストレスは主に以下のように分類できます。

  • 勉強のストレス
  • 居住環境のストレス
  • 社会的ストレス
  • 経済的ストレス

実際に直面している問題が何であれ、ストレスの緩和と管理に役立つ、しかも誰でも身につけられる方法やスキルをご紹介しましょう。

自分で舵取りをしてポジティブでいる
ストレスの主な原因のひとつは、問題が手に負えないものだと感じることです。主導権をとり、恐怖の対象を直視することで、解決策を見出す力が湧いてきます。ポジティブに考えて感謝できることを探すのもストレス対策になります。こちらの方法には、様々なマインドフルネスのアプリが活用できます。

時間を管理する
締め切りが迫ってきて、時間がないときはストレスも積もります。時間管理が苦手な人は、タスク管理のアプリを利用してみましょう。取り組みやすい大きさに分割して整理すると、気負わずに進められます。休息や食事の時間を確保し、緊急かそうでないかでタスクの優先順位を決めてスケジュールを書き出すと、自分でコントロールしやすくなります。

予算の立て方を学ぶ
簡単な表計算ソフトを作成して、お金の出入りを確認しましょう。店頭やネットショップを利用する際は学生割引をチェックして、限られた予算を最大限に活用する方法を考えて下さい。

自分を大切にする
規則正しい睡眠を心がけましょう。一定の時間に寝起きすることで、ストレスホルモンに対抗し、ポジティブな気持ちを維持できます。健康には運動とヘルシーな食事も大切です。アルコールは一時的に解決したような気分になるだけで、精神的にはかえって悪い状態に向かう可能性があります。また、気分が落ち込んでいるときは、ソーシャルメディアから離れましょう。画面上でどんなに輝いて見える人でも、現実はイメージとは大違いであることを忘れないで下さい。読書、音楽鑑賞、ケーキ作りなど、自分の好きなことをする時間を確保しましょう。

打ち明けて助けを求める
友人に相談したり、家族に話したり、大学の厚生サービスに助けを求めたりしましょう。悩みを打ち明けるという一歩を踏み出すだけで、やっていけるという気持ちになったり、別の視点が得られたり、支援の糸口が見つかったりすることがあります。

仲間を見つける
似た境遇や気持ちを共有できる誰かを見つけましょう。人とのつながりを感じて気分が向上し、社会的な支えを得ることができます。クラブや同好会を探すのもおすすめです。スポーツ、音楽、コンピュータ、ゲーム、アマチュア演劇など、どんな趣味でも参加できるグループがあるはずです。

将来に役立てるためにもストレス管理を学ぶ

勉強を通じて今のうちにストレス管理を学んでおくと、将来に役立てることができます。ストレスのかかる状況を脅威ではなくチャンスと捉えると、ストレスを逆手に取ってエネルギーを高め、集中力を研ぎ澄まし、逆境に対処する意欲を得ることができます。時間的なプレッシャーの中で課題を提出する、人前でプレゼンテーションを行う、そういったチャレンジに対してポジティブに応じるたびに、自分の能力を証明し、目標を達成できることを確かめていけるのです。

ストレスのかかる状況を克服し、使いこなす術を身につければ、将来のあらゆるストレスに対処する能力も高まります。ストレスと上手に付き合うことで、次の機会にさらに効果的に対処できるように脳の配線が変わり、レジリエンス(回復力)が鍛えられるのです。また、肉体的、精神的、感情的にも、新しい体験をしながら自分にとって快適な範囲を押し広げていくと、ポジティブなストレスを積極的に受け入れることもできるようになります。成功すればそれだけ自信と意志が強まり、失敗や失望を容易に乗り越えていけます。

健康心理学者のケリー・マクゴニガル博士が2013年に公開した、ストレスのプラス面に関するTEDトークは当時で最も人気のあるプレゼンテーションのひとつとなりました。その内容は、ストレスに対する考え方を変えると、不安感が減って、より有能になれる、というものです。博士は次のように述べています。

「ストレスは虎から逃げるためのもの、と思っているとしたら、それは人生に役立つ対応の仕方ではありません。しかし、ストレスの経験が自分にとって、学び、成長し、力をつけるための生物学的メカニズムであると理解すれば、今度は全く違った理解ができるようになるのです。 7

ストレス管理を学んだ学生は、問題に真っ向から対処し、障害を恐れることなく克服できるようになります。こうした成長が自己に対する信頼感を強め、進歩と利益のポジティブな循環を生み出します。厳しい状況下でも冷静さを保つ方法を学ぶことが、成功や充実感、健康を招くのです。おそらく最も重要なのは、このようなライフスキルが、就職の面接やインターンシップ、やがて社会人になったときに、貴重な財産となることではないでしょうか。

ストレスを減らすには、何から始めればよいか

2020年、WHO(世界保健機関)は、ストレスを感じる人なら誰でも、どこにいてもできるような、実用的な情報、ヒント、テクニックを満載した無料ワークブックを作成しました。

ストレスを感じたらやるべきこと:イラストガイド」では、以下のことを推奨しています。

  1. グラウンディング:集中すること、取り組むこと、注意を払うことを学ぶ
  2. フックはずし:苦しい考えや感情をコントロールする
  3. 価値に沿って行動する:自分にとって重要なことを基準に行動し、周囲の人々や状況にポジティブな影響を与える方法を見つける
  4. 優しくあること
  5. 場所作り: 苦しい考えや状況を避けようとするのではなく、そのための場所を作ってやる 8

覚えておきましょう

  • 助けを求めること
  • 授業をさぼらない、締め切りは守る
  • セルフケアで自分をねぎらう
  • 課外活動に参加する
  • 運動と食事 – 心身の健康維持
  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 友人や家族とのつながりを大切にする
  • 笑って、踊って、楽しんで、バランスをとる

  1. University Mental Health:Life in a Pandemic Listening to higher education communities throughout 2020/2021 []
  2. Student stress []
  3. Mental health statistics: stress []
  4. University students’ strategies of coping with stress during the coronavirus pandemic:Data from Poland []
  5. Undergraduate Student Reference Group []
  6. How to manage stress []
  7. A Stanford psychologist has a simple mental exercise for tackling student stress []
  8. ストレスを感じたらやるべきこと []